Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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29話憲兵(正輝)始末命令

夜7:30

 

(なんで今日はこんなに煩いの?)

 

不知火は周囲の異様な騒めきに、おかしいと思った。耳を傾けていくうちに津川が行動し、提督を処罰するという噂が出ているのでそれが本当かどうか知るためにランサーに霊体化させて鎮守府全体を散策させた。

その結果、

 

「何があったの?なんで津川のそばにいつもいる長門が、離れて艦娘に色々聞いたりして…」

(マスター、正輝の方は一航戦の二人が解決した。ただな…加賀を守ったことで…正輝の正体がバレた。二人の近くにいた空母が正輝の情報を明かしたそうだ)

「はっ?いきなりバレたっていうの⁉︎」

 

彼女にとってそんな早く彼がヘマをしたとは思ってもなかった。確かに空母が放つ艦載機を避ける必要はあり、力を使って津川に怪しまれることは分かっていたはず。

 

 

不知火達は長門が正輝の部屋に入って襲う前に逃げるよう向かっている最中、

 

「うわっ⁉︎」

金剛と不知火が考え事をしていたために勢いよくぶつかってしまった。

「危ないデース!早くしないと…姉妹艦の榛名がっ‼︎」

「…榛名さんって?どういうこと?」

 

*****

 

金剛と不知火の二人は噂を知り、利害の一致として正輝達の元に向かっている。その時加賀と赤城の二人と話をしている最中で、こうして部屋を出ていき長門達から逃げようとしている。逃げている最中に結界が張られ、正輝達を逃さないようにしたが。これで提督にはこのことについて知らせてないことがわかった。

 

「貴方、一体何考えてるの…」

「いや、俺が避けても加賀が大怪我したら不味いし、防いでも不審がられるし…なら爆発で生じる煙で見えない時に」

 

正輝の方は爆風による煙で見えないようにして力を使ったつもりだった。だが、空母の艦娘はアーチャーには匹敵するほどではないがかなり視力が良い。

 

「…私を守るためでもありましたが、それは逆効果です。見えてた艦娘もいました」

「…(甘すぎたな)」

正輝はそれについて黙認せざるおえない。実際、こんなことになったのは加賀を守るためとはいえ彼を力を使ってしまったこと。

「ランサー…陽動を頼める?」

「あいよ、ちなみにあいつらを倒しても構わないんだろう?」

「とにかく、今は生還することを優先して…貴方に消えてもらったら困るから」

「不知火、一応鎮守府がどうなっているのかも知りたいから俺の能力であるシャドーを使って連絡するぞ?」

不知火とランサーは別方向へ逃げて憲兵の足止めをし、彼女はバレないように単独で何処かに身を隠すようにした。彼女の正体までバレれるのは危険だからだ。

 

連絡網は不知火の陰に潜ませているシャドーを使えばどうにかなる。逃げる方に関してだと不知火の方は逃げ切れるが正輝側の方は目立つために、見つけられやすい。偽の憲兵として鎮守府に入った時に襲ってきた扶桑と山城が正輝達を見つけ出した。

「見つけ、えっ金剛⁉︎なんで!」

「姉様、とにかくこいつを!」

 

*****

 

午後8:30

 

扶桑型の二人は3人の艦娘がいることに驚くが、正輝に向かって撃ってくる。

「私達の自由のために…死んで下さい!」

「よく狙って、撃て!」

「無茶苦茶にも程があるだろう!」

 

理不尽極まりない攻撃が襲う。反感を買ったつもりもましてや、喧嘩を売ったつもりもない。

それなのに命を狙われている。

 

一体何をして彼らを怒らせたのだろうか、それ以前に彼女らとの接点が全くないために手をかけたつもりも、嫌がらせをしたつもりは微塵もない。

 

その理由は津川の命令で動いたからという単純な理由だった。

正輝が受ける砲撃を3人の艦娘が防ぐ。

 

「どういうつもりかしら…金剛、赤城、加賀…まさかあなた達が裏切るなんてね。人質のつもりなのかと思っていたけれど」

「…何も危害を加えてない彼を集団で殺害するってどういうつもりか知りませんが、彼はとてもいい人です。

彼が私達に何か悪いことをしたならまだしも…見殺しにする気は微塵もありまセーン」

 

金剛は姉妹艦である榛名を守る為に、正規空母の四人は食事という名の生命線になってくれた彼を絶対に守るために死守している。

「正規空母の二人が庇う理由は分からなくもないわ…でもこれは私達の存続にかかっているのよ。今ならまだ」

「彼に死んでもらったら私達が困るわ…それに、何も危害を加えてない彼を提督じゃない彼の命令一つで殺すことをなんで良しとしてるの⁉︎そんなのおかしいです!」

「じゃあ質問するけど…殺人を艦娘に指示する津川って人が本当に善良なのかも疑問に思わないの?彼の指示が本当に正しいって思うわけ?

 

私達はもう少し深く考えるべきだわ」

正規空母の方は津川の指示を受け入れている二人に対して反抗している。だが、

 

「煩いわね…仕方ないじゃない!偽憲兵と提督を始末して…私達がまともにできるようにするって!改良の余地は考えるってそう言ったのよ!」

 

扶桑と山城を含む四人は考えを改めない。

こちらは正輝だけではなく正規空母の二人と戦艦という戦力としてはかなり十分なものだった。正規空母の二人は艦載機を放ち、空からの空襲が襲いかかる。

 

「まぁ…そうなるな!だが‼︎」

 

日向と伊勢は無策で襲ったというわけではない。

一航戦とも戦う必要があった為にちゃんと重巡洋艦と戦艦に対空用の艤装をつけている。

 

「な、にっ⁉︎」

 

砲弾で艦載機を破壊したが、加えて正輝が非殺傷設定にした剣の雨で扶桑と山城がボロボロになる。

 

艦載機だけならまだしも、剣の嵐を防ぐことはできない。

 

「てっ撤退よ!」

「ううう…こっちは戦艦四隻いるのにっ‼︎なんでよ!」

「くっ、ここまでか」

扶桑、山城、伊勢、日向の四人の戦艦は戦線を保つことができず、撤退していった。

 

*****

 

「これが貴方と正規空母の力ね」

「と言っても今の私達は弾薬とボーキが全回復してないから本気を出せないわ」

 

正規空母の二人は腹は満たしているものの、提督から補給はほとんどされていない。金剛は燃料も弾薬も全て入っており、いつでも戦闘ができていた。

 

「ハァ…にしても助かった。一時はどうなるかと思ったぞ」

「慢心してはダメ。まだこれで終わるはずがない…まだ後から来る」

 

扶桑と山城、日向と伊勢の四人だけが切り札というわけではない。まだ本命である長門をリーダシップにした艦隊を引き連れてくる。間違いなく第二波が来る可能性が高く、最初以上の人数の艦娘を連れて行っている。

 

「そいつらが来る前に急いで逃げるぞ」

 

その第二波こそ本当の主力艦隊を連れてやってきている。急いでここから離れて、別の場所に身を隠す。深夜にまで逃げ切れば彼女らも眠くなって帰っていくはずだが、

 

「どうした不知火…」

『悪い知らせだけど…津川の方は手下を増やしてきた。彼を撤退させてもらうわよ…艦娘だけじゃなくて手下も探してるから気をつけて?』

 

彼の手下が艦娘に指示をして、殺そうと襲ってくる。逆に正輝達が手下を殺せば、逆に艦娘に気づかれやすくなってしまう。

 

敵側が索敵をして、短時間に見つかるよう津川が指示した。

 

「⁉︎お前ら避け「全主砲、斉射…

 

撃てぇぇぇっ‼︎」」

 

 

見つかったと同時に遠距離から長門と陸奥の合図に合わせて砲撃をしてくる。正輝はアイアスの盾を展開して砲撃を防いでいた。

 

「ツッ⁉︎やはり…奴は人間ではなかったか‼︎撃ち続けろ!」

「正志さん⁉︎」

全ての砲撃をアイアスの盾を張って守っている。正輝はこれ以上力を隠しても何の意味もなく、とにかく3人を守ることに徹している。

 

「…手加減はしないぞ。大人しく奴ら二人を差し出せ」

「まだ、終われそうにないわね…」

「これはかなりヤバイデース…」

 

戦艦長門と陸奥を含み、重巡洋艦の那智、妙高、羽黒、足柄と軽巡洋艦の球磨と多摩と木曾、雷巡の北上と大井、軽空母の龍驤と隼鷹、駆逐艦3人という計16隻の艦娘が正輝達を囲んで襲っていた。

しかも、半分以上が正輝を標的にしている。

 

「敵は憲兵に偽った怪物!姿は成人の男性!剣を創ったり、変な盾で守る能力があるから注意して‼︎」

「目の前にいる憲兵二人と裏切り共々を撃ち落す!私に続け‼︎」

殺意を持った艦娘達が、正輝達を襲う。長門は8人ぐらいの艦娘を率いて正輝を襲い、陸奥は残りの艦娘を正輝と共にいる艦娘と交戦している。

 

「ビッグセブンの力を侮るな!」

 

彼らとの激突によって正輝は他の四人と離れ離れとなってしまった。

 

正輝の方は自分だけを囮にするつもりだったが、対する長門達はそうする気など毛頭なく分散して2頭を追うつもりでいた。

 

*****

 

午後10:30

 

正輝が攻撃つを避けつつ隠れて逃げているものの、何故か長門だけが正輝にしつこく追ってくる。

(投煙球を使ったのに勘が鋭過ぎんだよこいつ⁉︎)

彼女らの猛攻から逃げる為に姉から貰っている投煙球で一時は逃げることに成功したものの彼が逃げた場所に向かって砲撃を撃ち続けるというとんでもない方法で燻り出そうとした。

 

なお、彼女以外の他の艦娘達の方は上手く逃げ切っている。が、津川が差し向けた憲兵も正輝を追って殺そうと向かう。

『彼と一緒にいた艦娘は捕らえたよ。彼女らを牢屋に閉じ込めておいて?

処遇の方は提督を葬ってからにしておくよ』

「了解した。貴様らと共にいた艦娘は津川によって既に牢屋に入れられている。あとは貴様だけだ!死ぬ覚悟はできているか!」

 

津川の下にいる司令役の長門は通信を用いて連絡している。かなり遠くに離したため、正輝は逃げることをやめて長門を倒すことに専念した。倒すと言っても、ひとまず彼女を気絶させる。その後に牢屋にいる3人の艦娘達を助ける方針に変えた。

何人か牢屋の見張りがでてきて襲ってくるが、彼がなんとかするしかない。楽園については3人の解放後に不知火と共に倒すということとなった。

 

「俺には理解できない…お前も、あの連中も、あいつの口車にまんまと乗せられてることに。お前はそれで正しいのか?」

「…彼の選択は我々にとって正しいものだ」

長門は艦娘の自由の為に、正輝を殺そうとするが、援護している憲兵の方は長門のことなど構わずに二人まとめて殺そうとしている。

(こいつら味方じゃないのか⁉︎)

正輝と同じように特殊な異能を使って追い詰めているが、長門に構わずに範囲攻撃を止めようとしない。彼女ごと正輝を倒そうとしていた。

「じゃあ…なんでお前まで狙われているっ‼︎狙っているのは俺だけだろ⁉︎

意味わかんねぇよ‼︎」

「黙れっ!貴様のような無法者に何がわかる‼︎我々の解放のために犠牲となれ‼︎」

 

長門は主砲を構えて、正輝に向けて撃つ。正輝にとって接近戦も遠距離も対応できる彼女は厄介この上ない相手だった。もしもこれが海上ならば、正輝はすぐに倒されていた。

 

「自分達の不都合なことは全部押し付ける。あの提督とそっくりだな。

 

 

確かにあんた達が提督に逆らえばただじゃすまないってのは榛名に教えてもらったよ…でもな、自分から提督に反逆することもせずに俺と同じ津川っていう無法者に委ねて、お前だけじゃなく他の艦娘まで手の平で踊らされて…本当にそれでいいのかよ!

 

そいつら憲兵だってそうだ!どんな奴だろうと津川の一声でお前はイエスマンになって許容して目を瞑っている!憲兵に後ろから狙われる連中を黙って信用するつもりなのかよ!」

 

 

陸地であるが故に正輝は手加減でき、戦闘をしながらも長門に伝えている。

 

明らかに津川が用意した憲兵が長門を巻き込んで正輝を殺そうとしていることに。

長門はそれを分かろうとしても、正輝の言い分を無視するしかできない。彼の言い分を聞かなければ、また提督の無謀な指示を強いらなければならない。

 

「もう一度言う…俺と提督を殺した後…あいつに従うことが正しいのかって聞いてるんだ‼︎」

「無駄だ、提督を死なせてもまたあのような提督が着任してくる。今の私達には津川が提督にならなければならない…もう、止まれんのだ‼︎」

 

現状、提督よりも津川の方が鎮守府を良くしている。だが、その良くしている方法が犠牲(実験台にされた艦娘)の上で成り立ったものだ。

 

(津川、これでいいのか?私達は…)

 

それを長門が知っているのかどうかは正輝には分からないが、説得するごとに迷っている。今の彼女の顔はとても苦しそうな顔をしていた。

 

「長門さん…ハァハァ」

「は、春雨っ⁉︎」

 

長門と共にいた駆逐艦春雨が長門を見つけて向かって走ってくる、が

 

「どけっ‼︎」

「貴様っ何を⁉︎」

「氷の刃よ!降り注げ‼︎アイシクルレイン‼︎」

 

 

憲兵の二人が魔法を使って岩で作られた龍と空には尖った氷を出現させる。正輝は春雨と長門を助けるが、龍と氷が正輝を襲い、彼は崖がら勢いよく落ちてゆく。長門が崖を確認すると、崖の先には海と岩だけがあり、正輝の姿は見当たらなかった。

 

「…憲兵の始末を完了しました。これより戻ります」

『お疲れ様、次は提督だね?次の日にこちらで大きな船を用意する。その船ごと提督を処刑するからね』

憲兵が津川に連絡して、通信を切った。長門はなんともなかったが、春雨の方は憲兵を見て恐怖している。

殺されそうになったからだ。

 

「あっ、あぁぁっ…」

 

憲兵二人は仲間だと思わずに本気で襲ってきた。さっきの憲兵の攻撃は、正輝が庇わなければ二人が逆に崖に落とされて海に落ちている。

 

「なんで…二人は私達を、ひっ…」

「長門さん、反逆者の討伐ご苦労様「来るなっ‼︎」」

(なぜこんな憲兵まで…得体の知れない力を⁉︎)

 

その憲兵は津川の元で用意したものだから安心してくれと言い聞かせていた。しかし、その憲兵だけでも艦娘よりも強く深海棲艦と戦える程の実力を持っている。そんな疑問に長門は津川を疑った。

 

(彼が用意した憲兵にも異能があることを私や他の艦娘達に話してくれなかったんだろうか…)

だが、彼らのことについて長門は散策しなかった。

「いや…これで、良かったんだ…これで。知らなくても良いことだってある」

長門は自分達の平穏の為に、彼が隠密にしていた全てに目を閉じた。

 

*****

 

朝7時

 

一方、憲兵の魔法によって海に落ちていった正輝は無事だった。

(不知火は無事かな…連絡するか)

正輝は魔力を探知して探るが、彼女は既に部屋に戻って、牢屋に入ってないことはわかる。まだ英霊を所持していることを津川に気づかれていない。となれば牢屋にいるのは一航戦の二人と金剛、憲兵に成り代わった榛名の四人だけ。正輝は持っているBLUEを展開して岩の衝突をなんもか避けた。

その後、BLUEは小舟状態のなって正輝はその上に乗ったまま眠っていた。

 

(津川の奴は、後からどうする気なんだ…)

 

正輝を始末した次にやるのは提督を葬るか、それとも正輝と共にいた艦娘の処罰をやるか。津川が後者を選ぶとしたらのんびりしている時間がない。すぐにでも正輝が3人を救出する必要がある。行動を起こす前に不知火に連絡をしたところ

 

(無事だったのね?)

「そっちもか、俺と一緒にいた艦娘はどうなっている?はぐれてしまったんだ」

不知火からの知らせだと榛名を含む艦娘の四人は正輝の予想通り牢屋に入れられており、まだ罰されていない。津川の方は艦娘に約束として提督を終わらせる為に船を用意し何かやろうとしていたがそこまでは彼女にはわからない。

 

(長門と陸奥とかの強力な艦娘は彼と一緒についていってる。手下の方は鎮守府にいるわ?)

「了解っと」

 

正輝にとって津川が鎮守府にいないというのはチャンスでもあるが、問題は鎮守府にどうやって行くか。英霊の力を持っているため崖からよじ登って一気に鎮守府に向かうか、この状態で砂浜まで向かうしかなかった。

 

それ以前に鎮守府にたどり着くとして彼の手下や艦娘をまた相手にしなければならない。そんな時に、

 

「おーい!誰かそこにいるのか‼︎」

 

提督の指示で遠征で帰ってきた軽巡洋艦の天龍と龍田二人と駆逐艦の四人がBLUE(船状)の上にいる正輝に尋ねてきた。

 

「なんでこんなところに人がいるんだよ」

「怪しいわね〜」

「はわわわっ…」

 

彼女達の背後には響、暁、電、雷が怯えており、軽巡洋艦の二人の方は武器を構えている。

(一応、話すか…)

正輝はまず冷静に自分は敵じゃないことを話し、ここに来た経緯を話すことにした。正直に話さずに道に迷ってましたなんて冗談が通用する相手ではないと感じたからだ。

 

 

「どうしようかしら〜困ったことになったわね」

「…それが本当だっていう証拠はあんのかよ?」

 

話を聞いて龍田の方は苦笑しているものの、天龍はまだ認めたわけではない。正輝の話を簡単に信じる方が難しいが、実際に津川が理由で摩耶達が抜け出したというのは本当のこと。

 

(話してせいで余計にややこしくしてしまったか?参ったな…)

結局、まだ警戒を解いてくれなかった。

天龍の言う通り証拠もないただの口だけでは彼女達が納得できるわけがない。

誤魔化しているのと同じに聞こえるようで、みつどもえの状態が続いている。

そんな中で、電がゆっくりと手を上げて彼に話した。

 

「あっ、あの。私達以外の駆逐艦って例えばどんな人が犠牲になってましたか?」

「ん?確か…深雪、大潮、長月、皐月、朧だったな…」

「「「「つっ⁉︎」」」」

 

その人物の名前を聞いて駆逐艦の四人は青ざめる。6人とも過去に新しい艦娘として着任したばかりの子達であり、突然いなくなったことに驚いていた。彼女らの先輩の艦娘に何処にいるのか聞いてみても誰も彼らの居場所が分からない。

「まさか、そんなはず無いわよね…津川がそんな」

「な、何かの間違いよ!」

「でも、彼が言ったとおり、6人が消えた日と一致しているなら津川が」

「みんな、みんながあの人の…なんだか怖いのです」

 

正輝の説明に動揺を隠せない雷と暁、津川という男の本性を知って恐怖している電、話をちゃんと整理して消えた日と正輝の話が一致していると響が考えている。

同じ駆逐艦であるためか、その6人のうちとあって話をしたりしていたのだろう。接点がなければ青ざめたりしていない。

 

だが、天龍と龍田の方は本当なのか事態があやふやな情報だから、 話を聞いても釈然としない。

 

「なぁ?そちらは津川の指示で動いていたのか?」

「うーん。私は津川さんの言い分は半分は信じるかな〜天龍ちゃんは?」

「俺は津川には感謝してんだけどよ…なんていうか提督じゃないあいつの指示に従うっつーのはなんて言うか」

 

彼らは提督には恨みがあったが、提督を管理した津川に感謝はしてはいるものの彼に対してそこまで尽くしてはいないために、一応正輝は話すことにした。

 

「だったらさ、津川が本当に真人間かどうか確かめるってのはどうだ?俺の話が嘘か誠か?協力してくれるか?別に提督に反逆ってわけじゃないから何も問題はないはずだ」

「面白そうねぇ〜。彼って隠し事ばかりしてるし、天龍ちゃんは?」

「俺は却「「「「私達は行ってもいい?」」」」お、お前らっ⁉︎」

天龍は正輝の提案に却下しようとするが、電達が話に入って提案を承諾する。

「もしも、同じ駆逐艦が酷いことをされているのなら助けてあげたいのです!」

「私も電と同じよ!」

「彼が提督に相応しいかどうかこれではっきりと分かるのなら」

「レディにそんな重大な隠し事をするなんて、由々しき事態だわ!」

(まさか、こんなことになるなんてな…)

「あぁぁぁっ!もう分かったよたくっ!仕方ねぇ、騙されたと思ってやってやるよ‼︎こいつらに感謝しな‼︎」

「あぁ、ありがとう」

正輝の鎮守府に連れて行って欲しいという頼みを聞き入れた。榛名の過去の話が、こんなところで役に立つとは正輝は思いもしない。こうして新たな仲間である遠征部隊が正輝を拾って、呉鎮守府へと戻っていくこととなった。

 

「それじゃあ、行くか。疲労は大丈夫か?」

「みんな何も問題ないのです!」

「そんじゃ…ちゃっちゃと初めっか‼︎」

「天龍ちゃん、生き生きしてる〜」

彼女らは遠征に戻っても艤装をつけて、鎮守府内へと突っ込む。既に不知火にも遠征部隊に協力するといって彼女も戦闘準備の支度をしている。

(貴方の合図次第でいつでも出撃するわ。ランサーも用意できてる)

「あぁ、頼むぜ」

 

提督と津川がいない時がまさに好機だった。不知火一人ではどうにもできない。正輝はこの鎮守府に再度たどり着いき、津川が勘かれる前に三つやるべきことがあった。

 

 

一つ目は牢屋にいる艦娘四人の解放

二つ目は津川の手下の撃破

そして三つ目は彼の悪行を鎮守府全員の艦娘に知らせること。

 

 

このことができるのは津川と提督がいないからこそできる方法だった。用心するべきは津川を崇拝している艦娘と彼の手下をどうにかしなければならない。

 

先に新しい仲間を引き連れて、元いた仲間の救出へと向かっていった。

 

 




天龍なら正輝の言葉はあまり信じなくとも、第六駆逐艦達のことを天龍が可愛がっているから彼女らの言葉は信じている。龍田の方は津川の隠し事について、知りたいという部分もあったから。
別に提督に逆らうというわけではないのでノープロブレム。
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