Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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26話歓迎(心からとは言っていない)

鎮守府に行く前の話

 

先にやるべきこととしてまず五人がどこの鎮守府にいたのかというのが一番重要なことだった。

 

「お前らどこの鎮守府にいた?」

「えっと…確か」

 

五人がいた場所は呉鎮守府という場所。

鎮守府に行く前にシャドーを使った索敵でどうなっているかを確認した。艦娘の方は平穏な暮らしをしている反面、提督の指示に嫌々ながらも聞いているのが過半数。

 

津川という男が彼女らの支持を持っている。艦娘達はそれらのグループに空中分裂していた。

 

提督に反抗するグループの過激派と面倒ごとに関わり合いたくない穏便な艦娘達に。

 

提督の部屋に入るのは容易で、簡単に侵入することは可能だったが、津川が牢屋や実験台にしていた部屋は何もかも無くなっている。

 

しかし、提督の部屋を調べていくうちに余りにも信じられない結果内容だった。

 

「艦娘は統治してない状態だけじゃない…

 

 

偽装工作に、五人が居なくなって以降嫌がる艦娘に夜架を続行中だと⁉︎しかも、提督だけじゃなくて憲兵まで楽園のグルって…何処まで腐ってやがる‼︎」

 

 

あの鎮守府には憲兵もいたが機能していない。理由はその憲兵が津川から押し寄せた手下であること。

 

 

提督の部屋から調べて殺者の楽園と手を組んでいたということが分かったのは明白となった。

 

正輝と榛名はスパイとして、ブラック鎮守府の憲兵をすることとなった。

 

 

*****

 

そして現在に至る。大本営を欺いて、鎮守府にやってきた。

「今はこうして鎮守府の正門近くにいるわけだが」

「迎えに来てくれる艦娘が誰もいませんね…」

 

確かに大本営からその鎮守府に憲兵が来るという連絡が来ているのは間違いない。だから、艦娘の一人や二人は必ずすると思っていたものの誰一人迎えが来ない。

 

 

「なんて言うか…前よりも、とても空気が重くて。一言で言えば様子がおかしいというか…」

 

榛名は前にいた鎮守府とは全く別の違和感を感じている。言葉を聞いた正輝は、突然誰かに見られていることに感知した。

 

 

 

艦娘は水面では確かに強力だが、陸地での戦闘は素人と同じ。隠しているつもりだが、遠くからの殺気を正輝は感じる。そして、

 

「⁉︎伏せろっ…‼︎」

 

いきなり誰かが大砲を向けてこっちに撃ってくる。二人のいる場所で大きな爆発が起こった。

 

*****

 

「憲兵の撃破、確認しました」

『よし、よくやった。戻ってきて良いよ?』

 

津川の命令で艦娘に二人の憲兵を狙い撃つ。

二人を狙っていたのは姉の扶桑型一番艦戦艦扶桑と妹の扶桑型艦戦艦山城だった。

 

 

「姉様。人間が艦娘相手に砲撃を食らえば間違いなく死ぬわ。後は、津川さんが事故として後処理してくれるでしょ」

「えぇ山城。彼の代わりに私達が邪魔者の排除をどうにかしてあげなきゃ」

 

姉妹艦である山城と扶桑の二人がその場を去っていく。倒したかどうかは煙でよく見えなかったために確認もせずに帰っていく。が、

 

「間違いなく…ねぇ。それは死体を確認してから言う台詞だぞ?」

「「⁉︎」」

 

正輝と榛名は砲撃を受けても無事であり、ちゃんと生きている。正輝がBLUEで砲撃を防ぎ、煙に紛れて彼女ら二人のところまで移動していた。

 

(この二人…摩耶より甘くないか?あいつの方は襲ってた時にもっと適確に死んだか生きてるか警戒してたけど)

 

摩耶もまた彼女ら二人と同様に陸地での戦闘は素人であるため暗殺とか不意打ちが本当に下手。殺気を隠そうとても標的にバレバレであるためにどこから狙ってくれるか分かるが、砲撃が直撃してもちゃんと死んだかどうだか警戒はちゃんとしていた。

 

「こいつどうやって‼︎」

 

また二人は生きている憲兵に襲いかかってくる。しかし、正輝は手を上げて自分達が手を出さないことを証明している。榛名も彼に合わせて手を挙げる。

 

ひとまず最初は対話でどうにかしようと考えたが、最初に会った摩耶と同様に二人は容赦無しに艤装を構える。

 

「おいおい待った待った!俺達がお前らを襲う気は微塵も思ってない!」

「問答無「待って!」」

 

山城は正輝達の言い分を無視して容赦なく二度目の砲撃を準備していたが、扶桑は突然連絡が来たことで攻撃を止めるように指示する。

 

「えっ、どうしてっ⁉︎」

『彼らを通してあげてくれないかい?このまま戦闘を行っても、他の誰かが騒音で怪しむ。

 

 

それに、その二人が君達より遥かに強い能力持ちの化け物なら彼らは倒せないよ。』

「山城、攻撃は中止…二人を、提督の所へ連れて行きます」

 

二人の様子からして攻撃は止めたものの、歓迎されてない様子だった。摩耶達の方は提督に反逆していたが、艦娘は憲兵意外に新人の憲兵にも向かって撃ってくるほど、この鎮守府は相当深刻なものになっている。

 

(随分と派手な歓迎だな…)

 

一方的な指示をしてくる提督ならまだしも、無害である憲兵に一体なんの恨みがあるのか正輝には理解できなかった。

 

こうして鎮守府に入ることに成功したものの、憲兵を見て陰口をいう艦娘がチラホラいる。

周囲の空気がとても重かった。

 

 

「私がいた頃よりもずっと…」

 

榛名は周囲を見渡しても笑っていない艦娘が多い。不安を抱いていたり、二人を見て恐怖する艦娘もいる。

 

『誰かが提督に逆らった艦娘を解体するんでしょうね』

『また憲兵?しかも四人も?まさか提督を確保して』

『いやいや、そんなわけないでしょ』

 

噂を聞いていくうちに、憲兵が自分達二人だけではなくもう二人ここにやってきている。それが大本営から来たものなのか、殺車の楽園なのか、ただの転生者なのかはわからない。

 

「提督、二人を連れてきました」

「あぁご苦労」

 

部屋に入ると提督は偉げに座っており、彼の隣に憲兵が二人と殺者の楽園のリーダーである津川が既にいる。

 

「申し上げますが、なぜ我々以外に憲兵を二人も?」

「大本営の連中が、僕の行動に疑いの目で見られてるのよ。ひどいよねぇ、僕は何も悪いことしてないのに…だから、あっちの方から憲兵を何人かよこしてきてるわけ」

 

提督の行動に大本営が不信感を抱いているのは意外なことだった。大本営だって無能というわけではなく、彼の悪行を調べようと試みている。

 

ただそれを津川という男に跳ね返されている。力を持ってない人間が艦娘や彼女ら以上の異能を持っている者に敵うわけがない。

 

法的に裁くことが提督の場合は可能だが津川の場合はそうはいかない。

逃げることもでき、別のブラック鎮守府に移動して艦娘を再度集める。

 

最悪、大本営を襲撃して艦娘の技術を独占するという最悪な事態が起こりかねない。

 

 

「失礼します!建造が終了しました。

もう連れてきています」

話し合っている最中に、駆逐艦の一人がドアをノックして入り、建造が終えたという知らせを報告した。

 

「ヘーイ!提督‼︎帰国子女の金剛でーす!よろしくお願いしマース‼︎」

「あぁ、よろしく頼むよ」

提督は強力な戦艦を建造で手にしたことでニヤリと笑っていた。

(はたして役に立つか?こいつの働き次第だが…まぁ何処かに行ったあの役立たずの妹の榛名よりはまだマシか)

提督はそう思って金剛の着任に喜んでいる。役立たずの榛名以外に戦艦が何隻か手に入れている。提督は榛名の姉である彼女の方が命令に忠実に動き、性能として優秀であるならかなりの兵器になると考えていた。

 

「あの、正輝さん…背中借りますね」

「お。おう」

 

正輝は榛名を背中に隠すものの金剛は憲兵の四人を見て、正輝の隣で隠れている榛名にいきなり飛び込む。

 

「榛名〜!なんでそんな格好をしてるデスか⁉︎」

(えっ、ちょっ、なにぃっ⁉︎)

その言葉に正輝は驚愕した。突然金剛が憲兵姿の榛名を見て抱き、榛名の名前を叫んだ。

 

一番姉である金剛は、榛名の姿をよく知っている。そのため、髪型や声色だけで誰なのかが分かる。

 

榛名は放心状態で震え、今にも泣きそうで震えた表情をしていた。建造で誕生したばかりの金剛がこの現状を知っているわけがない。

 

(誤算だった…)

 

榛名の姉妹艦が出てきたことに驚いた榛名が気づかれないように隠れるのも分かる。

正輝の方は奥したら提督や他の憲兵と艦娘に怪しまれると思って堂々としたほうがいいものの今の榛名はそんな余裕がない。

 

 

「あの、人違いではないでしょうか?外見だけ似ているというのもあります」

「ohoo…sorry。つい姉妹艦が憲兵のコスプレをしたかと思ってて」

 

金剛の方は分かってくれていたもののそれ以外は言うまでもなく疑いの目で見られている。金剛があの発言をしたことで一気に正輝達を危険視した。

(まずい、気づかれたか?)

榛名の方は本当かどうかというのは定かではないために無理だった。

今の榛名は艦娘としてではなく憲兵であるため、提督にフードを取れと言われても拒否できる権利を持っている。

 

その後金剛は他の艦娘に鎮守府内を案内されていった。正輝達の方は

 

「不知火です。部屋に案内します」

(こいつ、なんで魔力を持っている…)

 

駆逐艦の不知火が部屋の案内をしていた。

 

*****

 

金剛は周囲を見ていくと誰も笑っておらず、新米である金剛はこの場所がどうなっているのか全くわからない。

 

「みんな、暗い顔してるネー」

 

案内されている金剛は通り過ぎた艦娘の一人、大井に声をかける。

 

「ヘーイ‼︎ちょっと良いですか?どうしてみんな暗い顔をしてるのかわかりません!」

「!ちょっと!」

 

金剛は大井の肩を掴んで、話をしようとするものの

 

「…いずれ分かるわよ、ここがどれだけ腐ってるか。随分と能天気ね、そんな状態がいつまで続くか…さっさと放して」

金剛はつい最近着任して、この鎮守府がどんな非道なことをしているのか全く知らない。大井は冷たい態度をとり金剛の手を離して、去っていく。

 

「自由行動は終わってからにしてください…」

(ンーッ…なんか色々と気になるネ。みんな暗いし、あの二人は怪しいし)

人違いではないでしょうか?という男の憲兵の言葉に金剛は不可解に思っている。あの憲兵が姉妹艦の榛名にほぼそっくりだったこと、外面は似ても内面的な問題は違うのかというのはあるかもしれない。

 

(今夜、あの憲兵のところに行って、本当に榛名かどうか確かめるネー!)

 

案内をしている間に金剛は、彼らの秘密を暴こうとしていた。

 

*****

 

「こちらが部屋となります。では、ごゆっくり」

「あぁ、どうも」

 

不知火が正輝達を部屋に案内し終えた後、自室に戻りランサーに二人の様子を報告する。

 

 

「で、どうだった?」

「間違いなく、前にこの鎮守府にいた榛名だった」

 

サーヴァントを所有していた不知火の目は誤魔化せなかった。既に不知火には憲兵が榛名であることは気づかれていた。

 

が、一番解せないのは榛名を庇っていた男の憲兵の方。彼が何者なのかわからない以上、榛名を信頼しても彼が何者なのか困っている。

 

扶桑と山城が津川に命令されて襲ったものの、榛名を守っていたのは彼だった。

 

「今夜…彼らを試す。手を貸すのに相応しいかどうか…

 

 

ランサー…彼を奇襲して。私の方は榛名さんと何かあったか詳しく話すから」

「…了解した」

敵か味方かどうかわからないが、味方であったとしても津川という男に太刀打ちできなければ死ぬだけ。

 

それ以前に不知火にとってあの男は信用できなかった。少なくとも榛名を味方につけて、彼らを打倒するという考えて行動に出る。

 

(ま、悪く思うなよ。正輝)

 

ランサーは憲兵である正輝に気づいてはいるが、素性を知らない不知火に彼は安全だと言っても意味をなさない。

 

彼を知っているからと言っても、短期間の関係で信じてくれるほど親密というわけではない。

 

(マスターは試しって言ってたから一応、手加減はしてやるか)

 

*****

 

 

Q提督を殺すのはよくあるけど憲兵まで襲うの?

A憲兵まで殺す理由は、提督以外の彼が事故処理してくれるからです。

 

 

憲兵の方は津川が事故処理として済ませるし、

最悪艦娘を奪えるだけ奪って本拠地に逃げ帰るという方法も可能ですから。

 

 

Q金剛に榛名だとバレた?

Aバレてないけど、不審がられている。姉妹艦の目はマジで伊達じゃない。

ただし、不知火にはバレてました。

 

Q新しく入ってきた子はそんなに憎しみはないかもしれないけど、前の艦娘は…

Aまぁ、憲兵だろうが提督だろうが着く前に津川の命令で殺そうとするでしょうね。仮に提督や憲兵が艦娘よりも上回っているなら危険な存在として警戒し、最悪楽園の方で暗殺という形で始末されることとなります。

 

 

憲兵だけ襲って、提督を襲わない理由は取引上必要であるのが一つです。

 

 

 

Qなぜ、小次郎達やランサーが正輝のことを知っており、本人である正輝は知らないのか

A正輝の記憶は聖杯戦争に参加したかどうかは曖昧です。関与したとしても、どのように陣営の問題を解決したのか覚えておりません。

 

だから、英霊達や士郎達はちゃんと覚えてはいますが正輝の方は全く覚えてないです。なお、正輝以外に麻紀、嶺、加藤、久野、綺羅の5人にも影響されています。

 

 

なぜ記憶が曖昧なのかというのはかなりネタバレになるので言えません。

 

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