FAIRY TAIL 全知全能の魔導士   作:勇義

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オリキャラ登場‥‥アレスの妹





落ちる光は止められない

 

塔を駆けているとポケットに入れていた通信用小型ラクリマが振動した。

耳に当て、出るとヤジマさんの声が聞こえた。

 

『アレス君かい! 聞こえて居るか!?』

 

「ヤジマさんか、今忙しい、依頼中だからな」

 

ヤジマさんが出たかと思えば今度はマカロフが出て来た。

 

『アレス! 今直ぐその場から離れろ!』

 

「アァ? 何言ってんだ?」

 

『もう直ぐ其処にエーテリオンが落ちる! 評議位の決定じゃ! もう止められん!』

 

「ハァ!? エーテリオンだと!?」

 

エーテリオン、別名超絶時空破壊魔法、上空に描かれた「衛星魔法陣サテライトスクエア」から地上の標的を消滅させる。非常に多くの魔法属性が融合されており、威力次第では一国を破壊するほどの威力を誇る、そんなもんを此処に落とすのかよ!

 

「俺が居る事を承知でか!?」

 

『そうじゃ、お主一人の命で止めれるなら安い物だとぬかしおった! 今直ぐ離れるんじゃ!』

 

止めるってのはゼレフ復活か。

 

「到着時間は!?」

 

『十分後じゃ!』

 

十分、ならまだ余裕だ。

 

「了解、取り敢えず帰ったら評議院は血祭だ」

 

通信を切り、再び走り出そうとすると目の前に見覚えのある姿が有った。

 

「ルーシィ!?」

 

そう、ルーシィの姿だった。

俺に気付いたルーシィも驚く。

 

「あ、アレス!? 何で此処に!?」

 

「そんな事は後だ! さっさと逃げろ! エーテリオンが落ちるぞ!」

 

「えぇ!? あれって本当だったの!?」

 

何か状況を少し知って居る様だ。

詳しく聞くと‥‥エルザとハッピーが攫われ、皆で来たらしい。

此奴等らしくでいいんだが状況は最悪だ。

 

「全員何処だ!」

 

「解らないわよ! 全員バラバラに動いてるんだから!」

 

面倒な事だけが増え続ける。

地面に手を当て、全員の魔力を探る‥‥が。

 

(! エルザの近くにジークレインの魔力!?)

 

何で彼奴が此処に居るんだ、じゃあ評議位に居るのは‥‥

 

「くそっ! 嵌められた!」

 

直ぐに通信でヤジマさんに話す。

 

「ヤジマさん聞こえるか! ジークレインはジェラールだ!」

 

そう言うが聞こえてくるのは雑音だけだ。

 

「くそっ! おいルーシィ、お前は近くの奴集めて此処から出来るだけ遠く離れろ!」

 

「えっ? でも何処に居るか‥‥」

 

「俺がもう調べて脱出ルートも転送した、取り敢えずお前は逃げろ、エーテリオンは俺が如何にかする!」

 

壁をぶち壊し、塔の真上へと駆け登った。

空には巨大な魔方陣、これは面倒だ。

 

「クソッタレが‥‥絶対二人とも救ってやるからな」

 

両手に魔力を纏わせ、それを一つに纏める。

だがその前に誰かが現れた。

 

『面白そうな事が起こってると思ったら‥‥まさか“兄貴”が居るとはねぇ~探す手間が省けたよ』

 

ケラケラと笑いながら俺に歩み寄って来るのは美女だ。

腰まで伸びる艶やかな黒髪、吊り上がった燃え盛る炎の様な紅い眼、豊満な胸が薄い布のみで隠され、鮮やかな色使いの着物を羽織り、腰には一刀の刀が携えられている。

 

「‥‥お前‥‥マハト!?」

 

俺は驚いた。

何でこんな所に居るんだと。

 

「久しいな兄貴、竜に連れ去られる前以来だな‥‥つか一発で解んのかよ」

 

「全然変わって無い、だから解る」

 

「そうか? 身長とか胸とかデカくなったぜ?」

 

ケラケラと笑う。

昔と変わらない、だが‥‥

 

「何で此処に居る」

 

そう問うと笑って居たマハトは表情を変え、俺に歩みを進める。

 

「アンタを連れ戻しに‥‥態々来た」

 

地面から黒い手が伸び、俺を縛る。

 

「ぐっ! 闇魔法か!」

 

『鎖された闇の世界』

 

辺りが急に暗く成る。

遅かった、捕獲用闇魔法だ。

 

『俺達は‥‥闇だ』

 

そっと抱き付いて来る。

体中に何かが這いずり回る。

 

『闇は光と反する、何故そっちに居るんだよ』

 

真紅の瞳が俺を覗き込む。

体が何かに蝕まれる。

 

『光に侵されちまったんだろ? 大丈夫だ、直ぐに思い出す』

 

声が頭に響く。

 

『帰ろう、漆黒の闇、俺達の住むべき世界に』

 

俺は俯き、笑う。

 

「悪いな、俺はもう闇じゃねぇんだ」

 

マハトを突き飛ばし、纏わり付いた手を黒き光で掻き消す。

 

「光神の威光!」

 

辺りが黒い光に包まれ、闇が消えた。

ニヤリと笑い、マハトは耳に手を当て、誰かと話す。

 

「侵蝕に失敗、戦闘に入るぜ?」

 

刀を抜き、不敵な笑みを見せる。

 

「さてさて、五分で決着つけるか」

 

「五分? じゃあ俺は三分だ」

 

「昔の俺だと思うなよ?」

 

マハトの体を包む様に紅い魔方陣が現れた。

 

『力魔法・ギア1』

 

体から蒸気が吹き出し、魔力が溢れ出す。

やはり‥‥マハトだ。

 

『行くぜ、竜と神の力、見せて貰う!』

 

地を這う様に此方に向かってくる。

 

「金剛竜の鱗」

 

体を金に変え、体を丸め防御態勢に入る。

これはエルザの持つ鎧の金剛の鎧より硬い竜の鱗を纏う。

 

ズシャッ!

 

腕から血が噴き出た。

 

(斬られた!?)

 

普通の刀では到底切れない硬度を誇るのに呆気なく斬られた。

驚くのも束の間、次々に体が斬られる。

 

『アハハハッ! 斬りやすいなぁ!』

 

心臓と首元を護りながら辺りを見る、何かが飛び回る音だけが耳に入る、つまり彼奴は目では負えない速度で俺の周りの駆けているのだ。

眼で追えないならと思い、金剛竜の力を解き、迅竜に変える。

 

『オラッ!』

 

斬りかかって来る。

咄嗟にしゃがみ、足を払う。

 

「おわっ!?」

 

体制を崩したのを見て、腹部に渾身の一撃を決める。

 

「グッ!」

 

片腕で蹴りを受け止めるが威力に負け飛ぶのだ‥‥が数メートル後ろに退いただけで傷は無さそうだ。

 

「痛ぁぁぁ! ギア1でこれだけ痛いのか、予想外だぜこりゃ」

 

「‥‥無傷かよ」

 

少し冷や汗が出る、間違いなく渾身の一撃、綺麗に決まった筈、だがほぼ無傷。

 

(参ったな)

 

更に困った事に蹴った足の骨に如何やら亀裂が入ったらしく、痛み出す。

つまり、竜の力では力不足に成ってしまって居るのだ。

 

「良し、竜の力は2で十分だろうな、ギア2!」

 

更にマハトを紅い魔方陣が囲み、魔力が溢れ出す。

まだまだ上がるのか、此奴の魔法、確か記憶違いじゃなきゃ‥‥

 

『俺の魔法は昔と違うぜ?』

 

ニヤッと笑い、瞬きした瞬間には全身から鮮血が吹き出した。

 

『これが俺に与えられた罪の力だ!』

 

強烈な蹴りを放たれ、耐えられず海に落ちた。

落下する中で俺は空か落ちる光を見た。

 

(間に合わなかった)

 

そう思いながら俺は落ちて行く。

海面に叩き付けられ、海の中へと沈む。

意識が朦朧とする中、マハトは俺に止めを刺そうと同じ様に潜って来る。

 

【躊躇って居ないか?】

 

そっと耳元に聞こえた。

聞き覚えある声、あの女の声だ。

俺に力を与え、代償として【全て】を見える様にした女。

 

【躊躇って居ると死ぬぞ? お前ではなく大切な者がな】

 

声は怒声を放つ。

 

【何の為の力だ! お前は人間ではない、人間に似た者だ! そんな奴が小娘に負けるなど私は認めん!】

 

体に力が漲る。

それと共に女の声が怒声から歓喜の声に変わる。

 

【さぁ存分に揮え! 我が力を! その身に宿るお前自身の力と共に!】

 

意識が覚醒し、俺は咄嗟に左腕でマハトの刀を止める。

刃が腕の骨を貫き、血が海水と混じる。

痛みを堪えながら魔力を制御し、口の中で集める。

 

「! まさか!」

 

何かに気付いたマハトは刀を引き抜こうと力を込める、だがその前に腕を掴む。

 

『海神の怒号!』

 

零距離で放つ。

 

「グアァァァッッ!!?」

 

マハトは渦に飲み込まれ、海中から空へと吹き飛ばされた。

それと同時に力が抜け、再び海に沈んで行く。

 

(くっ‥‥息が)

 

息も持たない、掠れて行く視界の中でボートの船底が見えた。

 

(死んでたまるか!)

 

もがき、海の底から上がる。

必死にもがいて如何にか海面に出た。

 

「ぷはっ!」

 

空気を吸い、船にしがみ付く。

 

「! アレス!?」

 

グレイの声が聞こえ、体が水面から上がる。

 

「ちょ!? 如何したのその怪我!」

 

ルーシィの驚きの声と共に俺の体は海から船の上へと上がった。

 

「グレイ‥‥エルザは‥‥」

 

痛む体を無理に起こしながら問い掛ける。

 

「エルザはまだ塔の中だ、ナツも残っている」

 

あのバカ野郎、まだ残ってんのか。

まぁ今に始まった事じゃ無いから良いと思い、グレイに問う。

 

「グレイ‥‥まだ魔力あるか?」

 

俺の発言にグレイは気付く。

 

「お前まさか、そんな体で塔に戻る気か!?」

 

黙って頷く。

 

「駄目だ! 幾らお前でも死ぬぞ!?」

 

「死んだらそん時だ、くれねぇならもう行くぞ」

 

フラフラと立ち上がり、魔方陣を展開する。

 

「あの塔は壊さねぇと駄目なんだ」

 

一人呟き、ローブを脱ぐ。

 

「‥‥エルザとジェラールの闇、それを取り払う為に壊す」

 

船の上に居た全員が俺の背を見る。

その背には数多くの傷と共に紋章が有った、妖精の尻尾の紋章ではなく、別物だ。

 

「必ず‥‥助ける、だから待ってろ」

 

そう言い残し、ナツとエルザ、ジェラールを助けに再び塔に戻った。

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