西暦2011年、12月25日。アイスランド、アークレイリではあたり一面白銀の雪景色建物もすべて真っ白に染め上げていた。アークレイリは、北部にあるレイキャヴィークに続くアイスランド第二の都市、建物はまるでおもちゃの国に来たようなカラフルな作りであり見るのを皆童心に返らせる所だ。その都市に在住する、日本人 朝霧 真(あさぎり まこと)は、家の窓から見ていた。真はこの景色を見るのが好きだった。
「今日も綺麗な雪景色だ・・・」
ピピピ・・・
携帯が鳴り通話ボタンを押す。
「マコト!!」
「ナナミ、久しぶり」
「うん、夏の大会以来だね」
真は今年の夏終わり頃に家族の都合で日本からアークレイリに引っ越して来た。
最初は環境の変化などで緊張などあったがこっちの人たちの優しい恩恵を受け、何よりもアークレイリの季節の風景が真にとって一番うれしい事だった、雪が大好きでアークレイリの雪景色は何よりすばらしいものだった。
「そうそう、一応荷物の準備は出来た?」
「アイスランドのお土産って適当に揃えたけど」
「うん、珍しいものなら何でもオッケー」
「で、結局どこに行くんだ?」
「ふっふーん、それは着いてからの秘密♪」
七海にたぶらかされしまったが彼女らしいと思った真であった。
そもそも全ての始まりは、冬休みの前に遡るそれは親友の七海からの電話だった。用件は一つ再会をかねて旅行に行かないかという事だった、もちろん真としては親友の誘いを断る理由も無かった為その場で勿論行くと答えたが目的地は不明、更には飛行機や船など移動などはしなくていいというなんともミステリーな旅行であった。真は最初いろいろの面からみて推理したのだが考えれば考えるほど迷宮入りしのちに考えるのが疲れやめてしまった。その為少々の怖さとこれから待ち受ける楽しさが真の中で混ざっていた。
「えと、たしか公園の前で待っていればいいんだよな」
「イエース!着いたらもう一度電話してね!」
と了承を聞く前に電話が切れてしまった、相変わらずだなと思う真は荷物を持ち、家族に一言いい、家を後にし公園に向かった。
(・・・着いたが、誰もいないな)
公園は暗く吹きかける冷たかった。それもそのはずだ公園の時計は9時を指しており、辺りは真っ暗で人っ子一人もいなかった。とりあえず真は再び七海に電話をかける。
「もしもーし、公園についた?」
「ああっここで待っていればいいのか?」
「うん、案内人の子がそっちにいない?」
と辺りを見ても人の姿所か気配も・・・と思った時だった、外灯の暗闇の部分からギラリと光る二つの眼が見えた大きさ的に犬と真は思った。
「犬っぽいのしかいないんだが・・・」
「あっきっとその子だ、呼んで見て」
呼んで見てといわれ真はしゃがみ、手を差し伸べ犬を呼んで見ると、犬はそれに応じ近づき街頭の光に照らされた犬は肌色に近い白い中型の柴犬だった。首元にスカーフを巻きそのスカーフに剣が挟まっていた。
「その子がこれから行く所に案内してくれるはずだよっ!!」
「・・・俺をメルヘンの世界にでも案内してくれるのか?」
「ピンポーン!」
とにわかには信じられないが七海が嘘をつくとは思えないため信じるしかない真だった。
「わんこっそれでどう行こうって言うんだ?」
犬はわんと吠え、首元にある剣を口にくわえ地面に突き刺す。すると、どういうことだろうか乾いた音と共に閃光が走り、剣が突き刺さった場所を中心には光が溢れ巨大な円弧の紋章を地面に描く。
「えっ・・・ここに降りろと?」
「わんっ」
わんこに手招きされ言われるまま円弧の紋章中心に向かおうとし、足を踏み入れたときだった。
「あっ・・・おおおおおお」
つま先が地面にめり込みそのままこける体勢で頭から落ちていき、わんこもその後も追うように真の後を着いていき円弧の紋章は静かに消えていった。
色とりどりの光のトンネルの中を、真は落下していく、落下只落下 頭の中でこの先が下水道だったらどうしようなどと思っていたが、そんなことではないと思い、なんとか体勢を変え来るかもしれない着地体勢に入る。
「いったい・・どこに・・・おおっ?」
落下していくうち下のほうで小さな光がだんだん大きくなっている事を確認した突如まばゆい光が真を包む。
「は・・はあああああつつっ!?」
光が収まったときに見えたのは下水道なのではまったく別世界だった。
「すげぇあたり一面の雪景色だ、だけど・・・」
いつも見る景色とは違う、それもそのはずだった空は青から藤色にグラデーションに描かれていて所々に島が浮いていた。
「てか・・・このあとどうすんだ」
「わんっ」
空中に浮いていた事をすっかり忘れていた真の頭上でわんこが手で下を指していた、見ると2000Mぐらい下のほうに台座のようなものが見え、そこに向かっているのがわかった。
「あそこか・・・」
とりあえず安心ということがわかりほっとした瞬間だった、突如真に猛吹雪が襲い掛かる。
「くっなんだ、押し出される」
「わっわうんん」
明らかにコースを曲げられている事を確認し再び慌てる真。
(だれか・・・助けて・・・)
「えっ?」
猛吹雪に襲われている中誰かの声が聞こえた気がした。
「気のせいか・・・?ってそんな事考えている場合じゃないっ!!」
このままではわんこともども北に飛ばされ最悪帰らぬ人となってしまうだろう。
真は一心に考え策を思いつく。
「わんこっ、今から言う事をちゃんと聞いてくれ」
「わんっ」
「このままじゃ、お互いどこに飛ばされるかわからないだから今からお前をあの到着地点にぶん投げる」
「わっわうん!?」
「たぶん俺はこのままだたぶん北・・・あの雪山のほうに飛ばされると思う、だからこの事を誰かに伝えて助けに行ってくれ」
「・・・くぅん」
「大丈夫、俺なら寒い場所なら慣れっこだから」
と話していくうちにどんどん離れていく。
「それじゃあっ」
「わうっ!?」
わんこの首元のスカーフを掴み、急に首元をつかまれわんこもがくがお構い無しに・・・。
「頼んだぞおおおおおお」
とわんこを投げ飛ばした、投げた所がよかったのかわんこは猛吹雪を抜け建物が見えるところに飛んでいった。逆に自分は予想通り北の方へと飛んでいった。
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同時刻、日本の紀乃川市では、シンク・イズミとレベッカ・アンダーソンはそれぞれの国に召喚されるべく使役の動物たちの出した召喚人に飛び込みフロニャルドに向かった。
誰より先についた高槻七海は、召喚台に降り立つ大きく伸びをし辺りを確認するフロニャルドの大地にずっしりと建つヴァンネット城、いつもなら領主のレオンミシェリがいるのだが。
「あれ?だれもいない・・・」
周りを見るに人っ子一人も居ない様子に戸惑うのだが奥の扉から誰かの顔が出ていた。
「ナナミ~こっちじゃ~」
「レオ様!?なんでそんなところに・・ってあっそうか」
レオンミシェリは寒そうな顔をして手招きをしている姿を見てナナミは察しがついた。レオンミシェリ及びガレットの皆は寒いのが苦手なのだ。
城内にはいるとメイド達に連れられ自分の部屋に着き荷物を置くとレオンミシェリの後を追う。
「いやーみんな寒がりってたのは聞いてたけどここまでとは・・」
「すまぬなぁナナミ、夏を暑さは平気なのじゃが冬の寒さはどうしてもな・・・」
猫科という目線でみれば当たり前の事だが人に近い姿をもった彼女達は普通と違って変わる所があると思ったのだが元が同じとそう変化はないようだ。
大広間の部屋を空けるといつものメンバーレオ達とジェノワーズの3人、ノア・ジョー・ベルが七海を出迎えた。
「よう七海、悪いな」
「七海ちゃん、お久しぶりです」
「まぁ、座ってーな」
「おかえりー七海」
「ガウル~それにみんなも久しぶりってええ!?」
皆が集まっている場所にはなんとも驚きのコタツがおいてあり驚く。
「あっこれリコちゃんがシンクくんが送ってくれた地球の家電雑誌を見て再現したフロニャルド製コタツなんですよ」
「へーリコちゃんやるー」
「すごく、心地いいよ」
「まぁ、良すぎて出たくないんやけどな」
「まったくじゃ、ワシ一人出しおって」
とまぁみんなでコタツに入りのくつろいでいると、無事にみんなが召還できたかと気になり勇者達で会話することができる”ブレイブコネクト”を使用する。丸い球体の機械が出現し2つの映像が出力される。2つの映像からはそれぞれ別の場所が映っておりそこにシンクとレベッカの姿が見える。
「二人とも、無事に着いたね」
「うん、ちょっと吹雪に巻き込まれかけたけど大丈夫」
「私の方も大丈夫だよ」
今年の秋にみんなできたときは思いがけない事故で召還に失敗したことがあり、今回はそれがなかった為二人の無事に安堵する。
「これで皆さん全員集結ですね」
モニター越しのビスコッティの領主活姫のミルヒの声に七海はふふふっと悪魔のような笑いを起こす、皆が七海の様子を伺うと。
「甘いよ姫様っ今日はいつもと一味違うんだなこれが、ねぇリコちゃん」
「はい、サプライズイベントでありますな」
「さぁさぁみなさまお立会い、シンクっ上をみてごらん」
言われるかのようにシンクが上を見ると真上のほうから何か光がみえた。
「あれって?召還の光」
「ええっ?ですがもう皆さん全員そろってますよ」
と召喚台に光がぶつかり光の収まりを確認し近づく。
花のつぼみのような光の魂がゆっくりと開き、見ている皆は息を飲み込み凝視する。
「ん?」
「ふぇっ?」
ナナミとリコッタが驚き、自体がわからないそれ以外の皆が混乱する、なぜならつぼみの中には困り果てた犬一匹の姿しか居ないかったからである。