余談ですが、HFの最終章について…また延期になるかと思いましたが、ようやっと見に行くことができました。
今日の朝は正輝が一番早く起きた。
あくびをしつつ、近くに置かれてある携帯の電源をつける。本スレに今日のことで何処に向かうか、結果を見てみると
「えぇ…また街に行くの?」
昨日と同じ街になっており、うんざりな顔をしつつ立ち上がる。
「どうした?結果が帰ってきたのか?」
「ああ、結果が来た。
二人とも、緊急会議開く。
街に行く必要性があるか議論するぞ」
「街って…もう十分堪能したんじゃねーのかよ。他に何かあんのか?」
「だから、それを話し合うんだよ」
3人が座って、今日の事で話し合うこととなった。また街に行ったところで、ケイネスのように接触する可能性だっている。
「…俺の意見としては行く必要はないと思う。大体、あの程度で死ぬわけがないし、流石にサーヴァントと一緒に脱出してるはずだろ」
「念の為に行く、というのはどうだろうか。
もし仮に死んでいた場合での話だ。
もう我々も、出会った以上は無関係とはいえん」
「はーっ…他のマスターとは会いたくねぇな…」
死んでるかどうか目視し、確認すれば良い。
しかし、その周辺に他のマスターと接触するような自体も予測できる。ケイネスのようなプライドの高い魔術師でさえも、基地に巣篭もりすんわけでもなく自らが自発的に動いていたのだから。
「じゃ、杏子は?」
「私はどっちでも良いぞー」
「分かった。ただし、街には向かうけど朝は動かない、昼頃で確認しに向かう。
それで良いな?」
杏子は頷き、昨日と同様に街へと向かっていった。
*****
昼頃
正輝達はケイネスのいたビル近くまで向かうこととなったが、周辺はKEEP OUTと張り出されており、警備員が立ち往生している。
(まぁ、そうなるよな…)
ホテルの残骸を見ても、普通の人間であれば即死は免れない。気配遮断で隠れつつシャドーでケイネス達の生死を調べることも可能だが、正輝以外にも現場を確認するマスターもいるかもしれないと諦めた。
(野次馬に紛れるのはできるが、下手に探るのは止めるか。目視だけにしとこう。)
「調べるのか?」
「今はよそう。
どっか遊びに行って時間を費やすぞ」
*****
夕方頃。
解体現場にいた野次馬もいなくなり、5.6人くらいのシャドーを周囲に散策させる。シャドーは黒くさせずに、外見を同じにさせつつ気配遮断でランサー達を探す。
すると、
『マスター、連れてきました』
「正輝達か。我が主ならば無事だ、心配をかけてすまない」
ケイネスのサーヴァントであるランサーを発見し、正輝達のところにまで連れてきている。
「私もそこまで長居できない。生きていることが他の陣営にバレれないように動いておられる」
「そうか、なら生きていることも確認できたしこの辺にしとくか」
「貴方も聖杯戦争に加担してないとはいえ、英霊を持っている身だ。道中に気をつけて下さい」
ランサーとの会話を手短に話しつつ、正輝はあるものを手渡す。
「それじゃあこれ、通信手段として本当にやばくなった時に連絡するように頼む」
「分かりました、では」
連絡用の機械をランサーに手渡し、いつでも連絡が取れるようにした。万が一、こちらの情報が他の陣営にバレるような事態になることを防ぐためである。
『マスター、他の陣営と感知されます。
急ぎアーチャーと佐倉二人にマスター・オブ・ザ・リンク経由で気配遮断スキルを共有してください』
「なっ⁉︎分かった!」
ランサーが去ったと同じタイミングに、シャドーからの報告で魔力を感知できる距離にまで近づいてきていることの連絡が来た。
白人の女性とその付き添いである金髪の人が歩いてきている。正輝達には気付いておらず、そのまま通り過ぎる。
二人から魔力を感じ、正輝はシャドーの言う通りに気配遮断で自分達の姿を隠避する。
(よかった…昨日だったら本当にヤバかったぞ)
「正輝、我々も長居するのは危険だ。
拠点に帰るぞ」
「言われなくても、もう帰るさ。
目的は済ませたんだからな」
そのまま三人は街を離れ、旅館まで帰っていく。
*****
旅館に着いた頃、1時間かくらい三人とも歩き疲れでのんびりとしていた。
「ところで、スレを確認しないのか?」
「あぁ、そうだったな」
正輝は携帯でスレを開くと、誰か知らない人が投稿していた。しかし一部様子がおかしい書き込みがあり、自分のことをスレ主の家族の関係者とも言っている。
スレ民は助ける義理はないと言った反応だった。
「つっ…失敗か、まだ俺のほうは未熟だな。
黒沢、この写真を調べるのやってみてくれ」
「了解した」
正輝は提示した写真を確かめようと、士郎の特訓のように投影解析で調べようとするが、なかなかうまくいかず何回も失敗する。
アーチャーに調べるのを頼み、少しの間スレを確認する。少し時間が経ち、アーチャーは苦い顔をして調査結果を報告した。
「正輝…この写真を調べたところ、どうやら君の姉だということが発覚した」
「…は?」
(なんでウチの姉までいんの⁉︎しかも令呪までって…一体どうなってるんだ⁉︎)
結果を聞いて、段々と顔が青ざめていく。
関係者であることには違いないが、偽者としてスレ主の真似をしてるんじゃないのかといった様子だった。
正輝が姉と呟くと、スレ民は驚いた反応をしている。こんなことに嘘を言っても意味がないどころか信用をなくす。この情報がガチであるとは、全く思ってもないのだから。
「とにかく、うちの姉が危険な目に遭ってる…三人とも今すぐ街へ探しに行くぞ‼︎」
正輝は外に出る支度をして姉を探すことを最優先にし、また街へと駆り出しに行くこととなった。が、
「待て正輝、無闇に探すのは危険すぎる。
これでもし他の陣営に存在がバレたりしたら、今度は我々が危険に晒される可能性があるかも知れん」
「悠長な事を言ってる場合か!
もし、それで手遅れになったら!」
「令呪があるということは、使役するサーヴァントも必ず側にいるはずだ。
それに、君のお姉さんだって容姿は小さいかも知れんが、それでも強いのは知っているのではないかね?」
「…それはそうだがな」
その返事に正輝は足を止める。
かつて、二課が無謀にも姉を止めようとしたときのことを思い出していた。銃口を向けられた程度で暴走している姉にそんなものが効くわけがない。
結果的にそれに対して正輝の逆鱗に触れた。
二課の拠点を力づくで占領し、正義側と二課がぶつかるといった最悪の事態にまで陥りかねなかった。
「明日の予定は、街で情報を得てから助けに向かうことにしよう。こちらが慌てても、無策で助けに向かうのは危険だ。
少しは冷静になれ」
「…わーったよ。じゃ、明日は急ぎ殺人鬼のことで情報集め。
今日はもう寝るぞ」
姉がほんの少し危険な目に遭えば、感情的になって動く。仲間から冷静になれと言われても、仕方のないことだった。若干気が立ちつつも、アーチャーの言う通り冷静になろう思いながら布団で眠るのだった。