Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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57話悪夢

前回、ロープ陣営のことで何も対処しなかったことと、今後の対策の二つが終わってない部分もあるが、やれるだけのことをすることになった。正輝は響、クリス、翼の三人に新しく来た仲間を紹介し、嶺と竹成の二人でSONGのところへ向かっている。

 

 

「セイギノミカタデスッ‼︎」

 

と言ったように平坂黄泉は紹介して側から見てコスプレのような格好(変身魔法)を身につけて紹介している。彼についてはタワー事件で大暴れしていた青ロープとの際に正輝の言い分無しに勝手に動いていた。彼の行動には未来日記でそう記されている為に、正輝が何も言わなくともその指示通りに動いてしまう。なぜなら、その未来日記こと正義日記は彼自身の考え方であり価値観であるのだから。もしも宗一郎が助けてなかったら、最悪青ロープの手によって未来日記のにDEAD ENDという形で録音されているところだった。

「ホント、お前の言った通り変わった奴らばっかりいるな…特に性格に関してだけど」

「まぁ堕天使や、魔法少女が仲間にいる以上もう何も驚かないが」

クリスも翼も、正輝が新しくいる仲間には自分を含めて変わった者ばかり入ってくるために3人とももう何も驚かなかった。

平坂黄泉は正義としての武勇伝を語っており、美神愛と戦場マルコというカップルを仲間にしている。秋瀬或という少年や、人間に似た艦娘という少女が加わっている。響と黄泉の二人は話してすぐに共感しあっている。

秋瀬、マルコと愛の3人は一応顔を合わせ、二人に挨拶だけして終わらせている。秋瀬と浜風はまどかと同様に戦うことができずに非戦闘員となっている為、やれるだけのことをしており、美神愛や戦場マルコ、平坂黄泉の三人は一応戦えるが、正輝達のような頻繁にいつでも戦えるというわけではない。いくら未来日記があるとはいえ生身の人間の状態で、対人戦ならまだしも化け物相手に真面に戦うなんてことできないのだ。基本的には、調査や船の管理、正輝の書類の手伝いをしている。秋瀬は神の言動や、ロープ陣営の証拠証言による調査の協力を任せている。

 

「正輝、さっき神と話していたそうだけど…これからどうするつもりなの?」

「どうするも何もな。とりあえず響達に新しく来た仲間を紹介して、キャスター達二人にも話さなくちゃいけない。

 

それにクリスと二人っきりで話さないといけないこともあるからな?対策はそれからだな」

 

切歌と調の二人は響達と同じ学校に行くことになる予定になっている。彼女達に関してはマリアのようにテロリストとしてテレビに出たというわけではない。

 

(調と切歌…彼女達二人に関しては、学校で平穏に暮らすってところか?)

 

リンカーで適合率を上げて、二人がまともに戦えるわけがない。いくら装者とはいえ小さい二人にも薬漬けにして死期を早ませるようなことを大人がするとは思えなかった。

 

なお正輝と嶺、二課とのいがみ合いに関しては【表面的】に何もなかったということにしている。響があんな笑みを見せているのは、正輝と二課との関係を全く知らないからだ。こうして仲間を紹介している間に、正輝にはまだやることがあった。

 

「…遅くなったな。宗一郎とキャスターの二人だよね?」

「そうだ。岩谷正輝」

(名前と顔と原作の記憶だけは覚えてるんだよな…でもその世界に俺が介入してどう変えていったのかが抜けてやがる)

 

タワーで助けてくれたキャスター陣営の二人と話していくことだ。あの時は忙しくしており、ゆっくりと時間をかけて話す余裕がなかった。ロープ陣営という難敵集団に、FIS事件が終わってもまだ山積みになった問題を抱えていたのだから。

 

「ちょっと質問していいか?二人とも俺のこと覚えてる?」

「ええ、勿論よ」

 

二人もまた記憶を覚えていた。なのに、士郎達四人が早く来ている場合だと記憶が曖昧になっていた。

 

「マジか…桜や小次郎、ライダーの三人も知っていたのになんで俺だけ…」

「記憶が無いのか?」

「無いも何も、そういった覚えがないんだよ」

 

 

後の手順は未来日記の人達を勧誘したと同様に話し、キャスターと総一郎の二人は救出も怪物退治も両方できる(ただし、戦場マルコと同様に二人一緒が条件)とのことで話がついた。後はロープ陣営の対策についてだけ。

姉のことについては二課に向かっている以上、今後協力してもあんな暴挙なことはしないだろうと正輝は安心して船に戻り、ベッドに入って目を瞑った。

 

 

*****

 

 

「あれ?ここどこって…っ⁉︎」

正輝は目を覚ますと周囲を見渡すと死体がそこらじゅうに散らばっていた。民間人は勿論、軍人、警備員のなどの人達が倒れている。硝煙の匂いと血の匂いが混ざり合い、ここで何かと戦っていたことがわかる。

 

『あっ、あぁぁっ、ああぁあぁぁぁあああ‼︎』

「⁉︎な、なんだっ⁉︎」

 

見覚えのある青い髪をした防人の少女、風鳴翼が自分の手で刀を胸に突き刺していた。渇いた叫びと血涙。翼が睨んで向けている怒りの矛先は、目の前にいる男に向けられている。

 

防人として守る筈の剣は既に、彼女だけではなく他の人の血で染められている。その男が盾がわりにした人や、無関係な人までも男が殺して飛び散ってついたものだ。

 

「翼っ…⁉︎」

『貴様は…そんなにも勝ちたいかっ…そうまでして私達を陥れたいのか!私がっ…たった一つの想いを踏みにじってまで‼︎』

『下らんな。一対一決闘なんて俺にとっては必要ないだろ?』

 

彼女が守るべき人は大勢死んでおり、惨状は悲惨なものだった。一人だけが生き残って、後はもう死体という名の残骸だけが残っている。

翼のいるところだけが、血の匂いがきつく漂う。

『こんなことをして、貴様は何も感じないのか!何一つ恥じることもないのかっ!』

『所詮、モブキャラだろ?どうなろうが知ったことじゃないし、いちいち気にしてたらキリがない。

人口は放っておいても増える、倍々ゲームのように。癪に触るだけ時間の無駄だし、お前のような連中はこんなことが起きるたびに寿命を縮ませるだけ。それに、お前は俺を相手にちゃんと守りきれたのか?無力なこいつらをちゃんと守りきれてなかったよな?

 

何にも守れなかったな、仲間も、そこに這いつくばっている民間人も。

お前の持っている剣はただの棒切れを振ってるだけか?あぁそれとも、聖遺物が問題でないのならお前自身が今まで無能だったことか。ずーっと民間人を守っていると思いながら防人という実感を得ただけで、実際は単なるチャンバラごっこの感覚で戦っていたのかもな…その結果がこのザマなのも理解できる。

でも、もうお前のやっていることは防人じゃなくなっちまったな?

だって、目の前にあるこの現実が物語っているんだ。

テメェは力を持っていながら、何も守りきれなかったんだから』

『黙れぇぇぇっ‼︎』

 

男は落ちてある死体の頭部を切り落とし、それを拾って見せる。

翼が守るべき民間人を、彼はモブキャラだと吐き捨てられた。

 

『許さん…絶対に許さんっ…!我々だけではなく、理不尽な暴挙によってこの世界を崩落させ、仲間だけではなく無関係な…罪のない人達にまで手を出し、正義そのものを汚し、貶めたっ…‼︎

殺戮を繰り返す貴様らに災いを…災厄をっ!そして◼︎◼︎◼︎◼︎っ‼︎いつか貴様の終焉が…仇討ちで殺され、地獄の釜に飲まれてゆくそのときに…私の、この風鳴翼の怒りを思い出せぇぇっ!』

『どうでもいいよ。そんなの』

風鳴翼は血涙を流しながら、苦し紛れに大声で叫ぶ。聞く耳を持たない彼は指を鳴らして上空に大量の剣、槍を出現させる。頭上から降り注がれる武具の雨によってことごとく翼は滅多刺しにされ、動くこともままならないなら死んでいった。

「⁉︎今度は何だっ‼︎」

翼と男は消えて、今度は正輝の背後にスポットライトが当たる。今度はクリスが対抗しようとイチイバルで戦っていた。しかし、雪音の奏者の格好は明るい赤色のものではなく、赤黒く染まっている

 

『パパ、ママ…なのか』

「おい!クリス…っつ⁉︎」

正輝はクリスの方に向かおうと動くが、スポットライトの外側に出ることができない。正輝の持ち物はなにも持っておらず、投影魔術も使用できなかった。

 

クリスはまるで驚いた顔をしているかのように目を丸くしていた。だが、クリスの見ている両親というのは、出来のいい人形が二体そこにあるだけ。

 

正輝に見えても、彼女には見えない糸で操作されている。

 

「クリス!それは両親じゃない!頼む、気付いてく」

 

いくら叫んでも、雪音クリスは耳を貸そうとはしない。それどころか正輝の方に顔が向かなかった。最初はクリスの母親が隠し持っていたカトラスで刺す。腹部に刺されたクリスは人形だと気づくが、父親はポケットにある拳銃で撃ち殺した。母に刺され、撃たれた雪音クリスは絶望した表情で死んでいく。

 

「なんだ、一体何なんだよ…これはっ⁉︎」

 

その人形からカチカチと音が鳴り、遺体となったクリスごと爆発した。人形ごと身体がバラバラになり、跡形もなく消えてしまった。

次から次へと展開が変わっていることに理解できずに頭が追いついてない。場所も人もコロコロと変わり、シーンごとにクリス、翼が殺されていったのだ。

 

そして、また場面が変わっていく。

辺りは炎で囲まれており、炎の中に二人の男女がいた。その男は翼とクリスの二人を殺しており、彼はもう一人の女の襟を掴み、大声を上げて叫ぶ。

 

ーーーお前さえ…お前がいなければ!こんなことにはならなかったんだっ‼︎

(⁉︎急に身体がっ…⁉︎)

 

正輝は気分が悪くなって倒れ、視界が突然悪くなる。その言葉を最後にテレビ画面に映る砂嵐となってしまった。

目が眩んでいたために、その男が一体誰を掴んで、大きく口を開いて死ねと言ったのは分かったが、そこから先はもう分からなかった。

 

*****

 

目を再び開けるとまだ寝ている状態のままの姿勢になっていた。さっきの夢のせいで悪寒で震え、上半身に鳥肌が立っている。ベッドの置いてある時計を見てみると4時間ぐらいしかまだ眠っていない。

 

「…クソッタレが」

 

仲間が無残に殺されて死んでいく、余りにも酷い夢だった。

 

翼は仲間を守るはずの劔なはすが、人を斬るだけではなく自分の身体に突き刺して自害し、雪音クリスは父母だと錯乱し、ツギハギな人形に抱きつく。そして、人形師が二人を操ってクリスを射殺し、絶望したまま死んでいった。しかも、遺体ごと爆散させて。

 

そして最後は彼が誰かの女の襟を掴み、首を締めようとした。

「昼寝して休もうと思ってたはずが…なんてもん見ちまったんだよ。休んだ気にならないんだけど」

(マスター・オブ・ザ・リンクの影響じゃないんだろうな?)

 

 

まだ鳥肌が立っている。夢とはいえ仲間が惨たらしく死んでいくのだから、思い出さないようにしている。マスター・オブ・ザ・リンクが原因だと言っていた理由は、クリスや響の過去を見ることができていた為に、上手くいっているのだ。

 

そうでなければとっくに正輝は響のことを見捨てている。

「二度寝するか…」

正輝はまたベッドに横たわってそのまままた眠ることにした。

 

*****

 

午前中は正輝、嶺、竹成の3人で今後の対策のための会議を始めた。二課や未来、ロープ陣営の情報から自分達の神に疑いの目を向けているものの、神に関しては確かな証拠も出ることなく、はぐらかしているだけで終わる形となっていた。

赤または青ロープについての戦力差についてはまだ打開策が見つけられず、黄ロープの対策については竹成からデバイスを借りたことで妨害を防ぐことができるが、一つしか持っていない。

 

話し合いの末に出した答えが

 

「最終的に神が見ることも聞くこともできない場所の散策と先輩が持っているデバイスの作成と、各リーダーに配布か…」

 

一つ目は、竹成が持っていたデバイスの量産化を嶺が頼むようにしたが、その実現には高い技術力を用いた人材と、作成する長い期間が要求される。

元々そのデバイスは貴重であるために、数がごく僅かなのだ。

正輝達にそんな高性能のものを作れる技術者は誰もいない。二課にでも頼めば作れるかもしれないが、万が一の時にそこを楽園やロープ陣営に襲撃されるかもしれない為結局のところ自分達で作り上げていくしかなかったこと。

 

もう一つはロープ陣営の対策についての話も重要ではあるが、会話できる場所が必要であること。船で普通に話しても、神様がロープ陣営に情報を渡せば立てた対策も意味をなさない。神が内通している事実が発覚したとしても、神がバラすだけバラしてくるのならばどうしようもならない。ヘタリアの時のように、神の管轄外の世界に介入して立てる必要がまずあった。

 

会議を終えると正輝はクリスと話したいことが山程あった。

「大事な話があるんだ、クリス。今日の午後って空いてるか?」

「あぁ、空いてるけど。話ってここじゃダメなのか?」

「二人きりで頼む」

今までずっと忙しかったため、正輝は二人きりの時間も兼ねて一対一で話そうと考えていたのだ。

 

場所を喫茶店に移動して、椅子に構えて語り合っていた。

「さてと…お前がなんであの時裏切ったのか、翼に聞かされたし。俺がみんなにクッキーマンのことも話したしな。

確かにお前が一人でFISに行ったのも頷ける。ソロモンの杖を起動させたことが、きっかけだったんだろ?

 

 

でもよ、なんで…俺に黙って行ったんだ」

正輝は哀しい表情になっている。フィーネと組んでいた頃はずっと一緒になって戦ってきた。試練編の時も助けてくれたはずだが、クリスがソロモンの杖を探す際に、正輝に声をかけることもせず、呼んでくれなかった。

 

「お前個人の事情があったのもわかる。ソロモンの杖を起動させたのはお前なんだろうし、その杖を使ってノイズを召喚して襲っていたんだからな。

 

俺の方は忙しかったからさ、本人のお前に聞きたかったんだよ。

 

それにさ、そのことで全部が全部悪いってわけでもないだろ?そんなに俺は…俺達はお前にとって頼りないか?こんなこと言えるのは、フィーネとお前で…一緒にやってきたからだ。俺が過去のことで暴走していた時は、お前は俺を二度も助けてくれた。お前が絶唱を歌って月を命懸けで守ろうとした時、俺は助けた。

 

お前には父親と母親が生きている。俺を巻き込みたくなかったと言われても…もしもお前を死なせてしまったらせっかく助けた父親と母親の二人に合わせる顔がねぇよ。俺や、響達が大事なのも分かるけど…それはかつて俺が暴走していた時と同じように一人で解決しようとしてしまうのと一緒だ。一歩間違えれば自分も、仲間も殺してしまう」

 

正輝の仲間たちは聖遺物以外にもいろいろな技術も持ち得ている。

クリスの両親が奇跡的に生きていたとしても、ウェルが爆破装置を起動させてクリスを死なせることとなれば正輝は大事な人を守れなかったという自分の無力さを嘆いてしまう。

 

正輝がこんなことを言っているのは、かつて試練編で正輝が一人でずっと隠し通していた結果、海鳴市にいって英雄殺しとして大暴れしていたからなのだ。だからクリスにも同じようなことにならないでほしいと言っている。

「私自身みんなにも、正輝達にも本当に勝手なことをしてすまなかったと思ってる…でも、もし正輝がウェルやマリア達の条件を聞いたらさ…お前、間違いなく私のことで怒って駆けつけると思ってさ。

 

ウェルが私につけてただろ、爆弾を。

 

私はさ、正輝を信頼してるからこそ、起動させたソロモンの杖のことでお前を巻き込みたくなかったし、ロープ陣営の件で話しづらかったからさ」

「…巻き込みたくない気持ちがあるのは分かるさ。俺もそうだったんだからな。でも、抱えている問題をお前だけじゃなく俺達にも背負わせてくれよ。俺だって試練編でやらかしたんだし」

 

試練編で正輝が抱え込んでいたせいで響を非殺傷設定で斬りつけ、仲間全員を不安にさせていたからだ。正輝だけではなくクリスにまでそんな思いをしてほしくないと思っている。

 

しかし、クリスはジト目で正輝をみていた。

 

「そういうお前だって、みんなに黙ってクッキーマンをFISに忍び込ませただろ」

「…あれは仕方ないだろ。事故みたいなもんだし」

 

正輝も試練編と同様に自分で解決しようとはしていた。が、一応アーチャーなどの仲間達には話しているために、全てを背負うというわけではないために、姉に叱られるといったことはそんなになかった。

「まぁ話してくれたおかげで私達は納得はしたけど、私のことを比べてもどっちもどっちだからさ?そっちだって捕まったら何されるかわかったもんじゃねーってのにお前だって勝手なことして。ついでに聞くけどさ、ウェルが爆発させたら…お前はどうしてたんだ?」

「たとえとお前が大怪我して奇跡的に生きれたとしても、絶対に俺はあのクソ野郎を間違いなく殺していた。

 

最愛を無残に殺そうとした張本人を俺が許せると思うか?あの時考慮していたのはお前が死んでいなかったからだ」

「そっか…やっぱり相変わらずだなお前」

(あたし、生きててよかった。あのウェルの野郎を許す気はないけど、これ以上二課との関係に溝が出るのは望んでねーからな…それに今の所はあの馬鹿とも大喧嘩にならずに済んでるし)

クリスを死なせるようなことになれば、必ず激情するのは目に見えている。ウェルを生かさずに捕らえるという約束をかなぐり捨てでも、嬲り殺しにするだろう。FISの事件では正輝が響に対する叱りや互いにいがみ合いが無いどころか、フォローしてくれているために響のことに関しては安心している。

「俺だってお前とまた会ったら二人でのんびりとこうやってしていたかったんだぞ。それなのにクッキーマン連れてこられて、ロープ陣営が出現して滅茶苦茶忙しくなるとは思わなかったんだからな?」

クリスは正輝達に少し、距離を置いている自分がいたことに気づいてしまった。彼女にとってはさっきまでずっと一緒にいた正輝が、どんどん遠ざかっていくような気がしてならなかった。

 

「シンプルに言えばお前が大事だから決まってんだろ」

 

フィーネと共に暗躍していた頃、彼自身の過去で苦しんでいたことも、彼の恋人になったことも。けれど、クリスが久しぶりにあった正輝と出会って自分よりも格段に成長していた。

 

クリスとの一対一の話を終えつつも、それ以降は二人だけの時間をのんびりと過ごしていた。

遊びに行ったり、買い物に付き合ったりしている。

 

(許せないって気持ちは分かるんだよ…それにあいつら(正輝と仲間達)がいなかったら今頃あたしらは…けどよ)

 

今回の件でロープ陣営という存在に何度も挑んで、返り討ちにされてはいたが、正輝達が協力しなければクリス達の実力だけではどうにもならなかった。更には響のことだけではなく、二課とトラブルになったこともあったのだ。

 

クリスと翼の二人だけは姉の扱いのことで二課と大喧嘩していたことを聞いている。正輝と姉に関してはやり過ぎな部分が多い分、それが裏目にでるんじゃないかという心配があった。

 

(なのに、どうしてこんな気持ちになっちまうんだよ…)

 

まだ未解決になっているロープ陣営のこともあるが、このままもしも正輝が二課だけではなく響達と意思疎通が合わずに、これ以上ないくらいにすれ違い、亀裂を生じたままそのまま離れてどこか遠くへ行くのではないのかと正輝の背中を見ながらも、そんな複雑な気持ちが心の中で渦巻いたままでいた。

 

 

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