怠け癖の王子はシンデレラたちに光を灯す   作:不思議ちゃん

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そういえば、タグと最近の本編で翠さんの前世について大体察しつく人はつくんじゃないでしょうか


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 この世界に転生したのは嬉しいといえば嬉しいんだが……。

 自分としてはただ転生するだけでよかったのに、余計なものまでどうやら付け加えられていたようで。

 

 アイドルになる流れまではまあ、分かる。

 二次創作ではよくあることだ。

 そんでもってトップアイドルになるのも、まあ分かる。

 これもよく書かれている。テンプレと言っていいほど、よくあるものだからだ。

 

 それで、だ。

 確かに、最近の二次創作では逆転ものが流行っている。ランキングにもいくつかの作品で乗っている。

 俺もこんな世界に行けたらいいな、と想像を膨らませたりした。

 

 ただ、あくまでそれは妄想であるからいいものであって。

 実際に身を以て体験すると、やはり無い物ねだりが世の中ちょうどいいわけで。

 

 

 

 アイドルマスターシンデレラガールズという名のアニメに転生して早二十四年。

 トップアイドルやってますが、未だに貞操観念が逆転したこの世界。嬉しいのですが馴染めそうにありません。

 加えて、男性の数も少ないとか聞いてないです。

 

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

 九石翠として生まれ。小学生までは、アルビノという体質から大切にされているのかと思っていた。

 送り迎えには必ず母親がいたし、外に行きたくてもこの体質で止めていたと考えていた。

 

 ただ、少し違和感のようなものは小学校を卒業する前あたりに抱いていた。

 

 そして、その違和感が半ば確信に変わったのは中学に上がってからである。

 男子中高生は女子の話題で盛り上がったり、性的欲求に目覚める頃。

 興味はそういったもの(・・・・・・・)になるはずなのだが……逆だったのである。

 

 加え、男子の数がさらに減った。

 小学校に通っていた何人かの男の子たちは家に引きこもったようで。

 いままで男女比率が一対五ぐらいであったのだが、一対十ぐらいにまでなっていた。

 そして卒業する頃には男子の数も半分ほどまで減り。女子も何人か退学になっていたり。

 

 後々に調べてわかったことだが、どうやら犯罪に巻き込まれるのを減らすため。大体は小学校を卒業したら自宅に引きこもって学習、または何かを始めるらしい。

 ゆえに、中学に進学するのはそれほど多くなく。

 高校、大学に行くとなればもっと減るらしい。

 

 であるが、前の記憶を引き継いだままである俺はむしろ喜んでとばかりにワガママを言って高校まで進学した。

 小さい頃は大人しく、ワガママも言ってこなかったため。あまり行って欲しくはなさそうであったが、滅多に言わないワガママからしぶしぶ通わせてもらえることとなった。

 

 背が伸びることを期待して少し大きめの制服を買ったのに……やはり、小学生の時に身長は止まったままで伸びることはなかった。

 

 時には女子から危ない目で見られつつも楽しく過ごしていき。千川ちひろ、日草奈緒などとよく遊ぶ親しい友達もできた。

 

 三年生になり、これからの進路をどうしようか悩んでいた。

 奈緒とちひろは同じ大学へ行くと決めているらしいが、果たして俺の親が首を縦に振るかと言われれば微妙なところだ。

 まだ話していないが、なんとなく分かる。

 それで何もしないのもアレだと思い。大学受験が余裕である二人を誘い、今の時期からバンドみたいなものを始めた。

 

 作詞作曲、ギター兼ヴォーカルは俺。ベースを奈緒。ピアノをちひろが担当。

 俺の負担多くね? と申し立てたところ、二人にものすごくいい笑顔を向けられたため納得するしかありませんでした。

 元はと言えば唐突にこのようなことを言い始めたのは俺であるし、これまでも散々引っ張りまわしたのだって俺である。

 二人は大体、俺に引っ張り回された挙句、尻拭いをしている。

 今となっては大抵の物事を二人で片付けられる。

 

 それはさておき。

 初めてとか言っていたくせに二人ともすでに一般を超えるようなレベルで演奏ができるようになったため。

 待ってる間、書き溜めていた曲を二人にも見せ。

 体型からもバレないために全身を覆うほどのフードを被り、動画を撮って投稿することとなった。当然、顔バレしないように口元すら見せないようにする徹底ぶり。

 歌うため、俺だけ多少見えるのには納得がいかなかった。

 

 有名どころな曲がこの世界には無いため、それをそのままパクったりしたが……特に問題はないだろう。

 

 一日に大体五曲ほどのペースで載せているのに話題にならないはずもなく。

 俺が歌っているため、声からして男だというのも拍車がかっていた。

 高い声が出ないこともないが、曲に合わないのもあるためそこは仕方がない。

 

 しばらくすると再生数がとんでもないことになったり、テレビに取り上げられたり。

 投稿サイトのアカウントからかテレビ出演の依頼とか来たが、全部面倒なので断っていた。

 

 大変なことになったな、と。軽い調子で言ったら二人から頭を叩かれたり、頬を引っ張られたりなど揉みくちゃにされたり。

 

 ちなみにだが、きちんと誰にも話さないという約束で俺たちは親に正体を話してある。

 そしたら三家族揃っての食事会などがあって二人のストレスがマッハだったりしたのもいい思い出だ。

 

 確認のため、もう一度言うが。

 この世界は男性の数が少ない。

 であるため、必然的に一夫多妻になるのはまあ納得しよう。

 

 ただ……。

 

 先の食事会で初めてあったにも関わらず親同士意気投合して婚約とか流れ早すぎませんかね。

 

 俺といる時、そんなそぶりちっとも見せなかったのにまんざらでない様子に内心驚きであった。

 

 別に俺も二人のことが嫌いなわけではないが、半ばノリのようにして決まるのも嫌だったため、何とか説得して無しにしてもらった。

 

 …………この日から少し積極的になって来たとか気のせいであろう。

 

 

 

 

 

 そして、ずっと決まっていなかった進路であるが……なぜかトントン拍子でアイドル始めることに。

 奈緒とちひろは大学へと進学したが、俺が所属することとなった346でアルバイトを始めた。

 

 初めは事務を任されていた二人であったが、俺が相当手に負えなかったのか。

 気づけば俺の担当が二人に変わっていた。

 無駄に長い間つるんできたため、俺の扱いは手馴れたもので。

 さらには今まで俺に引っ張り回されていた経験がここにきて活かされている。

 

 男なのに女を前にして物怖じしないのがよかったのか。ねずみ算みたいな感じでファンも増えていき。

 たまに攫われかけたりなどしたけど、なんとか無事でいる。

 

 そして自分の後輩だけでなく、なぜか先輩のレッスン指導をしたり。プロダクション内のアイドルたちは火花バチバチであった。

 この世界の男のようにまで避けたりはしないが……さすがに少し引く。

 こういう時はまだ純粋な小学生の子たちが心のオアシスであった。

 

 ただ、初めはやりたい事をやって楽しかったのだが……だんだんとしがらみのようなものが増え。今では面倒になってきている。

 

 その事を伝えると、お偉いさんたち(女性)が足元にしがみついてきた。

 いきなりの事で驚き、何人かの顔を蹴飛ばしてしまったのだが……恍惚とした表情を浮かべるのは勘弁して欲しかった。

 

 そんなこんなありながら、最終的には俺の好きにしていいこととなり。

 極レアとまで言われるほど珍しい働く男性のプロデューサーがおり、その人が考えたシンデレラプロジェクトなるものの手伝いをしたりなど、再び気楽なアイドル生活を送っている。

 夏のイベントが終わった後はプロジェクトクローネなるものがあったりと、飽きがこない日々を過ごしていた。

 

 そしてアイドル始めて片手で足りる年数でトップになり、現在二十四歳。

 とある爆弾が投下され。

 

 

 

 現在俺は…………貸し切った広大な遊園地を駆け回っています。

 

 

 

 なぜこうなったかといえば。バラエティーで誰かがポツリと漏らした、俺が結婚どうのこうのから始まった。

 本来であれば男性は精液を提供し、望んだ女性たちは体外受精で子を成す。

 ただ。本来であれば秘匿されるべき個人情報であるため。仮に俺が提供した場合、何が起こるか分からないと免除されていたのだ。

 下手したら、たかが精液に争いが起こってもおかしくないとまで言われる始末。

 

 であるため、俺の子孫を残すためには結婚して育むしかないわけなのだが。

 俺のあずかり知らぬところで話がトントンと進んでいたらしく。

 

 

 

 346に所属するアイドルたちと鬼ごっこをする羽目に。

 ルールは簡単。

 余程の事(暴力など)をしなければなんでもあり。

 逃げるのは俺一人。追いかけるのはアイドル全員。

 俺の腰には尻尾と呼ばれるものが付けられ。それを取った人は俺と結婚(俺の意志がない強制)といったものである。

 

 制限時間は午前十時(その十分前からおれは逃げ始める)から午後六時までの八時間。

 昼食や水分補給、トイレなどをしている間も狙われるという鬼畜仕様。

 

 ふざけるなと声にして言いたかったが、奈緒とちひろには逆らえませんでした。

 

 これが大々的に発表された時、一般人によるブーイングの嵐らしかったが、俺の『知らない人と結婚するとか、ない』の一言にひとまず鎮火した。

 

 とまあ、現実逃避の思考はここまでにし。

 頭を働かせて逃げるルートを考えなければすぐに捕まってしまう。

 お遊びならばこの圧倒的人数相手にもまだ多少は楽であるのだが、全員がガチなのである。

 オアシスであったはずの小学生の子たちもよく分かってないはずなのだが……遊びには本気なのであろう。今回は敵である。

 

 貸し切っているため、俺を探し回るアイドルたちには人がおらず。当然、アトラクションも動いていない。

 もし動いているのなら、観覧車にでも閉じこもっていたかったが、アレって鍵が外についてるんだよなぁ……。

 

 なぜか所々に落ちていた、人一人を縛れるくらいのロープを見ながら……ため息をつき、とある考えを実行するため。重い腰をあげる。

 

 

☆☆☆

 

 

 …………まじで、何人いるんだよ346に所属するアイドルたちは。

 この落ちてるロープも人数分ピッタリだったら隅々探さないといけないし。

 いや、半分でも減らせばその分逃げるのは楽なのか。

 

 目の前で縛られて横たわっているアイドルたちを見ながら、ため息をつく。

 

 捕まえたアイドルたちはこういっちゃなんだが……ボイスが実装されていない子がほとんどだし。

 有名どころや人気どころが全然いねぇ……。

 しかも、そいつらはたぶん結託してるわ。

 俺と結婚できるの、一人じゃないし。何人でもありなこの世界、本当に恨む。

 べつに嫌じゃないんだが、納得いかん。

 

 …………とくに気をつけるのはまゆ、しきにゃん、蘭子、芳乃……やべぇ、芳乃おるやん。難易度なんなんだよ……。

 

 そんな心配をしながら逃げ回っていたのだが……何故かアイドルたちの姿を見かけなくなった。

 敷地内にある時計で時間を確認すると、残り十分しかなかった。

 

 なら、このまま逃げ続ければ楽じゃね? といった考えがよぎったが、第六感のようなものが警鐘を鳴らす。

 

 声を出せば居場所がバレるため、静かに探し回るのは納得できる。

 ただ、先ほどから俺は走り回っていたのに誰一人として残っているアイドルを見つけられないのはおかしい。

 まるで俺の居場所が分かっているかのような……。

 

 そこまで考えた時、俺はとある方向に向かって走り出す。

 

 この考えが間違いでなければ、このままここにいたら残っているアイドル全員に捕まる。

 今現在、俺がいる場所は遊園地のすみである。

 俺の位置を把握しつつ、残っているアイドルで囲み、隙間を無くしてしまえば逃げられなくなる。

 

 まだ姿を見せないということは、方位が万全でないと仮定して。

 この賭けに打ち勝つかどうかで変わる……!

 

 残ったアイドルたちも俺が策を見破ったことに勘付いたのか。進行方向の先に隠れていた楓と美波、アーニャが飛び出して進路を塞ぐ。

 

 彼女たちの表情は驚いていながらも勝ったという喜びが見て取れたが、まだ甘い。

 そばにあったゴミ箱を踏み台にして彼女たちの頭上を飛び越え、着地は転がって勢いを殺さぬまま立ち上がって再び走る。

 

 三人……いや、後ろからも追いかけてきていたアイドルたちも俺の行動にポカンと口を開けて呆けていた。少ししたらすぐに追いかけてくる足音が聞こえてきたが……十分に距離は稼げた。

 ただ、そうは簡単に行かないようで。

 陣は二重にしていたのか、またも影から姿をあらわすアイドルたち。

 しかも、小学生だけとは……。

 

 まあ、慈悲を与えるつもりなど微塵もないがな。

 先ほどと同じように通り抜けるのは芸がないため。

 フェイントをかけて揺さぶり、できた穴を抜けていった。

 触れても尻尾さえ取られなければいいわけで。一人一人頭を撫でてから俺は走り去って行く。

 

 陣を抜けたのか、その後は誰一人として前に立ちはだかる者はおらず。

 遊園地の出入り口へとたどり着いた時には終了まで残り一分もなかった。

 へへん、奈緒とちひろよ。俺は簡単に捕まる玉じゃないんだぜ。

 キメ顔をつくりながら立っていた二人に向けてそう言い放つが……。

 

 微妙そうな顔をしながら後ろを指差す二人。

 はて……なんのことかと振り返り見れば。

 

 『わたしの探し物はー、ここにありましてー』と言いながら尻尾を握る芳乃の姿が。

 

 ルールはルールであるため。

 俺は芳乃と結婚することに(女性の結婚可能な年齢は十二歳から)。

 たくさんのアイドルからの嫉妬に包まれながら結婚式を挙げ、数年後には子も授かり。

 わいわい騒ぎながら過ごしていくのでした。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 

 

「…………また、つまらぬ物を書いてしまった」

「これ、もっと内容を煮詰めて書けないか?」

「書籍化する気? マジで? 俺、ヤダよ?」

 

 またも作詞作曲をサボっていたところを見つかった翠。

 部屋に連れ戻されるも、そのまま大人しくいう事を聞くはずもなく。

 話を書き、それを奈緒が読み終えたところである。

 

「まあ、これについては上に話しておこう。取り敢えずはさっさとそれを書き終える事だな」

「…………仕事増えて死ぬわ」

 

 翠のつぶやきは奈緒の耳に届いていたが。いつも通り、スルーされるのであった。




この話、煮詰めて書こうかなぁ…
貞操観念逆転もののデレマス……活動報告でやったほうがいいとか聞いてみよ

それと今現在、書きたいと思ってる二次創作は
先ほどあげた『貞操観念逆転もののデレマス』『AKB49』の二つかなぁ
他には『ONE PIECE』とか
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