Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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53話フロンティア事変

正輝とその姉の暴走が一旦落ち着き、竹成も含めて三人は合流することとなった。嶺の方は正輝の命が狙われていたために暴走し、周囲の存在は甚大になっていた。船はボロボロ、巻き込まれた哨戒艦艇と残った人達はノイズの被害よりも嶺の攻撃が多い。

 

 

ライダー達は一応一般人を守るために嶺の暴走を止めてはいたものの、被害は参戦した竹成達にまで及んでいる。

更に、二課が暴走を止めようとしたらその行動に正輝がブチ切れて、最悪二課を滅ぼそうとする気でいた。

 

結果的には、響と未来の聖遺物は獣鏡神の効力で完全に消滅し、未来の暴走はなくなり、響の命の危険はなくなった。

アーチャーと響がさっきまで暴走していた未来にロープ陣営の内の誰が正義側の内容を教えたのか、そしてその内容をどこまで知っているのかを教えたのかを聞く必要があったが、

 

「?…正義側?一体なんのこと?」

「え、未来…だって正輝さんに向かって」

(あの時と同じ、またも記憶を消されたか…)

正輝達の行動については何も知らない状態だった。またキメラの時と同じように一般人や未来の記憶を消されている。

未来と響は二課に返してもらい、そこで事情聴取をしている。

 

正輝の方は案の定嶺にまた強く抱きつかれて、泣いている。今度は黄ロープのせいで連絡が取れなかったことと、未来という少女が正輝を殺そうとしたことだった。しかし、暴走が解けたところで嶺がまた暴走し何も知らない未来をぶちのめそうとすれば、またさっきみたいに揉めることとなる。

 

正輝は嶺を未来を鉢合わせないように丁重にするようにと二課に連絡を取ろうとしたら、二課からはFISが動いたという連絡が来た。フロンティアが浮上し、復帰した翼が向かっているとのことだった。

 

*****

 

嶺は二課に集合することなく。正輝、アーチャーこと黒沢の二人が話を聞くこととなっている。姉と接触すれば元も子もないことは目に見えている。緒川の怪我については軽傷であるためまだ動くことはできる。

 

「あんなことになってしまっていたが、我々にどうか手を貸して欲しい。翼はクリス君と戦っている…」

 

協力してほしいといったものの、二課が姉を止めようという判断をしたせいで、互いに気まずい空気となっている。

 

そんな空気の中、響と未来は何が起こったのかも何もわからない。助けた後に起きたのだから知らないのだ。

 

 

「…正直、さっきの件であんたらに背中を預けずらいんだけど…だからといってロープ陣営と何かしら企んでいる以上は放って置くわけにはいかないし、クリスの件もあるから俺は助けに行くよ。無論、俺の姉も同行するだろうけどな。どうなってるの?こっちは俺と姉さんの暴走で混乱していたから現状がよく分からないんだ」

そう言いつつ、クリスと翼が戦っているモニターの映像を見る。

 

(クリスの首についてあるアレ…爆弾か。誰があんなものつけさせた)

クリスのつけられた爆弾を見て、段々と正輝の表情がこわばっている。

その映像を見ながら正輝は、

「…なぁ。あんたの言う通り協力はするさ。だだし、俺個人としてウェルの奴には手荒な真似をしても構わないよな?

 

クリスの首にあんなものをつけさせてるんだから、あれってウェルの仕業だろ」

弦十郎に質問し、頷いた。

この様子だとウェルが裏切ってもいいようにクリスを始末するつもりなのだろう。確かに、裏切って利害の一致で協力する人を信用するとは思えないはず。

 

だからと言って、こんな非道なことをする連中を許す気はなかった。

 

「分かった。ただし、彼を死なせなことだ」

「感謝する」

 

これでウェルはクリスに手を出した以上、一応二課には正輝が死なせないようにボコボコにする許可はもらえた。

 

(一時はどうなるかと思っていたが、俺を含めた三人の正義側がいればなんの問題もないだろ)

 

ロープ陣営に悪戦苦闘していたが、もうそんな心配もいらない。姉と加藤がいたのならば連絡が取れなくなったとしても、これだけ人数がいるならどうにかできる。

 

*****

 

「悪りぃが、それは却下だ」

しかし、竹成は正輝達の協力については断ったのだ。正輝の連絡のおかげで増援ができたものの、FISをどうにかするための協力はできないと言った。

「…今回の件で俺達全員の協力は難しいかもしれねぇ。こっちのライダー達の一部が嶺に不満を抱いている。あんな事態になっいたから助けが欲しかったと言っても…助けに行こうとしたら嶺は敵として意識されてしまったんだから、こうなるのも不思議じゃない」

 

危険に駆けつけて助けに行ったのにライダー側からしたら嶺に敵と認識されていた以上、仲間だと言っても釈然としない人達が出てきている。

一人一人を相手に誤解を解こうとしたとしても、それでも姉のやり方に釈然とはしないだろう。

「さっきの弦十郎のように無関係な人を巻き込んだとか、こっちを敵として認識されて襲ってきたとか…そういう理由が、な。あれが本当に仕方ないことだったのかどうかが賛否両論で分かれてるんだ。

 

それと二人に会わせようとしたらお前らのことを警戒するだろう。いや、俺の考えとしては家族が殺されそうになったって言うのは一理あるんだ!そりゃ怒って当然だ!襲っているそいつをぶちのめしたいっていう気持ちも分からなくもない。俺以外にも、嶺と正輝の暴走に納得している奴も何人かはいる!だからこそライダーを連れてっていうのは難しい。兎にも角にも今回の件で、【正輝には協力するけど嶺の協力は難しくなった】ってことは理解して欲しい。それは嶺達に対して敵意を持っているという意味で言ったわけじゃないし、嶺の助けに参加することは最悪できない可能性もあるだろう。俺はあくまで、正輝の協力者として取らせてもらう。

 

だからと言って、あの三人に手を貸すつもりは毛頭ない。そんなことしたら子供の希望の象徴である仮面ライダーの意義に反することだからな。仲間にだって猛批判されるし…もしも連中と出くわして通信や念話での連絡が妨害されそうならこれで凌いでくれ」

 

竹成が差し出したのはWIYA(ワイヤー)といい通信妨害になった時の為のものだ。正輝の持っているBLOWやREDなどのビー玉と同じ形状になっている。これには通信妨害は効かず、竹成の船に連絡することができる。(ただし、船内では無効にならないことと量産化できないことだ)

ロープ陣営のための対策の一つとして使うように正輝と嶺の二人に委ねた。

 

*****

 

こうして竹成との協力はできないとし、正輝と心配する嶺でどうにかするということとなった。

 

「あたしらの方もロープ陣営が出てきたらまずいから準備したほうがいい?」

「「いや、今の所はそんなにいらないから」」

 

正輝と嶺の仲間についてはそんなに大人数はついてこなくていいということで船に滞在している。むしろそれぞれバラバラで動こうとすれば一人のところを狙われて人質にされてしまうかもしれない。竹成からもらった連絡手段として通信するから竹成の船で待機するように言った。確かに連絡手段が妨げられているというのは厄介なことだ。現状ではクリスが翼と戦っており、響と調の二人がマリアのところへ向かっている。

「響が⁉︎なんで」

司令の方も正輝と同じような反応をしていた。司令は響にそんな指示を出した覚えはなかったが、親友である未来が行かせてあげてくださいと止めてる。今の響は聖遺物を所持していない、危険過ぎると正輝は思っていたが、調が仲間意識を持っているのならばその子が守ってくれていると信じるしかない。

 

信用している理由としては、調にはクッキーマンをかくまってもらったという恩があるからだ。

 

「まぁ状況から整理して…俺達が揉めている間にみんなバラバラに動いているわけか」

(あの二人がロープ陣営に接触しなければいいが…)

今回は二課ではなく復活した響が勝手に行動しているわけだが、横から狙われる可能性だってある。しかし、響の心配もあるが、ウェルに命を握られているクリスが最優先となる。

正輝の方はクリスを助けるためにアーチャーは勿論、正輝のそばには嶺がいる。ノイズが邪魔をしてくるが、技量はこちらが上であるためになぎ倒して進んでいく。

ロープ陣営の仕業なのか、フロンティアの周囲に転移ができないようにさせられていた。

(これ、本当に間に合うのか⁉︎)

 

なんとか翼とクリスがいる場所にたどり着いたが、

 

「くそっ、クリスは⁉︎クリスはどこに行った⁉︎」

「遅かったか…」

 

たどり着いた時にはクリスと翼の戦闘は終わっており、戦闘の跡地しかのこっていない。さっきまで見ていたウェルもいなくなっている。

 

(それに妙だ…こうして俺達が出てきたのにロープ陣営が邪魔してこない?それ以前に姿が見当たらないのか?

そもそも何で通信妨害をしてこない。

 

いや、油断してはいけない。あいつらなら俺達のチャンスがある時を狙って横から割り込んで襲ってくる…どこかに身を潜んでいるのか‼︎)

 

それぞれが散らばり、今頃どうなっているかもわからない以上。正輝達の目的としてはとにかく命の危険に晒されているクリスと奏者でなくなった響の二人を探すしかない。

 

(一体どこにいるんだあいつらっ…襲われなきゃいいが)

 

正輝の方は先頭の痕跡をたどりながら、クリスのところにたどり着こうと向かうしかなかった。

 

*****

数時間前

FIS側ロープ陣営

 

FISはようやくフロンティアに乗り込み、裏切ったクリスを含めて計画遂行のために動く。クリスからは信用できないなら後ろから撃ってくれと言っているが、いや君絶対こっちの敵側になるでしょと黄、赤ロープはクリスを疑う以前の問題だった。とはいっても、クリスどころかウェル以外のFISは計画遂行の決意(笑)には二人も突っ込む気にもならない。赤ロープはこんな茶番に付き合ってられないと、寝返ったクリスの側に特大級の罠を仕込もうとも考えてはいたが、黄ロープがそれを止めようとした。

 

フロンティア内にあるジェネレータールームに向かい、ネフィリムの心臓を使ってエネルギーを行き渡らせる。ウェルとマリアはブリッジの操作室で、ナスターシャは制御室に向かいフロンティアの面倒を見ることとなる。

クリスは翼の足止めに、切歌は調の足止めに向かう。

ウェルは左腕にネフィリムの細胞を含めたリンカーを打ち込み、腕が変異する。増援に向かった哨戒艦艇や報道のヘリ、フロンティアに近づいてくる連中を力でねじ伏せ、更にはウェルがフロンティアのエネルギーで月を落とそうとしたのだ。これで、ウェルはフロンティアを完全に掌握してしまった。

 

制御室にいるナスターシャはウェルの欲望を止めるために自分の異端技術で落下を防ごうとと必死になっている。マリアはウェルの考えに反し、月の落下を止めようとするが操作を受け付けない。

リンカーがある限り制御権はウェルである。

もう誰にも止めることはできない。マリアはそんな事のために悪を背負って来たわけではないと止めようとするが、ウェルを手にかけたところで地球の余命はもう僅かとなっている。

マリアはもう何もできないまま、こんなの望んでいたんじゃないと泣きながら喚いており、ウェルの方は一人だけ英雄になるためにフロンティアを操作して、月を地球にぶつけさせて自分やマリア達以外の人類を滅ぼそうとしている。蹂躙する力を手に入れて、この星のラストアクションヒーローだと英雄になれる自分に酔っていた。

 

『お・も・ん・な』

 

マリアはフィーネを語っていた頃の自分の黒歴史から何もできなかった自分に嘆く。

彼らの動向を赤ロープが用意したモニターで眺めていた黄ロープは呆れ果てて、マリア達を馬鹿にした。

 

『はぁぁぁっ…なぁにこれ?

つまらん、実にツマンネ。

ないわー、マジでこれはないわー』

『深いため息をついているようだが、不服か?』

 

グダグダな連中を構うのも馬鹿らしくなっている。黄ロープは調と切歌が言い合いながら戦っているのと、マリアの様子からしてもうダメだなこいつらという反応をしていたのだ。前回約束した内容はFISには協力するけど、三人ともやる気ないなら協力しないという約束を。

だがその約束も、

『いや、なんていうーかさぁー…もうね。

やる気無くしちゃった』

『まぁ…お前のことだからそう言うだろうと思っていた。言っただろ、後々退屈するだけだと』

残り二人が裏切る前に協力するのをやめた。黄ロープは寝転んだ姿勢で、ぐったりとしている。赤ロープの方は腕を組んで、黄ロープが次どうするのかという指示をずっと待っていた。

『だってさあ、あいつらマジでやる気ねぇーし。三人とも言ったそばから決意以前にガバガバで【実はこんなことしたくなかったんですぅ!】っつー感じばぁぁぁっかりのオーラと言動ばっかり出してる訳だからさ。散々人を脅かしておいてまるで自分は悪くないって感じで手のひら返ししちゃったよ‼︎

 

なぁぁぁにが【力を以って貫かなければ正義を貫くことなどできはしない(キリッ】だよ!ったく…これじゃあ三人とも典型的な噛ませキャラじゃないですかヤダー。

今までが茶番で、ホントしょうもねぇぇっ!

だって良くあるじゃん!強敵だった悪役が、手のひら返して主人公側についたら急に弱体化するパターン。マジ中途半端で噛ませすぎるよこいつら…悪ならもうそのまま悪で貫けよったく。こっちもFISを手伝うつっても期待が大外れだから飽き飽きしてくたびれるわけよ…まぁここで正義側を潰す気は無かったし、あくまで半分は余興のつもりで来たわけだからさ』

『ウェルはどうする気だ?』

『ウェル?あぁもうどうでもいいや。正義側と奏者達がどうにかするんでしょ?俺達もいないFISを止めらないんならその程度の連中って事で』

今までのことをまとめて決意がブレブレになっているマリア達のことを噛ませ扱いしていた。平然と聞いている赤ロープにとってはFISがどうなろうが心底どうでもいいことなのだ。

『…随分と投げやりだな、まぁ気にしないが』

マリアは力こそ正義だと言っていた言葉がそのままマリア本人にブーメランで帰って来ている始末。赤ロープにとってはあれだけマリアは力が全てだ正義だと抜かしていたのに、しかも三人ともテロリストやって人を散々危機に陥れたり、殺しておいて自分は悪くないというように見せて、泣き喚いたり自分を正当化しようとするその哀れな愚行に呆れることしかできなかった。所詮、テロリストごっこ紛いの連中だったということだけなのだからと。

 

『ところでウェルとナスターシャ、そしてここフロンティアの持っている情報は?ちゃんととってるんだろうな?』

『んなもん、楽勝にゲットしたに決まってんじゃないすか。俺を誰だと思ってんの?君の復讐のために使うんだから、そりゃ手に入れるに決まってんじゃーん』

『ならさっさと帰るぞ。お前が飽きた以上、今ここに長居して仕方のないことだろ?』

赤ロープはめんどくさそうに渦を用意している。

 

 

『なんなら…今ならすぐに殺せれるよ、君がずっと憎んでいた立花響を。丸腰でしょ彼女。今なら余裕で殺せるよ?そして君は相当恨みを持ってるんだろ…あの時のこと『黙れ』』

黄ロープはマリア達の次に、さっさと帰ろうとする赤ロープを煽ってきた。

煽られている内容には赤ロープが殺そうと考えている立花響という少女に殺意を抱いている。カ・ディンギルの跡地での戦闘では響を殺そうと心底思っていたが、この黄ロープの指示のせいで殺すことができなかった。

 

『分かってるよ!今すぐに殺すようなことしてもつまらないからダメだけどねー。積み木と一緒さ。積み上げて積み上げて、やっと完成したところを盛大に崩していく。そう簡単に捻り潰したら、盛り上がらないし面白くないだろ?

 

何事も過程っていうのは大事だろ?

そんな怖い顔しないでよ!ほんのちょっとした冗談だってば。

大丈夫っ‼︎君はその為の準備をしていればいい。俺は君のための最高の舞台を用意すればいいんだからさ‼︎

そん時は、私情で動いていいよ‼︎』

真顔になりそうなほどの人を貶すことばかりな笑えないブラックジョーク(悪口)を言った黄ロープはそのまま渦に飲まれ、赤ロープはこの世界の去り際に、怒りを混じりつつこう呟いた。

『…あいつが、ちゃんとした舞台を用意したその時は…正義側(操り人形)も、立花響(化け物)も、浅ましい二課(政府の犬)も、あいつらを認めているイエスマンの民衆共(能無しの家畜共)も全員皆殺しにするだけだ』

 

まるでその発言は、彼が二課、響達、この世界に生きる住民達全員に対して深い憎悪を持っており、その世界を戦場にするかのような口ぶりだった。

【ゴミ】のように彼らを見下し、赤ロープも黄ロープが使っていた渦に潜っていく。

戦っていたクリスと翼は相打ちとなり、二人のロープ陣営はこの世界に去っていき、残りの脅威は切歌、ウェル博士だけとなった。

 

 




明日出るシンフォギアXDは絶対にやろうかなと思う。
ダインスレイブの雪音クリスが出るまでリセマラするかな。
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