4/15 金 雨
「起きたか、それじゃあな」
朝、僕が起きて一階に降りると叔父さんが忙しそうに出て行った。
「何かあったのかな?」
「うん、お父さん、用事みたい、電話来て行っちゃった」
僕の言葉に菜々子ちゃんが答えてくれる。事件の捜査になにか進展があったのかな。
「とりあえず朝ごはんにしようよ」
「うん」
菜々子ちゃんが心配そうなので明るく言って朝ごはんにする。
学校に行ってしばらくしたら緊急の全校集会が開かれた。
「雪子、午後から来るって言ってたのに……」
天城さんは今日も忙しいみたいで学校に来てない。
「なんだろ、急に全校集会って」
「なんだろうね、何か発表があるとかかな」
前の学校だと全校相手に通達すると言ったら試召戦争絡みが多かったらしい、一年だった僕たちには関わらないことだったから大抵はサボっていたけど。
「……あれ? 花村どうしたの?」
「ん? いや、別に……」
花村くんが元気ないみたい、もしかして昨日聞いた小西先輩のことかな、行方不明だから心配してるとか……
「えー、みなさん静かに、これから全校集会を始めます」
聞いてみようかと思ったら壇上から世界史の祖父江先生の声が聞こえたので雑談をやめることにする。
そして校長先生が壇上に上がって話をはじめる。前の学校の学園長は醜怪なババアだったけどこちらの校長先生は長いヒゲを蓄えたお爺さんだ。
「今日は皆さんに悲しい知らせがあります。 3年3組の小西早紀さんが……」
小西先輩? なにか嫌な予感が……
「……亡くなりました」
え? なくなったって? 物じゃないんだから行方不明をなくしたとかそういう扱い……
「な、亡くなった?」
「……」
そんなわけはない……いくら僕がバカでもそのくらいはわかる……
「小西さんは今朝早く遺体が発見されました……」
昨日の時点で行方不明ということが分かっていたのに警察に任せて何もしなかった……
「遺体で発見って……そんな……」
「…………」
花村くんは何も言わない、僕より親しい分花村くんの方がショックは大きいはず。
そのまま校長先生の話が続いていたけどそちらを聞いている余裕はなかった。
話が終わって僕は里中さんと教室に戻っていた。
「超ビビったよねー、死体山野アナと同じだったんでしょ?」
「前はアンテナだったけど今回は電柱らしいじゃん、連続殺人だよね、これって」
途中で事件の噂話が聞こえてくる……
「死因は正体不明の毒物だって言ってた」
「正体不明ってドラマの見すぎだって」
「そう言えばさ、例の夜中のテレビで早紀に似てる子が映ってたらしいよ。超苦しがってたとかって怖くない?」
事件の噂程度なら仕方ないと思う……でも話の内容が死んだ人に好き勝手言ってるように感じる。
「放っておきなよ……好き勝手言ってる奴に言ってもあんま意味ないよ」
文句を言おうとした僕を里中さんが止める。
「でも!」
「あたしも聞いてて不快だけどここで文句言っても噂話なんて止まんないよ」
確かに里中さんの言うとおりだ……僕だって小西先輩と知り合ってなかったら噂をする側だったかもしれない……
「なあ……お前ら、昨日、あの夜中のテレビ見たか?」
そこで花村くんが僕たちに声をかけてくる。
「あのさ、花村までこんな時になに言ってんの!?」
さっきは僕を止めた里中さんだけど花村くんがこういう態度をとることには気に障ったみたいだ。
「いーから聞けって! 俺、どうしても気になって見たんだよ」
「里中さん……ひとまず聞いてみようよ」
花村くんの真剣な様子……付き合いは短いけど花村くんはこの件に関してふざけてはいないと思う。
「映ってたの……あれ、小西先輩だと思う」
「え!?」
「見間違いなんかじゃない……先輩、なんか苦しそうに、もがいてるように見えた……それで、そのまま画面から消えちまった」
「なによ、それ……」
「先輩の遺体……最初に死んだ山野アナと似たような状態だったって話だろ? 覚えてるか? 山野アナが運命の相手だって騒いでいた奴がいただろ」
「え!? そんな人いたの?」
「あー、吉井は知らないかもしれないな、でもいたんだ。で、俺、思ったんだ。もしかしたらさ……山野アナも死ぬ前に、あのマヨナカテレビってのに映ってたんじゃないのかって……」
「……どういうこと? それってまさか……あのテレビに映った人はみんな死んじゃうって言いたいわけ?」
「そこまでは言い切らないけどさ……ただ偶然にしちゃ、なんていうか、引っかかるというか……」
「……」
「それと、向こうであったクマが言ってたろ、危ないとか霧が晴れる前に帰れとか……確か、誰かが人を放り込む、とも言ってた。それにポスターの貼ってあったあの部屋……事件と何か関係がある感じだったろ。これ、なんか繋がってないか? もしかして先輩と山野アナが死んだのってあの世界と何か関係があるんじゃないのか!?」
えーと……なんだかよくわからなくなってきた……
「なあ、俺の言ってること……どう思……って吉井?」
「わ!? なんかオーバーヒートしてない? もしかして話についてこれてない?」
「えーと……ごめん」
「あーつまりだ。あの世界に山野アナが何か関係してそうだっただろ。先輩と山野アナの死体が似ているからもしかしてあの世界と関係してるんじゃないかってことだ」
最初から簡単に言ってくれれば僕も理解できたのに……
「うん、確かにありえると思う」
「なあ、吉井ってもしかして……」
「成績悪くて転校してきたって言ってたし……昨日のカーメンの授業の時の答えも……」
「ああ、西暦を宇宙世紀といったあれか……」
「ち、違うよ、ちょっと勘違いしていただけで……」
「まあ、ともかくだ。もし繋がりがあるなら、先輩と山野アナもあの世界に入ったってことかもしれない。あっちで何かあったっていうのならあのポスターの部屋も説明がつく。もしそうなら……先輩に関係のある部屋もあるかもしれない」
「花村……あんたまさか」
「ああ、俺もう一度行こうと思う。確かめたいんだ」
「よ、よしなよ、事件のことは警察に任せたほうがいいって……」
「警察とかアテにしていいのかよ! 山野アナの件だって進展なさそうじゃんか! 第一テレビに入るなんて話まともに取り合うわけねーよ!」
確かに、いくら日本の警察が優秀でもテレビには入れないと思う。
「全部俺の見当違いならそれでもいい……ただ、先輩がなんで死ななきゃなんなかったか自分でちゃんと知っておきたいんだ……」
「花村……」
僕も昨日は何もできなかった。だから自分の出来ることはやっておきたいという気持ちはわかる。
「こんだけいろんなもん見て、気づいちまって、放っておくなんてできねーよ……」
「わかった、花村くん、僕も行くよ」
なら僕は友達として花村くんと一緒に行くべきだろう。テレビが危険というのなら一人で行かせるわけにいかない。
「わりぃ、お前がいないとテレビには入れないもんな……じゃ、準備してジュネスで待ってるよ」
あ、そう言えばそうだった。僕しかテレビに入れないことをすっかり忘れてた。
花村くんはそのまま走っていく。
「気持ちは、わかんなくないけど……あんなとこ、また入ったら無事に出られる保証ないじゃん」
「大丈夫だよ、一度出られたんだし」
それでも危険があるから女の子の里中さんは連れて行くわけにいかないけど……
「とりあえず、ジュネスに行こう」
里中さんは反対みたいだけど僕としては何かしたい。そう思っている。
Prrr Prrr
「あれ? 吉井くん、携帯鳴ってるよ」
人が決意を込めてるときに誰だろう。
『坂本雄二』
あのバカはタイミングが悪い。
「もしもし」
『明久か? すまん、かくまって欲しい!』
「は?」
『今八十稲葉駅まで来ている、とりあえず夜まで安全な所にいれればいいんだ!』
この忙しい時に何を言って……待てよ、僕の悪友の坂本雄二は中学の頃は悪鬼羅刹と呼ばれていたほど腕っ節が強い、その上勉強はできないが頭の回転は早い。
「OK、雄二、この町にある大型スーパー、ジュネスに来て欲しいんだ」
『わかった』
「電話、誰だったの? ジュネスに連れてくって……」
「んー、援軍かな」
陽介と千枝の推理についていけないバカ、そして流石に死人が出てる時にギャグれないため今回は大人しかったですが最後に大きく展開が変わりました。
ここまで読んで下さった方はおわかりでしょうが雄二もテレビに入ります。放課後になったばかりのタイミングで雄二がここにいる理由は次回説明します。
バカテス側の相棒坂本雄二とペルソナ側の相棒花村陽介、覚醒のタイミングは合わせたかったんですよね。
ではここでクイズ、雄二のアルカナはなんでしょう?
正解しても賞品はありませんけど正解者はアルカナ判明した話のあとがきで発表させていただきます。
ヒントはペルソナ4の仲間のアルカナはまず除外しています。これはパーティ全体のも含めます。あと『世界』もないです。
つまり
『愚者』『魔術師』『女教皇』『皇帝』『恋愛』『戦車』『運命』『星』『審判』『世界』
は除外されます。個人的には雄二は皇帝が似合っているのでここはちょっと残念なところです。
あとは明久がコミュしやすそうなの、というよりは作者が書きたいと思うコミュは外してます。まあ例えば菜々子コミュの『正義』とかはないですね。これは他の好みは秘密なんでヒントになってませんが。
そしてゴールデンのコミュ『永劫』とか『道化師』ですね。これもないです。
つまり候補は
『女帝』『法王』『隠者』『剛毅』『刑死者』『死神』『節制』『悪魔』『塔』『月』『太陽』
この中でこのコミュは作中で書かれるだろうとかこのコミュはバカテスのあのキャラだろうとか考えてもらえると嬉しいですね。
ちなみに今回のクイズは雄二のみで他のキャラのアルカナに関してはまたその時に出題させていただきます。
※締め切りました