自衛隊中央病院
伊丹「ハァ……ハァ…」
黒川「もう終わりですか?もっと続けてもいいのですよ?」
あれから伊丹は自衛隊体操を約一時間も続けていた。と、言っても途中からスピードやキレがなくなり、グダグダになっていたのだが。
伊丹「勘弁してくれ…クロちゃん…限界」
黒川「……」
黒川は伊丹をまるで汚物を見るような目で見ていた。
伊丹「…黒川……さん」
黒川「はぁ、分かりました。今日はこの位でいいでしょう。これから毎日、一時間やること、いいですわね?それでも足りないようでしたら、一時間と言わず好きなだけおやりになってください。あ、それと汗臭いのでシャワーを浴びてくるのをオススメしますわ?いえ、行ってきてください。スッキリしていた方がいいでしょう?」
伊丹「毎日!?…お前がやれって言ったからやったのに…」
伊丹は黒川に言われるままシャワーを浴びに行った。勿論、警務官付きで。
一人病室に残った黒川は伊丹のベッドと自分の簡易ベッドを見つめていた。
黒川(今思えば男性と二人きりで寝るなんて今まで一度もなかったですわね…まさか隊長と。…別に一緒に寝る訳ではないですし…。
そう言えば、隊長はテュカと同じ布団で寝たことがあるんでしたね。クリ(栗林)の話によれば隊長は既婚者、張り合っている訳ではないのですが…何故かムカつきますわね。まぁ隊長、見た目はあれですが中身は……ハッ!私は考えているのですか!?私のタイプは白馬の王子さまで、『喰う、寝る、遊ぶ その合間にほんのちょっとの人生』と考えている隊長とは程遠いのですよ!…現実は隊長の考えなのでしょうけど…。隊長、人道的だし、何も考えていないようで実は考えているし……ハッ!私はーーー」
黒川は何度も同じことを繰り返し考えていた。
伊丹「ふぅ~、スッキリした……!?黒川…さん?何で俺のベッドで寝てるわけ?そしてなぜ簡易ベッドがないんでしょうか?」
黒川は自分が寝るはずだった簡易ベッドを片付け、伊丹のベッドで寝ているのだ。その理由は数分前にある。
数分前
黒川はループから抜け出すと、ひとつの疑問につきあたった。それは何故、伊丹を思ってしまうのか…。そして、結論を出した。自分は伊丹に好意を抱いているのではないかという事だった。しかし自分には分からない黒川は確かめる方法を思い付いた。それは、伊丹と同じベッドで寝てみて、自分に異変があれば自分は伊丹に好意を抱いている、異変がなく普段通りだったら好意はない。というものだった。
黒川「た、隊長に異変が起きたとき、直ぐに分かるようにですわ…ダメですか?いけませんでしょうか?」
黒川は少し噛みながらいつもより早口で言った。そう、すでにこの時点で異変が起きているのだが本人は気付いていない。
伊丹「…それはつまり、一緒に寝るということでしょうか?」
黒川「そうですわ。…何か問題でもあるのでしょうか?」
伊丹「問題って…お前、一応男だぞ、俺」
黒川「ええ、知っていますわ…隊長は前にテュカと一緒に生活していらしたのでしょう?テュカの事ですから同じベッドで寝たのでしょう?その時、手を出したんですか?」
伊丹「出すわけないだろ!?」
黒川「でしたら、私と寝ても大丈夫といえますよね?」
伊丹「テュカの場合は状況が状況なだけにだな…それに大人の男女が一緒に寝るというのはですね…色々と不味いのでは?」
黒川「わ、私だって恥ずかしいのですよ!?早くこっちに来てください。ロゥリィ達に事実無根を言いますよ!」
伊丹「わかった……そっちに行くから、後から何か言うなよ?」
黒川「えぇ、大丈夫ですわ…」
そう言うと黒川は伊丹に背を向けて伊丹が入ってくるのを待った。
黒川(証明して見せますわ…私が隊長に好意など抱いていないことを…すぅーはぁ、すぅーはぁ(深呼吸))
伊丹「し、失礼しまーー」
『いますぐ めい☆コン めい☆コン お掃除ーー』
突然、アニメ『めい☆コン』のOPが流れた。
黒川「ひゃっ!?」
それに驚く黒川。
伊丹「! おっと、失礼…俺の着信音だ。…? 嘉納閣下からだ……もしもし、はい…え!?
そんな、まさか…はい。了解」
お読み下さりありがとうございました。m(__)m