幻想曲ファンタジア当日 仮評議院のとある一室
部屋には不穏な空気が流れていた。
其処に居るのは評議院の役員と妖精の尻尾最強の魔導士のアレスだった。
「以前の件もあって‥‥俺を議員にしたいと?」
俺は青筋を立てながら笑顔でそう問う。
嫌いな奴等が居る上に小さな個室でそんなくだらない話を聞かれて不機嫌なのだ。
「そ、そうです‥‥あははは」
目の前に座るのは使者の蛙だ。
大量の汗を布でふき取りながら苦笑いを浮かべている。
「‥‥兎に角、俺はお断りだ、態々テメェ等と一緒に居る理由もなけりゃ従う義理も無い」
「で、ですが‥‥「ですがもくそがもあるか!」」
怒鳴り声をあげ、部屋から俺は出て行った。
タイミングも悪い、今日は年に一度のファンタジアだ。
機嫌がなぜか悪いミラを落ち着かせる為にと思い、一緒に回ろうと思っていた矢先にこれだよ、また夜に搾られたらどうするんだ!
(‥‥あぁくそ! 瞬間移動でも一分は掛かるぞ!)
約束した時間まで残り三十秒、間に合わないな。
(‥‥はぁ、覚悟するか)
溜息を吐きながらマグノリアの近くまで移動した。
すると‥‥何やら騒がしかった。
「ん? 何だ?」
気に成り、目を凝らし見てみる。
見てみると‥‥彼方此方にギルドの奴等が倒れていた。
「‥‥何か起きたみたいだな」
すぐさま魔法を使い、情報を集める。
すると、ギルドに術式に捕らわれている三人の魔導士と石化している五人の女魔導士の魔力を感知した、しかも石化した中にミラが居た。
「‥‥エバーグリーンか」
ラクサス親衛隊、雷神衆の一人、エバーグリーン。
石化と妖精を思わせる魔法を得意とする魔導士。
「‥‥何を血迷ったか知らんが‥‥さっさと止めるか」
取り敢えず、マカロフに念話テレパシーで呼び掛ける。
「あぁ~聞こえるか? マカロフ?」
『あ、アレスか! 今何処じゃ!?』
「マグノリアはずれ、何が起きてるんだ?」
話しを聞くとラクサスが祭の余興だとか言って『バトル・オブ・フェアリーティル』を開き、残っているメンバーがナツとガジルとマカロフだけで(ハッピーは含まれていない様だ)エバを倒さないと石にされた奴等が砕かれるっと面白味のない内容だった。
「ふむ、祭の余興にしては派手じゃない、もっと盛り上げるべきだな」
呆れてつい本音を漏らす。
『何を言っとるんじゃ!』
「アァ~要は俺が止めりゃいいんだろ? オーライ、解ったよ」
『任せたぞ! 兎に角エバを倒すんじゃ!』
「りょ~かい」
片手で古文書アーカイブを操り、雷神衆とラクサスの位置と探る。
「ラクサスは‥‥カルディア教会か」
マグノリアのほぼ中心にそびえ立つ教会、其処にラクサスが居る。
「‥‥まぁ何にせよ、余興は終わりにする」
呟いて、歩み出す。
マグノリアの街に入る手前でそれを感じた。
(!?)
辺りから複数の新線を感じる。
体を貫かれたかの様な痛みが皮膚を伝って体に走る。
次第に息が乱れ、体の体温が下がる。
『やぁやぁ久し振りだね、兄さん』
後ろから声を掛けられた。
ゆっくりと振り返ると少し小柄で黒いローブを着た誰かが居た。
『マハト姉さんに斬られた傷は痛む?』
笑いながらソイツはフードを取る。
綺麗な金色の髪が風で揺れ、紅い瞳がきらりと光る。
人形の様に整った顔に04と刺青が入って居る。
「お前‥‥アリスか!」
『おぉ! マハト姉さんの言った通りだ! 僕が一発で解るんだ!』
アリス(本当はアリスィア)は嬉しそうに笑う。
「何で‥‥マハトやお前も俺の前に現れるんだ」
『ん? 何でって‥‥そりゃ迎えに来たんだよ、まぁ僕はお祭り次いでだけどね♪ 連れて帰れなくても良いんだよ』
「なら何処かに行ってくれ、俺は忙しい」
マグノリアに入ろうとすると目の前に瞬時に移動して来た。
『おっと‥‥折角の再開だ、如何だい? 妹の成長を確かめてみない?』
不気味な笑みで俺を見詰める。
「クッ‥‥さっさと済ませる!」
『それでこそ僕の兄さんだよ!』
懐から拳銃を取り出し、銃口を空に向ける。
『僕は今から攻撃するよ? 「《嘘》だから僕の攻撃が兄さんに“当たる”」』
「! チッ!」
咄嗟に体を鉄に変え、身を護る。
銃から放たれた弾丸は全て俺に当たった。
「ガハッ!?」
鉄の体を貫通し、血が吹き出す。
『アハハハッ! 言い忘れていたよ、この銃の弾を造ったのニヒツ姉さんなんだ』
「あ、彼奴か」
俺と正反対の魔法を使い、最大の敵だろう人物にして妹。
ソイツが作った魔弾、なら俺の体を何に変えようと紙と同じだ。
「面倒なもん造りやがって‥‥神竜の咆哮!」
咆哮を放つ。
アリスは笑い、口を開き言う。
『「嘘」僕に攻撃は“当たらない”』
そう言った瞬間、咆哮が別の方向に飛んで行った。
やっぱり面倒な魔法だ。
『幾ら攻撃しても無駄だよ? 僕の魔法は知っての通り、嘘を実現させる魔法、僕が付いた嘘は本当に成る、限度はあるけどね』
楽しそうに銃をクルクルと回し、そう説明する。
此奴の魔法は嘘魔法、闇魔法の一種でもあるが失われた魔法だ。
魔力を消費し、放った言葉の嘘を実現させる魔法。
さっきの攻撃は空に向け放った攻撃は俺に当たると言う嘘を実現化させ、当たる筈の俺の攻撃を当たらないと言う嘘を吐き外した。
本当に面倒な魔法だ。
『さて、そろそろ倒そうかな、「嘘」僕の攻撃は“隕石の衝突に等しい”』
拳銃を機関銃に変え、撃ちまくる。
きっと弾丸はさっきのと同じ、防げない。
「チッ! 神の歩み!」
目に見えない速さで走る。
『あははは、楽しい愉しいね! 「嘘」アレスは魔法を〝使えなくなる”』
「なっ!?」
魔法が急に使えなくなった。
まさか此処まで出来る様に成ったのか!?
『あははは! 蜂の巣だよ!』
「避けれねぇ!」
防御態勢を取り、踏ん張るが一発で吹っ飛んだ。
近くの家にぶつかり、その後、数発の弾丸が俺を襲い、衝撃で家は崩れた。
『ふぅ‥‥流石の兄さんでも立ってn「痛ぇぇぇぇぇッッ‼‼??」えぇぇぇぇッッ!!?』
叫びながら瓦礫から出て来た俺に驚きの声を挙げるアリス。
「お前加減しろ! 骨折れるだろうが!」
『ど、どんだけ頑丈なの!? 隕石と同じ威力の攻撃を数発喰らって何で生きてるの!?』
「俺を嘗めんじゃねぇぞゴラァ!」
俺はアリスに向かって駆ける。
『「嘘」ぼ、僕にアレスの攻撃は‥‥』
此奴の魔法の弱点は言葉を発するのを失敗すれば使えない。
それと言った後すぐに使える訳じゃない、1秒のラグがある。
其処を叩く!
『当たらな「パチーンッ!」きゃっ!?』
目の前で大きな音を出し、怯ませ、アリスの首根っこを掴み。
「飛んでけやぁぁぁッッ‼‼」
「キヤァァァァァッッッ!!??」
思いっ切りぶん投げた。
アリスは悲鳴を上げ、星に成った。
「アァァッッッ! 痛ぇ! 絶対骨に罅は入っただろこれ!?」
左腕と肋骨が異常に痛い、折れてはいないだろうが罅は入って居る。
「あぁクソッ! 治癒魔法でとっとと治す!」
アリスが飛んで行ったのか魔法の効果は切れ、魔法が使える様に成ったので治癒魔法で直す。
「良し、さっさと終わらせる」
そう言い、マグノリアの中に入った。
《アレス参加・残り人数6人》
途中参加と言う形で書いております。