ユウヒが生まれてから三年が経ち、三歳となっていた。
一歳の誕生日から二年。その間に基礎体力を上げたりと、本を読むことによってこの世界の情報収集をしていた。
この世界には科学という概念が存在しない。火をつけるのにもライターなどではなく魔法を使い、お湯を沸かすのにも同じだ。
魔法には基本的に無・火・水・風・土があり、無属性は誰にでも使える。他は適正がなければ使うことすらできない。
無属性には身体強化などがあり、剣士が扱うものが多い……といっても、適正があるものは魔術師、適性がないものは剣士になるというのが基本である。
各属性にはレベルがあり、属性によってはレベルが5以上になるとその属性の上位スキルを扱う事ができるようになる。例えば水属性の上位スキルにあたるのは氷属性魔法である。
他にも光や闇属性など、特殊な魔法があるが今回説明を省くことにする。
知識を得た上でやることはただ一つ、実践だ。
ユウヒは今までさまざまな書物を読んできたが、実際にはやってみたことなかった。少し知識がないと怖いようであり、下手をすれば死ぬ可能性もある。
三歳になり、ようやく実践することを決意したという事だ。
魔法を行うに必要なのはイメージだ。
そのイメージをしやすくするために詠唱とやらが存在するが、それはあくまでもイメージをしやすくするものであり、実際は詠唱がなくても可能である。
しかし、この世界では科学が存在しないため、何故火が付くのかと聞かれると皆は答えられないのだ。しかしユウヒは地球でさまざまな知識を得ていた。何故火が付くのかという過程を想像すれば行けるのではないかというのがユウヒが導き出した答えだ。
試しに人差し指を立て、イメージを集中させる。小さな火を灯すイメージ、火をつくためには空気中の酸素を使わなければならない。それらを頭の中で整理し、火を作り出すイメージを構築する。
イメージが固まったところで軽く指先に魔力を流し込み、火よ出ろと念じると思ったよりも簡単に火が付いた。
これが魔法と思いながらもジッと見続ける。こんなにも火が近いのにあまり暑く感じないのは込める魔力が適しているからだ。魔力が少なすぎれば火は灯らない。大きすぎれば火力が強すぎて逆にダメージを受けてしまうという事だ。
魔法はどれだけ適した調整を出来るかの魔力制御が大切になってくる。
《火属性魔法のレベルが上がりました》
火を灯しているとユウヒの脳内に文字が流れるような感覚がした。どうやら魔法をある程度使う度にレベルが上がっていくのだろう。本来であればここまで早く上がりはしない。これがスキル《神の恩恵》の特性だろう。
ユウヒはその後もさまざまな魔法の練習を始めることにした。