原作とは少しずつですが変えていきます。
富田「それは酷くないか?それにどうやったらフラグを移せるんだ?」
すると、ロゥリィが声を上げた。
ロゥリィ「トミタの前でヨウジぃに死亡フラグとやらを立てさせればいいのよぉ。そうすればヨウジぃに移るわ……ってクラタが言ってたわよぉ」
現在、特地方面派遣部隊 第一、第二、第四戦闘団は帝国正統政府軍と共同で帝国ゾルザル軍と戦っている。そして、倉田は通訳として第四戦闘団にいる。
話について行けないレレイ、テュカ、ヤオを代表してレレイが尋ねた。
レレイ「死亡フラグ、とは何か?」
レレイの問いに栗林が答えた……。
テュカ「お父さんに死亡フラグを立たせてどうするのよ!?死んじゃうじゃない!」
青ざめた表情でテュカが叫んだ。
ロゥリィ「エムロイの使徒の立場で言うと死亡フラグなんて関係無いから心配要らないわぁ……でも」
テュカ「でも?」
ロゥリィ「これはチャンスよぉ」
「チャンス?」と、意味の分からないテュカ達が聞き返した。
ロゥリィ「ヨウジぃに例え嘘でも『この戦いが終わったら結婚するんだ』って言わせればぁ、テュカ……いえ、身近にいるわたしぃ達のことをそういう意味で意識させることになるって思わない?」
テュカ「そうかな?」
ロゥリィ「ほんの少しでいいのよぉ。その少しがきっかけになるのぉ」
テュカ「でも、お父さん……自分が死ぬかもしれないのにそんな言葉口にするかなぁ」
ロゥリィ「大丈夫よぉ、ヨウジぃは部下思いだしぃ。自分は寄生されていないことが分かるまでベットで寝てるだけって思ってるからぁ、きっと口にするわぁ」
テュカは富田と栗林を見つつ、「そうかもね」と、答えた。
ロゥリィ「たとえ嘘でも自分が言った言葉に縛られるのよぉ。だから、これはもの凄く意味のあることなのぉ。『嘘から出た実』って言葉もあるでしょ?」
ロゥリィに半ば洗脳されたテュカが大きく頷いた。言葉の重要性を理解したのか、『嘘から出た実』という言葉を何度も呟いている。
レレイがロゥリィの言ったことには無理がある、ということを言っていたが皆から無視されてしまった。
出発の時間が迫っているのか、栗林が「そろそろ行かないと」と、言い、テュカ、そして富田を引きずるように連れていった。
皆が去るとレレイだけが食堂に残された。
レレイはテーブルの上に書類を広げると、作業を始めた。
「どうぞ」と、レレイの前に香茶のカップを置く料理長。
料理長「何かお悩みで?」
香茶を飲み、答えた。
レレイ「難しい問題が山積みしている」
料理長「それは、どうやって皆を納得させるかでしょ?『門』を閉じるのを止めちまえばいいんですよ」
レレイ「そういう訳にはいかない。このままだと大変なことになる」
料理長「それだって今日とか明日ではないんでしょ?だったら今皆が嫌がる事を無理にすることはないんじゃないかって思うんですけどね」
レレイ「問題の先送りは事を大きくするだけ」
料理長「今すぐにしないといけないってことですか?」
レレイ「違う。皆が嫌がっているのは、『門』を閉じることではなく、それによって生活が変わること。ならば、考えるべきは生活を変えないで済む方法」
料理長「……そんな方法、あるんですかね」
レレイ「日本の政府と交渉した。このアルヌスには日本国の『州』という自治体が置かれる予定。日本の制度では、自治体政府は日本国籍を有する者が選ぶ代表者によって運営される。このアルヌスに住む日本国籍を持つ者とは私達のこと。つまり、同じ生活を続けていくことも可能」
料理長「そんなの……上手くいくわけ……」
レレイ「ところで、これは何?初めて飲んだ」
先程のレレイの言葉を考えていた料理長がビクッと驚きながら答えた。
料理長「そ、それはナルコっていう香草ですよ。行商人が珍しい物が入ったんで試して欲しいって言うんで仕入れて見ました。どうです……?」
レレイ「ナルコ?聞いたことがない」
料理長「レレイさんでも知らないものがあるんですね。もしご存じだったらどうしようかと冷や冷やしましたよ。実はナルコは眠りを誘う薬草なんですよ……」
カップが転がって、レレイがテーブルの上に倒れ込む。
料理長「効き目もバッチリだ…」
料理長が合図を出すと、奥から数人がやって来た。
料理長「箱の用意も出来てますぜ」
そして、料理長が大きな木箱を持ち出してきた。
メイア「本当にやるニャ?」
ディアボ「もう後には引けないってことは分かっているだろ?これが上手く行きゃ、『門』を閉じるのは先送りになる」
メイア「でも、こんなの最低の恩知らずがやることだニャ」
ディアボ「これはレレイさんの身を守るためでもあるんだ。レレイさんは必ずゾルザルに狙われる。なら、何処か見つからない所に隠す必要があるだろ?誰にも分からないようにな」
メイア「何で荷物みたいにして、ニホンに送る必要があるのかニャ?」
ディアボ「『門』の向こうならば……絶対にゾルザルの手は届かない。安全だ」
メイア「そうだけど……なら、レレイさんと話をして」
ディアボ「それでは『門』が閉じるのを止めさせることは出来ないではないか!?」
料理長「だから俺達がやるんだ。俺達ならレレイさんを守れる。『門』も残る、一石二鳥だ。確かに心は痛むかもしれんがレレイさんの為だ……だから手伝え」
PXに関する荷物として発送するので、PX従業員のメイアのサインが必要なのだ。
メイアは震える手で書類にサインをした。
そして、木箱にレレイ、杖を入れると蓋をして、ペタペタと壊れ物、水漏れ注意といったシールを貼っていった。
ディアボ「これでよし。では、『ちゅうごく』に連絡をしよう」
そう言うと、スマートフォンを取り出し、扱い方法が書いてある紙を見ながら操作していく。
パナシュ「こちらディアボ殿下の代理の者だ。レレイ……『玉璧』の荷造りは済ませた。繰り返す、荷造りが済んだ。約束通り目印をつけて発送するので、受け取りの手配を頼みたい」
料理長がふと、疑問を尋ねた。
料理長「このままだとニホンの企業に行っちまうと思うんですが、どうやって『ちゅうごく』とやらに受け取って貰うんで?」
ディアボ「荷物が盗賊なんかに奪われたりすることはよくあることだが……向こうでは起きないか?」
料理長「なるほど」
お読み下さりありがとうございました。m(__)m