バカと田舎とペルソナ   作:ヒーホー

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第九十八話

7/27 水 曇

 

 

今日から夏休みだというのに事件が発生してしまった。

雄二たち文月組のFクラスや完二、りせたちは補修が入ってるらしいしその前に事件を解決しないといけない。

昨日映ったのが誰なのかはわからないけど事件を解決しないと。夏休みだから菜々子ちゃんと遊んであげたいけどこれは仕方ない。僕はジュネスに向かうことにした。

「あれ? 姫路さん。どうかしたの?」

ジュネスに向かう途中姫路さんを見かける。せっかくの夏休みだっていうのに何か浮かない表情なので気になったので声をかけてみる。

「あ、明久くん……」

僕が声をかけるまで僕の存在にも気付かなかったみたいでちょっと驚いた表情で返事をする。

「何かあったの? 僕でよければ話くらい聞くけど」

特別捜査隊のほうに顔を出さないといけないけどさすがに落ち込んでいる様子の姫路さんを放ってはおけない。

「はい……あの、明久くん」

そのまま少し考えるような素振りを見せたけど姫路さんは僕に対して相談してくれるようだ。よし、僕にできることなら力になってあげ……

「マヨナカテレビって知ってますか?」

ごめん、姫路さん、それは秘密にしないといけないんだ!

「な、何のこと? 雨の日の夜に映るテレビなんて僕は知らないけど!?」

よし、ごまかし……

「知ってるんですね? あの運命の人が映るって噂なんですけど……」

きれなかった。さすがは文月での学園次席、僕の言葉の裏を読むとは。

それにしても運命の人か。そういえば最初はそんな噂だったっけ……あれに映るのが運命の人なんかじゃないって僕は知ってるけど……

「実は昨日……私、マヨナカテレビを見たんですけど……」

昨日? 昨日映ったのといえば……

僕は昨日見た映像を思い出す。

 

死んだ魚のような眼

 

鮮明に映る不気味な少年……

 

運命の相手とか言われてあれが映るとトラウマになりかねない気がする。

「だ、大丈夫だよ。マヨナカテレビに映るのは運命の人なんかじゃないから!」

「そうなんですか!?」

そう言った瞬間に姫路さんの顔に笑顔が浮かぶ。うん、やっぱり姫路さんは笑っていたほうが可愛いよね。

「あれ? でもなんで明久くんはそんなこと知ってるんですか?」

しまった!? あれが運命の相手じゃないって知っているのは僕たち特別捜査隊だけだ。ここはどう言い訳すれば……そうだ!

「実は僕もマヨナカテレビを見たことがあるんだ」

「そうなんですか!? あの、だれが映ったんですか?」

姫路さんが勢い込んで僕に尋ねてくる。

けどこの質問までは僕の想定通り。つまりここで僕の運命の相手があり得ない相手なら姫路さんも納得するはず。

「うん、映っていたのは雄二なんだ!」

雄二の運命の相手は霧島さんに決まっている。それに男の僕が男の雄二を見て運命の相手ということはあり得ない。僕の完璧な計画に対して姫路さんは……

「やっぱりあれは真実で明久くんの運命の相手は坂本くんなんですね!?」

「なんでそうなるの!? 男の僕が男の雄二見ている時点でありえないよね!?」

「でも明久くんは男の子にも興味ありますし……」

「僕にそういう趣味ないからね!?」

運命の相手が雄二と思われるなんてこんな屈辱はない。そうか、姫路さんが落ち込んでいた理由がよく分かった。

「くっ、確かにこれは姫路さんも落ち込むわけだ……あんなぼそぼそ喋る男が運命の人だと思われちゃ落ち込むよね」

確かにあの男だと雄二と比べても悪い相手だ。

「え? 明久くん、なんで私が見た相手を知ってるんですか?」

「なんでって……昨日マヨナカテレビに映った相手っていえばあいつだしね。鮮明だったから見間違いようもないし」

不鮮明だったら相手を特定することも難しいけど昨日の映像だと間違えない。

「あの、明久くん、マヨナカテレビって何なんですか?」

「それは僕にもよくわからないけどテレビの中の……ってしまった!? これは秘密だったんだ!?」

くっ、見事な誘導尋問に引っかかってしまった!?

「あの、明久くん、あれってどういうことなんですか?」

「おっと、もうこんな時間だ。僕はもう行かないと、またね、姫路さん!」

こうなったら逃げるしかない。僕はジュネスに向かって走って逃げることにした。

「あ、明久くん待ってください!」




少し書くのを休むと執筆が割と難しいですね。早く勘を取り戻さないと。
ということでちょっと短いけど勘弁してください。ある程度定期的に投稿する状況を取り戻したいので。
ということで明久視点に復帰。ようやく本編も進めることができました。
では次回もよろしくお願いします。
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