Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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82話ソラウ救済

 

 

ケイネスは軽トラックを発見すると、魔術を行使して鍵のアンロックとエンジンをかけていく。

ドアを開け、ロックが解除したと同時に車内の電気が稼働する。

 

「乗れ、魔術で運転する」

(え、大丈夫…なのか?)

 

花村は不安げになりつつも、助手席に乗った。

運転席にいるケイネスは腕組みし、水銀魔術で車を自動運転する。

 

「ランサー、その荷台に乗って近づいてくる敵を薙ぎ払え」

「御意」

 

後方はサイドミラーで視認することはできるが、それ以外は全く見えない。

ランサーは荷台に乗りつつ、護衛させていく。

 

「「「「キシャァァァッ!」」」」

 

近くにいたシャドウ達は車の音で一斉に向き、襲うが、車のスピードに追いついていけてるのが浮遊しているシャドウ達のみ。

 

「ジライヤ!吹き飛ばせ!」

破魔の紅薔薇(ゲイ・ジャルグ)‼︎」

 

陽介のペルソナは突風を放ち、敵をドミノ倒しのように崩し、ランサーは荷台にのったまかさま近づいた敵を槍捌きで切り裂き、貫いていく。

このまま移動しながらも追ってきた敵を片付け、基地に辿り着くがシャドウ達が周りを囲っていた。

 

「ここまで辿り着いたは良いもののが…この数は」

(私の仕掛けた罠も、もう効力を失いつつあるようだ)

 

拠点に張り巡らせた罠はシャドウ達の襲撃により既に作動され、3人が来るまでの間に発動している。

 

「簡単に入りそうにもないから一度作戦を立てて…ってあれ?ケイネスさんは?」

 

それでも罠では処理しきれないほどに敵の数が多く、ソラウを助けるにはこの群れを突破しなければならなかったが、

 

「いえ、いつの間にかいなくな「ソラウ!助けに来たぞぉっ!」……って」

 

出入り口が侵入できないならと、彼単独で窓から水銀魔術で突き破り、工房へ侵入。勢い余って転びそうになったが、バランスを整えて無事着地した。

 

ランサーが目を離したところで、マスターが特攻している。

 

「け、ケイネスっ⁉︎」

「マスター⁉︎」

 

聞いたことのない変な大声を出し、助けに向かうケイネスに驚いている。既にソラウの周りを囲っていたシャドウ達の他に外にいた怪物も大きな声と物音を立てたケイネスに変え、一斉に彼を襲う。

 

「斬!」

 

懐に隠し持っていた水銀を取り出し、魔術で膨張させる。ケイネスの周りを囲い、集まった敵を一掃していく。

刃物に変えた水銀はシャドウ達を細切れにし、霧となって消失した。

 

「ご無事ですか、マスターっ‼︎」

「おいおい⁉︎あんな無茶するなんて聞いてねーって⁉︎」

 

ランサーが槍で壁を突き破り、破壊した壁穴から陽介が出てくる。ケイネスはガラスの破片で、顔に少し傷がついていたが、なんとかソラウを助け出している。

 

「ソラウはこの通り、私が無事救出した。

あとは撤退するだけだ」

「それはそうですが…主人よ。

サーヴァントである私に指示を送れば、ソラウ様を助けることは可能です。

どうか無理はなさらぬよう…さっきの突入で、マスターが大怪我でもしたら」

「ホント、心臓に悪りって…こんな人だなんて知らなかったぞ俺っ」

 

ランサーはケイネスの無謀な救出に肝を冷やし、心配している。

陽介も、外見からして考えて行動する冷静沈着な印象だったが、助ける為とはいえ身を挺して動くとは思ってもない。

 

「ケイネス、助けてくれるのはありがたいけど、あんなアクション映画みたいなことしなくても突破できたでしょ…まぁいいわ。

それと、この状況は一体何が起きてるの?…結局、聖杯戦争は?」

「聖杯戦争は中止…いや、もう終わってしまった」

「は…?

終わったって、一体どういうことなの」

「結論だけ話そう、この霧の原因は聖杯によりものだ。教会からの通達だと放置すれば世界が滅ぶことになる。

聖杯戦争に生き残ったところで、聖杯が人類が滅ぼす産物であるならばアーチボルト家の誇りも無意味となる。

 

もう、お互い殺し合っている場合ではない」

「今は此処から脱出することが最優先です」

 

ソラウは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしつつ、目を見開いていた。

サーヴァントが残っているのに、聖杯戦争が終了したって通達だけでも驚くのに、聖杯の悪影響が冬木市どころの規模ではないと知り困惑しつつも理解しようとした。

 

「この基地を破棄し、教会へ向かうぞ。

全陣営がそこを拠点にしている」

「わ、分かったわ…そうね」

「くそっ…シャドウがまた集まってきてる。

その人を助けたのなら、すぐにでもこの場から早く抜け出さないと」

 

こうして4人は拠点を脱出し、乗ってきたトラックのある場所へ移動するが

 

「ケイネス…あの、これ二人しか乗れないのだけれど 」

「あぁ、俺はペルソナで後からついて行けるんで魔術だけじゃ守りきれないみたいたがら、軽トラにしたみたいです。

それに、俺もランサーさんに守ってくれるのなら二人のことも全然譲りますよ」

「ソラウ様、急いでお乗り下さい」

 

軽トラックを見て少し呆れ果てていたが説明を聞いて夫婦共に車に乗っていく。陽介はペルソナの片手に乗り、ランサーは教会にたどり着くまで軽トラックの真上になる。

シャドウ達は懲りずにケイネス達を襲うが、ソラウの元に向かった時と同様の対処をしていれば問題ない。

 

教会に辿り着くまでの間はジライアの突風で敵を吹き飛ばし、近づいた残りをランサーが刺し穿つ、薙ぎ払うの繰り返し。ソラウをすぐに助けれたのも、出会った敵にシャドウサーヴァントが出てこなかったのが幸いだった。

 

(俺のところはなんとか上手くいったみてーだけど…悠は大丈夫だよな。

嶺さんも子供みたいな姿になってるし、それでまた迷子になってないかも)

何事もなく教会に向かいつつも、陽介はひと段落つけたと安心し、同時にアイリスフィール達と一緒に行った悠のことも心配している。

 

 

そんな陽介達が教会へ向かっている、その一方で

 

「聖杯のある方へゴー!」

「あーもう、ちょっと姉さんどこなの⁉︎全然見当たないって!

ホント何やってんのマジでぇぇぇっ‼︎」

「はぁ…やれやれだ…」

「これ、かかりそうだなー…」

 

正輝達はライダー達と共に聖杯へ突撃した嶺を探してる最中であり、彼女達と合流するにはまだまだかかりそうだ。

 

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