38話クッキーマン犬○家伝説事件
浜風の部屋
「おお、綺麗じゃないか」
「ありがとうございます。ずっと気になってたので、着てみようかと」
浜風の服装は上に白いフリフリの洋服で覆われている。机には買い物の時に何着かの服が買って置かれてある。お疲れ会の時に外出する際、彼女は自分のサイズに近いマミに服を貸して外出していた。
買い物は背丈の方はミッテルトが、バストの方はレイナーレがいたおかげで服をちゃんと選ぶことができた。正輝がいたおかげで露出度の高いものは選んでおらず、ちゃんとした服を着せている。が、
「…見惚れてる?」
「なっ、お前なぁ!」
正輝はじっと浜風のことを眺めていた。似合いすぎているから目のやり場に困っていたからだ。破廉恥な格好というわけでもなく、浜風が正輝のことを誘っているわけではない。
本心から注目してしまうほど、可愛いと思ったからだ。ミッテルトが正輝をからかい、レイナーレが少し微笑んでいる。
「正輝、時間だ」
「あー分かったよ。それじゃ」
「いってらっしゃい」
アーチャーが正輝を呼び、正輝は浜風を転移装置のある場所に案内する。最初に転移するのは正輝とアーチャーの二人であり、浜風の方は転移装置の説明を聞くということでついてきている。正輝は浜風が戦えるようになったら正輝の呼び出しで転移するときの為に操作方法を教えている。
正輝は立花の元に転移して、どうなっているのか確認しようと考えていた。テスト以降、響達との連絡は取れておらず今頃どうなっているのかわからなかった。
ちなみに浜風が正輝が危機的状況に陥ったらと質問すると
「その時はまぁ、黒沢君を盾にし「断る」」
アーチャーはまどか☆マギカの時では正輝に盾扱いされ、シンフォギアでは二課に拘束されてアーチャーと言っても信用されなかったから黒沢という偽名を使わざるおえなかった。正輝はシンフォギアの次のシンフォギアGに転移しようと転移装置を操作して移動しようとするが、
「待て」
「…なんだよ」
正輝は面倒くさそうに振り向いた。
アーチャーは、このままシンフォギアの世界に介入するのはいいが、前に響の発言が原因で正輝を本気で怒らせたことが何度か見ていた。彼女の発言は悪気で言ったつもりも、ましてや悪巧みや陰謀とかもない。善意があり、何も考えずに本心で良かれと思って言ったつもりだった。
が、結果的に正輝が受け止めたのは無神経で何も分かってない響だということと、彼女を鬱陶しく思って考えを一方的に拒絶し、そして堕天使が襲われても手を取り合おうという言い分によって響を非殺傷設定で斬り倒して潰そうとした。
アーチャーが転移する前に正輝に強く念を押した
「響と…また大喧嘩にならないことを祈るぞ。事の次第によっては」
「わーってるよ。試練編後に姉さんに散々叱られたしな」
立花響と出会って力ずくで脅迫したことも、試練編に非殺傷設定で斬ろうとしたことについても姉には話してなかったが、試練編のことについては姉に起坐されつつも叱られた。
そう言って転移装置の画面を見ると
【ピッ】
「ん?」
正輝はアーチャーの方を見て話をしていたせいで、正輝の指が既に転移開始のボタンの端末を人差し指で押している。しかも転移先を上空にして。
「「「…あっ」」」
3人が気づいてももう間に合わず、正輝はアーチャーよりも先に転移してしまった。
*****
巫女フィーネが起こしたルナ・アタックから3ヶ月が経つ。ワルプルギス戦に手を貸して以降正輝と別れてからは2ヶ月半だ。立花達は期末テストも終わっており、脅威はノイズだけとなった。
今、特異災害対策機動部は指令が下されており、完全聖遺物のサクリストS、又の名をソロモンの杖を米軍岩国ベースへと搬送することとなっていた。ソロモンの杖は米国連邦聖遺物研究機関の最優先調査対象となっており、その保護を頼まれている。ソロモンの杖を分析することで脅威であるノイズに対抗する研究と新たな可能性を行うために、その施設に送こととなる。
ノイズに襲われた時の為の護衛として響とクリスが選ばれた。二課がソロモンの杖を持っているからといって、ノイズが保管されてあるバビロニアの宝物庫は開いたままになっている。杖が鍵となっており、これをどんな手段を使ってでも奪って悪用しようと企む敵は襲われている以上、存在している。ノイズは今まで人を殺す為だけに単調な行動をしてきたが、襲ってきたノイズは目的を遂行する為に動いており、列車を正確に狙って襲っている。ソロモンの杖以外の方法で操っている者がいるという疑問が弦十郎にあった。
「そいつは、ソロモンの杖は簡単に扱っていい物じゃねぇよ…最も、私にとやかく言われる資格はねぇんだ」
クリスには前科がある。フィーネの操り人形となってソロモンの杖を起動させたのは本人が行なったこと。
まだ敵だった彼女は自分がしてきたこと
「大丈夫だよ!クリスちゃん」
「つっ‼︎ほんっと…バカ」
フィーネに裏切られて捨てられたクリスは響達と手を取り合い、フィーネの計画を止める為に協力した。響はクリスのことを友達であり、仲間だと思い励ましてもらっている。
響とクリスが運搬機の上に乗り、変身して外にいるノイズを倒していた。後方を響に任せ、前方をクリスが仕留めている。
【GIGA ZEPPELEN】
紫色の結晶体を弓の矢のように飛ばし、空中に放たれた後に小さな結晶へと分裂していく。小さな結晶体は雨のように降り注がれ、下にいるノイズは分裂した結晶が降り注がり、突き刺さっていく。前回に苦戦していた大型の空中ノイズもその攻撃に耐えきれずに、散っていく。
【MEGA DETH PARTY】
今度はミサイルを放射するものの、リーダー格のノイズだけが生き残り、他のノイズとは比べ物にならないほどの速さで避けてかわした。
「だったらっ‼︎」
【BILLION MEIDEN】
今度はガトリングに変形して、連射し続ける。が、そのノイズは形を変えて銃弾をほとんど受けながらも効く様子はなく、ノイズの勢いは止まらずにクリスの方へと突進して行く。
「クリスちゃん!はぁぁぁっ‼︎」
響がクリスに突進してくるノイズをアームドギアで殴り飛ばし、攻撃を凌いだ。空中に浮いているノイズを一掃できずにチマチマ倒している理由は、ルナ・アタックの時のようなXDモードのように空を飛んで倒すことはできないから手間取っている。
「クリスちゃん後ろっ⁉︎」
列車はトンネルに入り、上にいる二人は列車の上部分を突き破ってトンネル入口の衝突を避ける。
響の名案として弦十郎のマニュアル映画を参考に列車の連結部分を壊して、ノイズに車両をぶつけても通り抜けるだけだが、そんなことをしてもノイズは聖遺物以外は全く効かずに通り抜けるだけだとクリスは反論する。
「ぶつけるのはそれだけじゃないよ!」
トンネルを抜ける前に切り離した列車を置いて行く。そして響がトンネルの出口で構え、
「飛べえぇぇ‼︎」
右手のアームドギアを変形させ、響は殴るような構えをとったままロケットのように飛んでいった。一番厄介だったリーダー格のノイズは響の攻撃で撃破され、列車の爆発と同時についていった空中ノイズをまとめて一掃する。
あのリーダー格のノイズなら響の攻撃を防ぐのは容易いが、トンネルと列車を通り抜けていたことにより閉鎖空間で避けずらい。よって、響は正確にノイズに対して重い一撃を喰らわせることができる。
(こいつ、どこまで…)
クリスは響の成長ぶりに驚いていた。
こうして、ソロモンの杖を米国の施設に搬送する任務は完了となる。米国連邦聖遺物研究機関の研究者であり、二課と共に櫻井理論解析に携わるウェル博士が彼女ら二人の戦いを見て喜ばしくしている。
「確かめさせていただきましたよ。みなさんがルナ・アタックの英雄と呼ばれることが伊達ではないとね」
彼に褒められた響は褒められることが少ないから嬉しくなり調子に乗っているが、横からクリスが響の頭をチョップして叱られている。
「世界がこんな状況だからこそ、僕達は英雄を求めている!そう、誰からも信奉される偉大なる英雄の姿を!みなさんが守ってくれたものは、僕が必ず役立ててみせますよ」
こうしてソロモンの杖は米軍岩国ベースに搬送され、ウェル博士と彼の研究員が分析することとなる。
二人の仕事が終えた後、響は翼さんのステージに間に合うと喜んで楽しみにしていた。風鳴翼とアイドルとして人気を進出しているアーティスト・マリアの二人がユニットを組んで登場する。〔QUEENS of MUSIC〕というステージが今夜行われるようになっている。
二人が頑張ってくれたから司令がヘリで東京にまで飛ばしてくれるため間に合うはずだったが、
「…マジすか⁉︎」
「マジだなっ‼︎」
ソロモンの杖を預けた施設で爆発が起こり、またノイズによる襲撃が起きてしまった。米軍岩国ベースにいる軍人達は銃を使って撃ち続けてもノイズには全く効かず、炭素にされていた。事態は響達二人のおかげで収集したものの、その施設にいたウェル博士とソロモンの杖が既に無くなっていた。
響達は二課の方に帰投するようになった。
*****
今夜
〔QUEENS of MUSIC〕は開催され、観客はアイドルの登場に喜びの声が上がる。夕方頃には多くの報道局がおり、全世界にライブ中継が流れている。
風鳴翼の方は世界の歌姫と呼ばれているマリア・カデンツァヴナ・イヴというアイドルとのユニットによる『不死鳥のフラメン』を歌っていた。観客の持っているペンライトと掛け声を歌に合わせ、舞台の端には炎が吹き出される。ファンが集い、舞台にいるアイドルは多くの人を熱狂、感動を与えた。
「ありがとう!私は、いつもみんなから沢山の勇気を分けてもらっている!だから今日は、私の歌を聞いてくれる人達に少しでも勇気を分けてあげたらと思っている!」
「私の歌を全部、世界中にくれてあげる!振り返らない、全力疾走だ‼︎ついてこれる奴だけついてこい‼︎」
歌い終えるとステージに来てくれたファンは翼とマリアを応援し、多くの喝采が上がった。
「今日のライブに参加したことを感謝している。そしてこの大舞台にアーティストの風鳴翼とユニットを組み、歌えたことを」
「私も素晴らしいアーティストに巡り合いたことを光栄に思う。そして、もう一つ…」
そう言うと、ステージにノイズが大量に出現した。ノイズは無差別に人を襲っておらず、操られている。
(なにっ…⁉︎)
翼は突然の事態に目を見開いて驚いており、観客の方はノイズが会場で目の前に出現したことで殺されそうにる恐怖と悲鳴が会場内で満ちていた。
「狼狽えるなっ…狼狽えるなっ!」
マリアが叫んでいた観客達の声を鎮めさせた。しかし、観客達はマリアの言う通りに叫んだりしていないものの不安な気持ちで誰もかれもが騒ついていた。
立花達の方は司令からの連絡が来ており、〔QUEENS of MUSIC〕のステージにヘリで向かっている。が、辿り着くには40分ぐらいかかるため、その間翼は聖遺物を纏うことができない。なぜなら、今の翼はアイドルとしての翼であり、生放送で報道されている以上防人の姿を世界中に見せられたらアイドルとしての活動ができなくなってしまうからだ。
「怖い子ね、この状況にあっても私に飛びかかる気を伺っている。でもはやらないの、オーディエンスがノイズの攻撃を防げると思って?
それに、ライブの模様は世界中に中継されているのよ?日本政府はシンフォギアについての概要を公開しても、その奏者については秘匿したまま。
ね、風鳴翼さん?」
「甘く見ないでもらいたい!そうと言えば、私が鞘走ることを躊躇うとでも思っていたのか!」
「貴方のそういうところ嫌いじゃないわ。貴方のように誰かが誰かを守る為に戦えたら…世界はもう少しまともだったかもしれないわね」
マリアが人気アイドルというだけではなく、彼女がノイズを使ってファンを人質している以何者なのかを翼は問いただした。
「そうね、そろそろ頃合いかしら?私達はノイズを操る力を持ってして、この星の全ての国家に要求する!」
「世界を敵に回しただと⁉︎これはまるで」
全世界への宣戦布告。アイドルが生放送だ全世界を敵に回した。それだけではなくマリアはファンの目の前で聖詠を歌い、聖遺物ガングニールを纏って見せた。二課の人達や移動している響達も生中継を見て驚いてる。響以外のガングニールの反応に驚いており、翼も奏と響以外の誰かがガングニールを纏うとは思わなかった。だが、そのガングニールは響とは違って色は黒く、マントを着せていた。
「私は、私達はフィーネ。そう、終わりの名を持つm…」
その瞬間、上空からマリアの真後ろやな白い物体が大きい音を立てた落ちてきた。
(なっ、なんだっ…⁉︎⁉︎⁉︎なんだこれはっ⁉︎)
(あれは、もしや…)
マリアはビックリして後ろを振り返ると、白い生物がめり込んでいる。上半身が舞台にめり込んでおり、下半身をジタバタして暴れていた。
*****
一方その頃、正輝は操作を間違えたことにより上空へ転移され落ちていく。すぐにクッキーマンに変身して、無敵状態となって危機をどうにかしようとするが、どこに落ちていくのか全く以ってわからない。そのまま何かにぶつかって到着した。目を開けると前は真っ暗で下半身の方は動けるが抜け出せない。
(ちょっ、抜けない。ズッポリ入ってる…⁉︎)
突然の介入に客達も、マリアも翼も驚いている。誰もが呆然としており、周りは沈黙になっていた。
『マリア!何をしているのですかっ‼︎』
(⁉︎、えっ、えええっと!)
彼女と連絡している一人が一括し、マリアは焦っていた。いきなり空からクッキーマンが落ちてくるという予想外の展開にどうするか困っていた。このまま翼に手を貸し、マリアを襲ってきたら計画は頓挫していたが、クッキーマンは埋もれていて身動きが取れない。観客も、マリアと翼もその生物の介入に急に静まり返った。
(おーい!誰でもいいから助けてー)
(なんで正輝が空から⁉︎)
クッキーマンのことを翼が知っているのは奏を助けた件で教えてもらっているからだ。翼の方は正輝のことを助けようと思っても助けることができない。
「なぁ、あれって確かニュースで出てたクッキーマンとかっていう」
「でも、他だと紛争地帯にウロウロしているって噂も」
「まさかこんなところに」
沈黙の後、一人ずつ客の人々がその生物の登場で騒ついてしまう。紛争で散々大暴れしていたクッキーマンが突如このライブに急に空から落ちてきたからだ。騒つぎ大きくなっている事に対して、マリアは精一杯の一言を観客にもう一度叫ぶ。その一言は
「うっ、狼狽えるな!」
(いや誰かは知らんが…幾ら何でも無理があるだろ)
マリアでさえも戸惑ってなにも考えずに叫んだ言葉は、正輝が冷静に心の中でツッコミをかました。
*****
「大変です!正輝さんが…正輝さんが転移先を間違えて⁉︎」
「はぁ⁉︎響達のところじゃなかったの⁉︎」
正輝がどこに転移したのかもわからず仲間達は大慌てだった。転移先は既に上空と記されており、明確な場所がわからない。
正輝の現在位置を知る為に携帯の発信機能を神に許可させた。〔QUEENS of MUSIC〕という、翼と同じ場所に彼はいた。
その世界のニュースから〔QUEENS of MUSIC〕の会場にてクッキーマンが落ちてきたと言う放送が流れている。
世界はシンフォギアで合っていた。しかし、
(ん?クッキーマン?…まさか)
報道局が落ちていく映像をスローモーションにさせるとクッキーマンの全体が写って見えている。その後、舞台に突き刺さって、ぷるぷると震えている彼の姿(クッキーマン)がそこにある。
その映像を見て、士郎、響、クリスは叫んだ。
「なんでさぁぁぁぁっ⁉︎」
「なんで正輝さんがいるんですか⁉︎」
「なんでお前がそんな状態で出てきてんだよォォッ⁉︎」
映像にはクッキーマンになっている正輝が翼とマリアのライブのステージにいた。が、観客からも見えるような状態になったまま見事に突き刺さっている。上半身が舞台に埋もれており、下半身だけが暴れている。
誰がこんなことを想定できただろうか。誰もこんなこと予想できるわけがない。クッキーマン(岩谷正輝)は犬○家のような状態だった。