Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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23話誤解

正輝に助けられた艦娘達は、無人島を見つけ、すぐに向かう。彼女らが無事にたどり着くと、近くにあった小屋に入り、人がいないか浜風が確認する。

 

「誰も住んでる様子もなく。異常もありません」

 

確認しに向かった浜風が小屋に入って誰もいないことを四人に伝えた。

 

「それじゃあこの小屋でゆっくりしましょうか」

 

四人はとあるきっかけでブラック鎮守府を抜け出して脱走した。脱走する前は仲間である他の艦娘もかつてはいた。が、脱走したのはこの5人だけだった。

他にも仲間がいたはずなのになぜ5人だったのか。それは、彼女らしか知らない。

*****

 

砂場に辿り着き一時の休息をとっていた。資源の問題が残っているが、海にいた為に五人の疲労が溜まっている。

 

三日間の海に滞在していたことと、度重なる深海棲艦の戦闘。五十鈴と榛名の二人で協力して助けてくれた正輝をズルズルと小屋まで運んでいる。

 

全員が小屋に入り、床と椅子に座りながら休息をとった後

「…それで、この人どうするのかしら?」

「変なことしたら殺るか?」

四人を指揮しているリーダーの榛名に五十鈴は聞く。彼を連れてきたのは榛名が決めたことで、彼が自分達を襲うかどうかわからない。が、

 

「待って下さい!私は、この人が悪い人だとは」

 

朝潮は助けてくれた正輝を庇う。しかし、摩耶は正輝に指差しをして反論する。

「こいつが提督と同じ人間だから私らを差別することだって!」

「あのねぇ。そうだったら、私達のこととっくに見捨てているわよ…本当に下衆だったらだけど」

「ハァ⁉︎お前までこいつのことを擁護すんのかよ‼︎こんな奴、あの海にさっさと放置すればよかったんだ!なんでそんなことしなかったんだよ!」

「とにかく。彼について謎だらけなことが多すぎます。殺すのはまだ待って下さい。全部が全部悪い人だなんてまだ分かりません。朝潮を助けた意図も知りませんし」

 

四人は正輝をどうするのかもめていた。摩耶は正輝をどこかに捨ててこいと言っているが、彼をよく調べる必要があるためにそのままにしている。

 

揉めている間、五十鈴が横になっている正輝をつっつく。

「それにさ、人間が手から剣を出したっていうのは幾ら何でも不自然よね?この人本当に人間なの?」

 

彼女らは人間を恨んではいたが、その人間が手から剣を出すこと自体、普通はありえないことだ。力も持ってない非力な存在なのになぜそんな異能な力を持っているのか。

 

 

「分かったよ、一応こいつは私らを助けたし。まぁ、なんにせよ。五十鈴がここの無人島を見つけたのが何よりの救いだよな…」

 

奪っていた資材もそろそろ枯渇しており、どこかで補給しなければならない。だが、こんな状態で探しに行くというのは酷なもの。完全に回復した朝潮と浜風が先に無人島の散策を行い、資源を探す。残りの3人は小屋でのんびりし、二人の帰りを待っている。

 

 

「彼が起きる様子もないけど、誰が一人でもこの人を見張らないと」

「…あたしが見張っとく」

 

みんながみんな、彼のことについて信用しているわけではない。艦娘だからという理由で理不尽な目に何度もあっている。摩耶はボロボロになりながらも彼の側に向かう。が、榛名が摩耶を止めた。

 

「無茶です。今のあなたも朝潮さんと同じく大破している…そんな身体で無茶をするわけには」

「邪魔すんなよ。それに…こういうのは、この摩耶様が適任だか…」

そう言うと摩耶は倒れてしまい、

 

「なんでっ…⁉︎」

「摩耶さん‼︎」

摩耶は壁に手をついてもう一度立ち上がろうとしても、力が入らずに倒れかけてしまう。彼女の足が震えて、足の力が出ていない。

彼女の身体はもう限界が来ていた。

「んだよこれっ…あたしはまだ」

「やっぱり身体にかなり負荷がかかってる。何日間も逃げ回って、仲間を守りつつ前線きって戦ってたんだから当たり前だけど…それに、この男を見張っても大丈夫だと思います」

「それでは、彼は放置で」

「ええ、今日は見張りは必要ないです」

無人島の散策に行っていた。二人が帰ってきた。

「近くに川がありました!」

朝潮と浜風は3人に報告し、案内した。

 

*****

 

川のところへ向かい艤装はもちろん衣服を全て脱いで遊んでいた。川は海と繋がっており、そこから魚が泳いできている。艤装はちゃんとすぐに持てるように自分の近くに置いてある。

 

「魚取れました!」

「ふふん、こっちは五匹目よ!」

「あぁ…」

浜風が胸が一番大きく、魚が落ちそうなところを濡れすぎて滑ってしまい。がっくりとしている。

3人が遊んでいる光景を摩耶と榛名が眺めている。

 

 

「…こうしてのんびりするのも久しぶりですね」

「あのカス野郎(提督)の指示で働き責めだったのと鎮守府の脱走だからな。艦娘であり、兵器である私らを散々こきつかうのは仕方ねぇんだよ。でもあの野郎の場合は一方的にも程がある。あぁぁぁぁっ!思い返すとマジでイライラする!」

摩耶の方は足に水をつけ、手で身体を洗う。榛名の方は彼女の隣で一緒に座っていた。

「安静にしとかないとダメよ?」

「…るっせぇ。お前もだからな」

彼女らのそばには襲われないために艤装が置いていた。

 

*****

 

「あれ、ここは…え、どこ?俺さっき海にいたような…」

正輝の方はBLUEで自動防衛され、身体を守るようにしてある。正輝の回復は完全に復活しており動けるようになっている。

 

正輝は周囲を見渡してもさっきの少女達が見当たらない。小屋を出ても、彼女らはいなかった。

 

「…なんか声がするな。あっちか?」

 

小屋の近くで騒いでいる声が聞こえている。一体どんな人なのか分からないためにひっそりと向かって行った。

 

(…えっ?)

 

そこには、そこのは水辺のいる場所には全裸姿の五人が休んでいた。胸の大きい4人と正輝がついさっき助けた小さい少女がいる。

 

艤装と衣服は水辺の近くに置いてあり、少なくとも二人は敵をいつでも撃てるように武器をそばに置いてある。

 

「あっ、ヤベ…一旦ここは帰らないとあいつらに見つかったら」

 

今の正輝は森林で隠れている。

さっきの小屋で寝たふりでもしたほうがマシだと思い戻ろうとする。が、大量の鳥が羽ばたく音で気づかれてしまい。大きい音を出してしまった。

 

(こんの、鳥野郎⁉︎)

 

その鳥の音に気付いたのか浜風が近づいて近くの林に入ろうとする。やり過ごすために正輝は逃げ隠れしている。

が、

 

(木に張り付いてんのムカデじゃねぇか⁉︎)

 

このままやり過ごすことも可能だったが、首に噛まれたら重傷は免れない。

「おい危ない‼︎」

襲われる前に木に張り付いてあるムカデを投影した投げナイフで殺し、浜風を引っ張って助けた。

 

「おい大丈夫か?」

「えっ、あの…わたし」

「全く、そんな無防備な姿で森に出るんじゃな…あっ」

「えっ、あ…あぁぁぁぁぁぁっ⁉︎」

《モニュモニュ》

正輝の視線が下にいっているのを見て浜風もまた下を見る。正輝が浜風の富んだ胸をしっかりと掴んで揉んでいた。

 

 

*****

 

「いや、あの…違うんだよこれは」

「浜風〜!何して…あんたっ!浜風になにしてんの‼︎」

彼が出てきたことで水辺にいた少女達の態度は一変する。怒鳴ったことによって平穏だったはずがいきなり艤装を用意して敵を排除しようと動く。一人は立ちすくんで怯える朝潮、朝潮を守る五十鈴。榛名は遠距離から援護する。そして、正輝が一番危険だと感じたのは先に敵視している勝気な少女の姿だった。

 

 

躊躇なく接近して近距離から砲撃し、それを正輝はBLUEで防ぐ。

 

「チッ、まだ生きてやがるっ…!」

「お前!仲間ごと撃つつもりかっ⁉︎」

 

浜風の方はあまりの恥ずかしさで気絶している。正輝はなるべく彼女に被害がないように安全なところへ砲撃を避けながら移動させた。

「チマチマ避けてんじゃねぇ‼︎」

衣服なしの裸になっても艤装を用意して、殺す気で構えた。こんな姿を見られたところで恥ずかしく思ってない。恥よりも目の前にいる敵を殺すことを優先していた。

(マジで殺す目だな)

「お前、人間じゃないのか。手から剣は出すわ、障壁作るわ…もしお前が人間なら殺してやる」

「転生者、そういう存在だ。人間であるかどうかはそっちが勝手に決めればいい」

「そうかよ!」

摩耶は正輝が人間であるかないかの関係無しに撃ってくる。しかし、正輝は摩耶の攻撃をすべて避けている。

 

「ちょっと落ち着け。俺はお前らと戦う気はない」

「ふざけんな!あたしらを散々踏み台にした人間のことなんて信用なんてできるわけがないだろ‼︎やっぱりこいつなんて拾うんじゃなかったただろ!どうせ邪な目で私らのこと」

「んなこと思ってないわ!それと何を言ってるんだ⁉︎お前らは人間なんじゃないのか?だって人の姿だし、感情だって」

「あたしらは【艦娘】だっ‼︎あんな奴らと一緒にするんじゃねぇ‼︎」

 

そもそも艦娘などという言葉を正輝は知らない。今の正輝が目にしているのはただぶっきらぼうに全裸の姿でガチギレして危険物を用いて殺そうとしている姿だった。

 

 

「まぁともかく。地上戦じゃ圧倒的にこっちが有利だ」

 

頭に血が上っていて、殺そうと撃ってくるものの全部的が外れる。正輝は避けつつ隙を見て摩耶の持っていた武器である艤装を没収する。

「てめぇ返、うわっ⁉︎」

 

何もない彼女は殴ろうとするものの吊り男のタロットでまず摩耶を動けなくさせ、バインドで動かなくさせる。

「それと、そんな姿だったら…余計に戦いづらいわ」

「余所見している場合!」

 

彼女らが恥じらいが無いことに正輝は驚いていた。が、そんなことを思っるいる暇はなく正輝によって摩耶が倒れたのを五十鈴が見て、彼に向かって魚雷を放つ。

 

 

「あ、あの…私も戦いま「あんたは下がってて‼︎」」

朝潮は艤装を持ってきて、戦う用意をしたものの朝潮では正輝に敵うはずがなく。五十鈴が前線きって戦っている。

 

 

「やった「こんなおっかない物まで使ってくるとはな」嘘っ、防いだっていうの⁉︎あんな至近距離で魚雷を直撃させたのに⁉︎ 」

 

五十鈴は魚雷を飛ばして仕留めたと思っていたはずだったのに彼は無事に生きて立っている。

 

「まだ私は「お前もお前で、隙がありすぎ」何を言って…えっ?あれ目眩がっ…」

 

摩耶の方は吊り男のタロットとバインドで痺れさせているために、五十鈴には眠りのタロットでグッスリと眠らされていた。

 

「一応、彼女ら二人には暴力を振るったり、手は出してないからな」

正輝は朝潮に近こうとするが、巨大な砲台が正輝の背中に触れる。

「…動かないでください。一歩でも動いたら撃ちます」

「俺が敵ならさっさと撃てばいい。

でもそしたら朝潮まで巻き込まれるぜ。

 

それとも震えからして人を撃つのは初めてか?」

 

正輝は砲台を構えられても動じずに榛名に近づく。榛名は一歩、また一歩と引いて撃つのを躊躇していた。

 

「う、動かないでと言って「…初めてだろうな。恐怖心で撃ってるから狙いは無茶苦茶、身体は震えてる。

 

そんなんじゃ、いつまでたっても当てられん。

 

言っておくが俺はなんの危害も加えない。それはわかってくれ。それと…ちょっと二人のアザを見せろ」

そう言うと正輝は榛名の腕を手にとって治療した。正輝が治療しているのは深海棲艦での戦闘での怪我もあるが、提督に殴られた痕も残っている。

 

 

本来は入渠にはいって身体全体を直しているが、榛名の方は何度も殴られているために痣がまた出来てしまう。

 

「すぐ済む、そっちの子もやっておくぞ」

治療を終えると榛名は正輝を避けるようにすぐに腕を振り払った。

「一体、なんのつもりですかっ…⁉︎」

「助けてもらった恩だ。悪いか?」

榛名は彼が優しくしたことに対して今度は気味悪く思って恐怖していた。殺そうとしたのにどうしてこんなに優しくするのか理解出来ない。

 

何か悪巧みを考えているのではないかと警戒するだけでなく、怪我を治療されてもなお心を許さない。

「なぁ?なんで俺を殺す気で襲ったんだ?」

「他の四人に…手を出さないことを約束しますか?」

「ん、わかった。約束しよう」

そう言うと縛り付けにされた摩耶は拘束から解放されたものの正輝を睨みつけ、朝潮は榛名が手を繋いで一緒に小屋に戻っている。

一方、正輝によって倒れていた浜風の方は顔を赤くしながら

 

「触られた…思いっきり揉まれた」

 

まだ異性の人に胸を揉まれたことがないために気絶しながら呟いていた。

 

なお、眠っている五十鈴と気絶した浜風及び艦娘5人分の艤装は正輝が小屋まで持ち運んでいった。

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