Justice中章:歌姫と蘇生と復讐と   作:斬刄

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66話やるもやらないも君次第

美遊達は正輝を連れて行かずにそのまま最後の敵を倒しに向かっていった。黒正輝については英霊を倒そうとしている間に正輝だけではなくイリヤも狙ってくることもあるために、もし襲われそうになったことも考える必要があった。まず

 

「夜道に背後から狙われたら危険ですわ」

「あーうん。分かったよ」

 

正輝には既に夜に外出することを禁止されている。もう戦うことなくなったためにルヴィアに買い物、広い部屋、風呂場の掃除を朝からやろうとする。が、

「これ、俺いらなくないか?」

「家の中はやっておきますから、貴方は残りをお願いします」

オーギュストこと執事の方が頼まれる前に既にほぼ済ませており、外でやる事をやるしかなかった。買い物も指定された場所で買うこととなり、どれも高級食材だった。

(よくこんなの買えるなぁ…)

破格の値段に驚きはするものの、それらを店内用のカゴに入れていく。食べ物以外にも必要な品物を買いに行くが近かったり遠かったりと徒歩で行くのは普通の人だと脚が辛くなる。転移も人目があるから出来ない。しかし、

(船の仲間の管理をしているんだから、これぐらいどおってことないな)

仲間の要望、冷蔵庫等の確認で足りないものや、欲しいものを買って欲しい時に頼まれることもあるからと世界に転移して行ったり戻ったりを繰り替えすることもある。仲間の人数が多いのだから、必要な物資も当然多くなる。

 

別荘に戻っては別の買い物に行ってを繰り返し、荷物を減らしつつ別の店へと向かってゆく。それを繰り返して買い物を終え、いつの間か空が夕ぐれになっている。

「ただいまルヴィア。美遊…俺ちょっとコンビニの方でお菓子買ってくるけど付いてくるか?」

「結構です。もうそろそろカード回収に行かないと行けないから」

深夜ではなくいつもよりも早い時間に凛達3人で向かうこととなった。正輝が呼ばれることもなく、イリヤの姿もない。

「じゃ、行ってらっしゃい」

「貴方も夜になる前にはすぐに帰って来なさいよ!」

「分かってるよ」

正輝は美遊達とは別方向にコンビニに向かい、ホワイトの板チョコとコーラを買った。

近くの公園で飲み食いし、深くため息をついた。

 

「一体全体、何をやってんだろ…俺は」

 

序盤ではイリヤと美遊の助けになるために助力しているが後々足を引っ張ぱることが多く、最後の最後に力になれないまま黒正輝という面倒ごとを凛達に押し付けてしまっただけ。イリヤ同様に酷く責められることは覚悟していたが、そんな事をしたところで事態は変わらないことも凛達はよく分かっている。

朝起きてからずっと、正輝は深く考え込んでいた。そんな時に

 

「あっ、正輝さん。こんばんは」

「…よう、イリヤ」

『こんな所で会うとは奇遇ですねー』

 

学生服のイリヤと、付き添いルビーに出会った。昨晩イリヤは正輝を巻き込み、美遊の発言に耐えきれずに逃げたことを思い出して罪悪感を感じまだ暗い表情をしている。それでも正輝は責めることなく普段のように接する。

 

「なんでイリヤはずっとここにいるんだ?」

『凛さんにぶっちゃけましょーってことで、ここを集合場所にしました。イリヤさんの方はちょっとまだここにいたいってことで』

「そうか…俺がくる前に凛達と会ったんだな?」

ここで何があったかまでは今は何も聞かない。凛達とイリヤ達が今後のことで何か大事な話をしているのかはそこまでは突っ込まなかった。

「うん。でも黒正輝が出没している間は夜に出歩くのは危険だって…」

「悪かった、俺のせいで」

「ううん、気にしないで…正輝さんは、私を責めないんだね。所で正輝さんはルヴィアさんのところについて行かないんですか?」

イリヤは正輝がどうしてこんな所で油を売っているのか分からない。彼は美遊をフォローするために行かず、こうして呑気にしている。

「戦力外通告されたよ、ルヴィアに」

「…へ?」

「このまま俺が付いていっても足手まといだってな。殺されるぞって」

イリヤとルビーは正輝が抜けることは聞いておらず、驚いている。正輝もイリヤ達に言ったのかと思っていたが、二人の反応を見て察した。

(ルヴィアと凛のやつ、イリヤには何も言ってないな?俺が抜けたこと)

「そんな…なん「だってそうだろ?最初までは上手くやれてたけれど、アサシン戦で一回だけ失敗したとはいえ死にかけたんだ。

 

凛達のような魔力も今はなく、支援ができるとはいえ上位クラスの英霊と太刀打ちなんてできると思うか?」」

『…どう考えても難しいでしょうね。不意を突かれて死にかけましたし』

 

正輝がイリヤと美遊を助けようとしたら、ルビーとサファイアの補助のおかげで英霊の攻撃を受けても防ぐことができる。しかし、正輝は当たりどころが悪ければ最悪死ぬことになりかねない。それは凛達も同じだが、接戦していたイリヤと美遊を先に庇っていたことから正輝を抜けた。化学兵器を持っていようと庇ったことで大怪我をし、他の人の迷惑になってしまう。

 

「でも…でも、あれは私のせいで!」

「お前のせいであろうがなかろうが、どの道力になれないことは薄々気づいてたんだ。やれるだけのことを精一杯やろうってことでやったけど、どうやら俺はここまでだ。仮にお前が仲違いせずにそのまま美遊と一緒に戦っても、結局俺は除外されてた」

「そん…な」

 

自分の能力を明かして見せたのに、力そのものを介入条件によって制限され、敵に及ばなかった。

「魔術師ってのは、仕事によっては最悪殺すか殺されるかって状態になっちまうんだ。

今回のカード集めのようにな?

 

彼女は足手まといだから協力するなっていう判断は正しいんだよ」

『んーそこまで自分のことを悲観的に言わなくてもいいと思いますよ。むしろ魔術も使わずにここまでよく頑張った方です。

 

少なくとも幾度も身を呈して美遊さんやイリヤさんをかばってくれたことには感謝しています。ですが、ルヴィアさんもその行為自体が大変危険だと判断したんでしょうね』

 

その力を及ばなくとも、それでも正輝よりも英霊を唯一倒せるイリヤと美遊を最優先にしていた。自分身の安全については、時間があれば考えているがアサシン戦では咄嗟の判断で何も考えずに助けようとした。助けることにはイリヤ達も嬉しく思っているが、それで今度は彼自身を危険に晒し、庇われた方がイリヤのようになってしまったら本末転倒だった。

 

「それでもまぁ、力足らずには変わりないからな…ところでこれ、食うか?」

「あ、ありがとうございます」

買ってきた板のホワイトチョコを割り、イリヤに手渡す。二人とも食べる為に、公園のベンチに二人は腰掛けた。

 

「なぁ…俺はもうカード回収は無理かもしれないけど、お前はこれからどうするつもりなんだ?」

『さっき凛さんに辞表を届けたのでカード回収も今後は無いです』

「そっか。ま…お互い仕方なかったとしか言いようがないな」

 

正輝は力不足もあるが、助ける行為も含めてルヴィアから脱退を命じられ、イリヤは美遊に二度と一緒に戦いたくないと言われてそのまま辞表を凛に手渡す形なった。

凛達は時計塔から冬木市にあるカード回収を命じられ、美遊はそのカードに関わっている。正輝は自分の仕事上の目的で凛達に協力していたが、イリヤの方に関してはまず動機がない。

「最初はね…面白半分、ゲーム感覚のつもりだったんだ。でも、私を正輝さんが庇って…毒でもがきながら苦しんでた時にようやく実感したんだ。私の考えが甘かったんだ…魔法少女って言っても命がけで…死にかけそうになった」

(俺の知っているイリヤとは違って明るいイリヤだけど…考えてることも普通の少女と同じだったな)

正輝はイリヤの話を真剣に聞いていた。面白半分だったから凛達を手伝い、彼女は魔法少女をやっていた。美遊には前からイリヤに忠告を言ったが、その頃のイリヤはその言葉の意味を理解していなかった。

 

「カード集めは、自分で決めたことか?」

「ううん、それは」

『イリヤさんを巻き込んだのは私ですよ。初めは凛さんでしたけど、仕事目的じゃなくて私闘で使ってましたからねー』

「まぁさ…イリヤでなくとも、そんな年頃の子が魔法少女とかヒーローといった魅力的な能力をもしも手にしたらそりゃ喜ぶに決まってるさ。本来あり得ないものを手にできるんだから、目を輝かせる。まぁそんなもんだろ。でも美遊は一般的な子達とはかなり異なってたよ」

 

もし小さな子がテレビで見ている魅力的な能力(戦隊モノ等)を使えるようになったら本人にとって嬉しいことはない。その反面、その子の両親は他の周りと同じように普通の子のまま生きて欲しいと望んでいるため絶対にその力を隠すように言われるだろう。そんなことが公になれば、その子だけではなく親も含めてその子に関わっている人も巻き込むこととなる。

 

イリヤもまたそのたとえ例に含めているが、魔術である以上公になることもない。鏡界面というものが存在し、彼女らは裏で懸命に戦っていた。だから、正輝からしたらイリヤは自分は巻き込まれた悲運の少女だと少し思っているが、響達のように能力を公にしたまま人助けをしていることじゃない為にイリヤのことを強く言うつもりはなかった。

 

魔法少女を辞めても、誰も文句は言わない。

 

 

「…ルヴィアに家庭教師を命じられて、美遊に色んなことをやらせたけどかなり優秀だったよ。

 

言ったことまでこなしていくし、問題やなぞなぞの答えなんか驚かされることばかりで。結局分かったのはあいつが堅実、冷静で優秀、そんでもって不思議っ子って所なぐらいだからな…肝心な事は何にも分からなかった。イリヤは美遊のことをどう思う?」

「美遊は、静かで話すことに慣れてなかった。運動も勉強もできてなんでもできる子なんだ…やろうと思ったことに私が逃げてた時も責めてなかった。一人でやるのが当たり前で、美遊ならきっと一人で大丈夫…」

 

口数が少なくて一人で物事をこなそうとするのは正輝も前の頃と同じだったが、それだけでは通用しないものもあった。

 

世界を滅ぼそうとしたフィーネと戦い、彼女は恋の落ちた神のために月を破壊しようとした。バラルの呪詛という人類相互の邪魔立てをし、恋語がれていた人と出会おうとした。

 

彼女は手を繋ぐよりも相手を殺すことを求めたのだから、そんな人間がわかり得るものかと。しかし、

 

【こんな世界でも人と人は力を合わせて生きていく。孤独では生きていけないから】

 

一人だけでは限界があると、正輝の過去による試練編でその苦しみを知っているが故の正輝の答えだった。

 

「確かに美遊が優秀なのは俺も認めるよ。でも…美遊もイリヤのことを本気で嫌悪してるなら、あんなことを絶対に言わないと思うよ俺は。もしイリヤが本当に赤の他人だったら…美遊よりも酷い感じで俺の立場だと悪戯に仲間の邪魔すんじゃねえよって脅してる。

 

二度と一緒に戦いたくないって言葉も、美遊だってそんなことは言いたくなかったのかもしれなかったし。これはあくまで俺の解釈なんだけどイリヤをこれ以上危険に巻き込みたくないってことなんじゃないのか?初めての友達だから。それになイリヤ…その子がたとえ何でもできるからといって、無茶してませんって言葉では言っても

 

 

 

結局のところどんな人間であろうが心まではやっぱり一人で大丈夫ってわけじゃないんだよ」

正輝は一人だけでどうにかしようとした時期があったからこそ、一人一人が支え合って生きていることも伝えれる。が、今のイリヤにはまだ幼すぎてそれが分かってない。

「あの…それって、どういう」

「⁉︎伏せろっ‼︎」

 

イリヤは正輝の言っている意味を聞こうと話している最中に黒正輝が弓を構え、イリヤを射殺しようとするが、気づいた正輝がイリヤの頭を掴んで一緒になって伏せる。

地面には矢が突き刺さっていた。

『姑息な手段で凛とルヴィアさんだけではなくイリヤさんにまで狙って襲うなんて、全く腹立たしいものです!』

「いや、イリヤがステッキを持ってる時点で敵側も警戒して襲うに決まってるだろ。凛達から自衛用に持っとけって言われてんのかもしれないけどさ…」

黒正輝は2ndフォームになっておらず、投影魔術を使って奇襲しようとした。凛達に連絡しようにも既に彼女らは最後のカード回収の場所へ向かっている。あの3人が、この場所に早く助けが来ることは出来ない。

 

「…イリヤ、これから言うことをよく聞いてほしい。今までやったことを辞めたり、人に嫌われたりするのはとても簡単だ。でも逆に好かれたり、それを続けようとしたりするのは本当に難しいことだ。

 

そして、それをやるかどうかは俺や他人が決める事じゃない。イリヤ自身が決めなきゃいけないことだ」

「正輝、さん」

「辞めたいのならそれもまた一つの選択だ。でも、本当に心残りがないかじっくり考えろ。

 

こんなことしか俺には言えないけれど、お前の家に行って遊んだ後の美遊はお前のことをよく喋ってくれた。仕事自体は魔法少女って割にこんな血生臭くて、殺すか殺されるかの世界に放り込まれて、殺伐とした場所に放り込まれたお前自身は本当に辛かったんだろうな。

 

今はまだ答えを出さなくていい。少なくとも、どの選択を選んでも…辞めた以上は俺も凛達も叱らないよ。

 

でも、その後のことはお前自身が決めるんだ。最後にルビー…後でサファイアに報告しろ。【黒正輝は俺が何とかするから帰るのが遅くなる】って…」

 

イリヤのことを正輝はよく知らないから、こう言う事しか言えない。後は自分自身ででどうしたいのかを決めろという言葉は余りに身勝手かもしれないが、何かを強要したところでもう辞表を出した以上巻き込む訳にもいかなかった。

 

今のイリヤは、か弱い女子小学生だ。

 

『…分かりました。ご武運を、逃げますよイリヤさん!』

「⁉︎だ、ダメだよこんなの!正輝さん!」

「今すぐこの場から逃げろイリヤ。お前が俺に手助けをしたところで足手まといだ」

 

イリヤは助けようとするが、正輝は美優と同様に冷たい言葉で突き放す。一緒に戦っても無駄だと。それでもイリヤの頭はまだ自分のせいじゃないかと酷く怯えている。

 

「何で…なんでそんなこと言うのっ⁉︎」

『狙われているのはイリヤさんです!それに、このまま変身して戦ったとしても、また正輝さんを巻き込むことになりかねないですよ!』

ルビーは一刻もイリヤを家に連れて帰ろうと必死になっている。黒正輝が正輝と睨み合っている隙に、この場から脱しようと。それでもイリヤは正輝を見殺しにできないと、立ち止まったままだった。

「セイバー戦だと横から入って凛とルヴィアの砲撃を防いで積極的に俺かイリヤを狙ったり…こんな奴が…策も考えずに俺らの前に堂々と出てきたわけがねぇ。

現に凛達はとっくにバーサーカーのところに向かって戦ってるしな。

 

ホント、タイミングの良いところにやってきてやがるよ。しかも、今の攻撃は美遊達でも、俺でもなく戦意の無いイリヤときたもんだ。明らかに殺しやすさで選んだんだろうな…イリヤがまた暴走して力を制御できてないが故に、ここにいる俺を巻き込んだ後に衰弱したところを殺す…予測としてはそんなもんだろ。もう隠れてやってもダメだったから、直接イリヤを危険な目に陥れたら空間移動できるコイツはさっさと逃げて、暴走後に弱ったところを殺すって方法も可能だからな

 

仮に暗殺が成功してもステッキの適合者であるイリヤを殺したことで脅威が一つ消え、失敗して暴走しても側にいる俺を巻き込めれるんだから、どちらか一つが上手くいってもコイツにとっては何の損もない。

 

…ここにイリヤが長居しても、結局事態は悪化するだけなんだよ。それになイリヤ。今のお前は戦いたくないことを望んでるんだろっ!これはお前のせいじゃない、本来俺がやるべき事だったんだ‼︎

だからさっさと行けっ‼︎」

「つっ…!じゃぁ…じゃあ、約束!その戦いが終わったら無事に帰ってきて‼︎約束だよっ‼︎」

そう言って正輝を置いて、彼女は家へと逃げ帰っていく。正輝のことを心配しているが、イリヤはこのまま戦っても足手まといになってしまうことを、彼の説明を聞いて分かった。

「あぁ。その約束受け取った」

イリヤが家に帰っても黒正輝が生きていれば今度は標的をイリヤにして狙おうとするが、家には他の人もいる場所であるために黒正輝はイリヤを襲いづらくなる。

 

*****

 

こうしてイリヤが逃げ去った後、正輝は携帯を操作して転生者結界を展開する。正輝を対象にせず、逃げているイリヤを殺させないために。

結界内に残っているのは正輝と黒正輝のみ。

 

「それでいいイリヤ。今お前が迷ったまま戦ったら、不意を突かれて殺されるかもしれねーからな。

実際暗殺されそうになってたし。さて、逃すことには成功したが…ホントどうすっかな。まだ倒すための対策もあんまりしてないってのに…」

 

正輝に残されたものは3つの化学兵器であるBLUE、RED、BLACK凛達には伝えてないが嶺の貿易によってもらっているアイテム(呪符及びタリスマン)、シャドー、D-ダグスだけ。敵は正輝の持っている特典付きと2ndフォームまでの能力を兼ね備えている。

 

「もうこれ以上戦いたくないイリヤを、今度はこっちの事情で戦わせるわけにはいかないからな」

(コイツにはなくて俺にはあるものが備わっている。長期戦は絶望的、なら勝つための条件は短期戦にある。コイツにはない呪符とD-ダグスを最大限に活用させる。もう凛達やイリヤ達もいないから存分に使えるが、既に退路は転生者結界を張って断たれた)

「悪いなルヴィア。これ、下手したら夜までかかりそうだ。イリヤはともかく俺の方は約束守れそうにないな。

 

まぁ…ここで謝っても本人いねーからどうしようもないけど」

 

シャドーの人数もモードによって限界があり、D-ダグスには負の具現化によって敵を殺すことも可能だが、精神に負担がかかる。

姉からもらったアイテムも凛達の宝石同様に数量に限度がある。

 

「悪いが、お前をイリヤの所へ行かせない…‼︎」

 

誰の邪魔も入ることなく、お互い正面で立ち向かう。黒正輝の方が圧倒的に優位で勝つことは極めて難しいが、何も絶対に勝てないわけじゃない。

【時間】

【策略】

【これまで勝ち得た体験】

それら三つを駆使することで、正輝と黒正輝の二人の勝敗を決めることになるだろう。逆に、それらを上手く活かすことが最も必要となる。それができなければ、黒正輝の持ち得ている圧倒的な力によって押し潰されてしまうだろう。シンフォギアの世界で戦った赤ロープの時のように。

それを踏まえた上で活路を見出さなければ、黒正輝を打倒することはできない。

 

「標的変更、岩谷正輝ヲ排除スル」

「来るなら来いよっ…!お前と戦う覚悟は、もうとっくに決まっているっ‼︎」

 

成せる策を絞り出すように尽くて戦う。

己の限界を超えなければ、その先に進むことはできないのだから。

 


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