Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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36話帰還

次の日

正輝の方はまだ船に帰っておらず、昨日はこの島で寝ることとなっていた。このまま帰るにしても浜風の部屋は用意してない。一旦部屋を増やすために船を少し拡張するということを衛宮達に連絡しなければならなず、仲間が増えてきているために部屋や施設を広くする必要がある。部屋の方は浜風だけなので1日で済ましているだけので、船を全面的に拡張するのは後からとなった。

 

「異能力ってあんなこともできるのかよっ⁉︎」

「まぁそういうことだ」

 

神社で全員が集まりご飯を食べながら話をしていた。正輝は摩耶に言われた通りに無限の剣製のことについて説明している。が、その固有結界が生み出された発端は言わなかった。発端そのものは正輝ではなく黒沢くん(英嶺エミヤ)の過去のものなので、許可がない以上明かすわけにはいかない。

 

「海を変えたのは俺だし、それで津川を倒した」

「呉鎮守府の方はどうなってしまったのかしら…」

「金剛姉様…」

赤城は正輝にそう尋ねるものの、津川の元にいた艦娘が正輝を無理矢理提督にして利用してきたから、全員を転移して逃げなければならなかった。鎮守府はもうどうなっているのかはもう分からないままとなっている。

 

「…鎮守府の確認に向かっても憲兵が徘徊している。あそこに近づくのは危険だ。

俺の要件が終わったら、またここに来る。

それまでは頼んだぞ」

「分かりました」

たとえ正輝が呉鎮守府に気配遮断を使って侵入しても、今度見つかって姿を現してしまえば呉鎮守府どころか全鎮守府と大本営を敵に回しかねない。指名手配され、暗殺者などを雇って殺すように命じるだろう。

艦娘は元の鎮守府に帰ろうにも帰れなくなってしまった。

 

赤城と加賀、桜の3人が食事の方を務めている。神社にはちょうどいい感じの弓道場があるためにそこで弓の練習をすることができ、鍛錬はそこですればいい。

佐々木の方は門番の役割だがメディアのように縛り付けにされてないために、無人島を自由に移動できるようになった。

不知火とランサーは釣りに向かい、海の近くで魚を取っている。朝潮はその二人の手伝いをする。

摩耶と五十鈴は手伝おうにもまだ改心しているというわけではないため、彼女らで食料の収穫を行う。

「私も手伝います。じっとしていられるのも、なんですから…」

榛名の方もまだほんの少し抵抗感があるために二人の手伝いに入り、ライダーが3人のフォローをするようになった。佐々木の方は用件が何もなく暇である時はライダーと共に向かうこととなっている。

こうして、正輝は浜風だけを連れて船へと向かうこととなった。桜達とランサーと不知火、榛名達はまた後から船に連れていけばいい。

メンテナンスが終わり次第、ここに戻って回収するのだから。

 

*****

 

正輝が艦娘一人を連れて船へと転移し、到着すると私服姿の秋瀬或とレイナーレが待っていた。

事前に電話をして待っているようにと伝えており、こうして転移場所で迎えに来ている。

 

「…ただいま」

「おかえり。で、どうだったの?

その世界に行って」

 

正輝は3人に一から話した。

まず世界に介入して艦娘と鎮守府のことについてや敵組織である殺者の楽園が艦娘を利用して戦力増強をしたことと、楽園だけでなく正義側の麻紀までその艦娘とやらを連行しようとしているという噂を二人に話した。

 

「ともかく、俺の姉さんに知らせておく。噂っつてもそれが本当なら面倒だからな」

「正輝、麻紀って誰なんだい?」

秋瀬の方は正輝以外しか正義側の転生者を知らない。正輝の口から知らない人の名前が出されてレイナーレ達は分かってはいるものの彼は知らない。

「前までは俺やレイナーレ達を敵視してた奴。今じゃどうなってんのかわからねぇ」

「麻紀が…そんなことをね。行動からして楽園と同様に道具を増やすって寸法なのかしら?」

「今のあいつは全く行動が予測できない。道具にして利用しようとしているのか、ただブラック鎮守府という場所が嫌だから麻紀という正義側に艦娘が逃げたのか…真相はまだ麻紀か、あいつの仲間に直接聞かない以上わからないまんまだ。あとそれと…」

 

麻紀のことを知っているのは仲間である上条達か、裏切ったリアス達しかいない。麻紀のことを知ろうにも上条の方は音信不通になっており、リアス達と会うだけでこちらが話し合いをする前に先に仕掛けてくるため戦闘不可避になるのは言うまでもない。

 

「浜風です。今後からここでお世話になります」

「あの、正輝…その子。なんていうか堕天使の二人といい変わった子を連れてくるよね?」

 

挨拶をする時に右手を上げ、敬礼をしていることに二人は驚いていた。

正輝の方は後から思えば偽者の憲兵になったとはいえ鎮守府に入る時もこんな感じに敬礼をしなければならなかったのは覚えている。だから艦娘も同様に敬礼をしていたのは知らなかったが、金剛を見てその必要もない子もいたためそのことについては教えてなかった。

 

「悪い秋瀬、そう言えば教えてなかったな。

 

あのな浜風、ここじゃあ相手に敬礼をする必要はないんだ。緊張する必要もないし、頑なにならなくていい」

「分かりました」

「レイナーレは戻っていいぞ。秋瀬の方は紹介が終わったら呼ぶから」

正輝は艦娘である浜風を紹介し、船の内部を案内することとなった。正輝は無人島にいる仲間全員を連れて行くことが可能ならばしたかったけれど、携帯の神様システムがメンテナンスである以上仲間を連れて行くことができない。

 

案内している間、正輝が二人に声をかけている。

 

「よう黒沢と白沢くん。戻ってきたぞー」

「誰が黒沢だ、全く」

「あぁ、おかえりってそこ白い子は?」

キッチンの方では白沢(衛宮)と黒沢(英嶺エミヤ)がおり、食器を片づけている最中だった。仲間が多いため皿の量が多く、二人以外にもレイナーレ達が多少は手伝ってくれていた。

 

「あの…あの二人は白沢と黒沢っていう名前なんですか?」

「気にするな。正輝が勝手につけてきた名前だ。私はアーチャーだ」

「俺は衛宮士郎って正輝…ここに来た子に白沢とか黒沢とか変なこと教えるなよ」

 

正輝が変な名前をつけているせいで浜風のように本当に黒沢と白沢だと間違えて覚えてしまう。

 

「俺の方はからかっていってるからな。浜風の方はちゃんと衛宮とアーチャーって呼ばないとダメだぞ」

「いや、普通に貴様でもダメだからな」

「えー(棒読み)、まぁともかくこの子を案内しないといけないからね。じゃあな。」

 

そう言い正輝と浜風はキッチンを出て、バトルルームへと向かう。そこでは訓練していたセイバーとさやかの二人が剣の鍛錬をしていた。

 

「よう、セイバーとさやか」

「戻ってきたんですね。お疲れ様です」

「おつかれー。私達の方のテストはなんとかなったよ!」

 

さやかは前々から赤点ばかり取っていたが、今回は勉強する時間が多く衛宮達や秋瀬に教えてもらっているために捗ることができた。よって点数は高く、再試験を避けられたために気分がいい。まどか達の方も成績が上がり、期末テストは無事に終えた。

 

 

他にも平坂黄泉が知らない人(浜風)の声に気づいて顔を向けて声をかけてきたことや、リビングではマミと杏子がケーキの冊子を見て一緒に作ることを考えていた。

 

凛と戦場と美神は正輝の代わりに出費の計算をしてくれており、まどかとほむらは一緒の部屋で寝ており、そっとしている。

 

最終的には今日作成した部屋の所まで案内し、正輝は浜風に部屋の鍵を渡した。

 

「で、ここがお前の部屋だ。これ鍵だから何かあったら呼んでく「あの、質問があるのですが…秘書艦というのはしないのですか?」?…なにそれ?」

浜風は首を傾げて質問をした。聞かれている正輝の方も何を言っているのか理解していない。

 

浜風が説明するには秘書艦というのは本来は第1艦隊の旗艦として提督の補佐につき、お知らせを代わりに伝えたりフォローをする役目である。

 

つまりは、この船の場合だと秘書艦は正輝がいない代理としての役目にもなる。

「いんや、必要ねぇよ。俺には堕天使の二人がいるし、探偵の少年もいる。

それでも必要なら俺から言うよ」

「分かりました。それでは部屋に戻「それと…部屋の方は、お前の好みとかわからなかったから…」」

 

浜風はドアにネームプレートをつけて、部屋をよく見ると中はきれいになっており、ベッドと机が用意されている。ごく普通の一般的な部屋で、女の子らしいものは一切なかったが、

 

「いえ、今のところは何も不満は無いです。部屋を用意してくれて有難うございます。」

「それは良かった。まぁ欲しいものが何かあったら俺か、俺がいなかったら秋瀬とレイナーレ達の3人に伝えてく」

 

浜風の方はその部屋を見ても別に文句を言うことはなく正輝にお礼をして自室に入っていった。案内の役目を終えた正輝は放送室に向かい秋瀬を呼ぶ。

 

 

まどか達や秋瀬とバカップルに黄泉、衛宮達や遠坂達がいるのはこの目で確かめたのに立花達がいないということに気づき、どうなっているのかを聞いた。

「まどか達や立花達のテストは終わったけど君が艦これの世界にいる間、その世界に転移できなくなってるんだ」

 

秋瀬が話した通り、まどか達の方は船に戻っているが、立花達の方は姿が見えない。

「そうか…俺の方はまだやらなきゃいけないことがあるから」

正輝はそう言って部屋へと戻っていく。まだ、大事なことがもう一つ残っているからだ。

 

*****

 

「そういうわけなのよ姉さん」

『うっわ…それが本当ならめんどくさ』

 

正輝は麻紀のことについて嶺に報告している。嶺はあまり彼のことについてはあまりよく知らなかったものの、事情を知って苦い顔をしている。

「それが本当なのかどうかわからない。でも、知らないだけまだマシだと思って一応伝えておいたよ。じゃあね」

『ん、それじゃあ』

嶺と通信を切って今度は立花から教えてもらった上条当麻の電話番号を押したが、

 

「電話に出てこない…」

 

何回も電話をかけても上条が電話に出ることはない。立花がやっていた時は通常通りに電話していたものの、今では音信不通となっている。麻紀に携帯を奪い取られたか、或いは電話の機器に細工をしたのか。 それとも、ただ単に携帯が壊れたか。

 

(麻紀、お前は一体何を考えてるんだ?)

 

加賀からの噂によって、麻紀がいろんな世界に転移して力ある無関係な人達を巻き込んで、船に無理矢理連れこみ戦力として加算させるという情報があった。

 

だが、その方法には二つ難点がある。

 

一つ目は命令権を使うには仲間認識しなければならない、でなければ命令権も使えず横暴に連れてきたやつに言うことを聞くなどありえない。となれば誰かを人質にして、戦えと命じるか。

 

それとも艦娘や他の人を手駒にするためにインキュベーターのような詐欺まがいのことをして騙して契約させ、命令権を使って指示させるか。

「いや、後者は無理か…」

 

人数が多すぎるという理由もあり、無理矢理連れ込んだ麻紀に敵意をもって契約しないという選択もある。

 

けれどせっかく船に連れ込んだ者が戦う意思がなければ無理矢理連れ込んだ方法もなんの意味も成さない。最悪反乱を起こして、麻紀を殺そうとする団体が襲いかかってくる。

 

が、麻紀は戦力にしたいがためにあらゆる手段を使ってくる。

どの道、麻紀が連れ込んだ人材に対して公平な契約をしてくれるとは到底思えなかった。

 

二つ目は衣食住のこと。

 

大量の人材を連れて行くにしてもまず船を拡張しなければならない。船の拡張にも時間はかかるし、部屋に人を詰め込んで入れさせるとしても、環境的に悪影響を及ぼす。着る服も量が多いために費用が計り知れない。

食事の方は艦娘だと最低限の資材は必要になっている。その最低限と言っても真面な食事を与えるわけがなかった。

だからブラック鎮守府にいた彼女らを粗末に扱えば憎悪によって暗殺されるのは言うまでもない。

 

「あいつが多くの人を管理するなんてどう考えても無理に決まってるだろ」

(てゆうか、言うまでもなく仲間内で争いが起きるな)

 

麻紀一人でそんな管理や考慮するわけがなく、幾多の問題を放置するに決まっている。

そんな無謀な方法で復讐が真面にできるわけがない。

怨み妬みが麻紀に集中して彼ら(集められた艦娘などの被害者達)に復讐される標的となるだろう。ならば、

 

「誰かが裏で手を引いてるってか?」

 

そう思いついたのは、やはりどう考えても一人で大量の人数を管理できるわけがないからだ。リアス達にたとえ命令権で従わせても麻紀と同様に力でなんとかしている彼女らが捕らえた彼らを説得するなんてできるわけがない。

一体誰が手を貸しているのか。

しかし、それが本当なのかどうこう推測しても情報が足らな過ぎる。

麻紀のことについて探るのはまた今度に後回しとなった。

 

「どうすっかな。桜達やランサーの方は残された艦娘達の世話を任せたし…」

 

次は立花達のいる世界、シンフォギアGの物語に介入することとなる。立花達がどのように変わり、新たな脅威にどう立ち向かうのか。しかし、ここに来たばかりの浜風はまだ船に馴染んでないためこのまま立花達のところへ向うのは焦りがちになっている。まどか達もようやくテストを終えたばかりだ。

 

だから、

 

「麻紀のことは情報が足りない、調べるのは後からでもいいだろ。それと、まどか達もテストで頑張ったんだしみんなでどっか遊びに行くか」

 

テストを終えたまどか達と、そのテストに協力した仲間達に浜風を入れて全員で何処かに出かける計画を考えた。立花達に向かうのはまた後からでも何も問題はない。

 

 

 

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