正輝が五十鈴と摩耶の二人が津川の元へと向かってることが浜風の知らせで分かったため、急いで海に出ようと走りながら考えていた。しかし、海を出るための船はBLUEを使って小舟でも作ればいいが、摩耶のところまで間に合うかが問題だった。
無論自分で漕いで行くのは間に合わず、無理がある。そのため他の艦娘との協力が必要であり、正輝は協力していた艦娘を探している。
近くで歩いていた駆逐艦如月に声をかけた。
「聞きたいことがある!不知火はいるか!」
不知火の方はこの鎮守府に入っていた時に最初に協力してくれた艦娘だったために信頼できる。しかし、
「えっと…まだ他の艦娘に事情を説明しているわ」
協力者である不知火の方は他の艦娘に青槍のことについて秘密にしていた。その秘密が明かされた以上、他の艦娘にランサーのことについて説明をしないと彼を敵とみなされてしまうからだ。
(あの二人は無理かっ…)
不知火とランサーの二人はまず動けない。
二人を待っても、海に出るのだからランサーは助けにならず不知火だけといっても駆逐艦一人でどうにかできない。
「じゃあ榛名達は?どこに」
「今、囚われてた艦娘を保健室とかにつれ終えたから休憩室にいるわ。でも…「ありがとう!悪いがゆっくりできない。俺は急いでるんだ!」あっ、榛名さんは」
正輝は不知火の協力を諦めて榛名達の居場所を聞いた。
如月の話を聞く前に休憩室の方へ向かったが、榛名達の姿はなく、協力してくれた正規空母がそこで休憩していた。
「正輝さん、一体どうしたのですか?」
「榛名は、今どこにいる⁉︎」
「金剛と共に通信室に行ってる。長門達と連絡を取ろうとしてるの…今頃逃げるように伝えてるはずだわ」
正輝は通信室へ向かうと金剛が長門に連絡を取っているが、画面には音信不通になっている。榛名の方は自分達の通信機を探しているものの見つからずに青ざめていた。
「正輝さん、どこに行ってたんですか?」
「それはこっちのセリフだ!それでお前が持っていた通信機は?」
正輝が通信室に入ると、榛名が正輝の元に駆けつける。正輝の質問に榛名の方は首を横に振っており、通信機は戻ってきてない。
津川が摩耶と五十鈴の二人を通信機で脅迫させて、目的地の場所に移動させている。榛名達は正輝の行方を探す前に長門達に通信室で連絡しているものの何分が経っても連絡がこない。
「通信機は津川が持っているに違いないな…摩耶と五十鈴がその船のところへ今向かっているんだ」
「そんな…それじゃあ」
「全然長門と陸奥の方に繋がらないネー、これは何かあったに違いないよ」
そもそも船の居場所が海だとわかったところで正確な位置なんてわからない。しかも、正輝は海に詳しくないため探したところで時間に間に合わない。だからと言って榛名達と共に行動した二人を切り捨てるわけにはいかない。
「長門達が向かっている場所は?津川の下についていた艦娘に聞けばどうにか分かるはずだと思うんだが…」
津川の下にいた艦娘に聞こうにも、元々提督の影響で男の人を嫌っている。そこに提督だけじゃなく津川を含めれて人間という存在が恐怖に思ってしまったことにより、正輝に対してまだ反抗的な態度を取る。
そんな状態になっているのにまともに会話できるわけがない。問題はそれだけではなく、摩耶達を助けに行こうとしても海に行くには明らかに正輝だけでは足らなすぎる。
正輝と共に一緒についてきた高速戦艦である榛名と金剛だけでは津川達の場所がわからない以上闇雲に探したところで間に合うわけがない。通信室から出て一階のフロアに戻って話し合っていた。
艦娘が榛名以外にも必要になる。その話を休んでいた正規空母が立ち上がって正輝の話を割って入る。
「話は聞いたわ。津川の元に行きたいのなら…私と赤城さんだけじゃなくて、二航戦や5航戦の6人なら高速で動けるわ。艦載機を飛ばして、仲間がどこにいるのかを探すことも可能よ」
「⁉︎本当か!何ら何まですまない!」
これで瑞鶴、翔鶴、加賀、赤城、蒼龍、飛竜の6人が手伝ってくれている。
「あとはどこに向かったのかだけか…急いでるのに」
人手もなんとかなり、海を移動することはできるようになった。津川達の場所を知るだけ。四人は牢屋にいて、どこにいるのかは知らない。他の正規空母は津川とは親しくないためにどこに行ったかなんて知らなかった。
「…津川がどこに行ったか知りたいんか?」
「⁉︎おい、知っているのか!教えてくれ頼む!摩耶と五十鈴が危ないんだ!」
正輝の背後から龍驤が話しかけてくる。
保健室で復活し、正輝が悩んでいるところに話しかけてきた。
「行ってどうするんや…」
「勿論助けに行く」
「ハァ⁉︎あんな…あんなトンデモ相手に戦うつもりなんか⁉︎」
艦娘が捕らえられている様子を見て、敵うはずがないと思っていた。だが、このまま放っておけば津川と共についていった鎮守府の仲間が次から次へと轟沈していく。
摩耶達二人も危険に晒されていた。
「あぁ、船ごと纏めて潰すわけにはいかなくなったからな」
「そんなことしても、あんな風に惨めに死ぬだけや!」
龍驤は囚われていた駆逐艦のことを思い出してゾッとした顔をしている。彼女らは解放されても身体が衰えており、苦しんでいた。津川に利用されたり、反逆した艦娘達は酷い姿に変貌してしまう。
「死ぬかどうかなんてわからないさ。俺はやるべきことがあってここにきている。津川は殺す。理由は俺の事情もあるが、摩耶達に頼まれたからっていう理由もある。その後、鎮守府がどうなるかっていうのかなんて残念だがまだ考えてない。だが、津川を信じてついて行っている艦娘だっているからそいつらも助ける。
部外者の俺はできる限りのことしかできない。俺に向かって提督をやってほしいって言われても無理としか答えられないからだ。すまない。
新しい提督を送り出すとしても大本営とやらが判断する。もしも、そいつらもまた艦娘を兵器だと思っているのなら、たとえ俺の…こっちの組織の身勝手な介入でお前らを助けるのは難しい。少なからずこの件についての偽装工作をする事ぐらい…津川について行った艦娘を守れるとして。俺は、お前らの全ての助けにはなれない。
偽装の方はこっちでなんとかする。
それと…もしも、次の提督が善良だったらお前らが歓迎してくれ。提督という存在で心に傷を負って酷い目にあった子もいたかもしれない。その傷を癒してあげれるのは同じ艦娘だけだ。
…なんか悪い。長話になったな。話を変えるが津川のいる場所を知っているか?」
「その話を信じてええんやな…?」
「あぁ、津川の件が終えたら次の提督の対応は不可能だが、いままで提督に反逆した艦娘の罪をどうにかするために考えておく。摩耶達や不知火は悪いがどうにもできない。偽装工作以前の問題だからな…信じるかどうかは決めてくれ」
正輝は龍驤の質問に頷いた。
提督を殺した場合、今度は正輝を無理矢理提督にする艦娘が出てくる。だが、大本営はまず先に鎮守府に憲兵を送るに違いない。英霊を呼んだ不知火や、提督に反逆した艦娘はまとめて解体され、正輝は無理矢理連れて行かされる。摩耶達は轟沈という知らせがあるために戻ることはできない。
正規空母の方も偽装工作で罪状を知らせずに、鎮守府にいることができる。龍驤は自分のしでかしたことに後悔はしていたが、正輝の言葉を信じて
「おっ、オリョール海や!そこに行くって津川と長門が言ったんや!」
「…分かった」
そう言って龍驤は部屋へと戻っていった。龍驤は津川には従っていたものの、真実を知ったことで疲れ切っている。
少なくとも津川の元にいて、提督に反逆していた艦娘を助けれるという理由で伝えた。
正輝達は龍驤の言葉を信じて、オリョール海へと向かう準備をした。
「…まず、大本営がここに来させないように結界を張らせてもらうぞ。」
鎮守府全体に結界を覆い、憲兵を来させないようにする。正輝はBLUEをボートに変形させて乗る。そのボートを縄につけて、海を移動できる艦娘が引っ張っていく。
「じゃあボートをしっかり持ってて下さいね」
「…え?」
「振り落とされないようにちゃんとしなさいよ」
綱は榛名、金剛、赤城、加賀の艤装につけており、他の四人は空母系の深海棲艦が戦闘を空から仕掛けてきたら防ぐ。駆逐艦や戦艦の方はボートを止めて、正輝が迎撃をすることになる。だが、戦える程の余裕な時間はない。
艦娘が全速力でオリョール海へと向かう。正輝は船を両手でしっかりと掴んで、振り落とされないように準備をした。
「あぁ、いいぞ」
「それじゃあ行きます!」
彼女らは元々は戦艦であるのだから速力が尋常じゃない。その為に8人分の艦娘が協力して正輝を引きずるということは
「うぉぉぉぉぉぉっ⁉︎」
「爽快デーズ!」
正輝の方は船に乗りながら、艦娘が船を引っ張っている。
(速すぎるっ、普通の人なら風で無理矢理落とされっ⁉︎)
彼女達は突然、動きが止めた。オリョール海の方角に向かってはいるが、その海が一体どんな状況なのかは知らない。
「おい、まだ着いてな「艦載機を飛ばして敵がいるかどうか確認するわ。深海棲艦がいる可能性もある」あぁ索敵ね…そう言ってくれ」
(船に弱くなくてよかった…)
正規空母の6人は艦載機を飛ばして、津川の船を散策する。15分後、彼女達の艦載機が戻ってくると。
「深海棲艦が全員を囲んでいるわ。船は原型をとどめてない。壊されたか、それとも敵である深海棲艦が壊したのか。でも…」
「他にも何か巨大な長い生物が…」
艦載機で発見した場所へと向かい、移動する。津川が用意した大船は見えず、船の破片が海に散らばっている。
「どうなってんだこれ、船がボロボロになって、ってそれよりも摩耶はどこだ⁉︎」
深海棲艦が艦娘を遅い、大海蛇が両方を襲っている。大海蛇が深海棲艦の駆逐艦を噛み砕いて、轟沈している。
大混戦の状態で、それぞれの陣形も大荒れになっている。状況は混沌としており、無茶苦茶になっていた。
正輝は摩耶達を目を凝らして探している。
「間に合っ…何っ⁉︎」
見つけることはできたものの眼鏡をかけている艦娘と津川の二人に摩耶を攻撃していた。
「あんの馬鹿がっ‼︎」
摩耶が大海蛇に乗っている津川に接近して攻撃しようとしている。津川を海に叩き落として、砲撃すれば倒せる。
しかし、そう簡単に津川がそう簡単に負けるわけがない。罠の警戒も見ないで相手に正面きって突撃するのは自殺行為。津川の挑発に乗って摩耶は頭に血が上って逆上している。
「正輝さん⁉︎」
「お前らは自分達の艦娘を頼む‼︎」
「わ、分かりました!」
正輝は投影した剣を上に投げつけ、魔力強化で飛べるようにした後に摩耶の元へと急いで向かった。
*****
《正輝が来る前》
「榛名がやられたの⁉︎」
「あの野郎!ゼッテェ許せねぇ‼︎」
摩耶に無理矢理起こされた五十鈴は混乱してうやむやになっているものの、姉妹艦が危機であるということ通信機の声を通じて分かった。送り出した榛名や正輝は通信機を奪われた以上正体がバレている。
「くそっ!どこにいるんだ!」
摩耶は船があるかどうか周囲を見渡す。だが、船は1隻も見当たらず摩耶は焦っている。
その時、
「ねぇ、何か音がしない?」
五十鈴が疑問に思って耳をすますと暗雲のある方角から大砲のなる音が幾つも聞こえてきている。二人はそこに向かい、津川のいる船に到着したが、
「おい、どうなってんだ⁉︎」
船は既に壊れており、艦娘達が囲んでいる深海棲艦を相手にしている。だが、大海蛇がその戦闘に割り込んで襲ってきている。
「私は長良と名取を探すから!」
摩耶と五十鈴は艦娘に加担するよりも津川によって捕らえられている鳥海と名取、長良の3人を探す。五十鈴とは別れ、二人を探しに向かった。
「鳥海!無事だったのか!」
摩耶の方は姉妹艦である鳥海の元へ向かうが、
「逃げろ摩耶…そいつは、もうお前の知っている鳥海ではない!現に私達は撃たれて」
「そこから逃げて!」
「何言ってんだ!こいつは私の!」
長門と陸奥は摩耶に警告した。二人は既に大破しており、一回でも砲撃を食らえば轟沈は不可避となる。
「⁉︎ちょうか…」
鳥海は何も言わずに、艤装を摩耶に向けて撃ってきた。
「おい!どうしちまったんだよ!」
「避けたか、もう少しで当てられたのに…」
「津川、テメェ‼︎」
摩耶は鳥海の様子がおかしいことを察知して、攻撃を避けたものの被弾している。
「お前が…お前があいつをあんな風にしたのか!」
「久しぶり。姉妹艦との感動の再会じゃないか」
津川の用意した大船は崩れている。長門達は彼に反逆し、敵とみなしたが大海蛇の出現によって返り討ちにされた。
(今のこいつは無防備、大海蛇も別のところで暴れている…いるって言っても津川の側に一体だけ、だったら!)
「お前を潰して、鳥海の目を覚まさせてやる!」
もう一人の男が横から摩耶の方に走って飛び蹴りをして来るのを知らない。
大きな叫び声と共に振り向くと、彼女の目には正輝が飛び蹴りをする姿があった。
*****
摩耶が津川の元に接近して、ゼロ距離で撃ち殺そうと考えたが、彼女の横から正輝が飛んできてドロップキックをかます。
「おんどれはアホかーーーーっ‼︎」
「あだっ⁉︎」
摩耶はその勢いで転がってゆく、海中から二体の蛇が飛んでくる正輝を襲うものの摩耶を助ける前に投影した剣を上空で固定しているため、その剣の固定を解除して串刺しにする。
「てめっ、正輝!じゃ「相手は手馴れた様子で待ち構えてたろうが!津川が煽って罠に誘っているのが分かんねぇのか‼︎考えなしに突っ込むって正気かお前はぁ!あいつが陸地用の蛇だけ用意するだけとでも思ってたのか…ちゃんと海でも生きていける蛇を持ってるに決まっているわ!奴の懐にホイホイ突っ込んでどうする!あいつが設置した罠の領域にそのまますんなりと入ったら一瞬にして終いだろうが‼︎」」
津川は海蛇の大群を海で泳がせ、どんな方向でも標的を殺せれるようにしていた。現に、摩耶はその蛇に襲われているところを正輝に助けられている。津川が彼の登場に拍手をしている。
「随分とまぁ、派手な登場だ。
とゆうより生きていたんだね。偽憲兵…いいや正義側3rd。正体は岩谷正輝」
「俺も随分有名になったな。楽園の連中を倒し続けているからか?」
鳥海が艤装を構えようとするものの、津川が止めさせた。
「鳥海、あの男ではなく摩耶を始末しろ。僕は彼を始末する」
「…了解しました。鳥海、抜錨します」
鳥海は逃げていく摩耶を追って、容赦なくねらい撃つ。津川の方は海蛇を操作して正輝の元へと向かった。
「君は彼らの救世主にはなれない。そもそも君自身、提督になる気はないんだろう?
それ以前に僕らは鎮守府にとってはただの部外者に過ぎない。」
「…そうだな。で、部外者のお前が悪巧みして鎮守府を支配しようとしてんだろ?艦娘一人一人を戦力、趣味として使う。お前のやっていることは俺らにとって迷惑なだけなんだよ。艦娘だってこんなことを許容できるわけがない」
正輝の方は飛び蹴りをかました後に、散らばった船の破片を利用してBLUEに引っ付かせている。なんとか着地したものの安定しておらず、海の揺れでよろめいている。
「お前らの戦力を増やされても困るっていう理由もあるし、提督とやらの責任を持ってほしいって頼まれても困る。その責任は残念だが背負えない」
「全く皮肉なものだよ!君が余計なことをしなかったら僕が提督になって彼女らを救ってあげれるのにさ。
君は正義とかって言って救おうとはしない。
酷い男だ。
それに、そんな不安定な状態で何ができる?僕の方が圧倒的に優位だって言うのに」
津川を倒したとしても、鎮守府に大本営から憲兵が押し寄せてくる。守っていた津川もいなくなり、調べ上げられて反逆していた艦娘は罪に問われるだろう。
「酷い男だって言われてもいいさ。
俺はあいつらを全て助ける訳じゃわないんだからな。
だが、お前を野放しにするわけにもいかない。放っておけば艦娘という戦力を増やして俺達や人々を殺すように命じる。そいつらを兵器のように忠実にな」
「それの何がいけないんだい?艦娘にだってちゃんとした褒美があるだろう。
戦いの終わりの先には幸せな暮らしがあって、誰も犠牲になることもない優しい世界が見えるはずさ。提督としての仕事も僕らの仕事も終える。
大本営が実力行使で調べようとするのなら楽園に要請すればいいだけのこと。虐殺で完遂すればいい。もともと彼処に興味なんてないし、まともな材料なんてあるわけないからね。艦娘ほど優秀なモノはないよ。
敵を纏めて葬る手段なんて幾らでもある。深海棲艦を相手にするのは厳しいけど、人を殺すのは簡単なことだからさ」
津川をこのまま生かしたとしても艦娘に残るのは絶望だけしかない。自分達の誇りを捨てて、邪道の道に連れて行く。人を殺させる道へと。
「…そんなんだからお前らの存在は危険なんだよ」
(つっても…この海上での延期戦は俺が不利になるだけだからな。どうする?)
こうして摩耶と鳥海、正輝と津川という形で海上での戦うことになった。摩耶と鳥海はまだしも、正輝の方は海上での戦闘をするしかなかった。
艦これ編の方は文章がおかしい部分もあるかもしれないので、気付いたら少しずつ書き直しておきます。