「あ……帰っでぎだぁ……」
「さ、里中さん、どうしたの?」
僕たちがテレビから出てくると里中さんが外で泣いていた。
驚いて僕がそう聞くとロープを投げつけられた。
「い、痛ぁ、な、なんで!?」
「なんでじゃないよ! ほんと、バカ、最悪!」
「え、え!? 何で怒ってるの!?」
なぜ怒られているのかが僕にはわからない。
僕は雄二と陽介に視線で助けを求める。
(今の状態じゃ何言っても聞いてくれなそうだな、怒りが収まるまで大人しくしたほうがいい)
「す、すまん、里中……」
僕と雄二のアイコンタクトわからなくて陽介は謝罪の言葉を口にするけど……
「ロープが切れちゃうしどうしたり良いかわからなくて……スッゲー心配したんだからね!!」
里中さんの怒りは収まらない。
「ああ、ほんと腹立つ!」
そして里中さんはそのまま怒って帰ってしまう。
「……ちょっと悪いことしちまったな……」
「そうだな、明久、陽介、ちゃんと謝っておけよ」
「ちょ、なんで他人事なんだよ」
「そりゃ他人事だろう、明日学校で謝るのはお前らだからな」
おのれ雄二、こうなったら明日謝る時全部雄二のせいにしてやる……
「まあ、今日のところはもうヘトヘトだし……帰って寝ることにするか、雄二、お前はどうするんだ?」
「そうだな、俺はもう少ししたら帰ることにしよう、あと陽介、疲れているところ悪いがマヨナカテレビはきちんと確認しろよ」
そういえば今日も雨だ、マヨナカテレビが映るはず。
「雄二はこっちに残ってマヨナカテレビ見ていかないの?」
疲れているのはみんな同じなのにこいつだけ早く休むのは納得いかない。
「俺は明日学校あるしな、ここから登校するのはかなりきつい。あと俺の家の方でマヨナカテレビを確認しないといけないしな……」
「あ、そっか……マヨナカテレビがこの町でしか見れないとは限らないのか……」
へー、色んなこと考えているんだな、こいつ
「そうだよね、雄二の方で見れたらそっちでも確認できるもんね」
「いろんな意味で見えないほうが良いんだけどな、俺の身の安全的な意味でも……」
「?」
「まあ、気にするな」
「それじゃ、マヨナカテレビのチェックは各自しておくってことで今日は解散するか」
「あ、ちょっと待て、連絡先は交換しておこう、もしマヨナカテレビが見えたら連絡してくれ」
「あ、そういえば僕も陽介の連絡先知らないや」
僕たちはその場で連絡先を交換して方向が違う陽介とは別れた。
帰り道、河川敷を雄二と一緒に帰っていっているところ……
「あれ? あの黒くて長い髪は……」
「さらば」
雄二が突然傘を捨て、振り返ってダッシュの姿勢をとる。
「天城さんだ」
「別人かよ! 明久、てめえ、驚かしてるんじゃねえ!!」
と、思ったら突然切れて襲いかかってくる。
「え!? なに、どうしたの!?」
僕も慌てて傘を捨てて雄二の攻撃を回避する。
「よ、吉井くん、何やってるの?」
「やあ、天城さん偶然だね」
雄二と向き合い拳を握ったまま天城さんに挨拶をする。
「そうじゃなくてなんで雨の中で喧嘩してるの!?」
「気にしないでいいよ、こいつと殺りあうのは割といつものことだし」
「だが雨の中で殴り合うのも馬鹿らしいな、仕方ない、明久一時休戦だ」
ひとまず殴り合いを終えて僕たちは天城さんと一緒に屋根のついているベンチの方に移動した。
「驚いたよ、突然雨の中で傘を捨てて殴り合いをはじめるんだもの」
「すまん、明久がバカのせいで驚かせたな、俺は坂本雄二、コイツとは元クラスメイトだ」
「貴様! 全部僕のせいにする気か!」
「あ、私はクラスメイトの天城雪子、へえ、わざわざ都会から遊びに来たんだ」
「天城さんも無視して話進めないでよ!?」
「あ、ごめんなさい、無視したわけじゃないんだよ」
「ところで天城さん、着物ってことは家の手伝いの途中?」
「あ、うん、そうなんだ、お使いの途中、私の家旅館やってるから」
後半は雄二に向かって説明する。
「吉井くんはもうこの町に慣れた?」
「うん、さっきまで陽介とも一緒にいたし」
「そうなんだ、千枝とかとはどう?」
「あはは……さっきちょっと怒らせちゃった」
「え? なにかやったの?」
「うん、ちょっと……」
シャドウのこととか説明できないし曖昧な言い方になっちゃうけど……
「そっか、でも千枝は優しいから謝ればきっと許してくれるよ」
「うん、そうだといいけど……」
「あ、そろそろ戻らなきゃ……」
「うん、また明日学校でね」
「今忙しいから行けるかわからないけど……またね」
天城さんはまだ仕事があるみたいでそう言って帰っていく。
「しかし明久、里中と天城、随分と女子と仲良くなってるな」
「うん、みんな転校したばっかりの僕に声かけてくれてすごく助かってるよ」
と言っても里中さんは怒らせちゃったけど。
「さて、それじゃ俺はそろそろ帰るな」
「あれ? 女子の友達多いことを妬んでまた襲いかかってくるんじゃないの?」
「ああ……まあ、俺も色々あるからな、それに友人ってだけならFクラスにも女子は二人いるし」
二人……たしか姫路さんが途中退席してたからFクラスであとは秀吉かな。
「そっか、それじゃ、またね」
そのまま雄二は駅の方に帰っていった。
家に帰って今日も菜々子ちゃんと二人での食事、叔父さんは小西先輩の事件で忙しくて帰ってこれないんだろう。
「菜々子ちゃん、明日何か食べたいものある?」
「えっと、なんでも良いよ」
なんでも良いか……遠慮しなくて良いんだけどな、でもせっかくだから久しぶりに僕の得意料理のパエリアでも作ってみるかな……菜々子ちゃんのお母さんは料理が得意だったみたいで鍋とかは揃ってるし。
「なら明日買い物に行かないと……」
「ジュネス行くの?」
「うん、あそこなら色々揃うからね」
「菜々子もジュネス行きたい!」
「そっか、なら明日帰ってきてから一緒に行こうか」
「うん!!」
菜々子ちゃんと約束をしてテレビを見る。
「あれ? 天城さん?」
「知り合い?」
「うん、学校の友達」
天城屋旅館の話題みたいだけどまた変なことばっかり聞いている。小西先輩の時といいこのテレビ局の人はダメすぎなんじゃないかなあ……
「つまんないね」
途中で菜々子ちゃんが見るのを飽きてチャンネルを変えた。
「……雄二、おかえり、ご飯にする? お風呂にする? それとも……」
「まて、翔子なんでお前が俺の家にいる!」
「……妻が夫の帰りを家で待つのは当然」
「いや、別に俺たちは夫婦じゃないからな!?」
「……ところで雄二、今日どこに行ってたの?」
「いや、夫婦の話をスルーするな……ぐぁああああ!?」
「……雄二、なにかあった?」
「今現在アイアンクローをされている」
「……そうじゃなくて……なにかすっきりした顔してる」
「ま、色々とな」
「……そう、よかった」
「そう思うならとりあえずこの手を離せ!」
「……それとこれとは話は別、雄二には私に黙って帰ったことについてじっくり話してもらう」
今回でようやく序章終了といったところですね。
さて質問でいただきましたが雄二のペルソナ、ウラの外見ですが召喚獣のイメージも取り入れて白い学ランに鬼の仮面、武器は持たずに拳で戦うとなっています。
これは伝承で鬼となっていますが元々実在の人物なので鬼と思われた人間という意味を持たせています。
実際前回の段階ではほとんど考えていなかったのですが感想などで色々助けてもらっています。
ほかのキャラに関しても割と話やらペルソナはこれにしようとか考えているんですが外見は考えてないとかあるので……
また、雄二本体の武器はナックル系、ペルソナ3の真田先輩みたいな感じになると思います。