Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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個人的な疑問なんだが、マリア・カデンツァヴナ・イヴっていう本名ってなんか言いにくね?


39話赤い狐と緑の狸

クッキーマンが落ちてゆき、マリアと翼に観客達は騒然としていた。狼狽えるなと言っても、観客達の動揺が治るわけがない。

 

(この生物は確か…)

『どうやら、紛争地帯に生息していた生物でしたね。ですが、紛争が治まった後に突如行方不明になったはずですが…』

クッキーマンは過去に紛争地帯に行って子供達を助けたという話がある。(元々正輝の目的は幼い雪音クリスを助けるためだった)銃も毒も効かない危険生物とみなし、実験体として捕まえようとする者もいたがどの策略も全て無駄に終わった。捕らえようとした連中は殺されてはなかったものの半殺しになったという噂がある。ある時は襲ってきた彼らを気絶させた後に街中のところで全裸にさせたり、逆に実験体(襲ってきた連中)にされて秘密基地を見つけ次第大暴れした。

 

クッキーマンは誰一人殺すことはなかったが、引っ掻き回すだけ引っ掻き回した。紛争が治ると、彼らは突如消えていった。

 

反社会組織や軍事組織としてはある意味危険だとみなされているが、その生物が敵なのか味方なのかわからない。マリア達曰く、彼らがやっていることは子供達を解放して助けただけで結局この生物は何がしたかったんだという。

 

 

『ともかく、気にする必要はありません。

 

その生物がこうして動けない以上、私達の計画に狂いはありません』

「そうね…」

 

マリアは一度冷静になった。いきなり自分の真後ろに生物が落ちてきたが、邪魔しない限りはこちらの計画になんの支障もない。

 

まだ周りが多少騒ついているものの、その生物を気にせずにマリアは話を続けた。

 

「我ら武装組織フィーネは各国政府に対して要求する。そうだな…さしあたっては、国土の割譲を求めようか。

もしも24時間以内にこちらの要求が果たされない場合は、各国の首都機能がノイズによって不全となるだろう」

 

この生中継は全世界に報道されており、各国政府を騒然とさせていた。大統領と内閣などの国を支えている者達がこれを見ている。要求を断れば、まずこの観客達がノイズに脅かされ、後々、世界中の全てを自分達が奪っていく。

 

「私が王道をしき、私達が住まう為の楽園だ。素晴らしいと思わないか!」

 

彼女のやっていることは正にアイドル大統領のようなものだった。フィーネという組織は世界各地の領土割譲を要求し、全ての国を力で支配して、彼女らの楽園となる。ノイズに対抗できない人達はなす術なく屈服せざるおえない。

 

FISに立ち向かえるのは、聖遺物で対抗するしか方法がない。

「ガングニールのシンフォギアは、貴様のような輩に纏えるような物ではないと覚えよっ‼︎」

(この声は…SAMURAI⁉︎)

『待ってください!』

翼は聖詠を歌おうとするが、プロデューサーの緒川に止められてしまう。

アイドルである以上、今動けば風鳴翼がシンフォギア奏者だと公にされてしまう。

「けど、この状況で…」

『風鳴翼の歌は!戦いの歌ばかりではありません。傷ついた人を癒し、勇気づける為のものでもあるのです』

 

翼は彼が引き止めたことで聖詠を歌わず、天羽々斬を纏わなかった。

 

「確かめたらどう?私の言ったことが唯の語りなのかどうか?

 

 

なら…会場のオーディエンス諸君を解放する。ノイズに手出しをさせない、速やかにお引き取り願おうか!」

 

観客達は、マリアの命令で会場から出て行くこととなる。彼女は最初国土の割譲をこのライブ中継で宣言していたが、そのための人質(観客達)を彼女は自ら放棄をした。

 

「何が狙いだ?」

『何が狙いですか?こちらの優位を放棄するなど筋書きには無かったはずです。説明して貰えますか?』

彼女と通信をしている人物も、マリアの行動に疑った。彼女らの計画と異なっており、影から協力している人からはどういうことか分からない。

 

「そのステージの主役は私、人質なんて必要ないわ」

『血に汚れることを恐れないでっ‼︎』

 

マリアはフィーネというテロリストの組織として公の舞台に出てきた。彼女らが世界を敵に回している以上、綺麗事で済まされない。

 

彼女はそのことで躊躇していた。

『調と切歌を向かわせています。目的を履き違えない範囲でおやりなさい』

「了解マム、ありがとう…」

なお、地面に埋もれて放置されているクッキーマン状態の正輝は助けを求めていた。

 

(頼む。響でもSAMURAIでも黒沢白沢でもペロリスト(テロリスト)でも…もう何でも良いから、早く誰か俺を助けてください)

 

クッキーマンの犬神家状態で誰かが引っこ抜いてくれることを期待するしかなかった。最初の方は聞こえていたから心の底でツッコンでいた。だが、翼も助けようにも助けられない状態になっているのは声から察して分かる。

 

狼狽えるなと言っている人が翼を狙っており、翼の方は今の所自分の身を守ることしかできない。なぜなら中継で見られている以上、正輝を助ける余裕はないからだ。

 

こうして観客はいなくなり、正輝(クッキーマン)と翼、マリアの3人が舞台に取り残されている。

「帰るところがあるというのは、羨ましいものだな。観客はみな退去した。もう被害者が出ることはない、それでも私と戦えないというのであれば…それは貴方の保身の為」

「くっ…」

「貴方はその程度の覚悟しか出来てないのかしら?」

マリアは人質である観客を手放したものの、それでも翼が動く様子は全く見当たらない。戦うことができないことを見抜かれてしまった翼はそれを黙認せざるおえない。

 

マリアの攻撃を翼は必死に避け続けている。見えてない正輝は二人がどうやっているのか分からない。分かったことはガングニールを持ったテロリスト(響の声が違っていたため別人)と相対している翼ぐらいだ。

 

(カメラの目の外に出てしまえばっ…‼︎)

 

ギアを纏うために舞台裏に走って逃げようとするが、翼のヒールの靴底が折れる。

 

「貴方はまだ、このステージに降りることは許されないっ‼︎」

 

マリアによってステージの外に吹き飛ばされる。場外にはノイズが飛んでいく場所へ向かっていく。歌えばアイドルが奏者であったことが世界中の目に知られ、歌わなければ翼はこのままノイズに触れられて炭素と化す。

(決別だ、歌女であった私に…)

「聞くがいい!防人の歌を‼︎」

(あのー、俺ってまさかこのまま放置?)

 

突如、歌おうとしたど同時にライブからの中継が中断されてしまった。翼のプロデューサーである緒川が施設に残って、ギリギリの時に現場からの中継を遮断した。

 

【蒼ノ一閃】と【逆羅利】

シンフォギアのギアを纏い、場外のノイズを無双していく。最初に剣圧が落ちていく場所にいるノイズを倒し、地上にたどり着いた後に脚にある刃で切り裂いた。

 

既にNO SIGNALと表示され、翼が装者になっている姿は映されていない。

 

「シンフォギア装者だと世界中に知られて、アーティスト活動ができなくなってしまうなんて…風鳴翼のマネージャーとして許せるはずがありません‼︎」

歌が聞こえている正輝は、翼がシンフォギアのギアを纏って戦える状態になったことが分かり助けを求めている。

 

( よし、翼!このまま俺を助けてく…ってあれ⁉︎)

「いざ、推して参るっ‼︎」

 

翼は正輝を助ける前にマリアを倒すことを専念した。翼は刀を振り下ろし、接近して攻撃するものの、マントで守っている。

 

(え、なにこれ?まさか俺の近くで戦ってアイダダダダッ!)

「マントがっ…‼︎」

『マリア、お聞きなさい。フォニックゲインは現在、22%付近にマークしています』

(まだ、78%も足りてないのっ⁉︎)

マリアのマントを回転させて翼を襲ってはいるが、広範囲であるがゆえに埋もれられているクッキーマンのせいで、威力が下がってしまう。

「ハァァァッ‼︎」

翼の方はクッキーマンが上手く身代わりになってくれたおかげでマリアの攻撃を押し返せた。広い範囲での攻撃をすれば、埋もれた状態のクッキーマンが邪魔をして押し返される。対して翼の方は劔であり、攻撃範囲も狭い。

形勢が逆転されてしまった。

 

「私を相手に、気を取られたかっ!」

翼の脚に二本の剣を出し、重ねて回転させ、回転するごとに焔が舞い散る。

【風林火山】

翼の攻撃は通り、マリアが跪く。もう一度さっきの攻撃を当てようとするが、空から回転させた小さな大量の円盤が翼の背後に飛んでくる。翼は円盤を防ぐためにマリアの攻撃をやめて、回転させた剣で自分を守る。

 

【α式・百輪廻】

ピンク色のギアを纏った少女が頭の左右にある武器で大量の円盤を翼に向かって飛ばす。

 

「行くデス‼︎」

円盤を飛ばている少女ともう一人の少女が登場し、緑色のギアをした大鎌を振り下ろして二つの刃を飛ばす。

【切・呪リeッTお】

翼の方は一つ目の刃に当たるが、二つ目の方は逃げられないクッキーマン(正輝)に必中する

(イデッ⁉︎ちょっおま、止めろ!)

 

翼が倒れ、クッキーマンの方は傷は回復しているためまだ無事の状態になっている。だが、翼を助けることは出来ない。ピンク色の少女のかかとについてあるローラーで移動している。

 

「危機一髪」「正に間一髪デス!」

 

舞台にマリアだけではなくギアを纏った少女二人が割り込んで入ってきた。

 

「装者がっ三人っ⁉︎」

「調と切歌に救われなくても、貴方程度に遅れる私ではないわ」

 

形勢がまたも逆転さてしまったが、戦えれるのは翼だけではない。彼女には響とクリスという二人の仲間がいる。

 

「貴様みたいなのがそうやって…見下ろしてばかりいるから、勝機を見落とすっ!」

「上かっ⁉︎」

「土砂降りだ!十億連発‼︎」

【BILLION MEIDEN】

ヘリで向かっていた二人はライブに到着し、響とクリスが上から降りてくる。調と切歌は避け、マリアがマントでクリスのガトリングを防ぐ。

 

「うぉぉぉぉっ‼︎」

 

立花響の拳と、マリアのマント攻撃によって舞台の床に亀裂が入り、埋もれていたクッキーマンはようやく出ることができた。

 

(誰かは知らんが…や、やっと。やっと抜け出せたぁぁぁぁっ‼︎ついでに元の姿に戻るまえにひとまず隠れとこ…)

クッキーマンから元の人間の姿に戻ってゆく。投煙球を投げ、煙に紛れて元の姿に戻る。この場から舞台裏に一時立ち去って、敵が誰なのかもわからないので様子見する。

マリア達がどういう行動をするか観察して分析する。動くときは、響達が押されてやばくなったときに駆けつけることにした。

(あ、この三人ね)

「止めようよこんな戦い!今日出会った私達が争う理由なんてないよ!」

「綺麗事をっ…」

「綺麗事で戦う奴なんかを信じられるものかデスっ‼︎」

響はこれまで話し合おうと積極的になって通じ合おうと努力していた。が、三人に通用せず戸惑っている。

「話し合えば分かり合えるよ、戦う必要なんて」

「偽善者っ…この世界には貴方のような偽善者が多すぎるっ」

(全く、何やってんだ響は。彼女ら三人だって、綺麗事で済まされないことを分かっているが故にこんなことになってんだろ?確かに話し合いは必要だけど、あいつらはこうして着実に計画の上で世界政府に宣戦布告をして進めている。いきなり対話を求めても、譲ることのできない大きな理由があるからこうして襲ってきている。

そんな連中が、はいそうですかと素直に引き下がれるわけがない。

現状として…今の、お前の対話は無力だ。だって相手の方はお前に何がわかるって状態だし、両者ともギアを纏ってどっちの側もいつでも戦えるようになっている。これじゃあ、真面に対話なんてできるわけがない。

クリスとの時はまだ躊躇していたけど、あっちは全然聞く耳を持つ気がさらさらないからな。

 

まぁ…フィーネっつー組織の事情は知らんが)

「何をしている立花っ‼︎」

(ほら、ご覧の有様だ)

話す余地もなくフィーネ側から攻撃してきた。

クリスは正輝に接近戦を教えてくれたおかげで、切歌の攻撃を防いではいたが、それでも苦戦している。

翼はマリアと戦っており、響の方は調相手に避けつつも彼女らとの対話を求めている。

「私は、困っているみんなを助けたいだけで、だからっ…‼︎」

「それこそが偽善…痛みを知らない貴方に誰かの為になんて言ってほしくない!」

(響は危険な状態だし、このまま黙って見ているわけにもいかないな。早すぎるけどそろそろ出るか…)

【γ式・卍火車】

二つの巨大な円型のノコギリが立花に襲ってくるが、そこに正輝が裏舞台から出て割って入る。正輝の手には既に投影魔術で形成された干渉・莫耶で防ぎ、ノコギリを一撃で破壊した。

「誰っ⁉︎」

「よ、立花」

「正輝さん⁉︎」

正輝は元の姿として現れ、響を守った。クリスと翼が守ろうとも向かったものの、正輝が出てきてくれたおかげで行かずに済んでいる。

「しっかしお前のやってることは、無謀なのか勇敢なのか…結局何がしたいんだよ?」

「ごめんなさい…」

「ハァ…まぁいいや。おい、調っつたな?」

調は二つのノコギリをたった一本の剣一振りで凌ぐ彼に警戒した。正輝と言っており、彼が出てきて守ったことに三人は驚いている。

 

「お前の言い分もなんとなくはわかるよ。お前だって、それ相応の覚悟を持ったつもりでこの世界に宣戦布告をしたわけだ。綺麗事で済まなくなったからノイズを行使し、国土の割譲を求めてある。

響の話し合いだけでお前らの計画を放棄できるわけない。そもそも命懸けであり、争うこと前提でこうして襲ってきたわけだから馬鹿にしてるのかって言ってるようなもんだしな。

一人の下らない戯言に耳を貸せれるわけがない。

敵の話を聞く余裕があるのなら、こんなテロ活動起こしてないし…まぁ、お前らにとっちゃあ当たり前だよなぁ?」

「正輝さん!私は「けどな」」

正輝は響に指差して、調に向かって続けて話した。最初は響のやり方を否定した後に、今度は調の言い分も否定する。

「こいつの言動や本心も未だに明確に分からないまま綺麗事って理由で偽善の有る無しを決めるのか…お前らはこいつと長い間一緒にいわたけでもないだろう。

 

綺麗事を言われるだけで許せないのか?誰かが誰かを優しくするのがそんなにいけないことか?

だったらお前は、お前以外の全ての大人が、子供が、夢も理想も願いも言わせない世界を望んでいるのか?

お前の言ってることは、世界中が戦争だらけになっても構わないって言っているようなもんだぞ?

 

痛みを知らない?

綺麗事を言うだけ言ってのほほんと生きてきたから気楽だと思っているのならテメェの大間違いだ。

こいつだって生きる為に散々痛い思いをして、それでも自分がお前に殺されそうになっても必死に語ろうとしているが何よりの証拠だ。楽して生きているのなら初めからこんな場所にいねぇよ。

 

どちらにしても偽善かどうかなんてそんなのはすぐに分かるもんじゃないし、それに綺麗事で全て済むんだったらこんなテロ起こさないしな。ま、俺の場合はこいつのやってることはただのウザいだけだからな。だから…」

「だから?」

「だから、あーその…善意は本物だけど少なくとも面倒で凄くウザイのだけは俺が保証する」

「なっ、保証しないでください‼︎」

 

立花が正輝に向かって怒っている。正輝の方はそっぽを向いて、嫌そうな顔をしていた。

「イヤイヤだってそうだろ…お前がいっつも難題を俺に突きつけるからだっつーの。いやこれでも一応偽善がどうだのっていうのは俺なりにこうして擁護してるだろ?」

「貴方は…その子を褒めてるの?それとも貶してるの?

結局、どっちの味方をしているの?」

調が二人の揉め合いに呆れたまま話すと、正輝は少し立ち止まって考えた結果。

「あーそれ?悪いけど無論両方」

「まさかの即答ですかっ⁉︎」

「でも、響側の味方ってことで回答させてもらうよ。だから、お前ら三人とも大人しくお縄についてもr…ておいコラっ⁉︎」

正輝が言い切る前に切歌が後ろから攻撃を仕掛ける。それを正輝が気づいて防いだ。鎌の先端部分が首元に届かず、調も正輝を倒す為に動く。

「お前らなぁ‼︎話の最中に襲ってくるとか卑怯だろ!人の話は最後まで聞くってのが道理ってもんだ!偉い人とかに教えてもらえなかったのかっ‼︎」

「何なんですかコイツは、突然横から出てきて…部外者はとっとと引っ込んでろ‼︎調、先にアイツを始末するデス‼︎」

二人は正輝を集中的に狙い、追い込もうとしている。彼を放置すればすぐに横に割り込んでやられてしまうからだ。

「おいクリス、お前は調の相手を頼む。切歌は俺が相手する。響は動揺していて動こうにも動けない」

「あぁわかった!」

躊躇している立花に変わってクリスが調の相手をし、正輝は切歌の相手をすることとなった。正輝の方は姉が鎌使いであるため、切歌との戦闘はかなり戦いやすい相手である。そのため、

 

「へー、鎌使いか?んーなるほどねぇ…」

「あ、あれっ⁉︎返すデス‼︎」

正輝は投影を破棄して、切歌の武器を奪い取る。敵の鎌を取り上げるなど造作もなく、取り上げた聖遺物をすぐに投影解析した。

 

(聖遺物は、シュメールの戦女神ザババがもっていたイガリマ…魂を切り刻むねぇ?)

切歌は正輝の持っている鎌を奪おうとするが、

 

「あぁ返すよ。ただし、投げ返す‼︎」

 

鎌を思いっきり投げ飛ばし、切歌に当てようとする。投げてきた鎌の刃物が当たってしまうために反射的に避けてしまう。鎌は地面に突き刺さり、切歌の視界はその鎌にしか向いていない。よって、

「はい、これでお前はガラ空きになった」

「がっ⁉︎」

「キリちゃん!」

 

正輝が自分の武器を避けた切歌を思いっきり蹴り飛とばす。切歌は目が眩んでよろめいたが、倒れずになんとか耐えた。

 

「ったく、お前の攻撃ってただ当てるだけのつまらない作業だな…全くもって素人。んで、他にあるって言っても鎌の刃の部分を大量に出現させて投げ飛ばすだけ…そんなんじゃ、俺は倒せない。

しかし、一撃で沈めるつもりだったんだが耐えるなんてな。

 

でも、もうそれで終わりなのか?

他にも奥の手があるのなら出したほうが良い…でないとお前は呆気なく倒され気絶して、あえなく連行されるだろうからな。

 

 

もう何もないならすぐ終わらせるぞ」

(まぁ…クッキーマン状態になって身動き取れないまま散々攻撃を受けていた俺が言うのもなんだけどな)

 

鎌を自在に使える姉と比較して見ると隙がありすぎて、正輝は避けている。

 

〔ピキッ〕

「こいつ、ムカつくデス‼︎」

「怒れ怒れ。でも感情的になっても」

 

切歌は攻撃を続けているの、正輝は鎌を簡単に避け、切歌の足を引っ掛けてこけさせる。

「いつまでも俺には当たらん。今のところ俺は剣で防ぐしかまだ使かってないのと、お前の武器を投げ返しているぐらいしかやってないぞ」

「キリちゃん!今助けるから、つっ…」

調はピンチになっている切歌のところに向かおうとするが、クリスが立ち塞がる。

「余所見して良いのかよ!お前の相手は、私らだっ‼︎」

「邪魔しないでっ‼︎」

「クリスちゃん!たぁっ!」

切歌を相手するよりも調と戦った方がより安定している。立花の方も気持ちを切り替え、合図に合わせて円盤の攻撃を殴りつつクリスを守っている。

「調、切歌!」

『この伸び率では数値が届きそうもありません…最終手段を用います』

 

戦闘の最中に巨大なノイズが出現させた。増殖分裂タイプのノイズだと調が言っており、戦いをあのノイズに任せるつもりだ。

(まさか、逃げるつもりか?)

『三人とも退きなさい』

「分かったわ…」

マリアは両手にあるのアームドギアを槍に変形させ、ノイズに向かって紫色のビームを放つ。

「アームドギアを温存していただと⁉︎」

【HORIZON†SPEAR】

 

ノイズが飛び散り、地表に散らばっていく。散らばったノイズの残骸は炭素になって消えることなく一つになろうと集まる。分裂させても、放置しても、ノイズは大きくなっていく。

 

「ったく、面倒なのをよこしてきたな…このままだと」

 

増殖系のノイズ。いくら倒しても倒すごとにバラバラに散って増えていく。

一気に倒さなければ消滅しない厄介な相手だった。

「放っておいたら際限ないってわけか…その内ここから溢れ出すぞ⁉︎」

『みなさん聞こえますか⁉︎会場の外には避難したばかりの観客達がいます!』

緒川から連絡が入り、このままそのノイズが会場から出ていけば多くの被害者を生む。この会場に来ていた響の親友である未来や三人の友達も例外ではない。

「それだけじゃない。俺がなんとかしようとしても火力が高すぎて手が出せない。俺がやったらノイズごと街に被害が及んでしまう。

 

つまり、お前ら三人でこの状況をどうにかするしかないぞ。他に何か手はないのか?」

(結界を張って宝具を使っても…フィーネの三人以外に協力者がいるのは違いない。あのマリアって女が誰かと連絡している以上、どっかで監視している奴がいるはずだ。

 

後々、正体不明の異能を持っている俺に標的を変え、俺を捕まえて調べるだけ調べて利用しようとしてくる可能性だってある。今、下手に動くのは危険すぎる。

 

 

このまま何もないならもう俺がやるしかないか…標的になってしまうけど)

 

正輝が結界を張らずにどうにかしようとすれば約束された勝利の剣と天地乖離す開闢の星を使えば一気に殲滅でき即解決できるが、逆に火力が高すぎるせいでステージごと街と周囲を吹き飛ばしてしまう。逆に偽・螺旋剣で潰しても完全に消せるかどうかわからない。

逆に結界を張って潰せばフィーネに怪しまれ、正輝を誘拐しようと企む。今のところ正輝が出したのは投影魔術で戦っていただけ。

いきなり結界を張って、ノイズを倒せば彼の存在を一気に怪しく思われるのは間違いない。

「迂闊な攻撃では、悪戯に増殖の促進をさせるだけ…」

「どうすりゃいいんだよ!」

通常の攻撃じゃ通用しないノイズを相手に響はあることを提案した。それは、

「絶唱です!」

「あのコンビネーションは未完成なんだぞ?」

(ん?コンビネーション?何かあるのか?)

「増殖よりも上回る破壊力…立花らしいが理にはかなっている」

 

三人の話に追いついていけない正輝はわからない状態で困っていたが、

「えーっと…とりあえず、そのコンビネーションとやらでなんとかなるんだな?今はあのノイズをなんとかしないといけないし、後で俺にも説明しろよ」

「はい!分かりましたっ!行きます…S2CAトライバースト‼︎」

 

三人が絶唱を歌い、彼女らの身体が光り出し、エネルギーが身体から湧き出る。

「スパーブ・ソング!」

「コンビネーション・ワークス!」

「セット・ハーモニクスっ‼︎」

 

過去の絶唱は本来、膨大なエネルギーを放出して対象を絶対に潰す。しかし、その代償として多大な負荷がかかり歌った装者がかかる。例として翼がクリス(ネフシュタンの鎧)との戦闘だ。

しかし、響達が考えたコンビネーション『S2CAトライバースト』は奏者三人の絶唱を調律して一つのハーモニーとする。手をつなぎ合うアームドギアの特性を持つ響にしかできない方法。

だが、その負荷は響一人に集中する。

一歩間違えれば、立花響がその負荷に耐えないと自滅する可能性がある。

 

立花の胸にあったガングニールが光り出し、三人とも堪える。正輝は固有スキルを使用して携帯を操作し、三人の身体にかかる負担を軽減させた。

 

(マスター・オブ・ザ・リンクでお前らの身体の負担を多少軽くしておいた!後は頼んだぞ‼︎)

「サンキュー…なっ」

「堪えろっ、立花…」

正輝はそう念話で伝え、後は見守ることしかできない。

本体のノイズが剥き出しになり、左腕のアームドギアを右腕に引っ付ける。

 

「これが私達の絶唱だあぁぁぁっ‼︎」

 

三人の絶唱で集めたエネルギーを響の右手に収束し、ノイズを上へと殴りつける。

ノイズは一瞬にして炭素と化して、分裂することも増殖することもなくなった。

響が殴りつけたエネルギーは虹の竜巻のように打ち上げられ、天高く飛んでいく。

 

*****

 

 

戦線を離脱した三人は響達が繰り出した力を見て驚いている。虹色の光が上空に打ち上げられ、ノイズがそのエネルギーと共に消滅していく。

「なんですか、あのトンデモは⁉︎」

「綺麗…」

「こんな化け物とまた、私達と戦う敵…それだけじゃない。あの男は一体…正輝って言っていたが」

増殖系ノイズを撃破した響達は脅威だが、調と切歌を相手に余裕な表情で戦っていた正輝の存在が異常だった。

まず、シュルシャガナの攻撃を一撃で凌いだことと、自分の持っていた二本の剣を突然消失させて切歌の聖遺物を奪った。

あの男もまた並の人間じゃない。

「あいつ、私達をコケにして…許せないデスっ‼︎」

「…」

調は考えていた。自分達の行いが正しい方向に行っているのか。世界を変えるために、世界の宣戦布告を宣言して敵に回した。

〈お前の言ってることは、世界中が戦争だらけになっても構わないって言っているようなもんだぞ?こいつだって生きる為に散々痛い思いをして、それでも自分がお前に殺されそうになっても必死に語ろうとしているが何よりの証拠だ。楽して生きているのなら初めからこんな場所にいねぇよ〉

「調、どうしたんデスか?」

「何でもない…あんな見知らぬ男の言葉なんて気にする必要ない」

 

 

*****

 

ノイズを葬った後、立花は少し泣きながら座り込んでいた。調が否定したことに心が辛くなっている。

「大丈夫か、立花っ‼︎」

「へいき、へっちゃらです…」

「へっちゃらなもんかっ、まさか中和しきれなくてっ…」

 

響の過去は正輝のマスター・オブ・ザ・リンクで知っている。響はツヴァイウィングのノイズ襲撃の際に生き残ったことが理由で周囲から罵声を浴びせられた。化け物だの、死ねだのという嫌がらせが彼女を苦しめていた。いくら笑顔で笑って見せても、その影には残酷なものを背負っている。

「私…偽善なのかな。胸が痛くなることだっていっぱいあったのに」

「…おい、立花。そのまま立てるか?大丈夫なら少し話がある。二人はついてくんなよ…俺と響だけの大事な話だから」

「お、おう」

(正輝さん?一体何を…)

そう言って舞台裏に移動し、落ち着ける場所で会話することとなった。ついていった響はまだ涙が止まらなかったから、正輝は道案内して洗面所に移動し、響の涙を拭くために投影魔術でタオルを用意してあげる。トイレに向かった彼女の気がすむまでずっと待ってあげた。

「あの、色々ありがとうございます。それで話って「単刀直入に言うが、俺とお前との仲が相当悪かったらお前の擁護はする気は全くもって無かったよ」⁉︎」

響の手が突然震える。正輝もまた調と同様に響の対話を徹底的に拒絶し、試練編が終わった後も響のことを鬱陶しく思っていた。

「でも、お前の言い分を擁護する理由は俺の仲間の一人であるからとお前の過去を見たからって言う理由もある。お前の努力はこうして生きる気力になっている。言い分だけで否定するあいつに俺が反論させてもらった」

「でも、私のやってることが正しいってわけじゃあ」

こうして響が自分のしていることを否定されて落ち込んでいる。調の批判を思い返してしまいまた泣きそうになっていたが、正輝からもらったタオルで顔をふく。

 

「んじゃなら立花、お前がもし偽善なら相手を騙して利用してやるとかだの、そんな悪い感情を抱きながらいままでクリスと対話したりしたか?悩み苦しんでいる翼を自分の利己的な考えで話したりしていたのか?

 

そうじゃないだろ、お前は本当に心から善意があって話し合いたかったんだろ?それにお前のやり方を否定されても。お前の胸の思いを信じた結果、翼には分かってもらい、敵であったクリスと仲良くなった。最後にはフィーネを改心させたんじゃないのか?確かに、俺の言うことは所詮は結果論だ。でも、その結果を出す過程として頑張ってたのは間違いなくお前の努力があってこそのものだ。

 

 

それとも、クリスや翼が一回でもお前のあり方を、アイデンティティをずっと批判しきたのか?お前の今までしてきたことは胸を張ったっていいはずだ。少しは自分のやってることに自信を持てよ」

「ごめんなさい。ちょっと、少し参っちゃって…ハハッ。正輝さんは、結構私のこと否定してましたよね…なんか、ずっと怒られてたから否定されるのも慣れちゃって…耐性がなかったら今頃大泣きしてました」

(あー俺。試練編の時に散々否定しまくってたもんな。今は落ち着いてるけど…)

響と話をしている最中に別のところから念話が来た。しかし、念話をかけて来たのは

 

(だすけでぇぇ…今俺マリアっていう女のマントに引っ付いてるー。分裂する際に気絶してた)

「は?念話?…しかもなんで俺の分身体が、えっまさか」

抜けたと同時に正輝が知らぬ間に無意識に分裂していることを知らず、マントがいくらひっついてもそのままなんの連絡もなかった。

 

(抜け出す時にっ?いやおい待て、冗談だろ…

 

 

俺の分身が…あいつらに連れていかれたァァァッ⁉︎)

この知らせが、今回の介入において正輝を忙しくさせる始まりであった。

 

 

 

 

 

 




Q立花響の扱いに関して

まぁ、前章がアレでしたから多少は悪い感じにはなるでしょうね。ただ彼女に対しては絶対に化け物とかと否定はしないですし、今のところGだと貶す部分はあまりないので彼女の印象として最低最悪というわけでもない。

正輝から響を見て、今のところは凄く面倒くさい奴だけど仲間として見ています。でなかったら、響を助けてなんかしませんし調の批判を言い返す気も更々ありません。
もしも響のと関係が最悪だったら
【無視して蔑むかテメェで勝手に自己主張して落ち込んで自爆してろって言わずに心の底から思ってますし、思う以前に立花響の言い分を無視して構う気にもならない。立花が助けを求めたり話しかけられても、目を逸らして無視してる】

まぁ、GXは…ギャグなのにこれっぽっちも笑えない&ありえない行動にこっちはドン引いた&超ご都合主義過ぎるのとイミフ展開が満載で、見てるこっちは解せぬ。どうせ解決するんだろのパターンが多すぎ。3期は本気で嫌いです。
本気で鬱展開が欲しいくらいに気分が悪くなりそうだった まる

Q FISの印象は?

AそんなにGの印象はこれといって悪いとか酷いというわけじゃなかった。とても斬新だったし、敵奏者っていうのはとても良かったと思う。

ただ、切歌と調はまだしもGXのマリアに関してのその後始末が…ねぇ。よくそんなんで復讐者とか出てこなかったか不思議なくらい。FISの件で恨む奴なんて一人か二人は必ずいるはずなのに。


Q感想でストレガ出して欲しいということに関して

Aすみません。ペルソナ3分かないからできない…本当に申し訳ない。
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