Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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49話降りかかる猛獣

「未来…」

スカイタワーでデートしていた最中に、ノイズの襲撃に襲われてしまった。二人がいた最上階では迷子になっていた子供を避難するところに案内していたため、逃げそびれていた。

 

最上階は崩れ響は落ちそうになり、未来が絶対に離さないと引っ張ろうとする。それでも響は大丈夫だと手を離し、落下していく。落ちる方の響は聖詠を歌い、変身してなんとかなったものの未来を助けに行こうとした瞬間、そのスカイタワーの最上階で爆発が起きてしまった。

 

「なんで…こんなことに」

 

 

響の変身が解かれ、未来が爆発に巻き込まれてしまったことに泣いているが、空に飛び回っているノイズは泣いている間にも頭上から響を襲ってくる。

 

それをクリスが撃ち落とし、翼は斬りふせる。

「立花っ‼︎」

「そいつは任せたっ‼︎」

 

立花を翼に委ね、クリスは飛んでいるノイズを複数の矢で撃ち落とす。ノイズのほとんどがクリスに標的を向けて、突進してくる。

 

【MEGADETHPARTY】

 

腰部のアーマーから格納されている小型ミサイルを一斉に放つ。しかし、ミサイルだけでは処理しきれなかったノイズもおり、それを走りながら避けていく。

(私の居場所を蝕んでいきやがる…やってくれるのはどこのどいつだっ⁉︎)

【BILLON MAIDEN】

今度は武器を弓の形からガトリングに変形させ、空に向けて飛んでいるノイズを撃っていく。フィーネとの戦いが終わってもまた別の組織が聖遺物の情報を欲し、火種を生んでしまう。

F.I.S.というテロリストもまたウェルがソロモンの杖を使っている限り人命を脅かす新たな存在となっている。

 

(ノイズ…私がソロモンの杖を起動させたばっかりに。なんだ、悪いのはいっつも私のせいじゃねぇか)

【MEGADETHFUGA】

今度は大型のロケットを二つ用意し、飛んでいるノイズをまとめて倒した。

ノイズを出していた大型の方は爆散し、空中に飛んでいる小型ノイズは爆発に巻き込まれる。

 

これで全部処理することはできたものの、今度は二体の猛獣が空を飛び、翼達の方に向かってくる。クリスは自分のことで悩み、全く気づいていない。

「⁉︎避けろ雪音っ‼︎」

翼が雪音に叫び、その声に気づくと目の前には巨大な化け物が空を飛んで噛み付こうとする。クリスはそれを紙一重で避けることができた。

 

「なんだよあれっ‼︎」

二匹の猛獣は三人を結界を展開し、獲物(響と翼、クリス)を見つけて囲む。右手にある爪を翼は刀で防ぎ、クリスは距離が近すぎて避けるしかできない。青ロープが召喚したキメラが二人の奏者に襲いかかってきた。ノイズではない敵であるため、攻撃しようとしてもネフィリムと同様に炭素とならない。

 

「この化け物もまさか聖遺物で…」

 

キメラは猛攻をやめない。猛獣のごとく、攻めて攻めて攻め続ける。キメラは座り込んでいる響を狙おうとするものの翼が道を遮る。

 

(もう、誰も失うものかっ‼︎)

「はぁぁぁっ‼︎」

 

攻撃しようとするが、尻尾にある蛇と肩についてあるヤギが邪魔をする。防戦一方になってしまい刀が弾かれてしまう。翼は倒れ、キメラは飛びかかろうとしたところを

 

【千ノ落涙】

 

上空から大量の剣を出現させ、剣の雨が降り注がれる。その怪物の背後には剣が突き刺さり、勢いよく転んでいく。倒れると動かなくなり、力尽きたキメラは体が砂と変わっていき、風によって脆く崩れていった。

 

「危なかった、雪音はっ…」

翼は立ち上がり雪音の方を見ると、

 

「あたしの方も大丈夫だ‼︎」

 

クリスが戦っていたキメラの身体には既に弾痕が幾つもあり、そのキメラも崩れて消えていく。キメラを倒したことで、張っていた結界も無くなった。

 

*****

 

 

「マルコ、愛の二人は転移して帰らせる。黄泉は安全な場所で米国政府の武装兵の洗脳を続行しろ、決してさっきのように無闇に出てくるんじゃないぞ…いいな?」

「御武運ヲッ‼︎」

 

バカップルの二人は役目を終えている為このまま残しても狙われてしまうから撤退させる。黄泉はどうなっているのかを聞いている為に、洗脳に集中し無関係な民間人を少しでも多く助けている。

 

 

正輝とセイバーの二人で同時に襲っているものの、防御をするだけで攻撃してくる様子はない。凛のほうも後方支援として正輝の後ろからガントを撃っているものの弾かれてしまう。宝石魔術で宝石を何個も使ったが、全くダメージが通らない。

 

(つっ…対魔力か…それも高ランクの!)

 

魔術攻撃は無意味だったことが分かった凛は、自分の魔力をセイバーに与える。全投影連続掃射(ソードバレルフルオープン)王の財宝(ゲートオブバビロン)を使っても赤ロープの方も同じ力を持っているため拉致があかない。シャドーを使って分身を召喚しても、相手側も分身を使ってくるからこれもダメ。

 

(一か八かっ‼︎)

「セイバーっ!凛っ!俺が仕掛けるから、二人はそいつの手をどうにかしろ‼︎」

 

正輝は王の財宝からゲイボルグを取り出し、セイバーが風王鉄槌(ストライク・エア)でよろめかせて心臓を因果で貫く戦法だった。まず凛は赤ロープ本体ではなく、彼の足を狙って宝石を投げつける。爆発で見えなくなっているところをセイバーが

 

風王鉄槌(ストライク・エア)っ‼︎」

 

宝具を発動してスカイタワーのガラスが一気に崩れる。前の突風だけではなく所々破壊されて空いている場所から風が吹き荒れている。仲間を正輝はDダグスを出現させ負を黄泉、セイバー、凛の三人に風力の抵抗に還元しバリアとして具現化、そして赤ロープの両手を塞がれている間を狙う。

 

(これであいつは防御できないっ!)

刺し穿つ死棘の槍(ゲイボルグ)‼︎」

 

 

猛風に抵抗している赤ロープはたとえ片手を使おうとしてももう遅い。このままいけば心臓に必中し、ヘラクレスの十二の試練でもない限り勝ったも同然だった。

 

 

熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)

が、彼の心臓部を守る為に彼の周囲に花の盾を何個も用意される。槍は赤ロープの心臓には届かなかった。

 

『結局火力不足だったな』

(槍が、ほとんど通らないっ…しかも手を使わずに投影しただとっ⁉︎)

 

投影した何枚もの盾を手を使わずにイメージしただけで、そのままアイアスの盾を展開させた。しかも、何重にも固められて槍が全く通らない。

 

(しかも、俺とセイバーの二人を同時に相手してるっていうのに化け物かこいつは‼︎)

 

赤ロープにとっては時間稼ぎが目的であるために今回も本気でやるつもりは毛頭なかった。

 

(赤〜もういいよ〜)

『時間か…じゃあな』

 

赤ロープは投影した剣を大量に展開し、壊れた幻想で爆破させた。距離を取っていた正輝達には回避できる攻撃だったので無害だったが、爆発で生じた煙が消えるとそこに赤ロープの姿は見当たらなかった。

「あいつら、厄介なものを残して逃げやがった…」

 

青ロープが召喚したキメラ達がこのスカイタワーを出て、他のところで大暴れしたらどうなるか。ノイズが出てきたとなればノイズの災害だが、変異した猛獣が人を襲うとなれば話は別となる。

 

(さやか、青はどうなった?)

(逃げられたけど、スカイタワーの出入り口を壁で逃げられないようにする方はなんとかなったよ。今士郎が宗一郎って人と話してる)

青ロープを追っていたさやか達に念話をしてどうなったか聞いたものの、逃げられていたことがわかる。宗一郎達については今は一番の関係者である士郎に話をしてもらう必要があった。

(必要なら凛とセイバーをそっちに移動させるけど)

(その必要はなかったわ。とりあえず船で詳しい話をすると言ってくれたから)

「つーか、宗一郎とメディアの二人がいるとは思わなかったぞ…あの二人についても話しを聞いてもらわないとな」

近くにいても二人の魔力の反応はなかったため、気づかなかった。魔力管理の方はメディアだけがしており、宗一郎の方はただの一般人として紛れ込んでいたことが妥当である。

(正輝か、レイナーレ達と合流している。キメラの方は大したことはなかったぞ)

(そうか、なら良かった…指示の方は後からまたこっちで連絡する)

キメラの退治がなんとか収まっていた連絡を聞くと、今度は携帯から電話がかかってきた。

 

「クリスか、どうし「正輝⁉︎お前今までどこ行ってたんだよ‼︎」立花のところだったけど、またロープの陣営が邪魔してきたから助けに行きたくても行けなかったんだ。連絡も取れない状況だったし」

翼とクリスの方からは青ロープが召喚して襲ってきたキメラを倒したことはわかった。しかし、キメラの方は大したことなく倒せたらしく響に怪我もなかった。

 

「響の方はそっちにいるのか?」

「あのバカは大丈夫だけど…」

 

親友である未来と離れ離れとなり、響は大事な親友を亡くしたことに嘆いていた。未来の死は、彼女の心を苦しんでおり深刻に思い詰めている。

 

「全員、この場から撤退するぞ…宗一郎達の二人も連れてな」

 

スカイタワーにこのまま残ってもマスコミとかが割り込んで事件に巻き込まれたとかで無駄にややこしいことになるため正輝達は、船に転移して帰って言った。

 

親友を亡くしてしまった今の響にはそっとしておくしか正輝達には何もできなかった。

 

*****

 

クッキーマンがマリアとマムが戻ってきたのを察知し、彼らを隠れて見ていた。

 

マリアとマムがスカイタワーでの取引に行った結果を報告したが、その内容は悲惨なもの。マリアの方はナスターシャを守る為に襲ってきた米国政府のエージェントについていった武装兵をスカイタワーから脱出する為に聖遺物を使って殺していった。

彼女は自分の手を血に染めたことに嘆き、泣いている。切歌と調の方は留守番であった為何があったのは理解しておらず、どういうことかを聞いた。

 

「それは僕からお話しましょう」

 

ナスターシャの方は10年を待たずに訪れる月の落下より一つでも多くの命を救いたいという目的や計画、理念を米国政府に売ろうとした。そして切歌と調の二人だけが知らなかった真実、マリアを器にフィーネの魂が宿ったというデタラメだったこと。全ては、ナスターシャとマリアが仕組んだ狂言芝居であったことも明かされた。

「ごめん…二人ともごめん…」

「マリアがフィーネでないとしたら、じゃあ…」

 

もうマリアがフィーネでないのなら一体誰がフィーネなのか、もうそれは誰にも分からない。二人と米国政府のエージェントの取引が成立してしまったら計画は頓挫していただろう。

ウェル博士を計画に加担させ、切歌と調まで裏切って巻き込み、計画の一部でもあるネフィリムの心臓も無駄になるところでもあった。

 

「マム、マリア…ドクターの言ってることは嘘ですよね」

「本当よ、私がフィーネでないことも。人類救済の計画も一時棚上げにしようとしていたこともね。

 

マムはフロンティアに関する情報を米国政府に供与して協力を仰ごうとしたの」

 

マリアの話を聞いても、二人には納得できるわけがなかった。米国政府とその経営者達は自分達だけが助かろうとしていた人達だと印象付けられた。だから、切り捨てられる人達を少しでも助ける為にFISというテロリスト組織としてこうして世界に敵対している。

 

ナスターシャの望み通りになればFISと米国政府のエージェントによる講和が結ばれば、私たちの優位性は失われてしまう。しかし、それを許さなかったウェル博士がソロモンの杖を使って会議の場を踏みにじった。対してウェルの方は悪辣な米国政府からこのソロモンの杖で貴方を守ってみせたとナスターシャに杖を向ける。

切歌と調は彼に睨んでいるものの、マリアのとった行動は

 

 

「マリア?どうしてデスかっ⁉︎」

「偽りの気持ちでは世界を守ることも、ましてやセレナの思いを継ぐことなんてできない。

 

全ては力…力を以って貫かなければ正義を貫くことなどできはしない!世界を変えていけるのはドクターのやり方だけ。ならば私はドクターのやり方に賛同する‼︎」

「そんなの嫌だよ…だってそれじゃあ力で弱い人達を抑え込むってことだよ」

 

マリアはウェルの計画に賛同するものの、調の方は狼狽えている。しかし、今言った言葉は偽りのフィーネとしてではなくマリア・カデンツァヴナ・イヴとしての言葉であり、選択なのでもあった。

 

 

(こいつら、自分達が行なっていることに疑問を持ってしまったのか?)

 

クッキーマンから見て、今まで全員協力的だったのがこうしてすれ違っている。マリアは力を以ってなさなければならなかったが、調の方はその方法に賛同できないような顔をしていない。マリアとウェルの二人と切歌、調、ナスターシャの間でいざこざになっている時に、

 

『もう話は済んだか?』

「⁉︎誰っ…‼︎」

 

声が聞こえたと同時にマリアと切歌、調はナスターシャを守る為に警戒する。クッキーマンも予想外の事態に周囲を見渡していた。

 

そして、彼女達のそばで黒い渦が突然出現する。

 

(ハァ⁉︎おいおいおいっ…冗談だろ⁉︎)

『よう、F.I.S.』

『チッ…』

『やっはろー!出ようにも出れない空気だったからあんた達の会話の内容を聞いてしまってごめんねー!あと取引の件で来たよー‼︎』

 

その渦の中から出てきたのは二人の行動に呆れている赤、不機嫌な青、F.I.S.に対して手を振っている黄のロープの陣営だった。

 

 

『お取り込み中なのは分かっているが、申し訳ない。一応黄ロープの方から事前にウェル博士と接触して話したいという連絡はつけさせていただいたんだが…まぁいいか。君達との話し合いの機会を今ここでさせてもらうことになった。

 

 

ついでに、ここにクッキーマンが忍び込んでいるかというのもな』

「⁉︎なんですって‼︎」

(不味い…不味いぞっ⁉︎)

ロープ陣営がFISの本拠地にやってくるなんて予想できなかった。黄ロープがウェルと話をしていると言うのは聞いたが、ここにやってくるのは知らない。

 

クッキーマンが隠れていることでさえも分からなかったF.I.Sはその言葉を聞いて周囲を見渡している。しかし、クッキーマンの方は気配遮断と透明化をしており目だけでは見つけることはできない。

『お前達がいくら探しても無意味だ。なんせ見つからないように能力を使っているんだからな。俺たちが後で探すから取引を先にするぞ』

「取引…何を?」

それを聞いたマリア達は探すのをやめた。マリア達だけでなんとかできるのならばクッキーマンをとっくに見つけることができている。

 

クッキーマンはロープ陣営に任せて、要件を聞くこととなった。

『君達が知っている全ての計画や聖遺物の情報が欲しいんだけどいい?あ、一応ウェルの方は俺の正体のネタバレ明かして貰ったからあとはナスターシャだけなの』

 

ウェルの方は黄ロープが正体を明かしており、彼との取引は成立している。あとは黄ロープの言う通りナスターシャの持っている情報を貰おうとするがウェル以外のマリア達は彼らとの取引に対して不満どころか敵意を向けている。

 

「ふざけるなっ‼︎」

『ならどうする?譲れないなら今ここで戦うか?この至近距離ならウェルはソロモンの杖があるからまだしもお前達が変身する前に惨めに死ぬだけだがな。

 

力を以って貫かなければ正義を貫くことなどできはしないってお前がほざいたんだぞマリア。なら、こっちが今やろうとしてることも横暴だと言われる筋合いはないはずだよな?』

 

赤ロープが指で音を鳴らすと、空間に大量の剣を展開する。正輝達を苦戦させた彼らと戦えば一体どうなるかなんて、戦う前から目に見えている。

 

その気になれば赤ロープは今ここでF.I.S.を潰しても構わなかった。が、

 

『まぁまぁ、取引相手同士で争いあったらいけないって。ここを血だまりにしたって呆気ないしつまらないだろ?』

黄ロープが赤ロープを止める。

マリアの方は確かに力こそ正義だとは言ったものの、ロープ陣営がいくら助けてくれたからと言ってナスターシャの技術を渡すわけにはいかない。

 

『それと、俺たちを始末しようと考えているのならやめておけ。黄ロープのことだから、何しでかすか分からんぞ?

 

気づいたら、計画遂行前に全滅オチ。俺達のような不透明な存在を相手にあっという間にやられてしましたなんて幾らなんでもそんなの望んでないだろ?』

 

弱い者を救わなければならないのが目的なのに、こんなわけのわからない連中に全滅されるわけにもいかなかった。ロープ陣営は二課と正輝達を何度も欺き、こうして逃げ切ることができたのだ。それが敵に回ればこれほど厄介なものはない。

 

『そうそう俺達を失望させない為には必ず命をかけて【お前達の正義を執行】をすること‼︎優柔不断とかでFISの行く道が間違ってしまったからお涙頂戴なんてそんな中途半端でクソつまらない展開になってもこっちもこまーる訳よ‼︎対象は切歌、調、マリアの三人ね。全員が投げ出したら俺達協力しねーから』

 

つまり、正義というのはマリア達の計画を必ず遂行することだった。ウェルのやり方で、もしも指定した三人が投げ出して拒絶するなら手を貸すつもりはないというもの。

 

「なっ、そんなの自分勝手デスっ‼︎」

『自分勝手?おいおい自分自身のことについて親友に明かそうともしないお前が人の事をとやかく言えるのかよ?じきにフィーネになりかかっているっていうのに』

 

黄ロープが小声で耳元で話しかけ、それを聞いた切歌は目を大きく見開き驚いている。

 

彼女には調にも秘密にしていることがあった。それはカディンギルの跡地にてウェルが行方不明になって、調と切歌が外に出て彼を探していた時のことだった。

 

工事中の場所で休憩していたところを

調の調子が悪くなっていた時に、立てていた大量のポールが崩れていた。それを切歌が無意識に手を出してフィーネの力を使って二人を守っていたのだ。

本来はマリアがフィーネであるはずだったのに、まさか自分が使えると思ってもなかったから切歌自身が驚いている。

 

それが初めて知り合いなだけで、何故かフィーネのことを知られていたのだ。

 

(なんで、こいつ私が悩んでることをっ…まだ誰にも話してないのに⁉︎)

『大丈夫大丈夫‼︎貰った情報は二課の連中には絶対に明かさないよ‼︎それは保証するからさ‼︎』

「…どちらにせよここで私達が潰えるわけにはいきません。渡しますのでついてきてください」

黄ロープはナスターシャと共についていく。

『取引の話は黄ロープに任せて、さっさと探すぞ』

(もう隠れるしかないっ…⁉︎)

こうして、ロープの三人は基地の中を探索していた。クローゼットに入り、身を隠す。探索を始めた赤と青ロープはクッキーマンをくまなく探している。しかし、赤ロープが着実に迫っている為にこうして身を潜めているのも時間の問題だった。

(こうなったら…!)

彼女らのいる部屋に逃げ込むしかないが、もう隠れる場所が限られている。それでもロープ陣営に見つけられるよりは幾分マシだった。しかし、

『特殊な結界を張るぞ。それを使えばお前達にでも見えるはずだ』

赤ロープの声を聞くと、突如気配遮断が機能しなくなった。マリア達が入っていき、出入り口にはロープの三人が構えている。

月詠調に見つかって声が出せず、目と目が合ってしまう。調は引き出しを静かにしまい、赤ロープに近づいていく。ここにいることをバラすのかと思いきや、

 

「…ここにはいない」

『そうか、分かったよ』

 

クッキーマンの探索を終えた後、取引を終えたナスターシャがロープ達に聞いた。もう情報は渡されており、黄ロープはチップを貰っている。

「貴方達はこれからどうするおつもりなのですか?」

『ここに残ることにするよ。そもそも俺にはこのF.I.S.で要件があったからな。それに、その生物がいる可能性もある。君達に変な事は絶対にしないことは約束しよう』

『まぁ兎も角、お前らも青のように期待外れなことしないようにねー?』

『なっ、なんでいきなり俺に振るんだよっ‼︎』

出てきた青ロープはこのF.I.S.に来る前、正輝達を相手に逃げてしまったことを含む失態で怒られていた。召喚したキメラについてもノイズと同等に雑魚であった駄作であることと、大勢の人を巻き込めなかったことに苛立っていた。

 

『ハァ…君さぁ、あそこまで無様に負けて逃げるか普通。せめてスカイタワー全体に壁を作って絶対に逃げられないようにしろよ。それと、キメラを召喚しろとは言ったけど…誰が未完成のものを出せっつたお前?しかも、英霊はまだしも堕天使二人と奏者にあっさりと撃破されるほどの大したことのない駄作って…君は馬鹿なの⁉︎阿保なの⁉︎無能なの⁉︎俺はさ、たとえキメラが弱くても爆散して大量の血がドバーッとかで周囲の人達に撒き散らしてsan値をゴリゴリに削るようなものだったらまだ良かったんだけどさ!…あれ何?力尽きたら石になって、風の力だけで崩れるって…幾ら何でも手抜き過ぎるだろ正直ガッカリだわ』

『あれだけしか用意できるものがなかったんだ‼︎仕方ないだろっ‼︎‼︎『それって限界とか関係なしにまだ時間さえあれば改良の余地が充分にあったってことだよな?』そ、それは』

 

赤ロープが黄ロープの長い説教をしようとするのを肩を掴んで止めた。黄ロープは口を閉じてやれやれと頭を横に振って手を挙げている。

 

『もうそれくらいにしろ黄ロープ。

幻滅する気持ちもわかるが、青ロープだって宗一郎という予想外の存在に気づかない俺も悪い。それにこいつは十分反省しただろ、次は完成したもので出せばいいんだ。黄ロープのがさっき言っていたような案を参考にしろ。俺と黄色の方は少しの間ここに滞在させてもらうぞ。お前はもう帰っていろ』

 

青ロープの方は黄ロープに対して不満を持ったまま何も言わずに、黒い渦に飲まれていった。

 

 

『赤は優しいねぇ〜…んで、なんで俺も残るわけ?』

『お前には頼みたいことがある。前にそう言っただろ』

 

*****

 

ロープの二人が別の部屋に戻るとクッキーマンが密かに出てきた。引き出しがぐらぐらと動き、そこからクッキーマンが出現する。

「何のつもりだ。俺を差し出すことぐらい造作もないだろ…」

「あの人達のことは、信用できない。…貴方は何者なの?」

(他のF.I.S.の連中にバラされても困るし、言うしかないか…)

 

監視カメラや、傍聴されている様子はないことを確認し、自分の正体を調に告白した。これ以上何かを隠そうとしても突き出されれば終わりだ。

 

「なら、貴方に頼みがあるの…マリアと切ちゃんを助けるために、私に手伝って」

 

調については協力するしか道はなかった。次の日にクッキーマンは調について正輝に報告し、案の定正輝はため息をついてはいるものの、クッキーマンの失態というわけではなくロープの二人がF.I.S.にいることに頭を悩ませている。

(で、調って少女に即バレてしまったってわけか?)

(本当に申し訳ありません…)

 

調にバレてしまったのは仕方のないことだが、これだとロープの二人がF.I.S.いるせいでクッキーマンと合流して元に戻ろうとしてもこの事件を解決でもしない限りはずっと警戒しないといけないから戻ることができなくなる。

 

 

「多分、気づいてると思う。でも何かしらの目的があって言ってないだけのように見えた」

 

赤ロープの方は調の返事に少し遅れて返し、調の身体を見て何かを察知していた。クッキーマンがここに残っていたとしても別に大事なことというわけではないように。

 

(確かに、赤ロープはクッキーマンこと俺をついでだと言ってたな…でもその言葉を信用していいのかどうかも)

(響は親友がまだ生きていることで安心している。今、響達三人の方は気分転換として特訓中で俺の方はどうするかの作戦会議と、今は宗一郎とメディアに交渉してるところ)

(なんか、すいません…)

スカイタワーの付近で発見された通信機が見つかったことで未来か死んでいないことがわかった。今のところ宗一郎とメディアの二人を船内に案内し、色々と大事な話をしている。

(一番驚いていたのは…キメラや青ロープの事件についてをマスコミやその他諸々の人達が動くのかと思っていたが…犠牲者及び被害はノイズのせいにして他は全部無かったことにされてやがる。気をつけて動けよ)

あれほど大騒ぎになっていたものが一瞬にしてなかったことにされてしまったのだ。二課や奏者の二人、正輝達の方は記憶があるけれども記録や証拠、痕跡、人質などの人の記憶などを一方的に消滅させている。まるで事実を書き換えているかのように都合の悪い部分を揉み消していた。

二課だけでも正輝達のおかげでキメラについて調べてはいるものの、これをロープ陣営が全てやったことなら相当深刻に危険視せざるおえない連中だった。宗一郎とメディアの方は気がついたらあのスカイタワーにいて、青ロープが乗っといていたから危険が及ぶ為に宗一郎はメディアと共にすぐに彼を潰そうとしていた。

協力はするとのこと。

 

「…とにかく怪しい行動に見られるから俺と話す時は最小限にね。他の仲間達にも君の事を不審に思うだろうし」

「分かった」

*****

 

『ウェル博士。俺と黄ロープを君達がスカイタワーで保護した小日向未来という少女に会わせてもらえないだろうか?』

『いいでしょう…』

デートで響と一緒にいた小日向未来はFISの囚われの身になっており、赤と黄ロープの二人は彼女を閉じ込めた場所へと入っていく。

(そっちに響の親友がいるんだな?)

このことは正輝に念話で話しており、これで響の親友が何処にいるのかも分かった。

 

(なら侵入できるか?)

(いやいや入ろうにもロープの二人がそれで察知されたらそれこそ捕まってしまうよ…)

 

 

いくら無敵があるからとはいえ捕まえられたら、もうどうにも抵抗ができなくなってしまう。今の状態で侵入しようとしても、危険過ぎて迂闊に手が出せない。

 

(にしてもあいつら響の親友に何する気だあいつらっ…)

(分かんない…でも、今回もすごく嫌な予感がするんだ)

 

ロープの二人が何をしているのかそれ以降は見ることもできなかった為に何も分からず、計画段階は着実に進んでいく。

 

そして、

 

「クッキーマン、出るよ」

「…分かったよ」

調から呼び出しが来た。F.I.S.は二度目のアルカンシェルの解放に向けて動いたのだ。

 




今日(4/1)からシンフォギアaxzというのが始まったが、正直言って期待できない。だって三期とワーストファイブ(arc-V)の監督が…ねぇ。三期以上に仲間の行動が無能だったりおかしかったり、冗談じゃ済まされないネタに走り過ぎたりしたらもう偏見な目で見るしかないな。

お前ごときが榊遊矢に勝てると思うなってアレも完全に自虐ネタになってしまったし。出来次第では鉄血とかシンフォギアaxzごときが榊遊矢に勝てると思うなって可能性も微アリかもしれない。

もう気分最悪だよ…だって今までの内容がずっと○○○○だったんだと知ったんだから。(余りにも不快な言葉なので丸の部分は書いていません)
前までは朗報だったと思っていたはずが、今じゃ悲報だよ。どうせ5期も決定しているからやるんだろうなとは思うけど。絶唱もノーリスクになっちゃったし、仲間とかも改変しちゃったし(雪音クリス(GXの頃)とか)
やめろ!こんなのシンフォギアじゃない‼︎と叫びたくもなる。これはあくまでこちらの言い分だから関係ないかもしれないけれど、純粋な目で見ようと思っても冗談抜きで酷すぎるんだよ。まさかまた『私も!』とか『でもなんかすげぇ!』っていうような緊急同調とかの芝居でもやるのか?

4月1日に発表されたんだからエイプリルフールでしたとかだったら良かったのに。今じゃ(シンフォギア、次は君にも笑顔になってもらう)って聞こえてしまう。
最初は結構面白かったけど、なんかだんだん腹が立ってきたな。
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