バカと田舎とペルソナ   作:ヒーホー

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第三十六話

「吉井氏、保健室に行くことを許可する」

 

「吉井っち、悩みがあるなら、先生、相談にのるんよ」

 

 

僕が授業を真面目に聞いてノートをとっているだけで午前中の授業では何度も先生に声をかけられた。

おかしいなあ、僕がこの学校に転校してきてからは半分位は真面目に授業を受けていたはずなのに……

「よお、明久、昼飯食おうぜ」

そして昼休み、僕は陽介に声をかけられる。

「うん、それじゃ、屋上で食べようか」

「あ、それじゃあたしと雪子もお湯貰ってきたらそっち行くね」

屋上に向かう僕と陽介に里中さんたちも声をかけてくる。

「どうよ、そろそろこの学校に慣れた? お前の学校は相当変だったみたいだから大変だろ」

「何言ってるの陽介、前の学校は変でも僕はまともだよ」

「いや、それはないだろ……」

「おや、吉井くんじゃないか、この前は助かったよ」

僕に話しかけてきたのは……確かオカルト研究会の人だったかな。

「いや、大したことじゃないよ、それに頼まれたものじゃなかったしね」

「確かに『呪われそうな悪魔象』は手に入らなかったみたいだけどあの衣装、魔術的な雰囲気が出てて素晴らしかった、活動中はあの衣装を使わせてもらってるよ」

ただのFFF団の衣装なんだけどね。僕がやったのはムッツリ商会を経由して部員分を注文しただけだ。

「それじゃ、また何かあったら頼むよ」

「うん、それじゃ、また」

「知り合いか?」

「うん、ちょっとこの前頼まれごとをして」

「ふ~ん」

そのまま階段を登ろうとする。

「あ、この前はありがと、でもあれはちょっと無理があるわよ」

話しかけてきたのはお団子頭の女子生徒。

「机の修繕でしっくりくる板頼んだけど、まさか江戸時代の拷問に使うような石の板を持ってくるとは思わなかったし」

使用法は間違っていない(体験済み)

「ごめんね、机の代用品と言ったらそれしか思いつかなくて」

「ふ~ん、都会じゃそんなもんなんだ」

横で陽介がないないと首を振っているけど女の子は気付いてないみたい。

「それでもわざわざ探してくれたし、家まで運んでくれたのはありがとう」

「結構重いからね、女の子があれ持って学校から帰るのは大変でしょ」

それだけ話して女の子とは別れる。

「むしろそんなもの持って通学路歩いて学校来たお前がすごいよ……」

「確かにちょっと重かったけど……」

「いや、普通に目立つだろ!」

そんなものなのかな?

そして階段を上って3F、そこにはアフロの先輩がいた。

「お、この間の、またクイズをしに来たのか?」

「あ、ナゾナゾ先輩……いや、クイズ出されても僕には解けないから……」

「そうだな、月桂樹って何って聞かれて思わず10円玉の植物って答えそうになったぜ」

そのヒントをもらっても僕には解けなかったと思う。あの時はクイズを出されて答えられなくて電話で雄二に相談したらあっさり解いてしまった。

「ま、ナゾナゾは定期便、その時はまた挑戦してこいよ」

そしてナゾナゾ先輩とも別れる。

「お前どんだけこの学校に馴染んでるんだよ……下手したら半年この学校にいる俺より知り合い多くね?」

「そんなことないと思うよ?」

今の人たちも名前は知らないし、他の友達はバスケ部とか演劇部の人たちくらいだし。

「陽介の方が有名人でしょ?」

「俺の方は一方的に知られてるだけだって、ジュネスの息子ってせいで」

陽介は迷惑そうに言うけどこの前一条くんや長瀬くんと話していてもジュネス抜きでも普通に見られてると思うけどなあ……

 

 

「随分時間食っちまったな」

道中何度か声をかけられたせいで屋上に出るまでに意外と時間がかかってしまった。

「おまたせー」

「あ、食べないで待っててくれたんだ」

だから僕たちが屋上に出てすぐに里中さんと天城さんが来る。

「しっかし……普通逆じゃね、男の明久が手作りの弁当で女子のお前らがカップ麺とか……」

「花村だってそれジュネスで売ってるやつじゃん」

「俺は期限ギリギリのやつのを有効活用してるだけだよ」

食べているのは僕は昨日の夕飯を活用したお弁当、陽介がジュネスの、里中さんが緑の○ぬきで天城さんが赤いき○ね。

「うちは朝からみんな仕事してて忙しいから、お客さんの朝食もあるしね」

「旅館だもんね、朝は仕込みとかもあるし、台所は使えなくても仕方ないよね」

「あ、あたしも朝は余裕がないだけで作れるよ」

「うわ……嘘くせー」

「吉井くんのは誰が作ってるの?」

「一応僕が作ってるけど?」

「うっそ!? 吉井くん料理できるの?」

「マジで!? 俺は米研ぐくらいしかできねーぞ」

それができれば十分だと思う。姉さんと母さんはそれすらできないし……

「ね、一口食べさせて」

「あ、私も」

「俺も! 明久の料理とか興味あるし」

そう言ってみんなが僕のお弁当から取っていく。

「ウマー、なにこれ、すごい美味しい」

「確かに……明久、意外な特技があったんだな」

「うん、美味しい」

みんなにはなかなか好評みたいだ。料理を作る側としては美味しいと言ってもらえるのは嬉しいことだけど……

「もう一個もらうぜ」

「ちょ、待って陽介あまり取られると僕の分が……」

「吉井くん、あたしこっちも食べてみたい」

「里中さんも!? 今日は一人分しか作ってきてないから……」

「私も、こんな美味しいお弁当初めてだから」

「天城さんまで!? 僕の料理なんて本職の板前さんにはかなわないよ!? それより僕の分が……」

 

 

「ごめんなさい……」

「ごめんね……」

「悪い……」

数分後、僕のお弁当は3人の胃袋の中に消えていた。

「いや……いいよ、悪気はなかったわけだし……食事を抜くのは慣れているから……」

「と、ところで吉井くん、今日はどうしたの? 普段と違ってすごい真面目に授業受けてたじゃない」

「あ、ああ、明久が一度も寝ないなんて珍しいよな、はは、このままじゃGWは雨だな」

「天気予報ではGWは晴れだったけど……吉井くんが勉強するってそんなに珍しいの?」

「あ、そっか、雪子は学校休んでたもんね。吉井くんはいつもは授業の半分は寝てるしまともに授業受けてるとことかはあんま見ないよ」

「俺は明久の真後ろだし里中は隣だからな、授業態度は嫌でもわかるし」

ええ!? 僕が勉強することでGWが雨……それが理由でお出かけが中止、菜々子ちゃんが叔父さんへの不満を爆発させて堂島家崩壊……でも勉強しなかった場合は姉さんが襲来して堂島家崩壊……

「どうしよう陽介!? 家庭の危機だよ!」

「は?」

「このままじゃ堂島家はおしまいだ!?」

「おいおい、何があったんだ?」

僕は事情を説明した。今までこういう状況はあったけど大抵は「どうせいつもの明久のバカな思考回路だろ」とスルーされてたのに……この町の人はなんて暖かいんだ。

「おまえどういう思考回路してるんだよ……」

「うん、ないよね」

でも話した結果、陽介と里中さんはあきれ顔。

「でも成績が悪くてこっちに来たって言うし、あんまり悪いと困るんじゃない?」

天城さんがそう声をかけてくれる。

「あ、じゃあ雪子、勉強教えてあげたら?」

「天城さんって成績良いの?」

「うん、いつも学年トップクラス」

「ちょっと、千枝……」

「そしてついでにあたしにも教えてくれないかな~、実は結構やばくて……」

「あ、それなら俺も教えて!」

「えっと……みんなで勉強するなら良いよ、吉井くんには迷惑かけちゃたし……」

「ありがとう、天城さん!」

その日からテストまで都合の良い日は天城さんに勉強を見てもらうことになった。

 

 

知識 バカ→バカの中ではまし(Fクラス上位級)




前半の部分はクエストの方をちょっと出してみました。といってもダンジョンで拾ってこないで自分のコネで調達しているので変なものばかり……この時期にまだ発生してないクエストも出てるのは気にしない方向で。
後半の方はペルソナ4パーティーでの日常、一人とコミュするよりメンバーでのコメディを書くほうが書きやすいです。
あ、でも勉強風景はわざわざ書きません。雪子に教えてもらって勉強してます。でも雪子も数日学校休んでたのに教えてもらう側の他のメンバー……
では次回もよろしくお願いします。
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