カルディア教会の真上で雷と炎が激しくぶつかり合う。
それを俺は少し離れた場所で見ていた。
落ちた位置が丁度教会の近くで良かった。
「さて、ナツは何処まで行けるかな」
一人笑いながら教会へと近付く。
「オレノ前カラ消エロォ――――!」
「お前は俺が止める! ギルドは死んでも渡さねぇ! オレ達の、帰る場所だからぁっ!!」
ボロボロの体を起こし、ラクサスに立ち向かうナツ。
二人の戦いを見ていたレビィはナツの身を案じた。
「ギルドは・・・お前のモンじゃねぇ・・・よぉく考えろ・・・ラクサス」
「黙レッ!」
ラクサスは拳に雷を溜め、放つ。
「雷竜の暴拳!」
雷の拳がナツを捉える。
「雑魚ガオレニ説教タァ・・・100年早ェヨナァ?」
倒れるナツ、だが、ナツは立ち上がった。
「おぉ~やってるやってる」
二人の闘いを下から不安げに見上げていた三人の近くに近付く。
三人とはレビィ、フリード、ガジルの事だ。
「! アレス!?」
「‥‥エーアスト」
「アレスか!」
「ガジル、アレスで良いぞ‥‥しかし、また派手に壊したな」
壁は穴だらけ、中の椅子なんかは全部壊れている。
こりゃまた怒られそうだ。
そう考えている俺を三人はまじまじと見詰める。
「? 如何した?」
「アレス、神鳴殿を壊したんでしょ? 怪我は‥‥大丈夫なの…?」
「あれ1個で生死に関わるって聞いたぜ…?」
レビィとガジルがそう言う。
まぁ見た目は怪我してないしな。
「いやぁ~あれのお蔭で肩凝りが取れたぜ」
冗談を言ってみると三人は化け物を見る様な顔で俺を見る。
「‥‥冗談だよ」
苦笑いしながら再びナツ達を見る。
「ガキガ・・・跡形モ無ク消シテヤルァァァァァァァァァァァァッッ!!」
ラクサスは両手で雷を集め、何かを作る。
「!? 止せっ!ラクサス! 今のナツにそんな魔法を使ったら!?」
フリードが叫ぶ。
「ハハハッ! 雷竜方天戟らいりゅうほうてんげき!!」
ラクサスは方天戟の形をした雷をナツに投げる。
「イヤァァァァァァァァァァァッ!」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
ガンッ!
ナツの手前で雷は止まった。
いや、止められた。
『!』
「!?」
方天戟を止めたのは俺だ。
ラクサスは俺を見て驚きの表情を見せる。
『テメェ‥‥まだ動けるのか』
「当たり前だ、あれ如きで倒れる俺じゃねぇ‥‥」
方天戟を握り潰し、ナツを見る。
「まだ‥‥戦えるよな?」
「あ、あたり‥‥まえだ!」
息を乱しながらも答える。
俺は微笑み、言う。
「ナツ、最高に美味い炎、お前にくれてやる、受け取るよな?」
「! あぁ!」
ナツは立ち上がり、構える。
俺は片腕に炎を纏わせ、それをナツに向ける。
「炎天型・紅蓮炎華ぐれんえんか!」
螺旋状に回転し、ナツを巻き込み大爆発を起こす。
その爆炎をナツは食らう。
「んぐ‥‥んぐっ‥‥ぷはぁ‥‥食ったら力が」
全身から炎を吹き出しながら叫ぶ。
「湧いて来たぁぁぁぁぁっっっ‼‼‼」
ナツはそのままラクサスに突っ込む。
「火竜の…」
「っ…!おのれ…おのれェェェ!!」
怒りに顔を歪めたラクサスがナツに向かっていくが、俺の炎を食ったナツが明らかに早い。
「鉄拳!!」
拳がラクサスを捉える。
「完璧に入った!!」
レビィが叫ぶ。
それを逃すまいとナツは次々に技を決める。
「鉤爪!翼撃!劍角!炎肘!!」
「がァぁ…ッ!」
あのラクサスを圧倒しているナツに、レビィとフリードが呆気にとられている。
「…その魔法…竜の鱗を砕き、竜の肝を潰し…その魂を刈り取る…」
「滅竜奥義…」
炎を纏った両腕をナツが螺旋状に振るう。
これが‥‥ナツ・ドラグニルの‥‥火竜の力。
「紅蓮爆炎刃!!」
「っぐァあぁぁぁ!!」
螺旋の炎がラクサスを天へと巻き上げる。
屋根に落下するラクサスを見て、レビィとフリードが目を見開く。
「ラクサスが…負けた…」
「これにて終幕、お疲れ様」
煙草を咥え、ナツに微笑む。
「…うぅおおぉぉぉぉぉ!!!」
ナツの勝利の咆哮がマグノリアの街に響き渡った。