転生先は異世界―あ、これチートだわ―   作:Anonyme

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02.一年

 生まれてから一年が経過した。時の流れが速いと思われるだろうが、この一年は起きたら極力腕や足を動かし、少しでも早く動けるするように運動をする。全く味のしないご飯を食べさせられ、お腹いっぱいになったら睡魔に襲われて寝付いてしまうという日常を繰り返していただけだ。

 その日常を繰り返すことにより、ユウヒは一年で歩くことができるようになったのだ。まだおぼつかない歩き方だが、一歳なのに歩けることができる。それに加え、言語理解によりこの世界の言葉も話すことができるのだ。一歳にしてはとてつもなくハイスペックな赤ん坊である。

 

 今までは家族の見えない所で歩いてたりしていたのだが、本日は一歳になったことにより誕生日会が開かれる。それと共にそれをお披露目する決意をしていた。

 ちょうどよく誕生日会の準備も整ったようであり、ユウヒの周りには父上と母上、メイドのリアが集まると、ユウヒは早速お披露目をすることにした。

 

 

「ははうえー」

「「「!?」」」

 

 

 周りにいた三名が分かりやすく驚愕の顔をしていた。一年前にユウヒが目を覚ました時と全く同じ表情である。ユウヒ自身は何これデジャヴと思いながら笑いを堪えている。

 

 

「ははうえー……?」

 

 

 もう一度呼ぶと、母上は口に手を当てその瞳からは涙が零れていた。

 

 

「おい、ユウヒ。俺は!?」

「ちちうえー」

 

 

 要望通り呼んであげると何かに納得したかのように何度も頷き始める。

 リアもユウヒの事を私も呼んで欲しいと言わんばかりに視線を向けているのに気付く。ユウヒはそれを察したように同じく名前を呼んであげると、嬉しそうに満面の笑顔を見せた。

 そしてユウヒは足に力を入れ皆の前で歩き始める。一歩一歩ずつゆっくりと……少しだけ転びそうになるものの頑張って()えつつ歩を進める。

 

 

「お、おお……おおおおお……」

「あなた!! ユウヒが、ユウヒが!!」

「ユウヒ様すごい!!」

 

 

 皆が皆別々の反応をしていた。こんなにも早く成長する子供がいたら俺だったら気持ち悪いと思うだろうとちょっとした自虐をしつつも、自分の成長を喜んでくれる嬉しさがこみ上げてくるユウヒの気持ちは何とも複雑であった。

 この後、あまりの嬉しさだろうか。ユウヒの父、シンは酔いつぶれ、母のアリアとメイドのリアは喜びつつもシンの勢いを止める事を精一杯頑張っていた。

 ユウヒはそれを他人事のように見ながら、明日の修行内容を考えており、ある程度まとまったところで再び眠りについた。

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