私は今、新幹線に揺られ、トランプで遊んでいる。
今日から修学旅行。しかも関東。
「ダウト(嘘だ)!」
「げっ・・・」
いや、修学旅行。
今やっているのがダウトなだけで。
ちなみに30枚程持ってるような気がする。
今も8枚プレゼントされてしまった。
トランプにもそろそろ飽きてきたころ、窓の外に高層ビルがいくつも見えた。
私にとっては初めて見る光景で、改めて自分が住んでいる所とは全く違うと知らされる。
今までテレビや写真でしかみたことのなかった都市。
「あ、写真撮ろっと」
持ってきたデジカメを起動させて、窓から見える風景を撮る。
写真を確認してる時、急にカメラを奪われた。
「どんな写真入ってるかな~」
「ちょ、え」
友達二人が同時に吹き出す。
画面に表示されていたのは、幼稚園のころの写真だった。
「「変わってない!」」
「えぇ!?」
まぁ髪型も変わっていなければ太った痩せたもない。唯一違うのは眼鏡があるかどうか位だ。
眼鏡を外して見せれば、また吹き出した。
やっとのことで駅に着いた。
整列し、新幹線を見送り、今まで見たこともない長いエスカレーターで地上へと上がる。
エスカレーターの上からふいてくる湿った風は、いつも感じる風とは何処か違った。
駅の外に出て、信号を渡る。
それだけのことなのに、人が多すぎて辛い。
何処かの毒舌小学生のようにお祭りがあるのかと錯覚しかけたが、そういう訳でもないらしい。
人混みの中、前を歩く副班長の背中をひたすら追い続ける。
先生から注意事項を言われ、班長に携帯電話が渡された、班別学習のスタートだ。
班員は6人。構成は男女共に3人ずつ。
「急げぇぇぇぇ!」
「「「「「えぇぇぇぇぇぇ!?」」」」」
体力のある男子が前を走り、体力のない女子がついていってる状態だ。
その理由。時間に余裕がないからだ。
ザックリと予定説明すると、電車に乗って某観光名所に向かい、昼食をとり、おみやげを買ってまた電車に・・・いや、説明している暇はなかった。男子に置いていかれる。
駅に到着。早く切符を・・・
「切符間違えたぁぁぁぁ!」
「Me too!」
班長の中野と班員の鳥(あだ名)がさっそくやらかした。
払い戻し可能だったおかげでなんとかなったが、別の入り口を探さないといけないということが発覚。
「えーっと・・・?今ここで・・・」
班長が地図を全く読めないことも分かった。
じれったい。
「ここだからそっちでしょ!」
地図を見た副班長が、方角を割り出す。
もうこんなドタバタなのに、この後更なるハプニングに襲われることなど、知る余地もなかった。
7月11日
誤字修正しました。サリアン、指摘ありがとう!