「正輝さんがなんとかしてくれるけど…大丈夫かな?」
「今は、カ・ディンギルが最優先だ…正輝の助けに行っても邪魔だと言われる。急ぐぞ!」
響達は塔の近くまで向かい、カディンギルを止めようとする。カ・ディンギルはエネルギーを放つ準備をしていた。
「あれを止めれば!」
カ・ディンギルの塔を壊すためにすぐに響がガングニールで、翼が雨の逆鱗で攻撃しても、
「硬い⁉︎」
『おい、聞こえるか?』
「その声は…アーチャーさん!」
巨大な剣で塔は貫かれることも、響の拳で砕かれることもない。アーチャーから通信が繋がる。
『やっと繋がったか。今、カ・ディンギルを壊そうとする最中か?』
「それが、いくら攻撃しても」
響達はフィーネの野望を止めるためにカ・ディンギルをいくら攻撃して壊そうとしてもヒビが一つもつかないことを説明する。
『やはり、殺者の楽園から何か貰っているな…そのカ・ディンギルは雪音クリスが放つミサイル攻撃でも破壊できん!』
火力が高い雪音クリスのミサイルなら壊せるはずだったが、そのミサイルでさえも破壊できない。
カ・ディンギルは生半可な聖遺物だけでは壊せないような頑丈な塔になっていた。
「マジかよ⁉︎ならどうすりゃいいんだよ!このまま指をくわえて見てろってのか!」
3人だけでは塔を壊すことができない。壊す前に時間切れとなり、カ・ディンギルで月を破壊してしまうだろう。
アーチャーが響達の元へ向かう。
『後から私も行く。その間はカディンギルに向かって時間がある分…全力で叩き込め!カ・ディンギルで発射され、月を破壊される前に!』
「はい!やってみます!」
3人は持っている力で一斉に攻撃を塔に撃ち込み続ける。
出し惜しみすることなくありったけ撃ち込む。今やるべきことは3人の力で塔を崩すこと。
月が破壊するまでにはどうにかしなければならない。
*****
足止めをして戦いながら正輝はフィーネとあることを話していた。
フィーネの目的について、彼女は愛する人と交わすために人類に降り注がれた呪いを解こうとしている。
正輝はその部分の後に違和感を抱いていた。
「…釈然としないな?疑問なんだが、なんで月を壊すことに固執する?あのお方とやらから放たれたバラルの呪詛を解いたところでそのお方が何処にいるのかわからない。
そのバラルの呪詛が解かれた後に相互理解を手に入れたとしても、月がなくなることによって夜を照らす『灯』はなくなる。
あんたは暗い中で闇雲に探す気か?」
「バラルの呪詛を解き、交わす言葉を用いてからあのお方を探す…」
呪詛そのものである月を解かなければ、人と人が互いに手を取り合って繋がることはできない。そしてあのお方の元に辿り着きたいがために手段を選ばなかった。
「どんな夢を望み、それを手にするのかはあんたの勝手だ。
俺の知ったことじゃない。
けど、お前の望みは結局力で全てを支配するというものと同じだ。そんなものじゃそのお方とやらの心には届かないし、もしかしたら望んでないと悲しむだろう。
バラルの呪詛があるから人々は一生分かり合えないってか?
いいや違うね。
そんな呪いがあろうがなかろうが、たとえ相互理解を手に入れたとしても人は結局争い、間違いを繰り返すんだよ。
その間違いや過ちを繰り返して…人は強くなるんだ。
そもそもお前のやり方は誰の心にも響かない。ただ、悲しみを増やすだけだ。確かにお前は【痛みこそが繋がり】と言ったな?確かにそういう答えもあるかもしれない。現に俺はクリスとそうやって繋がれたんだからな。だが…お前のそれは」
それ以上その先は話す言葉はなかった。それは間違いだと言おうとしても、否定する権利は正輝にはない。
彼女は今までこの時を待っていた。
フィーネにとってもう引き下がることはできない。彼女は人の身を外れ、こうして敵となって目の前に立ち塞がる。
「それが間違いだというのか、恋心を知らぬお前「俺だって恋することはあるんだよ‼︎雪音クリスっていう少女をな‼︎だからそこ言っているんだ‼︎お前が恋するそいつはお前の行為を見て本当にそいつはお前のことを本気で思っているのかと言ってるんだ‼︎」なにっ…⁉︎」
フィーネが好きであるガストディアンは彼女と同じ立場に立つのを嫌っていた。もしその人物が彼女を本気で愛しているのなら、呪いを降らせることが果たしてできただろうか。
もしもその人がフィーネのことが好きなら躊躇している。バラルの呪詛によって交わす言葉を絶たれることをし
それはフィーネと言葉を交わしたくないと言っているようなもの。
「俺がどうこう言えるものじゃないが、そいつがあんたのことをなんとも思ってないのなら…また突き落とされてしまうぞ」
ガストディアンは言葉を断ち切り、フィーネを見捨てた。しかし、フィーネはあのお方に辿り着くために抗っている。
正輝の望みはフィーネには届かず、絶対に叶わない。
「なら諦めろと言いたいのか…胸の内を届けたいがために、私はここまでたどり着いた。貴様のような奴が勝手なことをほざくな!」
フィーネはさらに激しく攻撃し、正輝を殺そうと襲いかかる。それでも、正輝はまた一歩も引かない。
「恋焦がれることが罪なんかじゃない。これは【俺の身勝手な望み】だから、聞き入れる必要もないし。あんたを否定する気はない 」
最期の劔で自分の身体を防ぎ、左手に持っているヘイト・ブレイドで遠距離からチマチマとフィーネに攻撃している。
「もしも、もしもだ…おまえのやり方でバラルの呪詛とやらを解き放ち、創造主との相互理解を交わすことができたとしても…おまえがやってきた過程を一体誰が認める?
ポッと出である俺にはあんたの全てがわかることはできないだろう。だが…たった一つだけ言えることは…お前の野望は恋した人も素直に喜ぶとは、俺には到底思えない。
あぁ、分かってるよ。
それでもお前は進むんだろう。
たとえ否定されようともお前自身の意思で。何も知らない部外者の俺が口を出すなって、力ずくで俺を殺して進む。
けど、お前の理想は叶わない。
何故なら…さっきも言ったようにお前の理想は、俺とあの3人が盛大に砕くからな?
俺、いや…俺達にも譲れないものはある。だから、何が何でも止めさせてもらうぞ。おまえの野望を」
投影した干渉・莫耶で攻撃を防ぐ。
正輝はフィーネ相手に長時間正面に立ち向かって戦い続けている。もう、一歩も引くことは正輝にはできない。身を引いてしまえば、3人は守れないからだ。
(まだなのか、あいつらは…)
*****
「やはり、ダメなのか!」
「くそっ!こんなにやってんのにぃ!」
いくら3人が攻撃しても塔はびくともしない。立ち上がる気力はもうない。自分達の最大限力を盛大に使いきり、倒れ伏せている。
カ・ディンギルは待ってくれない。
月を破壊するためのカウントダウンを進んでいく。
「こうなったらまた絶唱で!私の歌でみんなを」
「やめろ!そんなことをすればまた!」
「このままだと、月が」
クリスはまた絶唱を使って、今度はカ・ディンギルを破壊しようとするが翼に止められてしまう。
その時だった。
「聞こえる、歌が…」
小日向未来や友達、同じクラスメイトが3人を応援している。
逃げていった人達が学校近くのシェルターへと避難していた。
彼らは地下で燻っているわけではない。
学校の施設にある電力を元に戻し、必死に塔を破壊している3人をただ眺めているわけではない。
響達は人を守るために命を懸けて戦っている。
「校歌だ、私達の」
クラスメイトの声が聞こえていた。
その声の中には響の親友である未来や友達の声が聞こえている。
「生きていたんだ…そうだ、正輝さんだって命をかけて足止めをしている。生き残っているみんなも頑張ってるんだ…だからっ!」
彼らの歌が聖遺物と同調し疲れ果てていた3人は立ち上がり、エネルギーをアームドギアに貯める。
(こちらもここにたどり着いた!一気に壊すぞ!)
「ぶっといのをぶち込んで…」
「今度こそ全身全霊、この一撃に込めて…」
アーチャーが遠くから宝具を投影し、遠距離からカ・ディンギルを破壊する。
「我が骨子は捻れ狂う…
「いっけぇぇ!」
「はぁっ‼︎」
【千ノ落涙】
【MEGA DEATH PARTY】
立花響の右手の拳でひび割れ、風鳴翼と雪音クリスのフォニックゲインを最大限まで高められた巨大なミサイルと大剣がひび割れたところを同時に狙う。
カ・ディンギルは大破して爆発し、最後にアーチャーが宝具で貫き、塔は崩れていった。
「学校を鳴らせたのは通信で私があることを提案して弦十郎と連絡したからな。
私が来る間に彼女らに何かしてあげれるんじゃないかと。しかし、その二課も地下シェルター内でどうにも動けない。
フィーネによって学校の機材をなんとかするようにしたのは私だけではない。響が助けた少女や響のクラスメイトにも協力してもらったがな。
避難していた人達が生きていることがわかるようにすれば3人は希望を持って戦えるだろう」
最初は応援もできずにシェルター地下で何もできないままだったが、アーチャーや一般市民の努力によって学校の電力を復旧させて、こうして応援できている。
それを遠目に見ていたアーチャーは3人の無事を確認して去っていく。
3人の姿は光に包まれていた。
*****
「なんだ…耳障りなこの歌だな!」
スピーカーから歌っている声が流れている。フィーネが周囲を見渡している間に、正輝は気にせずに襲いかかる。
「随分と動きがとろくなったな?よそ見してる場合か!」
「こいつ!肉を削いで「その手はもう見飽きた!」ガッ⁉︎」
正輝は3人とアーチャーが一斉に攻撃しているのを察知して、投煙球を投げて目を眩ませて逃げる。
「どこへ行った!」
正輝が逃げたと同時に立花達によってカ・ディンギルが崩れてゆく。
彼女が作り出した塔は崩れていった。
「か、カディンギルが…あ、ぁぁぁぁあぁあっ‼︎」
(私の思いは、またもっ‼︎)
塔が壊された以上、月を破壊する手段はない。
「どこまでも忌々しい!月の破壊は呪詛を解くと同時に重力崩壊を引き起こす!惑星規模の天変地異に人類は恐怖し、狼狽え、そして聖遺物の力をふるう私の元に基準するはずであった…痛みだけが人の心を繋ぐ絆!
たった一つの真実なのに!それを、こんなことでっ…お前達は‼︎」
彼女に協力してたものの、雪音クリスと同じく使えない駒であり邪魔をした厄病者。
裏切った彼に対する憎悪だった。
しかし、正輝はフィーネがカ・ディンギルの崩壊を見ている間に投煙球を地面に投げて、既に逃げている。周りを見渡しても正輝の姿が見当たらない。
(あの、あの忌々しい男のせいでっ‼︎)
彼女は立花達3人のことも消さなければ気が済まなかったが、特に散々からかい逃げ隠れしている正輝に振り回され、月破壊の計画は無残に終わりカ・ディンギルは3人によって無残に崩れていった。
「どこにいる、どこにいる正輝ぃ‼︎今すぐに出てこい!奴だけは先に目の前で殺す!絶対に、ただでは死なさせんぞ‼︎」
(おー…怖い怖い)
計画を蔑ろにされた正輝をズタズタに削ぎ殺そうと血眼になって探している。まるで、彼女は般若のような顔をしていた。
フィーネは言えようもない怒りを周囲にぶつけ、隠れている正輝に向かって叫ぶ。
「そう血相変えて叫ぶなよ、マジでこえーよ。お前」
「⁉︎どこだ…どこにいる‼︎今すぐ出てこい‼︎」
彼女は計画を妨害された正輝に対する怒りで満ちていた。
「さてと俺は下がるか…さぁ時間は十分稼いだ‼︎3人ともフィーネと戦う用意はできたか!」
3人から光の柱が出現する。彼女らの元々の変身から、また別の新しい姿へと変わってゆく。
「まだ戦えるだと、カ・ディンギルを壊してフォニックゲインは限界のはずだというのに…何を纏っている?それは私が作ったものか?お前達が纏っているそれはなんだ⁉︎」
フィーネからしたら強固にされたカ・ディンギルを壊すにしても相当のフォニックゲインを費やす。
しかし、3人はこうしてクラスメイトや未来の歌に共鳴して立ち上がろうとしている。
彼女らの姿は空を飛び、
「シンフォギアだぁぁぁぁっ‼︎」
新たに変身した姿エクストラドライブモードに変身する。暗雲だった空に、太陽の光が明るく照らされた。
*****
Qフィーネの和解は?
A無理です。
正輝は一応彼女の協力者であっても、彼女自身のことを止める義理はなかったので。
Q学校の施設の電力直すの早いですね。
Aアーチャーは地下シェルターの二課に提案しただけです。それ以降は一般市民の方々になんとかするくらいでしたかね。