バカと田舎とペルソナ   作:ヒーホー

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雪子加入後のクマをカットしようと思いましたが入れることにしました。


第三十五話

「すごい、ここ、本当にテレビの中なんだ」

テレビの中に驚く天城さん、そこにクマが近づいてくる。

「あの時のクマさん……夢じゃなかったんだ」

「ユキチャン、元気? クマね、ユキチャンとの約束守って良いクマにしてたクマ」

「そっか、えらいえらい」

「そもそもこの世界で悪いクマってどんなクマなんだ?」

「餌を求めて町に降りてくるのは悪いクマ?」

「そもそもこいつ町に出れるのかよ……」

僕たち男性陣には良いクマと悪いクマの定義がよくわからない。

「まあ、事件解決するのはクマに頼まれたからでもあるんだ」

天城さんに事情を説明する。

「私も仲間に入れてもらったの、一緒に頑張ろ」

「うん! 一緒に頑張ろうって思ってたクマ」

クマは仲間が増えて嬉しそうだ。

「だからユキチャンにも用意してたクマよ!」

そう言ってクマはメガネを取り出して天城さんに渡す。

「そっか、みんなかけているのこれなんだ、ありがとうクマさん、本当だ、霧が晴れて見える」

「ところでさ、なんでそんなにメガネ持ってるわけ?」

たしかにそうだ、今回は準備期間があったけど僕たちの時は突然来たのにメガネを渡してくれた。

「よくぞ聞いてくれたと言いたいでずぞ! これ、クマが作ってるクマよ」

え? これって手作りなの!?

「すげえな、コスプレの小道具で作るときのムッツリーニでもここまではできないぞ……」

「うん、僕たちが来た時は3人分を即作ってくれたし……」

「クマはここに住んで長いから、ここで快適に過ごす努力は怠らないクマ」

「え? でもクマにはメガネ必要ないよね?」

「俺たちが来なければ無駄な技術だったな」

「む、無駄じゃないクマよ、確かにクマは目そのものがレンズになってるクマ、作り始めてからかける必要ないことに気づいたとかそういうことはないクマ」

「自分でばらしてんじゃねーか……」

僕と雄二に突っ込まれてワタワタと慌てるクマ。

「あれ、なにか落ちたよ」

慌てて動くクマが何かを落とし、天城さんがそれを拾い上げる。

「あ、それちょぴり失敗したメガネ」

そのメガネは……いわゆるパーティーグッズ売り場とかで見る鼻と髭が付いたメガネ。いわゆる鼻メガネというやつだ。

「あーこれ」

「ちょっと、雪子!?」

天城さんは迷わずそっちのメガネに付け替える。

「あはは、どう?」

「まさか天城さんが付けるとは思わなかったよ」

こういうとき付けることになるのは大抵僕だったし。

「あはは、そう?」

「ユキチャン、それ気に入ったクマ?」

「鼻ガードついてるし、私これが良い」

「おやめなさい」

天城さんは喜んでいるがそれを里中さんが止める。

「クマったなー、それ本物のレンズが入ってないクマよ」

「いや、そういう問題じゃないからな、そんなの付けて他の人を助けようとしても締まらないだろ」

想像してみる。自分の否定したい影が出て来てそれを鼻眼鏡をした集団に見られる。そして「それもお前だ受け入れろ」と言われる。

「なんていうか絶対に認めたくなくなるよね」

「確かに……お前に言われたくねえって感じだよな……」

「なんだぁ……残念」

「ああ、わかってくれてなによりだ、だから鼻眼鏡をつけるのは明久だけでいいだろう」

「うん、わかった、残念だけどこれは吉井くんに譲るね」

そう言って天城さんは僕に鼻眼鏡を渡してくる。

「うん、わかった。これは僕が引き継ぐよ」

そう言って僕はメガネを付けなおす。

「ってなんでわざわざ鼻眼鏡をつけないといけないの!?」

「あははは、はははははは、吉井くん、それ、似合う!」

「またかよ!」

「……本日二回目」

天城さんは爆笑スイッチが入って笑い続ける。

「アキヒサ、そっちでいくクマ? それなら次までにレンズ付きのやつ準備しておくクマ」

「ああ、頼む」

「頼むな! バカ雄二!!」

僕はメガネを元のに付け直す。

「クマ、作り直さなくていいからね!」

「やめちゃうの? 残念」

「天城さんもそんな残念そうな顔しなくていいから!」

「まあ、でも明久の場合はマジで似合うな」

「あはは、たしかに」

陽介と里中さんまでが言う。

そしてクマに状況と方針を話し今日は解散することになった。

 

 

そして家、今日も叔父さんは早く帰って来れて三人で過ごす。

「4日と5日だな」

叔父さんが新聞を読みながら一言言う。

「4日と5日なら、まあ、休みが取れそうだ」

「ほんと!?」

菜々子ちゃんが嬉しそうに言い、その後

「……ほんと?」

不安そうに再度聞きなおす。

「なんだよ、疑ってるのか?」

「……いつも、ダメだから……」

「ま、毎年じゃないだろ」

刑事という仕事柄、休日が突然なくなるということが今までにもあったんだろう。

「ジュネスに行きたいんだったか? 近場じゃなくて遠くでもいいんだぞ」

「ほんと? りょこう?」

「あーまー、たまには旅行もいいかもな、明久、旅行前にしっかりとテスト勉強はしておけよ、GW明けてすぐにテストだろ」

「え!?」

「お前……まさか忘れてたんじゃないだろうな……」

忘れてました……

「一応そっちも姉貴に頼まれてるんだ……仕事であまり構ってやれないのにうるさく言って悪いと思うが最低限の成績は維持するようにな」

「は、はーい……」

だ、大丈夫だよね、文月にいる時より授業中は起きてるし……

「成績が悪いと小遣いをカットするように言われてるんだ、頑張れよ」

小遣いがないとみんなでフードコートに集まった時、僕だけ水を飲むという文月の時のような生活に戻ってしまう。それどころか叔父さんに任せても成績が上がらないことを危惧し母さんが最恐の刺客(姉さん)をこの堂島家に送ってくるかもしれない。そんなことになっては味覚的な意味でも社会的な意味でも僕の生活は終わりだ!

そもそもこんなに良い子な菜々子ちゃんが姉さんの影響を受けて歪むのは阻止しなくてはいけない……

「頑張ってね、お兄ちゃん」

「大丈夫、菜々子ちゃんは僕が守るから」

「お前、何言ってるんだ?」

この家の平和のためにも……僕はこの中間テスト、そこそこの点数を取らなくては……




前回の続きですね、まえがきにも書いたけど最初は爆笑スイッチが一度入ったから飛ばそうと思ったけどせっかくだから加えました。だから作品投稿に伴い前回のラストの一文も削除しました。
ペルソナ4では成績が良ければお小遣いをくれる遼太郎叔父さん、この作品ではある程度成績を取れないと小遣いカットです。
ゲームだとシャドウがお金を落としますけど小説では落とさないためお小遣いを貰っていることにしています。
では次回もよろしくお願いします。
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