たとえ1000年経っても君は忘れないかい?   作:ドーナッツ

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2話 プロローグ2

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柊side

 

「え~、ここが重要で、この時に分配法則を使用する。さて、この時の答えはなんだ。……当てようか。え~、じゃあ鈴木」

 

窓側の一番後ろの席。自分が知っているアニメだと某憂鬱で有名なラノベのメインヒロインが座っていた場所。サンサンと太陽は日照りそろそろお昼の時間になりそうだ。今日に限って言えば初夏を思わせる気温。じめじめとした空気の中、俺は左の手で頬杖を突き数学の先生の授業を聞き流しながら外を見る。しかし頭ではある一点のことを考える。そう、今朝方のやり取りを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もちろんフェイトのことだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり、驚愕を通り越してパニックに陥った。それを表に出さなかったのは我ながらあっぱれと褒めたいことであった。

声こそ出そうになったが、ここで大きな声を出してもまずい。

キチガイ扱いは御免だからだ。

これでもそこそこクラスでの地位?みたいなものがある。

何より自分のプライドが許さなかった。

 

 

しかし何を考えても今の案件はまとまらない。

理由は簡単。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隣の席が件のその人であるためだ。

 

 

 

 

 

 

 

冗談ではない。いや、勘違いしてもらっては困るから誓って言わせてもらえば、俺はホモではない。

確かに美人が隣にいるのは全男にとって夢であり理想である。

しかし、だ。これ幸いとばかりに話しかけるほど俺はバカではないし、阿呆でもない(つもりだ)。

話しかけづらい。

もしもアニメのキャラ本人が隣に座っていたとしよう。そしてあちらにはある程度の面識がある。

そしてこちらの条件。アニメのキャラが自分のことを知っていて、なおかつ話しかけられる。

うむ、オタクにとっては夢のような世界だな。

しかし冷静に考えてみろ。いくら彼女らが美人であったとしても、だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日、それよりも前から居なかったのだぞ(・・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アニメやらの影響でそれこそ魔法(・・)を疑うわ。

 

 

夢。そう一言で片づけるのは容易いが、ほっぺをつねるとしっかり伝わるこの痛み。紅く、腫れこそはしないが肌が突っ張る感じ。

つねると痛い。思わず常識だろと吐き捨てたくなるが、こういう事態こそ簡単なことこそが幻想でないと自分にわからせる。

 

 

そう、先程の休み時間に友人にだが訊いてみたのだが、

「フェイトさんだろ?おめぇ、随分と前から隣の席にいただろうが。もしかして、影薄いとか言う気か?それこそありえねぇ。だってフェイトさんと言えば、」

から始まり休み時間ギリギリまで話された。友人たちには適当にごまかしておいたのだが、記憶が昨日からあやふやになっているとだけ言っておいた。

しかし友人から得られた情報は自分にとってありがたかった。

 

曰く、彼女らは他の三人も合わさって女神と言われている。

 

曰く、昼食はどこかに行くらしい。しかもなぜか俺同伴。

 

曰く、彼女らの親友に当たる女生徒は学年一位。

 

曰く、彼女らは誰にでも優しく、ラブレターなども毎日のようにもらっている。

 

などなど、あらゆる噂がある。

そして、最後に友人たちに勧められたアニメについて知っているかと尋ねたが、

「『魔法少女リリカルなのは』ぁ?なのはって言うとお前の幼馴染の高町さんのことか?お前好きなの?」

と、勧めた本人に頭を疑われるような始末。ちなみに最後の方は何故か真顔で言われた。

あと、高町なのはが俺の幼馴染ってどういう設定よそれ……。

 

 

 

これで、いよいよ何が何やら分からなくなってきた。もうゴールしていいよねパ〇ラッシュ?

知恵熱が出るのではないかと言うくらいにはパニックは継続していた。

 

 

 

ついでに頭抱えてる時点で授業は終わっていた。

 

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フェイトside

 

柊君は自分から見て変わった人である。

一時期は争ったこともあるが、良き親友になれたなのはの幼馴染であるとなのは自身に言われた。

そんな彼と初めて会ったとき、それはもう盛大なずっこけをかましたのだ。もちろん彼が。

それはもう見事だった。

 

「初めまして、俺は柊 太樹よろsへぶぅ!!」

 

何もないところでつまづきずっこけたのだ。

しかも場所が悪かった。教室の真ん中で彼はこけたのだ。

ビタン!!と顔面から転んだ彼は教室を笑いの渦に巻き込んだ。

これほどインパクトのある自己紹介はない。最初に浮かべていたイメージと真逆な印象を受けた私は我慢していた笑いを思わず少しだけだがこぼしてしまった。

 

「ハハハ……」

彼も苦笑いでだが立ち上がり、体全体についた埃を払う。

「どうしても大事なところで失敗するんだよなぁ。どうしてだと思う、なのは?」

いつの間に居たのかわからないが、なのははひょっこり頬を膨らませ彼の後ろから顔を出すと、怒ったように返答する

「太君はもう少しまわりやらを見た方がいいと思うかな!!」

「しかし、足元見ながら自己紹介は失礼だろう?」

「そ……うこ………ない…に」

「うん?どうした?」

このやり取りも何回見た物だろう。

俯き、頬を膨らませたままボソッとふて腐れるなのはは私から見てもかわいい。しかし、こんな日常がいつまでも続けばいいのにと、今の自分には欲しい物であり叶うはずのない空の彼方の雲みたいにつかみどころのない存在になってしまった願いはここにはもうない。

 

 

 

 

少し強い風が窓から吹き、目に髪が入らないように目を閉じる。

ふと、さっきより強くなった光にわずかながら億劫になりつつも重いまぶたを精一杯開ける。

するとそこには、太陽が無いのにどこまでも澄みきった空。

自分はなぜか草原に大の字で寝そべり、空を見上げている。

颯爽と吹く風。

草と草がぶつかり合い奏でる音には魅惑の安心感がもたらされる。

それこそ彼のように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ああ、やっとわかった。)

どこまでも蒼い空に手を伸ばす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(彼がいなくなって初めて)

それは、ただ縋るように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(私が、フェイト・テスタロッサが求めていたものは)

この世のどこかにいる神に求めるように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(彼の隣に居ること………)

その願いが届くと信じて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

**********************

 

 

「ゆ………め……………?」

そこはかとなく感じるこの感覚。フワフワしていてそれであやふやな意識。認識できることは、少しばかり明るい白で塗られた壁や天井。何かを手繰り寄せたいのか、右手だけは天井に向かって伸びている。

ただ、何処からが夢で何処からが現実かわからなくなる。

いや、

(すべて夢でいい)

彼女が求めていたものは、

ありふれた日常、しかしこの幸せは日常の中でも最も自分を癒してくれる。

 

 

 

彼が横にいるだけで嬉しくなる。

 

 

 

 

 

 

彼が声をかけてくれるだけで楽しくなる。

 

 

 

 

 

 

 

彼と背中合わせで戦っていると安心感をもたらしてくれる!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてなにより!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼が笑いかけてくれるだけで!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は……………!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何物にも勝ることがない……………………、幸福感を得られる……!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(何でだろう……)

ちっぽけな神様は私から母さんを奪うだけでなく、ただ一つの願いも嘲笑うかのように掃き捨てる。

ただの一回も願いは叶わない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、この世は地獄。

神は全ての生物に幸福ではなく、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『冷遇』という平等をもたらしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう認識した病室。テーブルの上には日にちだけが書かれている飾り気のない実用性だけを求めたカレンダー。それが示していたのは彼が倒れた翌日であった。

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管理局の屋上、ベンチに座る彼女の名はフェイト(運命)

時期は梅雨明けの空。雲もそこそこに、のんきに浮かんでいる。偶然か、はたまた必然か。その空色は彼と出会った日によく似ていた。

彼が倒れてから1週間とちょっと。いまだに彼は目覚めない。

「死んでいないのは前に彼が言っていたしぶとさかなぁ」

彼女は自分の口が動いていることを知らなかった。いや、ここには誰もいないし聴かれることもないと無意識に判断していた。

(もしそうだったら、)

「死神を追い払いまたここに戻ってきてほしい」

しかし、この前に心のうちに思っていたことは忘れているわけではない。

(そしてまた……、ここで……………………。)

のんきに泳いでいく雲が羨ましく思いながら願った。再び願ってしまったのだ。

「また一緒に日常を過ごそう」

ね?と、つぶやくフェイトの目には自分でも認識できない、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悲しみに溢れた涙があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、彼は植物状態だと告げようと近づいていたヴィータも、彼女の口から洩れていた言葉と瞳から流れる水晶のようにどこか澄んでいた水玉を物陰から見ていた。この日、彼女の心境は言うか言わないかの問題で葛藤していたが、終ぞフェイトには何も話しかけられなかった。

 

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時は少しばかりさかのぼり、ここは1169号の病室。そう、柊 太樹が眠っている。

心音を知らせる機会がピッ、ピッ、と定期的に鳴る中、看護婦はこなれた手つきで点滴のチューブを替えたりしている。

しかし、今この時この瞬間だけは誰にも予想のつかない奇跡に近いものが舞い降りた。

「………ト」

眠っているはずの彼。よく言えば意識不明の重体。悪く言えば死に体である、彼の唇がうごいた。

「?」

(気のせいかしら……?)

看護婦は聞き逃してしまったが、再び奇跡という花を咲かす。

「フェイ……ト」

(今度ははっきり聞こえた!!)

患者のまぶたがほんのちょっぴりではあるが開いているのだ。

「大丈夫ですか!!?今何処にいるのかわかりますか!!?」

看護婦は大慌てでナースコールを押しながら柊の意識をこっち側に引き付けようとする。

その間にかけておいたドクターへのコールが繋がった。

「ドクター!!ドクター!!急いでください!!重体の患者が!!意識が戻りそうです!!」

《なに!?今から行くから貴方はそこで待っていてくれ!!》

ドクターの切羽詰まった声が病室に響くなか、少しばかり不審に思ったが看護婦は柊に話しかける。

「私の声が分かりますか!?柊さん!!柊さん!!」

必死に声を掛けていたのが功を成したのか、柊は別の言葉を口にしていた。

「管理……きょ」

「!?柊さん!!がんばってください!!」

管理?何を管理するのかわからないがとにかく意識をこちらに戻すのが優先だと看護婦は思っていた。

「フェイト……」

ガララというスライドドア特有の音が心なしか普段より力強く聞こえた。

「彼の容体は!?」

ドクターがこの場に到着した音だった。

「うわごとのように言葉は発すもののいまだ意識不明です!!」

「よし!!あとはこの私に任せろ!!」

看護婦とドクターの薬を投与したり大声で叫んだりの奮闘は朝まで続いたが、結局柊の意識は戻らなかった。

しかし彼の口にした言葉を決して忘れられなかった看護婦であった。




よくわかる要点!!

オリ主「奇跡も魔法もあったんだよ(白目)」


【悲報】オリ主に地位は無かったようだ。


フェイト「神は己から母だけでなく、恋人も奪うのか!!ええい、腹立たしい!!」


みなさんドーモ!!わたしはドーナッツだぁ!!
感想ありがとう!!励みになるよ!!これからもアドバイスなどよろしくね!!

さて、ここで一つ。みなさんが疑問に思っているであろうことにお答えしたい。
Q.オリ主と後半のフェイトの時間軸ちがくね?
A.イイエ‼‼違います!!

オリ主の意識は正確には向こう側、つまり過去へと飛んでるわけですよ。
言い方に語弊がありますが正確には過去そのものに飛んでいるのではなく記憶で構成された世界へと意識が言っているだけです。
あと、フェイトさんの夢は願望。すなわち彼の隣に居ること。しかしそれは届かない。
フェイトを草原に、オリ主を蒼い空に例えたのですよ。ほら、正確には空気のことよ。風って空気やん?そんでもって空があるから風もあるわけで…あとはお分かり?
太陽は自分で考えてみてね!!(読まれてる気がしないが!!)


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