Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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シンフォギアのアプリの最新作か。
前回の二の舞にならないことを祈るけど…


33話姉妹対決

逃げていく摩耶に鳥海が追って追撃していく。摩耶は砲撃を避けながらも、彼女に向かって叫んでいた。

 

「鳥海っ、なんで!なんでだよ‼︎なんで…お前とは戦いたくないっ」

「この下らない戦争を終わらせるため、彼が目指す先は幸せがいっぱいなの。

 

だからこっちに来て摩耶。今なら私達が快く歓迎するわ」

 

摩耶は最初津川に人質になった鳥海を助けようとここまで駆けつけたはずが、その人質が罠で津川に崇拝していたことと、いきなり自分の姉妹艦と戦う覚悟なんて持てるわけがない。鳥海の目は正気を失っている。

 

「彼らは提督を欲している。なら、こんな連中を提督として彼らに永続的に渡せば…平和は保たれます」

「だったら、私らの存在意義は結局どうなるんだよ‼︎」

 

艦娘は人を守る為にこれまで戦ってきた。だが、提督の横暴な言動によってブラック鎮守府というものが生まれ、艦娘は何かが狂ってしまった。守るはずの人に虐げられ、性的暴行を受けていく。

 

「そんな方法でっ…心が痛まな「そんな風に思いませんよ?」なんで、なんでだ‼︎」

 

鳥海は害してくる提督や人を信用せずに、津川にだけを信頼した。たとえ姉妹艦が手を差しのべたとしても逆に鳥海は摩耶にこっち側に来るように誘う。

 

「では私達は、結局何のために戦っているんですか?

 

最低な提督を守るためですか?

見ず知らずの人間のためですか?

化け物扱いする彼らを命がけで助けるためですが?

 

確かに私達は戦うために存在を認められました。兵器として生まれてきました。提督に逆らうなど言語道断。

私達の権利は、何もないのは分かってます。だからこそ、私は思いました。

 

艦娘は人としての機能なんて持ち合わせてはいけないんだというのを今まで強いられてきた。兵器に感情は不要だと…けれど、彼は違いました。

正義を捨てて、人権を手に入れることができたのです。彼の言い分は素晴らしかった。

提督を装ったクズというクズを根絶やしにし、大本営のやり方を否定した。

 

彼の生き方は私を救ってくれました。

私達を苦しみから解放するために艦娘に権利を与えてくれたのです。私は彼の優しさにとても感動しました」

 

津川は黒く濁った鎮守府に入ったことにより、彼という希望を艦娘に見せた。だが、彼の本性は見ることもできずに艦娘は見えないまま彼を信じている。その裏では、新入りとはいえ艦娘が犠牲になっていることを知らずに。

 

「ふっざけんなぁ!あいつが裏で、一体何をやってたのかわかって言ってんのか!あいつの下らない趣味とやらで犠牲になった艦娘だっているんだぞ!お前はそんな男についていくつもりなのかよ‼︎」

「えぇ、分かってますよ。それでも私は彼を崇拝してます。だって…戦争だって犠牲は出ますよ?でも兵器としてではなく人として死なせてくれるんです」

「それとこれとは…」

「違うって言うんですか?ゴミクズのように痛い思いをして捨てられるのと、彼の理想の為に多少の犠牲は必要でしょう…ですが、彼の仕事が終えたら私達はようやく解放されるんです。

 

この長い戦いを。深海棲艦との戦いは平和条約で終えて、正義側を皆殺しにして…逆らうならば大本営をも蹂躙してくれると仰りました」

もう彼女は津川のことで頭になく、摩耶の言葉は聞く耳持たない様子だった。

(あの野郎に洗脳されてやがるっ…)

「もういい…私が、私がお前の目を覚まさせてやる!行くぜ、摩耶!抜錨だっ!」

「鳥海….抜錨。出撃します」

 

摩耶は艤装を構えるが、それよりも先に鳥海がレーザー砲を撃ってきた。その流れ弾に当たった深海棲艦の戦艦は一撃で轟沈して海の底に沈んでいく。

 

「摩耶、まさかお前の艤装…」

「はい。彼に改造してもらいました」

 

彼女がそう笑うと、レーザー砲を変えてスナイパーライフルのような形に変形する。摩耶は、標準を合わせられないように海面を移動しながら攻撃をしてきた。

 

だが、

(計算どうりです。が、運がいいですね)

「ちくしょっ…」

摩耶の攻撃はあまり当たらず、逆に冷静に対応している鳥海は摩耶の身体を撃ち抜くはずだった。しかし、摩耶の方は反射的にその砲撃を避けて擦り傷程度で済んだ。

 

摩耶はスナイパーライフルの弾丸を装填しようとする鳥海に一気に近づく。

 

(また標準をあわせるのはまだ時間がかかる)

「ええ、そうくると思ってたわ」

 

鳥海が放った4つの魚雷が摩耶のところに迫ってきており、爆発する。爆発音からして直撃は免れなかった。

(これでやっ…つっ⁉︎)

「うぉぉぉぉぉっ‼︎」

煙で互いが見えないために摩耶が煙から出てから撃ってくると思っていたら、煙に構わずそのまま身体を張って突進してくる。魚雷は食らったが中破になっている。

(読み間違えたっ⁉︎)

鳥海はスナイパーライフルを変えて元の艤装に変えようとするが

 

「それかっ!」

(しまった⁉︎)

 

艤装を変える前に摩耶がその艤装を壊そうと撃ってくる。鳥海はまだ空いている魚雷を使えば摩耶を轟沈させることは可能だが、このままの近距離だと鳥海もろとも魚雷に巻き込まれてしまう。二人がせめぎあっている間に他の深海棲艦が割り込んで撃ってきた。

 

その砲撃によって鳥海が被弾し、摩耶の方はこれで大破になってしまう。

 

「あれ、ま、やっ?」

「おい、しっかりしろ!くそっこいつらっ邪魔だ‼︎」

摩耶は鳥海に近づくが、深海棲艦の砲撃がその邪魔をする。今度は摩耶を狙っているものの四つの魚雷を直撃している以上戦艦の砲撃を一回でも受ければ轟沈は免れない。

 

「私ね、記憶を…弄られたの。冷たくて怖くて怖い場所に監禁されて…あなただけは、無事でいて。

さようなら」

「おい待てよ、お前何言ってんだよ⁉︎」

 

鳥海は摩耶の盾になり、周囲を囲んでいた戦艦の深海棲艦に魚雷をお見舞いする。だが、深海棲艦の主砲でボロボロになった鳥海に狙って撃っていく。

それでも鳥海は捨て身の攻撃で、二人を狙っていた戦艦は轟沈していった。鳥海は、笑顔で海の底へと沈んでいく。

 

 

ーーーー鳥海、轟沈

 

 

「ちくしょう、ちくしょう…なんでだよくそっ…」

摩耶は鳥海が沈んでいくのを眺めることしかできなかった。しかし、嘆いている暇などない。

巨大な大海蛇が艦娘全員を囲んで襲ってくる。摩耶もその例外ではない。だが、上空から降り注がれる剣が蛇を襲い、蛇が倒れていく。

「え?あれ、私ら海にいたはずじゃあ…」

景色が代わり、自分達のいる場所は海上ではなく陸地と変わっていった。

その周囲にあるのは大量の剣が刺さっていた。

 

*****

 

「ホラホラ、まだ溢れて出てくるぞ‼︎」

正輝は小さい蛇の大群に襲われている。壁によじ登って身体を噛みつこうとしてくるが、正輝はBLUEを操作して自分を守ることしかできない。

 

(摩耶の方は終わったんだな)

「いつまで逃げられるかな‼︎」

 

小さい蛇が撤退し、今度は三匹の大海蛇が大きな波と共に襲ってくる。正輝はBLUEを解除し、蛇に乗っかって頭を剣で刺す。だが、残りの二匹は止められない。一匹の攻撃は避けるものの、もう一匹は倒さないと飲み込まれて蛇の胃の中で溶ける。

 

偽・螺旋剣(カラド・ボルグ)‼︎」

 

安定していない所で戦っているために弓と剣を飛ばすことはできても大蛇には当てることはできるが津川には全く当たらない。

 

「無駄無駄、少しは学習したらどうなんだ?僕個人では残念だが非力で弱い。けれども僕以外の人やモノ、兵器や動物を優位な場所に誘導して戦わせる。全ては自分の弱点を認めて、その弱さを認めた時から始まる。

 

君達は足掻けば足掻くほど苦しんで、全滅する。

そして僕と鳥海以外誰もいなくなる」

「うそ、私達…既に」

蛇をいくら倒しても増殖し、いつの間にか正輝どころか全員を大海蛇が何十匹か囲んでいる。いくら海での戦闘が優れている艦娘と深海棲艦隊がいても、こんな大量に戦えれるわけがない。

 

だが、正輝は青ざめることはない。

 

「…お前の長話は済んだか?」

「君、自分の置かれている状況が分かっているのかい。正義側は海上での戦闘の知らせはない…僕が圧倒的に優位だってことが分かるはずだろ」

確かに正義側は海上で一度も戦ったこともない、現に正輝の方は力も本気も出せないまま、安定してない場所で戦っている。

正輝と艦娘は餌で、大海蛇はその餌を欲している。

ここが海上である以上、津川の有利に変わりはない。

 

「終わりだ!誰も生かす気は無い!全て殺せ!」

 

彼の掛け声と共に大海蛇が全員を襲ってくるものの上空から無数の剣が降り注ぐ。蛇は剣の攻撃に耐えきれずに海に沈んでいった。

 

「なっ、全滅⁉︎海上ではまともに戦えないんじゃないのか⁉︎」

「自分を知るというのは確かに大事なことだな。

全くその通りだ。だが、お前は俺という敵を余りにも知らなさ過ぎた。

弱点を海上だのでしか戦えないだのといい加減に調べているから、こんな風に足元をすくわれる。全く、なんでこんな簡単なことに俺は気づかなかったんだよ…わざわざ海では戦わずに、場所を変えていいだけのことだっつーのに」

 

正輝はわざわざ海で戦おうとはせずに、地形を変えることを考えた。津川の方は氷で海を凍らせるか、空を飛ぶかと考えているが、そもそも一人の力で海を変えることなんてできるわけがないと思っていた。

 

「変えるだって⁉︎そんなこと無理に決まって「So as I pray, unlimited blade works.(その体はきっと剣で出来ていた)」なっ、なんだ⁉︎」

 

正輝が剣を使って戦うというのは知ってはいたものの、結界を作ることを津川は知らなかった。海が変わり、周囲の人や大海蛇、深海棲艦を巻き込んでいく。正輝以外の艦娘が地形が海から陸に変わったことにより混乱していた。

 

「わざわざ海で戦う必要なんてない、お前が俺の能力を知らないおかげで助かったよ。

 

お前がちゃんと俺の能力を調べて知っていたのならば、詠唱する前に不利な状態の俺を確実に殺そうと必死になっているからだ。地形が変わった以上、果たしてお前はまだ慢心できるかな?

 

詠唱もこれで終えた。

さぁ津川、覚悟はいいか?ついでに深海棲艦と蛇もろとも潰してやるよ」

 

無限の剣製(アンリミテッド・ブレイドワークス)が戦場を覆い、無数の剣が大量に出現する。蛇は陸に叩きつけられ、乗っていた津川は気絶している提督を持って蛇から降りるしかなかった。

 

 

 

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