Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

21 / 106
20話ワルプルギス戦(後半)

 

 

戦える人数はあと僅か。

戦闘状況はまだ芳しい様子になっている。シンフォギア勢力と参加している魔法少女はほぼ離脱。

 

少なくとも良い知らせとしては、奇跡的に死者が出てないこと。

だが、悪い知らせの方がかなり多い。

 

戦力が減っているのは当然、防ぐのに疲労が溜まっている。一部でも防衛が崩ればそこから侵入されて街は全て破壊される。空を飛べる人もペルソナ使いの三人とフェアリーテイルのルーシーの召喚魔法だけ。

 

 

「また来るぞ!」

 

 

 

 

もしも、正輝と嶺達が失敗したら。

ワルプルギスの戦いが長引き続ければこの防衛がいつまでもつかわからない。

(ナツ、エルザ、ハッピー…嶺さん)

 

ルーシーは嶺とナツ、エルザのことをを心配していた。いくら戦闘にかなり強いからといってあんなとんでもない化け物じみた敵を倒せるのかどうか。

 

 

*****

 

ほむらが確認すると嶺とハセヲにデータドレインを当てたのは成功しているのを見た。が、ワルプルギスの様子が明らかにおかしくなっていることにほむらは悪寒がした。

 

(どうなってるの⁉︎)

「ち、ちょっとほむら!ワルプルギスってあんな風に黙ってた時もあったの⁉︎」

「ちょっと黙ってて!」

 

本気を出したワルプルギスなんてほむらが知っているわけがない。こんなことは初めてだった。前までは笑っていたはずなのに、今度は笑わなくなって逆さまの状態をやめて本気で襲ってきている。

 

「どうしてあんな状態に…」

 

使い魔が大量に増やし、自分達にも襲いかかってはいるが、一番は嶺達を狙っている。街を壊すだけではなく、データドレインを使った二人を確実に潰すことに力を向けた。

 

「ほむら!今あたしらにやれるのはここを守ることだっ‼︎」

ワルプルギスの猛攻撃によって爆発が生じる。爆発と同時に煙が上がって遠目でも正輝達の様子が見れなくなっていた。

 

彼らの周辺は無残に壊され、どうなっているのかわからない。ほむら達もまた民間人を守るために必死に守っている。

 

 

*****

 

第一段階であるデータドレインをワルプルギスが受けることには成功したものの。

 

「…え?こんなの聞いてないんだけど」

 

あれだけ笑っていたワルプルギスが、突然口を閉じている。ほむらの情報では笑った状態で周辺にある建物を壊してそれを飛ばしたり、魔法少女に似た使い魔を召喚して襲ってくる。

 

 

開いていた口が急に閉じる。嶺とハセヲの二人は何か嫌な予感がした。

(あ、これヤバイ)

 

突然、なんの前触れもなく崩れ崩れの建造物が大量に宙を浮き、二人に向かって集中的に襲ってくる。魔女の速度が速くなっており、二人は出遅れる。が、

 

「先輩!」

「ペルソナっ‼︎」

 

ペルソナによって建物の衝突(物理攻撃)を跳ね返した。もし、完二と悠が一歩でも遅かったら二人は確実に倒されていた。

 

ワルプルギスが自分達いる方に身体を向かせ、力を使ってきた。それだけではなく、使い魔も大量に出現させ、逃げ場を無くさせる。

 

使い魔は積極的に二人を狙った。

 

「っ⁉︎」

「ハセヲさん!」

 

アトリは怪我をしているハセヲと嶺をオリプスで回復し、嶺は呪符の連続使用で空から無数に降ってくる建造物と使い魔ごと巻き込んで続ける。

 

「火竜の翼撃‼︎」

循環の剣(サークル・ソード)‼︎」

 

 

足止めしていた使い魔を遠距離からアーチャーが近づいてナツ、エルザが倒す。しかし、助けに来てもらったのに今度は嶺とその仲間達が囲まれてしまった。

 

「なんでだよっ!初期化ってやつをやったんだろ⁉︎」

「元々が強いから初期化しても俺達が上回なきゃいけねぇんだよ‼︎笑ってたのは余裕があったからだ‼︎」

 

 

ナツは初期化させて弱くなったと思ってたが、ハセヲの言う通りワルプルギスの夜というのは特別な魔女である。

 

たとえ魔女を初期化したとしても、本体が最初から元々強く、正輝達や嶺達に手に負えないのなら誰にも止められない。真上にはワルプルギス、周囲には使い魔。嶺達にとっては絶体絶命の状況だった。

 

 

「一旦退避しろっ‼︎‼︎至近距離じゃまずい!とにかく逃げて距離を取るしかない!」

 

そこに正輝達が二人を助け出そうと動く。投煙球を投げてこの場からひとまず逃げるものの、その効力がいつまで続くかわからない。ワルプルギスの目を眩ませて、ひたすら逃げる。

 

が、彼らのいる地面に亀裂が生じて崩れた。突然地面が揺れる。

 

「なにっ…⁉︎」

 

ハセヲにはアトリ、エルザ、ハッピー、ナツ、巽完二がおり、嶺には鳴上悠、岩谷正輝、衛宮士郎、アーチャーという形で二つに分断されてしまった。

 

「クソッ!」

「嶺っ‼︎」

 

ワルプルギスは周囲を無差別に壊すことを止め、二人を潰すことに専念した。が、見えなくなったことで周囲にいる敵だけでも無差別に潰そうと地震を起こして逃げられないようにする。

 

ワルプルギスはほむらの因果律によって膨大になっていた力が突然ゼロにされた。

まずハセヲを諦めて、嶺達を襲う。

 

「魔力を温存したいのにっ…‼︎」

正輝はすぐさま投影魔術を使用して姉を死なせないために防ぐ。正輝は嶺を守るのに精一杯。

「令呪を以って命ずる…セイバー!宝具を用いてワルプルギスを薙ぎ払え‼︎」

 

撃破ではなく遠くに飛ばす為にセイバーに宝具の使用を許可させた。ここまでの力を持っている為に宝具で倒せるかわからない。

案の定、ワルプルギスはまだいる。

 

正輝、アーチャー、士郎の三人が準備をするまで時間がかかる。正輝と嶺は後方にいた仲間達を数人転移させた。

 

(ごめんなさい、私はまどかを見張る。あのインキュベーターが何をしでかすか分からないから)

「なるべく時間を稼いでくれっ‼︎」

 

美樹さやか、佐倉杏子、グレイ。

そして離れてしまったハセヲ達を正輝達の元まで転移させた。

 

倒せないのはみんな分かっている。

最悪、まどかが願いを叶えるしかない。それでも、可能性がもしもあるのならみんなで生きて帰る。

 

 

【ワルプルギスの夜は倒せない】

とインキュベーターは言っていた。

 

 

だが、ワルプルギスがこの世界だけで最強なのならば、その弱点を正輝達は確かに持っている。

 

「おい!もういいか!こっちも!」

 

三人が詠唱し終えて、固有結界の用意が整う。

 

無限の剣製(アンリミテッド・ブレイドワークス)

 

魔力によって生じた結界はワルプルギスの夜を巻き込んだ。

 

*****

 

「お前に姉さんは殺させねぇぞ。災厄の魔女」

「さぁ、魔力の貯蔵はできているか?」

アーチャーと士郎、正輝の三人が固有結界を使用してワルプルギスの前に立ち塞がる。危険視していた二人は既におらず、すぐさま三人に標的を変えて、使い魔を何千人か出現させる。

 

正面から、空から、横から、後ろから。全く逃げ場のないこの状況でも三人は笑っている。

 

使い魔が三人を囲み、襲うと同時に無名の剣が使い魔の頭上から降り注がれる。

 

 

「徹底的に叩きのめしてやるよ」

 

ワルプルギスは周囲にある物を壊し、結界を無理矢理にでも破壊しようとする。

 

「ついて来れるか?」

「ついてこれるか、じゃねぇ!てめぇのほうこそついて来やがれっ‼︎」

 

士郎とアーチャーの二人が先陣きって使い魔の群れに向かう。同じ戦いであるのか、息が合うように斬り伏せる。

 

正輝の方は巨大な剣を複数出現させ、ワルプルギスに当てる。だが、剣は粉々になりワルプルギスも無事であった。が、正輝の攻撃を受けた数分後、

突然苦しそうな声が聞こえ、魔女にまとわりついていた歯車が少しづつ崩れていく。

ワルプルギスの様子がおかしかった。

 

 

なぜワルプルギスが弱くなっているのかという理由はここが三人の固有結界で作られた世界である為にまどか☆マギカの世界ではないから、力が一向に退化していく。

 

 

まどか☆マギカには幾多の魔法少女達によるものから生まれたが、この世界ではそもそも魔法少女というものがない。

 

魔女は世界によって支えられていた。

その世界が突然変われば、急激に退化してもおかしくはない。

 

 

「一気に押し勝て‼︎」

 

 

今ならワルプルギスを葬れる。固有結界の時間が切れてしまえば、ワルプルギスは勢いを取り戻し、誰にも止められなくなる。

 

 

 

「これで…終いだ‼︎」

 

三人がセイバーの聖剣を投影する。

魔術回路を限界までフルに起動させて作り上げる。この聖剣を完成しなければ、確実にワルプルギスを倒すことができない。

 

 

「「「約束された勝利の剣(エクス・カリバー)‼︎‼︎」」」

 

衛宮士郎、アーチャー、岩谷正輝による三人の攻撃によってワルプルギスは光に飲み込まれて消えていった。

 

 

*****

鳴上達は正輝達よりも先にすぐさま撤退した。曇っていた空が晴れ、ワルプルギスの姿もなくなっている。浮いていた瓦礫は雨のように崩れた。

 

「終わったの?でも」

正輝達がどこにいるのかわからない。

他の魔法少女が探しているものの、三人だけではなく他にもいなくなってた。が、

「おーい!手伝ってくれー‼︎」

「花村!」

陽介の呼んでいる声が聞こえている。

三人だけではなく、嶺の仲間であるナツ達と悠と陽介が三人を背負ったりしている。ワルプルギスを倒し、魔力不足と体力の大幅な消費によって動けない三人をナツとグレイの二人で運ばれていた。

 

 

「二人揃って…無様な姿だな」

「お前の方こそ…」

「どっちもどっちだ。

 

まぁでも、生きてるだけマシだな。

うん」

 

 

士郎は未熟であるために立つのがやっと、アーチャーは大きな怪我はないが傷だらけ。正輝はほぼ魔力が僅かで身体があまり動けない状態。

 

固有結界を使った三人がボロボロになって無事に帰ってきた。

 

 

「いよっしゃァァッ‼︎」

 

完二が先に声に出して叫ぶ。

その叫びと同時に多くの仲間達の歓声が上がった。ワルプルギスの恐怖は去り、無事に生き残れたことに喜びの声が上がる。

 

「ほむらちゃん!」

「これで本当に…」

 

まどかを助けるためのほむらの長い戦いはようやくここで終える。

正輝達の激戦がようやく終わった。

 

*****

ワルプルギス撃破完了。

これよりボスラッシュを終了します。

*****

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。