Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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47話死と隣り合わせ

正輝の方もクリスの連絡で二課のところに戻り、弦十郎から話を聞く。

その場所には親友である小日向未来がそこにいた。彼女もまた関係者であり、響の容態について知る権利があった。

 

響の容態は胸に埋まっていた聖遺物のかけらが、響の身体を蝕んでいる。これ以上進行すれば響は元の響ではなくなってしまう程深刻化していた。今後響が戦わず、未来との穏やかな時間を過ごすことだけが、ガングニールの侵食を抑制できると弦十郎は考えている。

「私が響を…」

「響君を守って欲しい」

 

こうして、今後は響を戦わさせずに親友である未来が守るようになった。未来はそのまま帰っていったが、正輝は司令室から出るとクリス、翼の二人が待っていた。

「お前も、私に黙っていたのかよ…あいつがあんな風になることも」

「弦十郎は勿論、俺と翼は知っていた…それでも響が死んでしまうつってもやっぱり伝え辛い部分もあったからな。悪い」

急に、静まり返った。F.I.Sとロープ陣営の出現、響の戦線離脱と聖遺物による死の危機。二課側と正輝側は段々と不利な状況に追い詰められている。そんな中、正輝は口を開いた。

「今の俺達の実力じゃ難しい。正直言って俺を含む仲間全員であのロープ陣営と戦っても勝ち目が薄い…いや、勝機がないと言ってもおかしくないくらいだ。

 

それに誰か一人で特攻させるなんてそれこそ自殺行為だ。特に俺が心配してるのは翼、お前だ」

「何を言って…「お前、俺とクリスの手を借りずに一人でこの問題をどうにかする気か?」⁉︎」

 

翼は弦十郎の話を聞いて響の身が危険に瀕していた時、自分の無力さに嘆いていた。クリスの方はまだ冷静ではあったが、翼の方は完全に自分のことで追い詰められている。

二課の指示はちゃんとは聞いているものの、いつ感情的になって周りが見えなくなったまま戦ってもおかしくない。

 

「ただでさえ前回お前は黄ロープにボコボコにやられたっていうのに、騙されたと言ってもそんなの戦場じゃ通用しないことはお前自身それはよく分かってるだろ。お前一人で戦ってるわけじゃないんだ」

「私はもうこれ以上、仲間を失うわけにはいかないっ…だから私は剣として仲間を!」

翼の気持ちは二人に伝わっている。仲間を守ろうと動くはずが、マリア相手に苦戦を強いられ、カ・ディンギルの跡地では黄ロープに気絶されたまま本人は何もできない状態で、悔やむのも無理はなかった。

「…さっき俺は赤ロープと戦闘になって、結界内で戦っていた。

 

結果は惨敗だ…連絡手段を封じられ、こっちは殺す気で向かっているのに相手側のほうは力比べだけにしか見せてない。

本気を出しても、奴らには手も足も出なかった」

「嘘だろ…⁉︎お前でも倒せない相手だっていうのかよそいつらは‼︎」

 

これまで正輝はどんな外敵でもどうにかしていたはずだったが、倒せそうにないと公言するとは思ってもなかった。正輝でさえどうにもできない相手に、これからどう立ち回るのか。

 

それでも、今ここで響達と正輝がバラバラになってしまうわけにはいかなかった。

 

「俺も、クリスも、そして翼も一人だけじゃ絶対に敵わない。今回の件でようやく分かった筈だ…もう俺達は離れ離れにせず、互いに協力して打倒するしかないんだ。

 

一人だけの力で対抗したら…足元をすくわれる。

翼、お前は言ったな。

 

降りかかる火の粉は全て剣で振り払うと…ロープ一人を相手にするだけでも苦戦するのに火の粉どころかあれはもう獄炎だ。お前はその中に身を投げて飛び込むつもりか?

ロープの奴らは、FISは勿論…俺と黒沢、弦十郎よりも格上の実力を持っているに違いない…この意味がお前にはわかるよな?

 

ロープと戦えば返り討ちどころか、最悪相手側の一撃で戦死するぞ。これは脅しとか…そんなもんじゃない。クリス、翼だけじゃ経験も実力も違いすぎる」

「敵わないから…諦めろとでも言いたいのか‼︎」

「俺はそんなつもりでお前に言ったんじゃないっ‼︎」

彼らを一人で相手するということは、岩谷正輝と英霊、弦十郎を相手にしているようなものだった。アーチャーからの話によると翼の実力は弦十郎よりも劣っている。彼女の必殺技を彼の拳一つで制裁しており、フィーネ相手に善戦をしていた。

 

なら弦十郎にもそのロープを相手してほしいとなれば解決するのだが、それができれば苦労しない。

 

 

 

戦っている場所はノイズの真っ只中、クリスを助けに向かった時は一人でノイズをどうにかできたものの、あの時は奏者である雪音クリスを助けるためであることと、一人で動いていたことが条件だった。

 

 

たとえ弦十郎を出して戦力をどうにかしたとしても。ロープ陣営の方は、今度は正輝達と弦十郎ではなく、今度は司令塔がいない二課の本拠地である潜水艦に潜入して襲う可能性だってある。

ただでさえ不利になっているというのに、弦十郎を出してなんとかしようとしても二課を潰されたらもっと不利になるどころか最悪な状況に陥ってしまう。

 

響達がフィーネとの決戦の際に使っていたエクストラ・ドライブモードに変身したところで対抗できるかどうかといえば否なのだ。

 

赤ロープ曰く、街一個を消滅しかねない宝具を有している。しかも正輝が所有していた宝具を使っても、それらを相殺したのだから、翼達が務まるなんてできるわけがない。鉢合わせたら、戦う前に既に決着がついている。

 

 

よって翼一人の力では、どう考えても振り払うことは不可能。能力も、経験も余りにも桁違いに強すぎる。

「俺だって焦ってるっ…あんな強敵が何人も出てきたんだから当たり前だろ‼︎現に負けてしまったんだ…もう響はこれ以上戦わせない。たとえ俺がロープに妨げられて動けなくなったとしても…こっちの仲間がどうにかする。

 

俺もお前らのことを信じたいんだ。

 

それと、俺達が動く前の奴らが襲ってくる可能性も考えておいたほうがいい。これから連中に対抗するための対策に向かう…今の俺は、響に顔を合わせられないんだ」

 

目を覚ました響については翼とクリスに任せるしかない。さっきまで正輝は論理的に状況を説明していたが、内心では赤ロープとの戦闘に敗北したことに焦りと悔しさで精一杯だった。

 

*****

 

正輝は船に戻り、その後は戦えれる仲間を全員に集めて今後の作戦会議をした。前回の赤ロープを正輝が倒せなかったという知らせを聞いて凛と士郎は驚いていている。

 

「まさか、貴方が完封負けするなんて…相当深刻な状況ね。アーチャー、正輝の姉さんから連絡は取れる?」

「やはりダメだ。あらゆる通信を試みたが繋がらない。黄ロープとやらに阻害されている」

「援軍のない…籠城戦ってわけか。そして俺よりも強いことが判明した以上ロープ陣営の討伐の可能性は絶望的か…クソッ」

 

やれることとすれば命を狙われている立花達と二課を今の正輝達のメンバーで何としてもロープ陣営の手から守ることを前提に動かなくてはならない。

 

 

「正輝、大丈夫か?かなり参っていたけど…」

「あそこで死んでしまうよりはマシ…まだ気が滅入ってるけどな。それに事はそう単純じゃないから、俺が話し合いの場にいないとダメだろ」

 

赤ロープが実力試しという目的で襲ってきてなかったら、あの場で赤ロープは正輝を殺していた。あそこで死んでしまったら、響達と正輝の仲間達を含み詰んでいる。

 

「投影魔術が効かないとなると、厄介ね」

「それだけではありません。我々を退けたというのなら彼らは英霊とほぼ同等の実力を持っていることは覚悟しておいた方が良いでしょう」

「なら私たち堕天使達を連れて行っても…」

「私達と渡り合えるほどではない以上、闘ってもまた返り討ちに合うだけです」

 

英霊に匹敵するくらいの実力者揃いであることを理解した上で問題が発生した。まず、戦力不足であること。連絡できないせいで増援も呼べない状態になっている。

 

「それにしても、正輝より強いってどうすんのさ?」

「敵わない相手だとしても、なんとかしなきゃならないだろ…」

 

英霊並みの実力者であるから未来日記の人達はまず無理だとして、レイナーレ達やまどか達がいても苦戦を強いられる。更に赤との衝突の際に正輝だけではなくセイバーと凛しか対抗しうる仲間が必要となる。士郎とアーチャーにとっては得意魔術とする投影魔術を妨げる赤ロープは相性最悪の天敵。

 

青ロープの方はさやか達が追い詰めたが、良いところで黄ロープに遮られていた。

「でも、ただ守るだけ守ってたとしても。二課と敵対しているFISっていう組織が月を落とすことに成功したら…」

「私達の方は転移して船に逃げ切れても、その世界に残って戦おうとする響達はお終いね」

 

FISの組織の目論見もどうにかしなくてはならない。このまま時間にながされたまま何もできなければ、いつかはこの世界を手篭めにしようとしてくる。

 

そんな時、ロープ陣営の介入時の洗い出しの内容を士郎が質問した。

「なぁ。思ったんだけど、あいつらが介入するタイミングがやっぱり出来すぎてないか?」

「あぁ、FISを止めようと動いたら丁度よく現れているな」

 

彼らが出てきたのは正輝が阻止しようとした時ばかりであった。だからと言って、正輝達が動かないまま黙って様子見するとしても、それでロープ陣営が動かないとは限らない。

「もしこの物語について知ってるなら…なんで先に二課を襲わないの?」

「そういえばそうだね、そっちの方が手っ取り早いのに」

(物語の改変を守るため?俺達の殲滅?

 

敵対しているって言ったから殲滅っていう線は通るが、それができるなら俺達をすぐにでも始末しようと襲ってきてる。クソッ…連中の目的がまるで見えない‼︎このままだとFISの連中が)

さやかが揉めている最中に手を挙げた。みんなの視線が彼女に向けられる。

「あのさ…青の方は、私達に任せてくれないかな?」

「それで、黄ロープがまた介入したらどうする気だ。6人がかりでも勝てなかった相手だったんだぞ?」

 

黄ロープの方はアイテムを使おうとしても無効化され、呪符を使っても攻撃と同様に跳ね返される。更にはほむらの時間停止まで効かなかった。

 

「もう少しなの!あいつに追いつくの「そいつとまた接触するとは限らないだろっ」それはっ…」

青ロープではなく赤ロープと鉢合わせする可能性があるため、むしろ赤ロープを相手にする方ももっと危険だ。

さやか達でどうにかできる相手ではない。

 

「とにかく…倒すことは考えるな。でも、青ロープが倒せそうなら注意深く戦え。最優先は命だ。お前らが死ぬのは絶対に許さないからな」

「分かってる」

(犠牲者なんて、出してたまるかっ…!)

 

 

*****

 

クッキーマンによる報告

 

ウェル博士は無事にFISに戻ってきており、ネフィリムの覚醒心臓を回収している。心臓に必要量の聖遺物を与えたことで、本来の出力を発揮できるようになっていた。

 

この計画にはその心臓と5年前に皆神山の発掘チームより強奪した神獣鏡を使う。

 

フロンティアの封印を解く神獣鏡と起動させるためのネフィリムの心臓が揃ったことだった。フロンティアの封印されたポイントも分かっており、F.I.S.の計画段階は最終段階にまで近づいている。更に、マリアの後をついて隠れ聞した内容だが、マリアがフィーネであるというのは全くの嘘であったこと。フィーネという名前を借りて、ウェル博士の助力のために勧誘させたのだ。

 

F.I.S.はフロンティアの封印を解くためにポイントへと向かい、神獣鏡のエネルギーを使った実験を行ったものの結果は出力不足により失敗。機械的に増やしたエネルギーだけでは封印を解くのに足りないことことがわかり、またの機会となった。

 

 

まだ強行の命令を下してないため今でも調査を続けていくが、ロープ陣営にクッキーマン=正輝だというバレた可能性が高く、急いで一つにならないとこれ以上引き離されたら本来の力を出せなくなってしまうという警告も念話で送られていた。

(ご苦労、今後は自分の身が危険だと判断したすぐにでもその場から逃げろ。いいな?)

(了解)

 

クッキーマンとの念話を終了した後、正輝は手元にあるジュースを無意識に多く飲む。額には汗が流れており、時間がないことに恐れている。

 

「厄介なことになったぞっ…」

 

F.I.S.の計画が最終段階に発展しているのならば、もう一刻の猶予もない。

もう神獣鏡とやらで封印を解こうとするものの、機械的に増幅していたためにフロンティアの封印を解くことはできなかった。

 

聖遺物の管理をしているマムは、今のままだとフロンティアの解放に程遠いことを知らしめるためにこの実験を行っていた。この地について調べているのだから何も知らないはずなどない。

 

この知らせが本当ならロープ陣営とウェル博士達が手を組み、フロンティアを使って早期に支配しようとすれば阻止をしようとしても手遅れになっている。更に、ロープ陣営がクッキーマンを見つけて引き離されたら、今後本来の実力が出すことができない。

 

(クッキーマンにすぐにそいつらを叩けと命じるか?でもそんなことしたらロープ陣営に勘付かれてしまう…やっぱり下手に攻撃するのはまずい。

逃げる方が先決か)

 

正輝は自分の部屋でずっと考え事をしていた。時間はもう迫ってきている。

 

*****

 

響の方は前にも言ったとおり、親友である未来と平穏な暮らしをしており、今の所は二人で一緒にスカイタワーでデートをしている。FISにいるのは調と切歌だけでおり、マリア達は外出している。クッキーマンの方はマリア達を負わずに本拠地で待機していた。

 

マリア達を追ってもロープ陣営が気づいたら連れていかれてしまう。

 

 

作戦として前回と同様に3チームに分けたが、前よりも比べて協力者が多い。一般市民の救助は新規に入ってきた平坂黄泉、戦場マルコ、美神愛の3人。正輝チームの方は、岩谷正輝、遠坂凛、アーチャーの3人だけ。

もう一つのチームは士郎グループとしてさやか達と堕天使達、士郎達の総勢8人が動くようになっている。

 

非戦闘員の秋瀬或、浜風、鹿目まどか、天羽奏を除く今出れる人員を集めた。天羽奏が出れない理由は死んだはずの彼女が突然出てきたところを見られてしまったら大勢の人が驚いて別の意味で問題が起こりかねない。

 

(あくまで響達の監視であることだからな。決して遊びだからとかそういうことじゃないから)

(分かってますよ)

 

念話の方については黄泉と、マルコ、愛の3人に介入する前に話している。

救援チームを作った理由はスカイタワーにいる無関係な人達を助ける為に呼び出されたもの。3人についてはまだロープの陣営に見られてない為、狙われることはないが怪しい動きをしないようにと警告はしている。

 

既に正輝が人数分のチケットを買っており、仲間とは常に連絡を取り合っている。まだ念話ができており、ロープ陣営が入ってきてない以上連絡は切られていても念話は何も問題はなかった。

 

(といっても…二人の方は仲良くして勝手なことをしてますけどね)

「マル、つぎあっちに行く?」

二人のバカップルの邪魔をするわけにもいかず、そのまま放っておくしかなかった。

 

(あいつら…)

(あの二人も、あんな風にしていますが、ちゃんと貴方の言い分を分かってますから)

 

平坂黄泉はイヤホンをつけていつでも動けるように正義日記を用意している。他の二人も未来日記と孫日記を用意しているためいざという時には保険として戦えれる。

 

(念話の方は今はこうしてできてるけど、連中が出てきたらそれができなくなる。不味いと思ったらその場から転移して逃げろ。いいな?)

 

正輝は立花のいる方に顔を向ける。

(…悪いな立花)

 

響に自分達が尾行していることは話していない。話したら、彼女らの気分を害してしまうこともあるため正輝とその仲間の方で決めたことだった。

響と未来の近くに寄らず、いつでも助けるように準備する。

 

(マスター)

(…なんだ?)

 

スカイタワーに向かう前にその建物の周囲を観察するためのシャドーの分身体が念話してきた。

(米国政府の車がいくつか近くにあります。FISと関係があるかと)

シャドーは正輝の元に戻ってゆき、集めていた情報が正輝に流れていく。マリアとマムがこのスカイツリーにおり、米国のエージェントと何か話し合っていた。興和を持ちかける為に、彼らを呼び出し、情報となるチップを渡していた。

 

 

そこまで読み取っていたその時、外にノイズが先に出現した。

 

ノイズから出てくるとは思ってもなかったが、この混乱に乗じてロープ陣営も動くのは予想している。

 

(さぁ…どう出て(大変よっ!青ロープがノイズ襲撃と同時にスカイタワーにいる人を殺し続けてる‼︎)はぁ⁉︎)

 

しかし、黄ロープによる念話の妨害はしておらず、青ロープが先にスカイタワー内で大暴れして、民間人の虐殺をしている。ノイズは躊躇なくタワー内に侵入し、逃げ惑う人達を炭素化させる。出入り口の先には血まみれの青ロープがおり、巨大な斧を振り回す。

青ロープはこう叫んでいた。

 

『出てこいよシンフォギア奏者ァァッ‼︎出てこなかったらこいつらみんなノイズと俺によって殺されるけどな‼︎』

「あいつら…絶対に許さないっ‼︎」

 

結界を張ろうとせずに、無関係な人間を使って奏者を呼び出そうとしていた。正輝の方は響を守る為にスカイタワーに滞在していたが、青ロープからいきなり出てくるとは思ってもない。

士郎達とさやか達の方はロープ陣営のやり方に腹を立っていた。

 

スカイタワーにいる人達はその声に怯え、泣き崩れている。逃げ場のない状況になって混乱していた。

(何考えてやがるあの連中はっ⁉︎)

こんな公に動こうとしてくることに正輝は何か裏があると半信半疑になりながらも仲間に指示を出した。

 

響と未来が動ごいてはいるが、他の人達は逃げ道のない状態で錯乱している。取り残された人達はそのままノイズにやられていく一方だった。

(救援チームは人民の避難を優先しろっ‼︎士郎グループはすぐに青ロープを倒しに行け!)

戦場マルコと美神愛はようやく動いてくれたものの、さっきまでいた平坂黄泉の姿が見当たらない。

「おい!黄泉はどうした⁉︎」

(それが…)

 

どこを探しても見当たず、士郎グループの方から居場所が分かったという知らせから、正輝チームも含めて合流するしかない。辿り着いた場所はちゃんと結界が張られている、青ロープとの戦いになるのは好機だった。

 

結果外はバカップルの二人がどうにか民間人の避難に案内してくれている。

「あ、あれっ…なんかヤバくね⁉︎」

赤ロープと青ロープの担当に分けて戦うつもりだったが、総員でかかり仕留めればロープ陣営の一つの障害をここで消すことができる。

 

 

 

 

 

 

そこまではまだ【良かった】。

到着した正輝チーム以外の士郎グループはみんな目を丸くしていた。

 

 

 

 

 

『お前…何者だ?』

「正義ノ味方デスッ‼︎」

(何やってんだお前ェェェェッ‼︎)

『…………は?』

 

 

 

 

 

一番問題なのは正輝達が探していたその平坂黄泉が既に青ロープの目の前に現れ出てきていだという部分を除けば。

 

思えば、彼は無関係な人達を巻き込もうとしている悪の犯罪を見過ごさない人柄であることはわかっていた。分かっていた上で、人命についてなるべく最小限に動くはずなのだがこんな形になるとは思ってもなかった。

 

 

 

黄泉の変身姿に、青ロープは動かないまま呆気にとられている。スカイタワーにいる人達はこうして無事に逃げてはいるものの、黄泉がいち早く動いて変身したせいでクッキーマンと同じように後々この事件が収まっても社会現象になるだろう。

姿が見えてなかったのは平坂黄泉の持つ正義日記で正輝達よりもいち早く動いたからだ。よって結界が張られる前にこのスカイツリーに来た人達に姿を晒したということとなる。しかし、このまま黄泉がその青ロープを倒せるかどうかというのはさやか達が苦戦している一人なのだから言わずもがなだった。

 

普通に戦ってまともに勝てる相手ではない。青ロープは殺者の楽園以上に厄介なのだから、いくら未来日記を持って予知できるからといって相手は化け物並の能力を持っている。たとえ民間人は救えても、肝心な黄泉の方は火の中に飛び込んでしまったのだった。

 

 

変身の方はデバイスでやっただけで、それ以外の戦闘機能とかというのは何も入れてないのだから正輝の方は青ざめていた。

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