.F.I.Sの事件が起きて、はや3日は経った。
この3日間は、事件が終わってもやることが多くて正輝達はあまり休めなかった。
事件が徐々に落ち着いた頃に、正輝は響達三人になぜ隠密行動をしていたクッキーマンのことについて話さなかったのかを根掘り葉掘り聞かされた。そのことを仲間には何も話してない為にマリアに連れていかれたことから最後までちゃんと説明していくしかできなかった。
そして、嶺と正輝の暴走の件で二課と話をつけなければならない。
未来の暴走がきっかけで嶺の暴走が起き、それを止めるための二課の暴挙を後回しにしているためにその議論が用意されることとなった。が、最初は正輝と嶺は二課との間にギスギスしたような感じになっており、話し合おうにも
『我々は確かに正輝君の言い分を聞いた。だが、君の姉さんが無関係な人を巻き込み、かつFISの奏者達や未来くんを殺しかねなかったからだ』
『ふーん…で、俺の警告を信じられなかったってか?なんの冗談だそれ…』
『それじゃあ実力行使で私を抑えたってことは認めるんだ?でもそんなこと正輝が望むわけないよね?そっち側の奏者も守らなくちゃいけないのに、途中で投げ出すつもりじゃない状態だったはずだよね?』
といったような感じに話しを聞く耳は持っていても、不機嫌になっている二人の殺気が潜水艦内で漂っている。そもそもの原因は弦十郎がみんなの命を正輝からは何も知らされていない姉こと岩谷嶺に脅かされるというのならば、そこに巻き込まれている奏者達も同様に危険でもあったという考えからああいった行動を取ってしまったこと。正輝については仲間である彼女らを見捨てることなくなんとかしようとしていた。しかも、身内ならば下手に手を出してしまうよりも彼が姉の暴走を解決し、二課は巻き込まれないように人命救助をしていった方がよっぽど穏便に終われるはずだったのだ。だが、姉のことは全く知らず暴走に巻き込まれているその場にいた無関係な人達や両者側に悪影響を受けている為に正輝の言葉だけでは疑心にならざるおえなかった。従って、正輝の言い分に背いた結果、仲間側だった正輝がいきなり襲撃してきて自分達の首を締めることになるとは思わなかったのだから。
『事件後に後回しにしていなければ、この潜水艦全域の乗組員達に苛まれることになっていたぞ…』
話し合いを持ち込むのがフロンティア浮上中でなくてよかったと二課全員が心からそう思った。二人が殺気を放っている以上、非力な人ほど生きた心地がせずに活力が衰えている。ノイズに殺されないだけマシだったが、それでも姉を抑えようとしてきたことに正輝がブチ切れて、潜水艦内に転移して強行的に乗り込もうとしていたことが原因となっている。
『君には黒沢君の他に仲間がいるのだな。なぜ我々には言わなかった?』
『んなこたぁいいんだよ。問題はそこじゃないだろ』
『分かった…』
二課の方からは襲撃していた時に正輝と黒沢の他に仲間の姿を隠していたことも聞いてきたが、優先順位は必ず姉と二課に回されていた。
互いに感情的になるほどの一方的な話し合いにならない為に、第三者として黒沢が中立側となって話をまとめ、下手に刺激すれば今度は正輝と嶺が札を使って潜水艦内で大暴れしかねないためのブレーキとしての役割も兼ねてのこととなっている。
1日目だけでは当然事は収まらずに話し合いは一旦中断される。事件が終わって二課側からは冷静になっているのかと思っていたら二人とも冷静になどなっていなかった。嶺に対する攻撃未遂をしようとしたことで今後協力する際の信用に疑いを持っていた。姉のことを知って分かった以上、間違っても二度と手出しようとせずに姉に関しては正輝に任せるということを約束したものの。
『ダメだ、俺の言い分を破っておいて何言ってやがる』
『だからと言って、操られていたとはいえ最悪未来君を殺すことを選択するような言い分を全面的に応えるわけにはいかない』
『なら未来って子を生かして正輝を死なせても良かったってことだよね?それに今回の件では響の我儘をちゃんと聞いてるんだから二人の期待に応えるべきだったんじゃないの?』
『そう言っているわけではない!響君が未来君を止めてくれることは了承した。だが、君のお姉さんはまだ攻撃を止むことなく声が届かない上、未来君の聖遺物が解かれてもこのまま止まらないからこれ以上人を殺させない為に』
正輝の姉を人殺しさせない為に止めようと証拠として強行手段で用いた拳銃を見せ、人を殺すようなものは入れていないことを示した。ノイズも散乱している以上緒川や弦十郎が出張るわけにもいかずに遠くに移動してスナイパーを扱える局員を一人か二人用意したのだ。
どれも麻酔弾や催涙弾といったものがあり、決して命を奪って止めるといった意思は全くなかった。民間人が大暴れして無関係な人に危害を加えたり、犯人が人質をとって死者を出さずにするなどといったことで使われる。二課の責任者である弦十郎は嶺と正輝に対する謝罪はしたが、それだけでは二人は欺瞞に満ちており、納得できるわけがなかった。
『俺の姉さんが多くの人を殺させない為?だからその為の強行手段ってわけか?殴ろうが銃を向けようが死なせずにどうにか止めれば何の問題はないって訳か?…どんな理由であれ危害を加えようとした時点でとっくに頭にきてるんだよこっちは』
『落ち着け正輝。君が怒るのも分かるが、何も知らない人からしたらそう思われても仕方のないことだ。それに、姉や仲間のことを二課に言わなかったことも含めてこの事件を起こした引き金ではないかね?
姉は元々この世界に干渉しておらず、連絡も途絶えている状態だったからあんなことになったのも無理はない』
こんな感じに姉や正輝の尖った言い分を二課に突きつけているものの黒沢が二課も正輝側の両者の良し悪しを言っている。
そして、2日目の議論は前日に議論したおかげでスムーズに事が進み、2時間半の話し合いでようやく決着がついた。
話し合いの結果嶺と正輝の二人に対する賠償金は勿論、謝罪と聖遺物を纏っていた未来の映像の取得、そして姉の暴走の引き金を引かせたウェル博士の罪を更に重たくさせるといった四点の交換条件として一応は手をうつこととなった。賠償金もまた酷い額というではなく、許容できる範囲でのもの。未来をシンフォギア装者にさせた根本的な原因は、ロープ陣営もそうだがウェル博士という男もまた原因であること。鏡獣神の聖遺物と正義側による記憶を無理矢理埋め込まれた未来の暴走から正輝の姉の暴走、そして二課の暴挙によって正輝もまた暴走するといった負の連鎖が繰り出されていたのだ。
「…一応これで半分は許したってことにしとく。また次に来るときに俺がさっきの交換条件の再確認をするからな?姉さんもそれでいいよね?」
「ん。分かったよ」
正輝と嶺側も二課のことをまだ許したというわけではなく、またここに戻る時にちゃんとその事項を果たしているのかを正輝が確認する。二課の方に負担があったが、事を穏便に終らせるにしても知らなかったとはいえ姉に対する扱いが酷かったことと、正輝との今後の協力関係による繋がりが破綻することになる。賠償金の理由については敵は.F.I.Sのようなテロリストだけではなく世界外から突然出現する殺者の楽園といった組織まであるのだから正輝達の援助なしでの不測の事態を未然に防ぐことができない。
人材をいくら増やしたところで、楽園やさっきのロープ陣営を相手にすることなどできないからだ。
しかも、不十分な対話と謝罪がなかった場合としても姉弟に向けられた矛先が二課だけでなく装者にも向けられたら当然悪影響となる。もし議論までも一方的に拒否していたのならば、このまま何も知らない状態の未来を嶺の手で潰そうすることも考えられ、最悪今度は装者とも正輝&嶺達で揉め合う羽目になっていただろう。
なお、まとめ役をしていた黒沢は苦労が絶えなかったとのこと。
「…ふぅ、やれやれだ。議論が終えたのならば私は買い物に行かせてもらうぞ」
一方、二課で働いている人達は、正輝の暴走に巻き込まれて多少恐怖していたものの黒沢の活躍のせいで抑えることはできている。暴挙を民衆や他の政府や組織に内密に話すようなことはしていなかった。話したら話したで、二課の愚行さが同時に知られてしまうためにそれこそ二課に属している自分は勿論全員の首を締めることになりかけない。
FISといった組織について
マリアに関してはタワーの件で民間人の目の前で人を殺しているためにどんな処遇を受けているのかを正輝達は知らないが、切歌と調に関しては人の命を脅かしているわけでも、世界に公にしているというわけではないので罪は軽いことは知っている。
大方響達のいる世界での後処理はこれでどうにかなったが、今度は正輝側の問題もやらなくてはならなかった。まず突然として現れたロープ陣営の関係が多々あること、予想外の事態の対応をまるっきり正輝達に任せていた神様。
フロンティアの事件が終わった後にすぐに正輝、竹成、嶺の三人は問い合わせとしてFISの事件が終わった後、二課と話し合う前にすぐに問題点を明記し、メールで送ってたのだ。
すると、二課との議論が終えた頃にようやく三人からメールが来た。神様が問い合わせに対して素直に反応してくれたことにはとても良かったが、肝心なその返信メールの内容が一番問題だった。
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神様より
何日間もの間によるシンフォギアGの問題解決のご参加、誠にありがとうございました。
さて、調査した各部分の問題点について慎重に進めていきました。この事件の問題解決について審議を進めていた結果、誠に遺憾でありますが我々ではご期待に添えない結果となりました。
問い合わせしていただいた内容は、今後のシステムによる改善の為に利用させていただきます。
末筆ながら、貴殿を含む正義側全員の今後のご活躍とご健闘を心よりお祈り申し上げます。
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「…は?」
この内容を見て、三人は愕然としていた。返信されたメールの内容が余りにも突っ込みどころが多すぎて、色々文句をつける部分が結構あったが、特に酷かったのは問題提起に対して何一つ解決しようとしないということだ。ひとまとめにすると、文章を読んだ感想としてこの一言でしか受け止められなかった。
嶺や竹成も正輝の言い分に同意している。文章には綺麗事をただひたすらに並べるだけ並べて、肝心な問題を誤魔化しているのだから。
改善の為だの利用だの記載されているが、今後どうやっていくのかという具体的なことが一切書かれていない。しかも最後の文章には結局のところ神様側は正義側に改善も施しをせずに『お祈り』という言葉だけで片付けてしまい、結局のところ根本的な問題は何もしておらず、対処してくれないことを表している。
このメールで伝えてることとしたら、要するに【予測の事態に対応できないので、君達が対処してどうにかすることをお祈りするだけだから】というものだった。
正輝は半分を読んでいる間はCMバカ神様による新手のギャグや冗談なのかと一瞬思ってしまったが、そのメールの後半を読んでいくうちに段々と不審に思い、最後まで読んだ頃には神に直接合って問い詰めずにはいられなかった。まるでそのメールには相手の感情を逆撫でさせ、遠回しに事を投げてるような内容が込められているかのように。流石にこの対応には憤りを感じており、正輝の船に嶺と竹成の二人を会議室に案内して、すぐさま神様を呼び出した。
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会議室には巨大スクリーンを展開し、面談の席を用意する。携帯を巨大な機器に繋げて映し出す。
『どうしたんじゃ?3人も揃って?』
「…聞きたい事が山ほどある。言っておくが、質問責めだからかなりの時間がかかることは覚悟してもらうぞ?俺達は、あんた達を疑ってるんだからな?」
仲間達はいないが、今度は正輝とその姉の嶺、先輩の竹成が作戦室で正輝の神を呼んだ。
『なんのことじゃ?いきなりひどいこと言うのぅ…何か不満でもあるのか。メールを見たじゃろ』
「あんなゴミみたいな内容のメールで納得できるとでも思っているのかっ‼︎俺達の動向が、未来やロープ陣営に知られていることまでも放置する気かよっ‼︎」
『まぁまぁそうカッカするな。で、疑っているというのは?』
ロープ陣営の存在や、未来に正義側のことについて知っていたこと、メールの内容ことも含めて突き詰めている。
「あのさ、こんな適当なメールで私達が素直に分かってくれると思ってたの?」
『だから…そもそもわしでさえも知らん組織だというのに、どう言わんといけんのんじゃ?』
「知らない?何言ってんの?FISに捕まって聖遺物を纏っていた未来は言ってたよね。
正輝が響を虐めているだの、船に連れて行くだの…今は記憶がないって言ってるけど、確か暴走していた時にはそう言ったんだけど?…なんで未来って子が私達のことを知っているのかな?」
そう言うと早速二課からもらった映像を流した。暴走していた未来の叫びが、話した内容が正義側で行なっていたことを話している。小日向未来は連れていっておらず、船内のことについては何も知らされていない。
『んーそもそも仮に連中と組んだところで、わしらにどんな利がある?選抜した正義側の転生者をこんなことで死なせるなんて集めていたこちらが無駄に徒労するだけしかならんじゃろう。そんな、馬鹿みたいなことはせん』
「…その馬鹿みたいなことが起こってしまったから俺達は猛抗議しているんだけどよ」
正輝に関してはロープ陣営についてはちゃらんぽらんに任せているせいで様子がおかしいことに気づき、嶺の方も何の対策もしていない神に苛立ちを感じている。竹成も今回の件で神の予想外な対応にかなり驚いていた。
「あんな上手いタイミングを仕込むことができるのって、どう考えてもロープ陣営の中に私と正輝の関係を知っている人だよね?人選?何言ってんの?試練編後の一件でもう分かれて対立し合ってるじゃん。そんなにも大事ならなんで横から割り込んで止めようとしないわけ?まるで手引きしているようにも見えるのに…これってさ、ロープ陣営と神様が内通してるとしか言いようがないんじゃないの?」
『なるほどのぉ…正輝達が介入の間に船や自分達の行いについて仲間に言っていることを聞いていたのじゃろう』
「聞いていた?でも船内まで知られてるなんてどう考えてもおかしいよね?
あの暴走した未来って人からは正輝が響を斬ったって言った時点で決定的な証拠。明らかに船内でないと分からないことだよ。しかも、彼女の言った言葉には試練編での船で言ってたことまで含まれているんだけど、それって矛盾してるよね?証言はもちろん、その証拠だって実際あった…この船を提供している神様が私達にとってクロだと思うんだけど」
響は未来には船内でのことは全然口にしておらず、試練編のことや正輝の仲間のことについては黙っていた。だから響の親友である未来が試練編のことについてまで知っているわけがない。
『証拠?証言?いやいや、それはそんなものは何の意味もないぞ?』
「へぇ?なら内通してないって証明できるの?」
『だから内通しとらんと言っておる。
それにわし以外にも方法があるじゃろ。君達の行動を見ていた仲間が反抗的になって、もしくは裏切り者か内通者がおるというロープ陣営と繋がっていた可能性があったかもしれん。逆に考えるんじゃ、わしらを疑う前にまず仲間達に疑惑の目を向けるべきではないのか。酷い目にあっていた響を助けて欲しいといえば、知らない間にその情報を流して与えている可能性もあるぞ。
例えば正輝の言い分に対して苦情になっていた響達とかや、正輝を裏切って空き部屋に閉じ込めている魅杏という女に。そして魅杏を罰する際に不満を抱えていたとか』
「おいちょっと待て、あんた今度は仲間を疑えってか⁉︎」
「正輝、ちょっと落ち着こうか。私だってこれでもイライラしてる方だけど」
今度は、仲間が正義側に不満を持っていたからそこをつけ込まれてロープ陣営のことを正義側には報告せずに隠しているということで神は反論した。
「あのさ、それこそ組んだところでどんな利があるの?
仲間達の誰かがロープ陣営のことを知っていたのなら、この話し合いをする前に私と正輝がその映像を全員に見せたけど満場一致でこの人達を憎んでいたよ。
それと、裏切り者でいた魅杏のことに聞き出そうとしても無駄だから。正輝が響を非殺傷設定で斬ろうとしていた時は船から完全に抜け出していたし、そこに関しては全く知らない。知っているとしたら正輝と響が不仲だっただけ。
だから、あの時の接触はなかった。
特に響達はどう考えてもありえない。
情報を渡したところで、こうしてロープ陣営がFISって人達と共に正輝達や二課に襲って来た。そしたら、その響達の誰かが実はロープ陣営のことを知っていたって正輝に言うはずだからね。
だって、赤ロープが響の腕を切り落とそうとしてたり、青ロープはスカイタワーでキメラ召喚して多くの人の命を脅かして、恐怖に陥れたし。
だから、こっちの仲間に対して私達三人からの疑惑の目はなかった。なのにそっちの返事は仲間を疑え?…むしろ矛盾ばっかり言ってる神様達が私達にとっての裏切り者じゃないの?」
『裏切り者が複数いるという可能性だってないこともないじゃろ』
「だから、何で裏切り者とかっていう話になるわけ?こっちには裏切り者はいなかったっていう確かな確信があったし』
嶺の返答に神は何も言おうとはしない。
喋らずだんまりになっている。
「おい、なんとか言ったらどうなんだっ‼︎」
竹成が反応しろといってもそのまま喋らずに長い時間をおいて、神様はようやく話した。だが、
『この組織は神の支えがあり、この正義側の人員はその援助のおかげでこうして生きておる。彼らと組んだところで君達を陥れる道理がそもそもあるはずがない』
「…はぁ?」
正輝側からは裏切り者かどうかの話をしているのに、急に話がすりかえられてしまった。話がすり替えられたという以前に、本題から全くズレたものになっている。
『全てはこちらの恩恵のおかげで、定められた運命を変えることができている。
惨劇な運命を、救済として導くことを是としている。わしらの道を阻もうとするロープ連中の目的は不明じゃ、だからこそ君達は負けてはならない。恐れてはいけない。屈してはならない。
正体不明の存在が登場しても、君達の中に抱いている【決意】を強く持って闘わなくてはならない。
君達は根本的に間違っておる。提供しておる我々が君達を陥れるなんてことできるわけないじゃろう。もしこちらが裏切り者で組んでいたのなら、大勢の死亡者が出ているはずなのだから。分かるじゃろ』
「おい…神様よ、さっきから何を言ってるんだ?」
神が裏切り者ならば大量の死者が出ていると言ってはいるものの、正輝達からは誰のおかげで生きていけると思っているんだというような感じにしか受け取れなかった。
「まさか、冗談でそんな事を言ってるつもりなのか?」
嶺は睨んで冷淡な態度を取っており、正輝はこんな事態なのに神が拍子抜けだことを言いだして口を開けたまま呆然としている。いつものCMバカ神みたいな対応をしていることに頭が回らず、酷く混乱していた。
『どうしたんじゃお前達。そんな、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして?敵側である楽園を駆逐していくこそが使命であり、悲劇を変えるのもまた使命じゃ』
「あの、いや…そうでなくてだな。神様よ、さっきから話がズレてるぞ」
不穏な空気になっている中、竹成が何とかしようと神様の説明ではなく本題に仕切り直そうと試みた。
が、それも無意味だった。
『話は最後まで聞くと言わなかったか。上の空になってはいかんじゃろ。
殺者の楽園だって止まることをやめない。
こちらも止まることを許されない。
そして…こちらの存在と君達正義側メンバーということがあって正義側は成り立ってい「おいっ‼︎」』
とうとう、正輝が神様の長々とした説明に横入れをした。正輝の表情を見ると、完全に頭にきている。
「上の空になってんのは、紛れもなくテメェだよっ…‼︎」
寝ぼけているわけでも、ましてや空耳になっているわけでもない。三人とも真面目に聞いて正輝と同じ反応をしている。
『ん?なんじゃ?ワシが何かまずいことを言ったの「…さっきからこっちの本題をずらしたり、はぐらかしてるだろうが!さっきからあんたらの勝手で自己解決しようとしてるよなぁ!俺達には無関係ないことをグダグタ言ってるだけで肝心なことは何一つ解決してないじゃないか‼︎俺達にとって必要なのはそんな長々とした言い訳まみれの詭弁じゃなくてロープ連中に関してあんたらが俺達を支援する気があるのかっていうことと、裏切りではないっていう証明が必要なんだよっ‼︎」 』
神様は裏切り者の話をやめて正義側の存在意義を話すことによって正輝達を納得させようとしているが、そんな話はロープ陣営と繋がっていることの説得にはならず、正輝の言ってる通り詭弁以外の何物でもなかった。
『…正輝よ、自己解決とは失礼じゃぞ?
それとわしらがただ単に無駄に言ってるわけではない。わしらの無罪を証明するためにこうして、わしらがいる意味と君達の存在意義を明白にしておる。これは互いの為に必要なことなのであり、そしてさっき話した内容は全て不要なことではない』
「だから俺達からしたらあんたらの言ってることが詭弁だってそう言ってるんだ。それが何でわからない…‼︎」
側から見たらまるで話の本筋とは全く違う根拠を上げて、自分達の行いを正当化しているだけだった。
(駄目だ、この神様…この一件に対して解決しようとする気が見えない)
これ以上問い詰めても、何か出てくるというわけでもなく結局話すだけ時間の無駄にしかならなかった。
「知らないってだけで、しかも俺達に押し付けて…いい加減ふざけるのも大概にし「…もういいよ。ねぇ、神様」」
『なんじゃ?』
「色々とこっちも釈然としない事が多々あるんだけど…そもそも、殺者の楽園の介入がないという連絡と同時にロープ陣営の投入…まるで他の第三者の介入が分かっていたような展開から始まったんだよね?
なら、もう私達勝手に対策立てても気にしないよね?神が何もせずにロープ陣営の対策は私達に任せるのなら、当たり前じゃん。だったらこっちの考えでどうにかするよ。それでこっちの策略を知っていたら、もう神様とロープ陣営が繋がってるって認識せざるおえないからね」
神がこんな大雑把な対応をしていることに嶺も頼ることを諦めた。嶺は神を信用せずに対策はこっちでやるけど、対策や策略を漏らすようなことになればそれは神とロープ陣営の繋がりができていると忠告した。
『…まぁ事態がそこまで来ているのだから仕方なしじゃな。そこに関しては君達の自由じゃ』
「何悠長なことを言って…」
『なんにしても、ロープ陣営の企みに相対する君達は彼らも楽園と同様にして倒さなくてはならない。
困難だが、それも試練だと思いつつ抗うといい。それじゃ、わしらは君達の活躍を祈るぞ』
こうして神からの話は終わった。終わったというより、本題が未解決なまま神が無理矢理切って終わらされた。
*****
神様のメールの内容と話からしてもうこれ以上何を期待しても無理なのだろうと正輝達は考えている。確かにルール上に異端者も出て来ると言った注意喚起が基づいたものが存在しているが、もしも彼らが転生者であるのならどう考えてもあれは正義側のルールを完全に無視している常軌を逸したイレギュラーだ。しかもそれを、神様は対処もせずに放置というようなもの。
「巫山戯てやがるっ…」
「最後の最後まで祈る、か。ほんっと…他人事のように言ってくれるな」
3人は不安要素だらけなまま先のことをどう乗り越えていくか真剣に話し合っていた。連中がこちらの邪魔をしてくるわけなのだから、見過ごすことなんてできるわけがない。
「俺の方も神に言ったんだけど、全く応答が来てないんだ」
「こっちはおもいっきりはぐらかされて、先輩のは応答無しか…」
「…私のはその話題について話そうとしたら急に強制遮断されて会話すらできない。だからこっちに来たんだけど」
正輝以外の他の神様の対応からロープ陣営に関しては、真面に話すこともままならなかった。
「神が何か隠してるのは確かなんだよな。どうであれ、ロープ陣営と神様の繋がりは考えられるかもしれねぇ。正輝と嶺の関係を知ってなかったらあんな作戦は絶対に成り立たないからな。しかも、響達は試練編の内容までその親友の未来には言ってなかったのに、ロープ陣営と通じて知った可能性があり得るな。それだけじゃない。今回現れたロープ陣営もそうだけど他の3人の正義側だって何とかしなくちゃいけないってのに…!それなのに何から何まで全部俺たちに任せるってそりゃおかしすぎるだろっ⁉︎」
「まぁ神も俺達が何しようが別に咎める気は無いって言ってたから俺達が自由奔放でも気にしないんだろうな。でもよ…その俺達の自由って俺達以外の他の3人の所業に対して何とも思ってないし、黙認している。今回の件で、それが浮き彫りになってる…何考えてんだ」
竹成の言う通り、今までずっと世界に介入して助けたり仲間に入れたりしてきた。だが、正義側に属しているリーダーがそこまで大事なら4thの麻紀や2ndの綺羅、1stの三人をどうにかしなければならない。
「…何も考えてないと思うよ。このままいっても、またあんな感じにどうにもできなかったから君達でまた頑張ってくれって返されるだろうし。大事にしているかどうかは半分くらいだと思うかな。
本当に大事じゃなかったら船のサービスなんてないし、生かされているって感じだと思うよ?」
「気掛かりなのはあいつらと俺たちの実力差が大きいのに俺達をすぐにでも殺そうと襲撃する機会はいくらでもあったはずだ。それなのにいつも襲ってこないってことはそういうことだよな…そして青ロープ以外は殺気がない状態で襲ってきたこと。そして、あいつらも俺達と同じように物語をおかしくさせることに遠慮がちでいたことだ。まさか、ロープ陣営に関することは神にとってはタブーなのか?」
「そうとも言えるし、言えない。てゆうか、前々から何か怪しいことは規約の時に分かってたから」
竹成は首を傾げており、正輝は一応姉にどうしてそう思ったのかを聞くために質問した。
「どういうことだ?」
「えっとね、世界に介入する前の神様の説明の規約から説明するよ。正義側ってグループは世界に介入して運命を改変させたり、私達以外にも介入してくる殺者の楽園を倒さなくちゃいけないんだよね?
でも楽園と戦う際に正義側の中に人殺しが絶対にできない転生者だったら?その人に殺人を強要するわけ?メンバーだけならまだしも、そのメンバーまで人を殺すことに恐れている人達だったら詰むよね?」
殺者の楽園を駆逐するということは、条件として人を殺せることを前提にしなくてはならない。それは事前に知っていたが、当初はそのことをまだ疑問には思わなかった。
「俺の意見としてはそうだな。説明を聞いた時に始めは俺や、姉さん…麻紀のような感じで楽園を倒す為の適した転生者の人材を選抜してるんじゃないかなって思っていたし。
でも、まさかな…流石にそれはないだろ?だって2ndの綺羅や手を組んでる1stだって殺す気で襲ってきただろ?
そもそも属しているのは戦えれる連中ばっかりなんだ「確かに私達には敵と戦えれる人達ばかりが集められるけど、その中には人殺しができない、或いはしたくない人だっているんだよ?例えば麻紀側にいる当麻達とかが良い例だよ」…」
正輝側にいるセイバーやアーチャーも彼らの生き様にあった武勇伝や勇姿には結局【殺し】というものが存在している。戦場だから、悪だから、どんな根拠であったのかは人それぞれなのだが、だからこそ殺者の楽園の敵兵を殺すこともできたのだから。彼らが自分達を殺そうとする敵だからと言う理由で倒してきたのだから、そこに善も悪もない。英霊の方は人を殺していたということを経験しているからこそ成せるものなのだ。だからと言って、セイバー達はただ自分の私利私欲の為や楽しいからという人の命を弄んでいるというような下衆なやり方はしていない。
対して麻紀の仲間を例とした上条達は根本的に人を殺めることができるのか。否、そんなこと不可能だ。むしろ殺人そのものを断固として拒否するだろう。
美琴や黒子、インデックスの三人も当麻と同様にその手を血で染めるようなことは絶対にしない。それは、唯の高校生や中学生に殺人を犯せと言っているようなものなのだ。
「…そもそも私達が正義側同士で戦うメリットってあるの?」
「殺者の楽園が本来の敵だからメリットはまぁ無いな…んでも、レイナーレとリアスとかの問題とかで揉めることはあるだろ?俺と麻紀のような言い争いとか」
リアス達とレイナーレ達は悪魔と堕天使で対立している。一番の問題は世界に介入し、その世界の人物を仲間にしたとしても対立関係になっている状態だから麻紀と正輝のように戦う羽目になったのだ。
「でも命の取り合いとかにでもなったら流石に人が大事だと言ってる神様は注意喚起するよね?本当に私達の命が大事にしているのなら、戦いの際に割り込んででも神が強制的な意味で止めようとしてくるはずだよね?
だってさっき勿体無いって言ってるわけだし、でも今回のことで言ってることとやってることが矛盾してるよね。響やまどかのような主人公を無理矢理連れて行くような規約を作ったけど、それだって私達の苦労を増やしてるし逆効果だよ…試練編だってよく考えると不自然だよね?連絡も無しに唐突に都合よく変えようとしてるあたり、まるっきり怪しいでしょ」
正義側との争いこそなんの得があるのか。敵側である殺者の楽園に正義側同士の戦いに割り込んできたら確実に混戦状態に陥る。正輝の試練編も規約として出していたが、それは正義側を陥れるようなものとなっているのだ。
(それに…あの正義側二人の殺意だってさっきのロープ陣営や神様に誘導されていたとかっていう線もあり得るし…まぁ、そうだったとしてもあの時に正輝を殺そうとしてきた時点で二人は許さないし、同情もしない。見つけ次第徹底的に叩きのめす。
少なくとも神様が直接手を下そうとしないだけ幾分かマシかもしれないけど)
(要は、俺達で神が見つけられない場所を探して対策を立てよう。拠点にしてる船の中じゃ間違いなく無理だ…つまり、こっちの神の管理外に行って計画を立てていくしかねぇってことか。
嶺のことはあの件で俺やライダー達も警戒しているから、協力は難しいかもしれねぇけどよ)
(俺達でこの状況を変えていくしかねぇ。今敵対している正義側三人、敵組織の殺者の楽園、今回また新たに出て来たロープ陣営…そして隠蔽だらけの神様かよ。
もう、どうなっちまうんだ?)
三人とも考えてるうちに、どれもこれも厄介なものばかりだった。
(俺(私)達だけでもどうにかする(するしかないね)しかねぇ…)
正輝達に敵対している正義側三人は次接触する前に何かを企てており、そして彼らと正輝達は最終的になのは達のいる世界で衝突することとなる。敵側の殺者の楽園も世界を回るごとに段々と強くなっており、もう正義側のリーダー(正輝など)だけでは倒すのも難しい敵も出てくるかもしれない。ロープ陣営も段違いな破格の力を持っており、正輝と仲間の力を持ってしてもうち負かすことができなかった。そして神様はそのロープ陣営については余りに不可解なことばかりしか言わいためにこうして正輝達は疑いの目を向けている。その神様達を欺いてロープ陣営の対策を考える方法も考えなくてはならない。
正輝達の三人の抱える問題は山積みになっていた。
Q
今回もう謎ばかりが多すぎるし、そのせいで神様の返信メールが悪戯に事を悪くしていってるような…
A
メール内容を参考にしたのは、就活でよく言われているお祈りメールです。不合格の原因なんて細かいことは書かれてるわけがないため、この文章をこちらで活用させていただきました。正直、お祈りメールについては快く思っておりません。だって結果待ちとしてその通知を何回見たことか…ご縁がなかったとしても気が滅入りそうになりますよ。
例えとして言うならばアニメこのすば2期の9話…子供がカズマにどんな名前なの?って言いつつ、渡されたアクシズ教団への入信書を思いっきり盛大に破って『クソったれぇぇぇっ‼︎』って叫びたくなる…そんな時がありました。
でも、選考と内定辞退とかにそういう文があるから人様のことをとやかく言える立場じゃないと思うのでどっちもどっちですね。
それと、ゲームとかで問い合わせする時に返信でお祈りメールのような内容で返されることをしてきたらムカつくね?という感じでこんな風にしました。
Q
このストーリーの展開が凄いことになってきましたね。シンフォギアG編で神やロープ陣営のことで浮き彫りになってきたわけですけど。今回の話はかなり重要な部分ですよね。
A
特にシンフォギアとリリカルなのはの方が重要なイベントが結構多いです。
面倒な正義側(1st&2nd&4th)
元々敵対する組織(
正体不明のロープ陣営(現時点で赤・青・黄の三人)
正義側の神様(ロープ陣営から正輝と響がいがみ合っていた記憶を与え、怒り狂って暴走していた未来の言葉から実は神とロープ陣営が繋がっているという疑惑?)