Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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28話腹ペコ正規空母

次の朝、正輝達二人が起床すると

「おい、逢沢…よく眠れたか?」

「いろんなことがありすぎて…全然眠れてません。坂倉さん」

 

二人とも寝不足気味で疲れた。

不知火の件で深夜まで起きたことでよく眠ってない。特に正輝の方は深夜にランサーと戦っていたために榛名よりも疲労が激しい。

 

『まず、この鎮守府にいる正規空母を救ってください』

 

不知火達の協力を得るには正規空母である一航戦赤城と加賀の二人を助け出すこと。

彼女らを助けなければ、協力しない。不知火達は敵というわけではないが、味方になるというわけでもない。

 

偽憲兵とはいえ仕事をする必要がある。仕事は食堂や、工房の様子、艦娘達の様子などを監視することだ。仕事を果たさなければ大本営が不審に思うからである。

 

ともかく今日は必ず正規空母のいる場所に向かわなくてはならない。今日中に解決するわけではないが、手っ取り早く済まさなければいつ楽園が動き、襲ってきてもおかしくない。

 

 

不知火からの情報だと加賀が提督に逆らい、弓矢で肩を負傷させたこと。赤城は連帯責任として二人は罪に問われた。

 

 

提督は加賀を指差し、津川に向かってこう叫んだ。

 

 

ーーーは、早くこの暴君を何とかしろ!

 

強力な戦力である二人を解体するのは余りにも勿体無い。罰として3週間の無食となった。それからはというものの、正規空母の二人が食堂に訪れることができない。

 

鎮守府で食堂の担当をしている間宮は提督と津川の二人による処罰に反対するが、今の提督に逆らった場合津川に何をされるか分からない。

反対と言っても規約を破るほどのことはできなかった。

 

更に他の艦娘が幇助した場合は、罪を犯した艦娘とその姉妹艦も連帯責任として食堂に出入りができないことになっていた。

 

*****

 

次の日、正輝は空母がいる場所へと歩いて向かった。しかし、空から艦載機が飛んできて狙い撃ってくる。

 

「俺一人で避けながら行く!お前は部屋に戻っておけ!」

「はっ、はい!」

 

正輝空母の攻撃を避けて、移動する。軽空母である龍驤や飛鷹が協力して、入らないように迎撃をしてきた。

 

「はよぅ出てけ!」

「さぁ飛び立って!」

 

次の艦載機を用意して、迫ってくる憲兵を倒そうとする。投影魔術剣で艦載機を壊そうとすれば津川が正義側の正輝が潜り込んでいると気づかされ、間違いなく狙われる。

 

能力を使用しないで、彼女ら二人に接近して艤装を強引に奪いとる。

 

「ひっ⁉︎」

「さて…赤城、加賀の部屋はどこだ?」

「なんでそんなこと教えなきゃあかんのや!」

(聞いても無駄だな…)

 

正輝は空母のいる場所を艦載機の攻撃を避けながらもくまなく探した。

 

*****

 

「赤城さん…」

 

加賀と赤城や二人は戦闘に出ることはないために、轟沈はまずなかったが別の問題が生じた。赤城はだんだん瘦せおとろえていたこと。目の下がクマになっており、体重が減り、水も食べ物もない、餓死しそうな状態だった。

 

「外が煩いわね…何かあったのかしら」

 

ドアから騒がしい音がする。軽空母の二人が見張って、提督をここに来させないようにしている。

 

「助けなんて必要あらへん!とっとと帰れ!」

「こっちにだって事情があるんだ‼︎」

 

こんな日が一週間続き、あと二週間で解放されるがそれより前に死ぬのが先になる。もうダメかと思っていたが、新しい憲兵がここにやってきたことを知る。しかし、加賀が何度か憲兵に頼もうとしても聞き入れてはくれなかった。また同じように断られてしまうと諦めていた。

 

「こっちや、この男をどうにかしてくれへんか‼︎赤城と加賀さんが危ない!」

「まさか、二人を解体する気なの⁉︎」

「ちょっと待って瑞鶴。それなら津川さんから連絡が来るはずよ?」

 

まだ騒ぎが収まっておらず空母艦が次から次へと現れ、とにかく赤城達を守るために憲兵の正輝に向かって攻撃している。対して、正輝の方は二人の部屋を避けつつも見つけようとしている。

 

「なんで爆撃されないのよ!」

「とにかく、二人を連れて来させないように全力で守りましょう!」

(こいつら全員の艤装を奪ってもいいが…壊しても面倒なことになるし)

 

飛ばしてくる艦載機が艦娘が増えるごとに増し、正輝の避ける範囲が少なくなっていく。

正輝の姉からもらった札を使おうと思っても、津川に確定されるのは間違いない。

 

正輝がようやく正規空母の赤城と加賀の部屋を見つけるが、ドアの隙間から加賀が覗いている。

 

 

このまま、正輝が空母の爆撃を避ければ加賀に当たってしまう。

 

(ちぃっ、止む無しか!投影開始‼︎)

 

 

正輝は剣を二、三本を投影して創り出し、艦載機に向かって投げる。その剣を爆発させ、艦載機を破壊した。

「止めて!一航戦の先輩達に当たってしまう!」

五航戦の翔鶴が空母のみんなに攻撃を中止するように叫んで、他の空母達は攻撃をやめた。

 

「お前が…加賀でいいんだな?」

 

正輝は振り向いて言うと、加賀がその返事に頷いた。

彼女の身体は疲れており、空腹で気が滅入りそうな状態だった。

加賀は目の前にいる正輝に土下座して深々と頭をさげる。

 

「お願いします…せめて赤城さんにだけでも食事を」

「おいっ⁉︎」

泣きながら加賀は正輝に食べ物を求めた。

正輝が部屋を覗き込むと、赤城は寝込んだおり、身体が動けない。

不知火から加賀達が一週間何も食してないことを知っているため、

 

「…少し待ってろよ」

 

正輝はいったん自分の部屋に戻り、船に帰り、食材を用意して二人分の食事を作ることとなった。

その作った食事ごと艦これの世界に戻り、空母のいる場所に戻ってきた。

 

「はい、これでいいか?簡単なものしかないけれど」

 

正輝が用意した食事は炒飯、味噌汁、野菜炒めという極めてシンプルなものを船から持ってきて皿橋を用意する。

 

バクバクバクバクバクバク

モグモグモグモグモグモグ

 

二人はその食事を前に涎を垂らし、食べたり飲んだりしていた。

用意してきた正輝に目がくれず、目の前の食事を無我夢中でひたすらに食べている。

 

(あー、腹ペコ王を思い出すなぁ〜)

 

何日間も食べてないためか、見事な食いっぷりだった。

よほど彼女らはお腹をすかしていた。

 

「「おかわりをお願いします‼︎‼︎」」

「えっ⁉︎はやっ、もっと味わって食えよ⁉︎」

 

10分後、おかわりを何回か頼み今度は3人分の食事を用意することとなった。食材の方はまだ残ってはいるものの、二人が食べる消費量が多い。

 

 

「こんなに食べれるとは思わなかったです…」

「腹を満たせました」

 

食事が終わったのは1時間後、用意してきた食事は全てなくなり彼女らは満足して、スッキリした顔になっている。

 

満足にしている二人を他の空母が見て、正輝のことについてオドオドしていた。

「そんな勝手なことをしていいの?そんなことしたら」

「あいつらが指示したのは艦娘が幇助したらいけないっていうだけ。俺が幇助したって何も問題ないはずだ」

 

赤城の方は元気を取り戻せたもののまだ上手く立ち上がれないために加賀の肩を借りていた。

「どうもありがとうございました」

「俺の方は艦娘に頼まれたんです…二人を助けて欲しいって」

 

不知火の頼みがなければ、今頃二人は何週間か空腹で悶え苦しんで、完全に心を閉ざしていただろう。赤城と加賀を助けた憲兵に対し、彼女らと関係していた空母の艦娘は襲わなかった。

 

特に

「「「「先程は、本当に申し訳ありませんでしたっ‼︎」」」」

 

後輩である二航戦や五航戦の四人が正輝の元に向かい頭を下げて謝罪した。解体しようとする彼に向かって二人を守るために何度も爆撃していたが、彼の目的が助けることと知らずに殺そうとした。

彼女ら以外にも、なんとか空母の艦娘達の殺意は薄くなっている。

が、正輝を襲ってきた空母の人数が妙に少なくなってきている気づいた。

「まさか俺…まずいことをしたか…」

 

彼女らは事が終わって部屋に帰っているのか、それとも別のところへ行っているのか。

正輝は正規空母の二人を助けて落ち着いている反面、嫌な予感がして心が落ち着かなかった。

 

*****

 

「な、なぁ?ホンマに…ホンマにあの提督を追い出してくれるんか?」

「あぁ、そうだね。君があの憲兵の情報を貰うかわりに、加賀と赤城の罰の撤回と提督を追い出すことにしたんだ。

 

これからは僕が提督になるね?」

いなくなった空母達は先程襲っていた龍驤だけではなく、他の空母もあの憲兵について津川に報告しに向かった。彼の情報を津川に提供している。

「な、なんなんや…あの憲兵は。いきなり剣を投げて、飛んでいた艦載機を破壊してっ…」

 

一航戦の正規空母である赤城と加賀を善意があって助けた彼の行動は逆に他の艦娘から見て恐怖の対象にしかならなかった。全正規空母や少数の軽空母は正輝の行いを見て、安心していることもあったが、ごく一部の空母では感謝どころか恐怖を受け付けてしまった。

 

そもそもなぜ食事があんなに早く用意できたのか、食堂を使用するには艦娘の料理を担当している間宮の説得が必要だったこと。でも、間宮は正輝がここに来たという知らせは無い。食材の方も街に出かけたかどうかというのは知らされておらず鎮守府に出た経歴も無い。

人間である憲兵が突然剣を持ったこともおかしな話だと思った。

 

 

津川は艦娘に偽の憲兵を始末することを要請する。

 

「置物扱いの提督もここいらで潮時かな?そろそろ動こうか」

 

津川は楽園に電話して巨大な船を用意するように連絡した。提督を処理するのは厄介な正義側である正輝を始末してからだった。

 

しかし、始末すると言っても正輝の方は自分から直接殺すわけでは無い。

 

「長門、偽憲兵である坂倉総司こと岩谷正輝を朝になるまでには速やかに抹殺しろ。

もう一人の憲兵は、金剛が言った通り榛名だろう。少し調べたんだけど摩耶と五十鈴がそんな器用なことできないし、浜風と朝潮は新人だからこの鎮守府の全体はよく分からかったそうだ。

 

さしずめ彼らの目的は僕らの悪行を調べてたんだろうね?艦娘を何十人か連れて、それと提督にはこのこと言わないでね?」

「…了解しました」

 

自分の手で汚さず他の艦娘に頼み、大勢で彼を倒すことを要請した。長門はすぐさま津川に従っている艦娘を引き連れる。彼らの話しを密かに隠れていた金剛がドアに耳を当てて内容の全てを聞いていた。

あの偽憲兵が姉妹艦だったことに驚いている。

「大変な事態ネーっ…‼︎榛名、今助けにいくでーす‼︎」

金剛は長門達が正輝達を襲撃する前に、急いで探すことにした。

 

*****

 

「もう大丈夫です」

「先程は、食事を無償でもらって頂き有難うございます」

 

正輝は身体が完治した赤城と加賀も連れてきていた。食事の用意については間宮の場所では作っておらず、鎮守府の外には出てきてない。そもそも正輝のことを間近で見ていた加賀には、あの剣についてもまた説明しなければならなかった。

 

「二人に明かすよ。榛名もいいよな?」

 

この鎮守府になぜきたのかや、何者なのか明かさなければ不知火の協力はできない。自分達のことについてや津川についてを話すと、二人は聞いていくうちに深刻そうな顔をしていた。

 

「それが本当なのだしたら…マズイですね。赤城さん」

「ええっ…正輝さんと榛名さん。すぐにこの部屋から出た方が身のためです」

「はっ、えっ?それってどういうこ」

 

そう疑問に思った時、不知火がノックもなしにドアを強引に開ける。

彼女は汗がダラダラと流れて、焦っている様子だった。

 

「⁉︎おい、どうし「ハァハァッ…すぐに支度してっ!!正輝、貴方の正体が津川にバレたっ…今、艦娘達が貴方を殺そうと向かってる‼︎急いで‼︎‼︎」」

 

*****

 

Q正規空母の腹は凄まじいですね。

A正規空母によるボーキの減りは凄い(意味深)

 

Q相変わらずバレるの早いですね

A未来日記同様にバレるの早いです。

 




また文章の方を修正するかもしれないので
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