バカと田舎とペルソナ   作:ヒーホー

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第四十七話

美波を助けたあとに雄二から説明を受けたところ、完二くんのことを調べないとクマは匂いを辿れないらしい。

「でもどうやって調べるの?」

友達というわけでもないし僕たちは完二くんのことをよく知らない。

「ふむ……そうだな、天城、完二の母親の方にあたってみてくれ」

雄二が考えてから天城さんに指示を出す。たしかに親なら知っていることもあるよね。

「俺たちはどうするんだ?」

陽介が雄二に質問する。

「ああ、完二と接触していたという奴に話を聞いてみようと思う」

なるほど、確実に完二くんと知り合っている相手を狙うということか。っていうことはあの話をしていた中学生くらいの帽子の子かな?

「わかったよ、それじゃあ手分けしてあの子を探そう」

「ウチはその子の顔わからないんだけど……」

そういえば美波は見たことないのか、雄二と霧島さんもタイミング的に合わなかったせいか顔を知らないはず。

「ああ、島田は今日のシャドウとの接触で疲れているだろう、明日から探索が始まるんだ。今日は休んでくれ。翔子、送ってやってくれ」

「……うん、雄二はどうするの?」

「俺は明久と組んで探す。このバカじゃ聞き込みができるとは思えないしな」

確かに僕ひとりで頭を使う捜査は無理だ。

その後相談して探索範囲を分けて僕たちは完二くんと話していた少年を探すことにした。

 

 

「あ、雄二、あの子だよ」

探していた少年はジュネスにいた。

「ふむ、あの中学生くらいの帽子を被った奴か」

「うん、ねえ、君、ちょっといいかな?」

僕と雄二はその少年に話しかけることにした。

「僕に何か用ですか? 見たところここら辺の人ではなさそうですが……」

少年は雄二の服装を見て言う。確かに学校終わってから直で来ているので雄二は

文月の制服を着ている。ここらの学校の人ではないことはわかるけど……

「よくわかったな、お前もここの住民じゃないんだろ?」

雄二の言うとおりそれは地元の人間だからわかることのはず、彼もここの住民じゃないのによく知っているなあ。

「ええ、でも一応ここの近辺の学校の制服は頭に入ってますから」

なんでそんなこと知っているんだろう……

「ふ~ん……それで、ちょっと質問させてもらって良いか?」

「ええ、構いませんよ」

なぜか普通に話しているのに緊張感を感じる……

雄二に目を向けると

(あまり余計なことは言わないでおけ)

とアイコンタクトをされる。

雄二がそう言うならここは任せておこう。

「巽完二と話をしていたんだよな? その時何か変わった様子はなかったか?」

「巽くんと話した時に何か変わったところですか……?」

少年も何か探るような目で雄二の方を見る。

「ふうん……まあ、良いでしょう。なにか急いでいるようなので聞かれたことを答えます」

そして考えてから答えを返してくれる。

「そうですね……最近のことを聞いたらなにか様子が変でした。だから感じたままに伝えました。変な人だねと……随分顔色を変えていましたよ。こちらがビックリするくらいにね」

初対面で変な人呼ばわりはかなりきついと思う……

「驚くくらいにか……ふむ……」

けどそれを聞いて雄二はなにか掴んだような様子だ。

「ええ、それを踏まえると普段の様子も少し不自然だったような気もしますね。なにかコンプレックスでも抱えているような……確証はありませんけど」

「サンキュ、参考になった」

少年の言葉に雄二は礼を言う。

「僕からも質問良いですか?」

「ん? なんだ?」

「貴方の名前と……この町に来た理由を教えていただけませんか?」

「ああ、俺は坂本雄二、こいつがこっちに引っ越して来たから遊びに来たんだよ」

「僕はよし……」

「……なるほど」

僕も自己紹介しようと思ったのにあまり僕には関心がないみたいだ……

「で、お前の名前は?」

「僕は白鐘直斗です」

「僕はよし……」

「そうか、ではな、行くぞ、明久」

またもや僕の自己紹介は言われる前に遮られる……

「では、僕もこれで失礼します」

そして白鐘くんもそのまま去っていく……

「ん? どうした明久?」

「僕の名前って名乗る程の価値もないのかな?」

「何を当然のことを言ってる。それよりあの白鐘ってやつは要注意だな……巽完二にこの段階で接触したことといい、俺に警戒することといいなにか掴んでいるのかもしれない」

「それよりって何!? 僕の名前はそんなにどうでも良い事なの!?」

「さ、陽介たちを呼んでクマのところに行くぞ」

「スルーしないでよ!?」

 

 

「お、アキヒサ達、早かったクマね、もうわかったクマ?」

「ああ」

雄二がクマに白鐘くんから聞いたことを話す。

「ふむふむ……コンプレックス……変という言葉に反応……」

それを聞いてクマが聞き返し沈黙……

「え? 続きはないクマ? それだけで探すクマ? クマ使いが荒いクマね……」

クマが困ったように言うが……

「ダメならまた情報を集めなおす、探してみろ」

雄二がクマに探すように言う。

「しょーがない……なら全力で鼻クンクンするクマよ!」

そしてクマが集中して匂いをたどる。

「おっ、なんかいたクマ! あたりの予感! これか、これですか! 付いてくるクマ!」

「いや、ちょっと待て、今日は明久も消耗してるし場所分かったなら明日にしないか? 心の準備もいるし……」

陽介に言われて昨日見たマヨナカテレビを思い出す。

『今回は……性別の壁を越え、崇高な愛を求める人々が集う、とある施設を紹介しまぁす』

……

「うん、心の準備は必要だよね!」

できれば行かずに済ませたいところだ。

「え? そうクマか。それじゃあ、また明日クマ」

完二くんの居場所もわかったし僕たちは明日向かうことにして今日は解散した。

 




今回は直斗と接触、バカの明久ではなく切れ者どうし雄二に話をさせました。
そして次回いよいよダンジョン、彼らはいろんな意味で無事に済むでしょうか。
では次回もよろしくお願いします。
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