FAIRY TAIL 全知全能の魔導士   作:勇義

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人は神をも殺す。

 

遺跡前

 

俺はゆっくりと中へと入る。

中から血と油の悪臭が漂う、その中をゆっくりと進む。

奥から溢れる魔力が体中を縛り、息苦しい。

だが、今更退けない、戻る場所は無いんだ、そう決心してあの手紙を書き置いて来た。

 

『久しい客だな』

 

奥から声が聞こえた。

此処の主か、化け物みたいな魔力だ。

 

『歓迎するぞ』

 

辺りから骸骨が出てて来た。

 

「面白い、さっさとお前を倒す」

 

骨を砕きながら奥に進む。

すると巨大な空間に出た。

 

『‥‥‥お前は人間か?』

 

目の前にある巨大な石像がそう言う。

 

「人間かって? 違うな、お前も殺しに来た者だ!」

 

叫び、石像を砕く。

すると中から光り輝く何かが出て来た。

 

『成る程、ならば潰そう』

 

身が擦り潰れそうな程の魔力。体が震えて止まない。

差し詰め言うなら此奴は神だろう、人間では到底出せない魔力を、威圧を、殺意を出す。

 

「‥‥だが!」

 

大地を蹴り、飛び掛かる。

俺に滅竜魔法を教えてくれた竜は神竜、神を殺す事が出来る、唯一の竜。

更に俺は造られた時から滅神魔法と言う神を殺す魔法が使える、二つの力を合わせれば倒せる!

 

「神竜の咆哮!」

 

咆哮を放つ、だが神の剛腕で弾かれる。

動きを止めたら死ぬだろう、動き続ける。

 

「風神の神嵐」

 

黒い竜巻を起こし、ぶつける。

だが、風を切り裂き、剛腕を振るう。

 

「がっ!?」

 

神の剛腕が俺を地面に叩き付ける、自分の血が辺りを染める。

 

(終わったな)

 

全てを諦め、瞳を閉じた。

その時だ、胸の鼓動が高まる。

 

『お前は人間か?』

 

神の質問、刹那の瞬間に答えが導き出された。

 

あぁ‥‥忘れていた。

 

軋む身体を無理矢理起こし、嗤う。

何時だってそうだ、そうだった。

 

 

 

 

悪を殺すのは誰だ?

 

 

 

 

 

 

化け物を殺すのは誰だ?

 

 

 

 

 

 

神を殺すのは誰だ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全部‥‥人が殺すんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は‥‥ははっ」

 

そうだ、何を考えているんだよ。

神様が問うた答え、それが漸く解った。

 

「ははははっ!」

 

空間に笑い声が響く。

目の前に居る神は首を傾げる。

 

『何故に笑う?』

 

「漸く解った‥‥お前の問いに答えて遣る」

 

力強く地を踏み、神を睨む。

 

「良く聞け、俺はなぁ‥‥」

 

息を吸い込み、大声で叫ぶ。

 

「俺は‥‥人間だぁぁぁ!」

 

左腕を力を開放する。

黒い渦が俺を飲み込み、瞳が紅く染まる。

 

『ォ前ヲ‥‥殺ㇲ‼』

 

目の前に立つ神を殺す。

 

腕を千切り、骨を砕き、眼を抉る。

 

鮮血を浴びて俺は不気味に輝く。

 

傷を負っても、骨が折れても、俺は殺す、それだけだ。

 

魔力が尽きたなら腕を振るえ、腕が使えないなら足を、足が使えないなら噛み付け、この体全てが武器だ、武器が無くなるまで殺せ、殺せ、殺せ殺せ殺せころs殺せ殺せ殺せこrせ殺せ殺せ殺せコロセ殺せ殺せ殺せ‥‥殺せ‼‼

 

「アァァァァァァァァ!!!」

 

神の心臓を抉る。

体中を鮮血が紅く染める。

 

『―――』

 

神は音無く崩れた。

気付けば‥‥体はピクリとも動かなくなって居た。

 

「‥‥‥」

 

涙が流れ、気を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真っ白な空間に三人の男が居た。

 

『俺の持つのは全てを護る優しい力?』

 

傷付いた体で何処か悲しそうに俺を見る、自分。

 

『俺の持つのは全てを壊す破壊の力?』

 

体中血塗れで、涙を流しながら俺を見る、自分。

 

『『お前は‥‥どっちを選ぶ』』

 

差し出された二つの光。

優しく輝く光と黒く鈍い光。

俺は二つの光を握り潰す。

 

「護りたい物は全部護る! 壊したい物は全部壊す! それが俺だ! どっちかなんて選べるか!」

 

刹那の瞬間、二人の自分は笑って俺の中に入り込んだ。

 

パチパチパチ―――

 

『おめでとう、合格だ』

 

振り返ると美しい女性が居た。

 

『ふふっ‥‥貴方は人間らしい化け物だ』

 

笑って俺の前まで歩む。

 

『今まで受けて来た者は誰も迷いが有った、それ即ち『欲望』の迷い、貴方はそれが無い、素晴らしい程に化け物だよ』

 

俺の目の前に立ち、微笑む。

 

『貴方は‥‥全て欲しいから全て捨てた、あぁ‥‥愚かで美しい』

 

女は俺の頬を撫でる。

 

『貴方に‥‥私の力を授けましょう、代償を支払い『神の力』を与えます‥‥受け取りますか?』

 

「‥‥あぁ」

 

俺は頷く。

女は微笑み優しき声で言う。

 

『貴方に神の御加護を』

 

女は俺の唇に自分の唇を押し付ける。

視界が霞み、地面に倒れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二ヶ月後 妖精の尻尾に一枚の紙と血の付着したブレスレットが届いた。

手紙は評議院からの物だった。

 

『 報告書

 

 遺跡を調査していると彼の物と思わしき物が発見された。

 辺りには大量の血痕あり、血肉がばら撒かれていた。

 調査の結果、この血肉は遺跡の主の物と確認、辺りの血は彼の物だった。

 これ等の事から我々は彼が主と同士討ちし、跡形もなく消されたと判断し、遺品と報告書を送る』

 

彼等は認めたく無かった。

だが、如何しようも無かった。

だから彼等は墓を造り、涙を流した。

 

しかし、二人の男女は墓に来なかった。

 

「アレスは死んでない、何処かで生きている」

 

男はそう言い、普段通りに過ごした。

 

「アレスは必ず帰って来る」

 

女はそう言い、現役を引退し、ギルドの看板娘として過ごした。

周りは戸惑いながらも平和な日々を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた時、雲一つない晴天が視界に映る。

そよ風が頬を撫でる。

体を起こしてみるとボロボロに成った自分の体が目に映る。

瞳を閉じ、右腕に魔力を集める。

 

「!?」

 

腕が膨張し、体が軋み出した。

慌てて魔力を抑える。

 

「ッ‥‥これが『神の力』か?」

 

使い熟す為には‥‥時間が掛かりそうだ。

 

「意地でも使ってやるよ、神だろうが何だろうがなぁ!」

 

空に向かって叫ぶ。

それから二年の月日が経った。

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