Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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52話鎮まる二人の暴走

正輝が不在となり、姉の暴走はまだ治らない。竹成はライダー達を呼んで止めようもはしているものの攻撃は治らない。姉が竹成やその仲間の姿を知らないために敵認識されている以上、竹成は勿論、ライダーの彼らにも嶺の攻撃が飛び火する。

 

《confine vent》

 

仮面ライダーガイが使っていたコンファインベントで呪符の一回分の使用をなかったことにしたが、それだけでは止まらない。コンファインベントのカードよりも多種類ある呪符の量の方がかなり多い。

 

「おい!どうなってんだよ⁉︎」

 

ようやく嶺の仲間である鳴上悠、花村陽介、そして保護者のハセヲの三人が転移してやってくる。巨大な竜巻や、海がかなり荒れている。倒れている翼と響達はさやか達がどうにかしているものの、身動きが取れない。

 

一方、切歌や裏切ったクリスもまた哨戒艦艇にまだ滞在したままの状態である。これではフロンティアが浮上しても姉を止めない限りどうにもならない。

 

『このまま通信妨害して俺達の完全勝利ってこと『それは俺が許さないぞ。俺の要件が終わってないんだ』ハァ…ですよねー』

黄ロープはこのまま通信妨害して仲間も呼べずに嶺と正輝の暴走でしっちゃかめっちゃかにさせようという魂胆だったが、赤ロープはそれを認めなかった。

このままにしようとする赤ロープの目的は二人にしかわからない。

『兎にも角にも、フロンティアに上陸できないね!さっきは暴走の影響が落ち着いたと思ってたのに!』

『また機会を伺ってから乗り込むぞ』

ロープ陣営もFISはフロンティアの上陸せずにこのまま滞在するしかなかった。

 

*****

 

ヘリで移動しているFISはフロンティアの浮上に成功したものの、まだ空中には浮いてない状態でFISも移動ができない。二課側にとってFISがこの暴走でフロンティアにまだ乗り込んでいないことが唯一の救いだが、そんな中で潜水艦内である二課の本拠地では険悪な状況が続いていた。不穏な空気が漂っており、正輝からは邪険とした目で弦十郎を見ている。既に正輝の影から大量に出現したシャドーが二課の人達を取り押さえ、残りは緒川と弦十郎の二人だけ。まずはフロンティアをどうにかする前に、目の前にいる正輝達をどうにかしなくてはならない。

正輝の仲である雪音クリスに連絡をしようにも、この混乱に乗じて翼を気絶させてFIS側に加わってしまった。元々、ソロモンの杖を起動させてしまった後悔があったために自分一人でどうにかしようと潜入していたのだ。

 

未来と響、翼と調は回収がままならず、動けない状態でいる。

 

こうして正輝を止める人は誰一人おらず、武器を構えて今にも交戦しそうな状態にまで陥ってしまった。士郎達も暴走している嶺を止めるだけでもかなりの疲労状態になっており、その上正輝の暴走を止めることができない。

 

 

襲っているのは正輝だけではなく、彼の分身体のシャドーと厚い服とフードで隠しているミッテルトとレイナーレ。アーチャーにはまだ指示しておらず、正輝の独断で動いている。

 

弦十郎の額に汗が流れていた。

 

「さてと…姉に攻撃しておいてまさか暴走していたから仕方なかったで済まされないことぐらいは分かってるよな?言っておくが翼のマネージャーをしてる緒川に助けを呼ぼうとしても無駄だ。あっちは別働隊が動いてるからな」

正輝は翼の側近であり、忍者を習っている緒川の方も既に対処済みだった。

 

*****

 

「くっ…」

緒川はとある人物に苦戦を強いられていた。忍術を持ち得ている彼は暴走している正輝を駆けつけようとするがその道を阻まれた。

 

とっさに銃を構えようとするが、その銃はすぐに破壊されてしまう。

正輝が呼んだ人物というのは

 

「あなた達は一体、何者ですかっ⁉︎」

「…動かないでちょうだい」

「悪いな、こっちも仕事だからよ?」

 

レイナーレ達と同様にフードを被って隠している暁美ほむら、美神愛、戦場マルコの3人だった。ほむらが緒川の持っていた銃を破壊し、二人の後ろに下がる。銃を失った緒川は懐にある小刀を使った影縫いも投げようとするものの、ほむらが邪魔するせいで全く通用しない。

 

 

分かったことは、動いているのは正輝だけではないとこれで理解できた。

 

「なんとしても、そこを通させてもらいます‼︎」

 

マルコと愛には手に持ってある未来日記を使っている。マルコの手にしている未来日記は常勝無敗喧嘩日記、これで緒川が格闘を仕掛けてきてもクロスカウンターを何発か食らわせる。愛は逆ナン日記、男限定で彼の特徴を見ることができる。

 

「あら、正輝の言う通りに忍術って書いてあるわね。それとかなりイケメン君じゃない」

「問題は、その忍術っていうのに注意すりゃいいんだろ?」

 

愛は逆ナン日記で緒川を分析して、緒川の情報を引き出す。緒川は携帯をずっと見ている愛を狙い、襲いかかるが

 

(マル、彼が私に襲って来る)

(分かったぜ、愛)

 

正輝がデバイスをあげたのは平坂黄泉だけではない、未来日記所有者である美神愛やマルコ、秋瀬或の三人に譲渡している。このデバイス機能を使って互いの念話でどんな日記の内容が来ているのかというを早い段階で知ることができる。

 

「オラァっ‼︎」

「狙いが、読まれたっ…⁉︎」

 

愛に行く前にマルコが立ちふさがり、殴りかかる。しかし、緒川は両腕で防御した。

 

「テメェの相手は俺だろうがっ」

 

携帯の機能として喧嘩日記と逆ナン日記は共有しているため、今は愛が二つの確認役をしている。いわば互いの特徴的な日記をいつでも見ることができるという原理となっている。

 

なお、本来使用となる交換日記は完成しているものの、今回は緒川を取り押さえるために喧嘩と逆ナンが一番効果的だったからそれで対抗している。それでも万が一の時のために交換日記も二人が所持している。今度は緒川の攻撃を避け、マルコの殴る拳が緒川の顔に当たる。

 

カウンターを決めたものの、口から出た血を拭き取ってまだ立ち上がる。が、

 

(なんだっ…これはっ⁉︎)

 

突然緒川の身体が麻痺した。彼自身何か起きたのかは分からないが、3人にはタロットのアイテムを持っている。

その内使用したのが暁美ほむらだった。

 

 

【吊り男のタロット】

 

彼は麻痺状態になりながらも突っ込んでいくが、それでも

 

「クロスカウンターっ‼︎」

「がはっ…⁉︎」

 

次はガラ空きな腹部に拳がめり込み、吹き飛ばされて壁に衝突する。麻痺の上に、行動が鈍っている状態である以上、マルコからして格好の的だった。

 

「きんもちぃ〜っ、このピンチとチャンスの紙一重がたまんねぇのよ!」

「ほとんど酷いカウンターばっかりでしょ…」

 

このまま緒川が突っ込んで、攻撃しようとしてくるのならば、さっきのように何度も返り討ちにあう。怪我を負って、体力が浪費していくだけだった。

 

「くっ、このままでは…」

「そのまま大人しくしてなさい。正輝からは貴方を行かせないように指示されているの…悪く思わないで」

 

ほむらは銃を構えたまま縄を用意して彼を捕縛させる。緒川は、3人を相手に弦十郎の元に向かうことができなかった。

 

また後から局員が助けに来るとは緒川には考えられない。既に結界が張られており、連絡を取ったり大声で助けを呼ぼうにももう閉じ込められている。緒川を正輝の元に行かせないようにするための対策であった。他の局員達は正輝のシャドーに襲われて自分の身を守ることに精一杯でそれどころではない。

 

(何か方法は…ないのか⁉︎)

 

この状況をなんとかして抜け出そうと必死に考えてはいるものの、こんなボロボロの状態ではたとえ縄に解放されて助けに行こうとしても正輝が用意したシャドーが立ち塞がっているに違いない。

 

そこで縄で拘束されたまま、動ごけずにいた。

 

*****

「約束を破って勝手なことをしたのはわかっている。しかし、このままでは未来や響君の二人を回収しようにも君の姉さんは二人だけではなく無関係な人まで巻き込んでしまう。哨戒艦艇の人や、奏者にも。

 

我々から見て、未来くんだけではない人たちを…君の姉さんが多くの人達を殺す可能性があったからだ」

「へぇ?だから、姉に攻撃しようとしてたってわけか?んで俺の姉はお前らが邪魔するから反撃する、そんなのは支局当然だよな?

 

あんた達の返答はこっちの言い分を無視した理由になってないぞ?何考えてんだ?俺ちゃんと言ったよな、手を出すなって。立花も、まさかこれが信じてくれと言う前にこの結果を知った上でそう言ったのか?でも、そんなの響が隠せれるわけないし、口を滑らせてしまったら。それを聞いた俺が駄目だと言って却下されるだろうからな。

 

てことは最重要責任者であるあんたがやっぱ差し金だよな?弦十郎」

 

弦十郎達が約束を破った理由は正輝の姉については何も知らなかったからという理由もあったが、目の前にある人命の為に奏者と艦艇の人達を助けようとしていた。

 

しかし、だんだんと正輝の言葉がキツくなってきている。二課の言い分として人員の為だの、奏者を助ける為だの、全くもって理解できるわけがなかった。

「俺が言っても駄目だったからそっちから嶺を強制的に抑えつけようとって考えてたのかよ?

 

このままだと未来を殺すから?

 

だからこそ姉のことを一番よく知っている俺に委ねて任せるべきだったんだ。奏者が危険な目にあったら俺が責任を取らざる負えない。でも翼やクリス、響の三人は仲間だから見捨てられない。

 

そして響の信じてくれって言葉を信じたから俺も信じようとしたさ。それが一番穏便に終わらせる方法だったろうし、姉の暴走については教えなかった俺も悪いかもしれないって思っていたからだ。だがな…

 

それをお前らが見事に台無しにした。

俺がお前らのやってることにハイそうですかと許すとでも?

 

 

 

…テロリストのFISを潰す前に今ここでお前らから先に潰してやろうか本気で?」

話せば話すほど、状況はますます悪化していっている。簡潔な話、一番問題はのは姉に向かって攻撃行為をしようとしてきたのだから家族の一人である正輝が怒らないわけがない。もしも手違いで姉を殺してしまった場合だと、その気になれば正輝と仲間達はFISよりも先に正輝の姉の仇として二課全員を殲滅対象として潰すこととなる。

そもそも姉が人をすぐに殺すからという理由なら、正輝も含めて他の仲間達が全力で止めようとしている。それ以前に殺す気でいるのならば、響と戦う前に神威覚醒を使用して戦場を引っ掻き回す。そして、正輝を殺そうとする小日向未来は正輝の姉の手によって首から上は大鎌で切り落とされていただろう。

そもそもその状況の被害を計算した上で動いているのか?否、状況からして見て暴走している以上無理難題なことだ。

 

嶺は響、翼、クリスの三人のことを知っただけでシンフォギアの世界なんて全く知らないのだから。

 

「んで、こんな事態だっていうのに仲間側である俺達に喧嘩売ったんだ。どういう神経してんの、え?

 

あんな指示してどういう神経してるんだって言ってんだよ‼︎分からないのか‼︎‼︎お前らが勝手に馬鹿なことしたからこうなってんだろうがっ‼︎嶺を無理矢理止めようとする行為を俺が望むと本気で思ってたのか‼︎もし響にそんなことを言わせたら、俺はお前達だけじゃなくあいつまで嫌悪するところだったんだぞ‼︎」

立っているレイナーレやミッテルトは怒ってる正輝を抑えることができずに、何もできない状態。二人は二課側から手を出した時のため防御役をする。正輝が危険な状態だと防御から迎撃に切り替えて反撃する役目を任された。

 

*****

 

嶺の暴走は続いているものの、ライダーの活躍のおかげで攻撃は収まりつつある。今までは犠牲者が増えていくばかりだったが、嶺の仲間も一緒に止めてくれているおかげでどうにかなっているその時、嶺の携帯から着信音が鳴ると途端に攻撃をやめてしまった。嶺は自分のポケットにある携帯を取ろうとすると、ハセヲが電話から出た。

 

「よし!なんとか間に合った‼︎」

 

この音は嶺の保護者専用の電話の着信音であり、正輝だけではなく彼女の側近であるハセヲが暴走を止めるためのストッパー役を務めている。この着信音が鳴ると大概迷子探しか、お説教のどちらかとなる。

 

「ハセヲ…」

『嶺か?正輝はアーチャーと一緒にいるから無事で、肝心の標的もボロボロだからもうこれ以上暴走すんな。連絡が繋がらなくて焦っていたお前の気持ちもわかるが。もう正気に戻っているよな?今度は、正輝が暴走しているがアーチャーが解決しようとしている。正輝が攻撃的になってしまったら、すぐに連絡するからと電話してきてる。あとこの着信音で分かったと思うが…お前の暴走で仲間にまで迷惑かけたんだから後で俺に説教だからな』

「え、ちょっと」

ハセヲは用件だけ言って携帯を切った。確かに黄ロープの存在のせいで連絡が取れずに転移したら正輝が殺されそうになって怒り狂うのは仕方がなかった。しかし、嶺の暴走が正輝の仲間や竹成陣営、そして嶺の仲間にまで巻き込んでいるわけだからこの件で叱られてしまう。周囲を見てみるとボロボロになっている人達と哨戒艦艇の残骸が残っているだけだった。

「ハァ……一旦帰るか」

嶺の暴走は収まり、がっくりとした状態になっていた。もう姉の暴走状態も静まっており、そのまま嶺は仲間を連れて船に転移して帰っていった。

 

*****

 

一方、アーチャーが暴走している正輝の元に向かっている。しかし、リーダー格のシャドーが行く手を阻んだ。

『アーチャー?なぜ単独行動をしているのですか。すぐに戻りなさい』

来る最中にシャドーが局員を抑え付けている。局員一人一人に影縫いと吊り男のタロット(麻痺)をかけて、身動きが取れないようにしていた。シャドーのリーダー格がアーチャーに気づいて話しかけて来た。

「正輝の暴走を止めに来た。なぜ正輝が動いている」

『一応、命じられているのは司令室に誰一人入れるなということで。俺の身が危険になったらもう殺傷設定で潰せとは言われましたが…』

「成る程な、その様子だとまだそこまでは至って無いのだな?今彼は姉の件で暴走している。手遅れになる前にそこを通させてくれ」

 

局員はシャドーに恐怖し、黒沢に助けを求めていた。

 

「黒沢さんなのか?助けてくれ‼︎」

「司令室にいる正輝の方は私がなんとかするから、君達はそこで安静にしてくれ。弦十郎達が下手なことをしない限りは彼らと正輝は君達に危害を加える気は無いだろう」

『分かりました。正輝の関係者であり危害を加えないのであれば、どうぞお通りください』

向かう最中に出会う二課の局員達を鎮めさせ、ようやく正輝の元に間に合うことができた。

 

「それとも俺があんた達の一員でないからこちらの指示に従う義理は微塵もないと?俺を信用してなかったのか?」

「そういうわけではないっ‼︎」

司令室にたどり着くと酷く機嫌が悪い正輝と彼の隣には、姿は衣服で隠しているもののレイナーレやミッテルトがいた。

 

「そこまでだ、正輝」

「黒沢さん…」

 

ようやくアーチャーが正輝の暴走を止めに入ることができた。藤尭と友里の二人が黒沢が来てくれたことで彼を何とかして欲しいと訴えているかのような目を向けている。

 

「何しに来たアーチャー。姉の暴走をなんとかしろと指示したはずだぞ?」

「それは君の先輩と嶺の仲間達に任せている。正輝、まだ姉が暴走している以上君が止めるべきだ」

 

弦十郎の代わりにアーチャーが正輝の交渉をした。このまま二課と話しても返ってくる言葉が期待外れなことばかりで正輝の暴走は治らない。

 

「断る。家族に銃を向けた連中に、キレずに黙ってろっていうのは無理な話だぞ?こいつらをどうにかしてから、助けに行く」

「怒る気持ちは分からなくもない。しかし、どうにかするというのは?」

「姉に銃を向けたんだ。だったら多少の被害は覚悟してもらわないといけないよなぁ?」

 

そう言って正輝は嶺が持っていた呪符を用いる。暴走していた時に使っていたものだった。それを見た司令達は困惑している。今ここで正輝は彼らに制裁を下すつもりだった。

 

「まぁ、非殺傷設定にしてるから死にはしない。でも、こんな密室空間にこんなもの使ったら…お前らタダじゃ済まないよな?」

「それは我々と同室にいる君達も同じことだろ‼︎」

「忠告どうもありがとう。けど、この呪符は俺や仲間には危害を加えられないんだ。つまり、転がされるのはお前らってことだよ」

 

嶺の呪符には仲間に手を出さないようなマーキング機能が兼ね備えられている。よって正輝達には無害であり、酷い目にあうのは弦十郎達だけであった。

 

 

「ダメだ。呪符をしまってくれ」

「おいおいなんのつもりだよ黒沢君。あぁ潜水艦内の破損のことで心配しているのなら安心しろ。俺が結界を張って壊れないようにしといてやるからそれで問題ないだろう?」

「そういう意味で言ったわけではない。ここで彼らを更に恐怖心を促してしまえば、後々局員が君や私達のことに恐怖することになる。君にとっては許されないことをしたから、こんな手段を取っているのはわかる。だが、その結果我々のことを憎み、局員がこの件にこちらのことが世間に漏れて国際問題に発展することなればこちらも元も子もないぞ?」

「…二課だって、漏らしちゃ不味い情報が幾らでもあんだろうが」

 

アーチャーが肩に手を置いて、引き留めようとするが正輝は一向に引かない。だが、言っていることにも理があった。まだ誰も危害は加えてないだけ局員達が正輝達に対する恐怖心は少ないが、ここで制裁を行なって局員の誰かが正輝達のことを政府や世間に流されたら余計に不味いことになる。

 

そうなればまた姉と正輝の大暴れが始まり、仲間も止めることができなくなる状態にまで陥る可能性だってある。そして彼らの暴走を見た世間はマスコミの卑劣な報道とそれを見た一般市民は害悪だとみなし、政府側が軍事的な行動で反抗してきたらもう敵とみなした連中を宝具を使うことで、国を滅ぼしかねない。

 

収集がつかずに世界のバランスを大崩壊し混沌を招きかねない。

「頼む、冷静になってくれ。正輝」

「…もういい。ならこっちもあんたらの言い分関係なしに勝手にやる権利があっても文句は言わせないからな。

 

今後も協力はするけど、指示系統については今回の件で知った以上、さっきのように協力の最中に姉の攻撃行為をしようとするような俺の意志に極めて反する愚行を行った時点で、もうあんたらの指示で動かないことも覚悟しとけよ。ただし…どこでどんな状況なのかぐらいは話すようにな。でないと助ける前に情報が分からないし、動けないからな?それでもし政府とか使って権力で押しつぶすのなら俺達もあんた達に対して一番最低最悪の手段を取らなくちゃいけなくなる。

 

構わないよな?いや、許可を取る必要なんてないか。そうさせてもらうぞ。この件についてはFISが終わってからだ…処遇は俺と姉で話し合ってから決める。この借りは高くつくぞ」

正輝は武器を納めて、この揉め事を一時的に終わらせた。正輝自身が釈然としない部分はあったものの、感情的になって直接この手で裁いてもむしろ不利になるだけ。

 

対して二課の方はその言い分を黙認せざるおえなかった。司令室の方は殺されるという圧迫感を突きつけられたが、黒沢のおかげでどうにか落ち着くこととなった。

 

一番最低最悪な手段というのは具体的には言わなかったが、正輝の考えとしては響を船に入れるという制約を無視してこの世界を楽園の所有物にさせたり、宝具で二課を一掃するという手段を出さないといけなくなる。

 

邪魔してくる以上、正義側の敵とみなしてもおかしく無いのだから。その時、さやかから念話でアーチャーに連絡して来た。

 

(アーチャーさん。そっちはもう終わったの?姉さんの方はなんかスタミナ切れとか言ってたから)

(あぁ、こちらの方はなんとか話し合いで解決した。では響達の方は?)

(響と翼の二人は船で治療してる。調って子は自分で動けるってさ。未来って人の方はまだ眠ってる状態)

こうして正義側である正輝と二課による勃発が起きそうになっていたがなんとか対話で一時穏便に済ませることとなった。

 

(二課を仲間だと信じていた俺が馬鹿だった…)

(話し合いで解決した、か…これで今後はいがみ合いが無ければいいのだがな)

 

二課と正義側の共同に綻びが生じたことは言うまでもない。二課が嶺に攻撃を仕掛けた時点で彼らに対して殺意を向けられていた。なんとか互いが争いに発展しなかったから良かったものの今後も疑心暗鬼になりながらも手を組むしかない。正輝は正義側のことを政府に話されても困るし、楽園をどうにかする前に政府や二課に指名手配として標的になってしまったら敵を増やしてしまうこととなる。だからと言って二課や奏者の行動が正輝達に不合理なことであれば最悪政府だろうが二課だろうが殺者の楽園と同様の扱いとみなして全力で正輝達は殺しに向かうだろう。

(全員引き上げるぞ)

(…もういいの?)

(あぁ、FISが終わった後に決めることになった)

ほむらと美神愛、戦場マルコ、レイナーレ、ミッテルトの五人は船に転移して帰っていく。今は落ち着いたものの、後々この生じた綻びが後から亀裂となり今後の事態が、史上最悪な形として変貌していくのは正義側も二課も思わなかった。

 

 

 

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