Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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今年の初投稿となります。


42話不信感

FISは聖遺物【神獣鏡】の分析の過程で入手したテクノロジーを使って、二課の追跡から逃れることができた。ウェルは切歌にどつかれ、責められていた。

 

「下手うちやがって!アジトを連中に押されられて、計画実行まで何処に身を隠せばいいんデスかっ‼︎」

「おやめなさい。こんなことをしたって何も変わらないのだから」

 

切歌と調、ウェルの3人を謎の青ロープ男が助けたことによって逃げることができ、二課に立ち塞がって正輝との戦闘を行なっていた。

 

「あの青いの、一体何者だったんデスか?」

「わからない…けど、助かったの?」

「誰かは知りませんが…兎も角、あの状況から逃げれたのは事実」

こうして無事に逃げられたのは良かったものの、アジトが突き止められ、ネフィリムの餌を無くしてしまった彼らは大きな痛手であった。餌がない以上、起きれば暴れ出すが策を失ったわけではなかった。

 

(もしかすれば…あの存在は利害の一致で我々に協力してくれる可能性があるかもしれませんからね)

 

ノイズを退けるほどの未知の能力を持っている正輝と相対したロープの彼らに協力してもらえれば、彼らを打倒することができる。彼が薄笑いしていた一方、正輝の分身体であるクッキーマンが彼ら全員が逃げ切っていることに驚いていた。

(おいおい嘘だろ…なんであいつら御用になってねーんだっ⁉︎)

正輝の方針では何人か捕らえて早期に終わらせる予定のはずだったが、こうして全員逃げることができている。クッキーマンの方は彼らがヘリに乗る前に既に乗り込んでいた。

 

(……今ここでこっちから奇襲してもいいけどそれは本体に止められている。俺のやるべきことは、情報収集だ)

 

隠れているクッキーマンが彼らを遠くから観察し、少しずつフィーネ組織の研究を分析していた。

 

*****

 

「無事か!お前達‼︎」

弦十郎が響達が心配で駆け寄る。彼女ら3人は潜水艦の上に乗っていた。マリアがフィーネであることと、ソロモンの杖を逃してしまったこと。響はかつてフィーネだった了子に思いが通じていなかったことに悲しんでいた。

「通じないなら、通じ合うまでぶつけてみろ!言葉よりも強いものを…知らぬお前達ではあるまい‼︎」

「言っている意味全然分かりません…でもやってみます‼︎」

弦十郎が見回すと響達しかおらず、手を貸していた正輝達の方は姿が見えていない。

「ところで正輝と黒沢の二人はどうした?」

「急用があるって言って帰ったぞ…あのロープ野郎のことだと思う。」

「…クリスくんと黒沢を襲ってきた人物か」

正輝は逃がされたのを眺めていた後、クリス達に船に帰ると言って転移して帰っていった。正輝自身こんなことが起こるとは思っておらず、船に戻って作戦会議をしている。楽園が出てこない代わりにあんなとんでもない敵が出て来ている以上、仲間達と相談して解決する必要があったからだ。

 

 

*****

正輝とアーチャーの二人は弦十郎と話し合う前にロープの連中について調べようと動いた。が、調査する前に神に色々と話したいことが山ほどある。

「正輝「お前らの言いたいことは分かってる。ちょっと神に抗議してくるわ…」あぁ」

正輝は帰った後に、すぐに携帯で神を呼び出した。規約では楽園をどうにかするために正義側が誕生したと言っていた。が、その正義側と同等の異端者が出て来た以上規約そのものが本末転倒になっている。正義側がここまで苦戦した以上、正義側と楽園の対決その他諸々の意味がなくなる。

(どうしたんじゃ?)

『全員、直ちにリビングに集合』

神を呼び出して、緊急として正輝は放送室にて呼び出しをする。彼は仲間全員を収集した後、携帯を使って赤及び青ロープの襲撃の映像を流す。赤ロープが宝剣宝槍を用意して、アーチャーと戦い、増援が呼ばれたときは撤退した。青ロープは地面から大量の壁を作っている。壁は貫通されているものの青の方は既に逃げられている。

 

「どういうことだこれは…あんたの説明通りに弱い転生者が出てきたと説明されても宝具がある時点であり得ない。それに、今回楽園が出てこないって言ったのはあんただ。

それに対して俺達はあんなトンデモな異端者が出るなんてこっちは聞いてない。こいつらは何者だ?弱体化された転生者ならこんな場所にいるわけがないし…しかも実力がアーチャーとほぼ同等なんてあり得るか?

 

 

知らないなんて言わせないぞ?そもそも正体が転生者だというのならどのぐらいの基準で弱体化されているのかも説明されてない以上、こっちは他の異端者陣営までも危険視せざるおえない」

神様に連絡がつき、質問を突きつけた。規約としてはチームに属してない転生者は弱体化しており、楽園の方は転生者であっても敵組織として登場している。神からの連絡だとシンフォギアには楽園が登場することはなく、どんな邪魔が入っても対処することはできた。

 

しかし、邪魔してきた存在そのものが強すぎるせいで全正義側にとって知らない存在故に正輝達は彼らの対処ができなかった。アーチャーと正輝だけでは対処しきれない相手であったため、増援を呼んで戦うしかできない。まどか達とレイナーレ達、天羽奏は前々から入っているために分かっていたが、まだ入ってきたばかりの平坂黄泉と戦場マルコ、美上愛、秋瀬或、浜風の5人は分からないまま聞いている。

平坂黄泉が先に手を挙げていた。

「あの…質問なのですが…それが、何か不味いことでも…?」

「そうね。私達の戦いは本来は楽園組織との戦いになっていた。正輝からは弱い転生者とかも事前に説明されてたし、同じ正義側なのに意見のこじれで正義側同士で対決して戦うことがあったのよ。

 

 

でも今回のは明らかに別の意味で異常なわけ。転生者だとしても、正輝達と同じように宝具が使えたり、身体能力が匹敵したりとか…正義側と同等或いはそれ以上の存在が出現した時点でおかしいってわけ。そんなことになれば、この規約以前の問題が生じる…下手すれば、楽園を倒す前にあの謎のロープの連中によって私達が全滅することだってあるかもしれない可能性だってあるわ。だから、今こうして正輝が神に苦情を言ってるのよ」

レイナーレの説明を聞いて秋瀬の方はその話を聞いて納得するものの、それ以外の四人はまだ理解不足だった。楽園とかというのは敵組織だというのは分かったものの、まだ本題が追いつけてない。

「つまり…どういうことだよ?」

「ならゲームで例えるとしよう。赤のチームと青のチームで正式に戦うこととなる。戦闘の際に部外者が出てくることあるが両者チームよりも格段に弱い…だが、運営から何も教えられてない黄色チームがいきなり横から襲撃してきたら?」

「⁉︎そんなの両者チームとも何も知りませんから「あぁ、当然混乱する。今回の問題としてその状態になってる訳だ」」

ロープの存在を神の連絡で知っていたなら、正輝の方は増援を早めに呼び出して対処していた。

 

「じゃあ、つまりなんだ…こっちの目的は敵の組織を倒す役割だったはずが、他の組織や人物まで乱入したりして規約や目的そのものの意味がなさないっていう訳か」

『弱くても剣を極めている転生者だっておる』

「だとしても、アーチャーと渡り合えてる時点で異常よ。宝具だって持っていた…しかも、セイバーから聞いたのだけど円卓の騎士であるランスロットの宝具まであったそうね…」

「いくら弱体化したとはいえ、ランスロット卿の剣を持ってかつ、正輝とアーチャーの二人から逃げられるのはあり得ない」

アーチャーの技量は並大抵のものではない努力があった上のもの。未熟な魔術師である衛宮士郎が彼に届くまでには相当な苦労を強いられていた。アーチャーと渡り合うとするならば同じ英霊か、或いは彼をも凌駕する超人か策士か。

それは彼と長く一緒にいた凛が一番良く知っている。

 

「それだけではない、奴は投影魔術を使っている。あの二つの槍は私から見て贋作だ」

「なんだよそれっ⁉︎それじゃあ」

「あぁ、これがどう言う意味が分かっているはずだぞ。我々が持つ力を持たないと言っていたが、赤ロープはこの映像で使用している」

前回の神の説明では正義側以外の転生者は特定の作品の能力を使用することができないと言っていた。しかし、赤ロープは投影魔術を用いてアーチャーと戦っていた。

「投影魔術まで持っているだと⁉︎ならこの規約には不備ばかりじゃないか‼︎一体全体どうなってるんだこれは‼︎

転生者じゃないっていうんなら一体なんなんだよこいつらは⁉︎」

 

神は説明不足だったと言い、後からまた補足するのか。そうだとしても正義側からしたら釈然とせず、いきなり入った設定に不信を抱くしかない。だとしても正義側にはそれを知る権利があった。が、神の対応は

 

『んーこれは、わしも知らない異端者じゃ…こんな存在がいるとはおもわんかったの』

「本当に知らなかった⁉︎…いや、ちょっと待て!下手すればあんたの説明不足のせいで俺や仲間が殺されてしまう可能性だってあったんだぞ‼︎」

 

彼らの存在に本当に知らなかったで通した神に正輝は驚いていた。普通はすぐにでも知らせるものを、何故今まで見て見ぬふりをしていたのか、そう言及する以前の問題だった。

神は聞く耳を持たない。

 

『わしだって知らんものだってあるのじゃ。まぁともかくお前さん達であやつらの正体を突き止めてくれ。手段は問わんぞ』

「ちよっ、ふざけんな⁉︎そんな安直で終わらせるつもりなのかよあんたh」

正輝がまた質問してくる前に神はすぐに遮断して、連絡を途絶えた。また正輝が神に連絡をしようとしても【NO SIGNAL】という表示で出されているだけとなっている。

「普通に切られましたね…」

「どうなってやがるっ…こういうのは運営である神がどうにかするべきことだろ」

神からは何も知らなかったという理由でロープの正体を突き止めろというだけで話が終わった。その問題を神がどうにかするのではなく、正義側に押し付けている。

「ともかく、次に介入するときにこっちの戦力を増やすぞ。俺とアーチャーだけじゃどうにもならない可能性がある…本気で俺の手に負えなくなったら加藤先輩と俺のねーさんを呼ぶ。

それで良いなみんな?」

「了解した」

「分かったわ」

(クソッ…こうなったら俺達であの連中を突き止めるしかないのか?それにあのCMバカ神…ルールを作っておいて強力な第三者陣営も出てくるとは言ってなかったのに、知らなかったってだけで済む話じゃないだろうがっ…‼︎)

 

正輝と衛宮達は神の雑な対応に違和感を感じていた。その勢力について話されることなく、見知らぬ陣営によって襲撃を受ける。最悪、神が大事なことを話すことなく死傷者が出るかもしれない事態になってた。

 

 

*****

 

「失礼します」

「来てくれたか正輝くん、黒沢くん」

正輝とアーチャーが二課の本拠地である潜水艦へと戻り、ロープの存在についての結果を報告をすることになったが、それなりの情報がないためがっくりとしている。

「…申し訳ありません。こっちは、楽園の介入が無いなら安心してたのですが…あの二人の存在については俺の方も分かりません。少なからず、俺と同様に特殊な異能力を使用するというのは事実です。」

「殺者の楽園という…響君と君達を襲ってきた者達と同類なのか?」

「いや、楽園ならば俺とアーチャーではなく経験が浅い響達の方を優先的に命を狙うはずです」

青ロープは逃げただけで、赤ロープだけがアーチャーの命を奪おうと襲っていた。楽園は弱い人物を狙い、命を奪うことで経験値として力を高めている。そのため、いきなりアーチャー相手に単独で戦うことはあり得なかった。

「一人で襲ってくること自体があり得ません。何か別の目的で動いていると…彼らのことについてはこっちで調べている」

「我々も彼らの情報が来たら君達に渡す。それと政府からFISの情報が入ってきた」

 

米国政府に所属していた科学者達(米国連邦聖遺物研究機関)によってfisという組織が構成されたという知らせだ。その組織の一人が統率から離れ、暴走しているとのこと。

(どう考えてもソロモンの杖を盛大に振るっているウェル博士のことだよな…)

彼はFISの研究者の一人であり、FISそのものは日本政府の情報開示以前より存在していたという噂があった。

 

米国と通謀していたマリアが、フィーネが由来となる研究機関となり、フィーネと名乗る通りもある。これまでのテロリストに似つかわしくない行動は、彼らにとっては周到に仕組まれている可能性があるというものも考えたほうがいいとのことだった。この知らせの方は正輝がまだ知らない情報であったが、考え事をし続けており呆然と聞いていた。

 

(テロリストを名乗っているFIS組織はウェル博士と彼女ら3人だけじゃないはずだ。クッキーマンが言っていたようにおばさんもいるとも言っていた。

ウェル博士の動機は英雄を何回も連呼していたからそれだと思うが、マリア達の方は世界を支配すること。

 

確かに彼らは利害の一致として手を組んでいる…じゃあなんであのロープの連中はなんの接点もないあいつらを助けた?あいつらも驚いたような顔をしていたし…FISを助けることで彼らに利があるとでもいうのか?)

「おい大丈夫か?」

「すみません。ちょっと考え事を」

正輝達は積極的にFISを逃さないように追い詰めており、苦労が絶えないため響達の学校による文化祭があるから、そこでゆっくりすることを勧められた。

「大丈夫か?まだ、寝不足だったか」

「いやっ…問題ない」

弦十郎との話が終わり、3〜4時間ぐらいの軽い睡眠を取った後にアーチャーと二人で話をしていたものの正輝の気分が優れてない。彼の眠気はなんとかなったものの、青ざめていた。

(くそっがっ…こんな状況だっていうのになんて夢を見てしまったんだ。絶対に阻止しないとまずい…何があっても)

 

彼は多少寝ても休んだ気になれなかった。マスター・オブ・ザ・リンクによる影響により夢でカ・ディンギルの跡地にて立花響が突き出した右手をネフィリムが喰らい尽くす光景を見ていたからだ。そして響の右腕が無くなり、ネフィリムがその腕を飲み込む光景を見てしまった。

 

響の拳が届くことなく、身体の一部を失う絶望を彼女は味わうこととなる。

(何だ、この胸糞悪い展開は…こんな展開が実際に起きて、俺達がそうさせまいと動くのなら、あのロープの連中が遮るっていうのかよ⁉︎だったら何があっても仲間である響をあんな目に合わせないぞっ…今度は失敗しない…俺達が全力を以って阻止してやる‼︎)

彼は響を何としてもこの予知夢(悪夢)にあった危機から脱する為に、カ・ディンギルの跡地へ行くこととなっても正輝やアーチャーだけではなく他のメンバーを加えて戦うことを考えていた。

 

しかし、その予知夢(悪夢)よりももっと最悪な展開になってしまうというのは正輝達はまだ何も知らなかった。

 

 

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