バカと田舎とペルソナ   作:ヒーホー

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えーと、まず謝罪から……完二の能力……アルカナとか学力の紹介を今まで入れるのをすっかり忘れていました。
今更ながら今回入れておきます。



第五十五話

6/10 金 曇/雨

 

 

いよいよ明日が清涼祭、僕は家で向こうへ行く準備を整えていた。

「お兄ちゃん、準備できた?」

菜々子ちゃんもお泊まりの準備をして僕に話しかけてくる。

「うん、大丈夫だよ」

宿泊先が僕の実家だし、忘れ物しても向こうではコンビニで24時間買い物できる。

「おう、明久、ちょっと良いか?」

「どうしたの、叔父さん?」

叔父さんが準備を終えて居間に降りてきた僕に話しかけてくる。

「ああ、たまには話くらいしようと思ってな、コーヒー、飲むか?」

もしかして事件のこと問い詰められる!? でも断るわけにいかないし……

「あ、コーヒーなら僕がいれるよ」

「ああ、いい、これはこの家では俺の仕事なんだ」

そう言って叔父さんはコーヒーを入れる。

「亡くなった妻との約束でな、他のことは良いからこれだけはやるって結婚するとき約束したんだ」

叔父さんは僕のところのコーヒーを持ってきてそう言う。

「父さんは僕ができるようになるまで家事を全部やらされてたけど……」

「ははは、姉貴は相変わらずだな」

叔父さんは父さんよりまともな結婚生活を送れていたようだ。

「しかし、お前が来てもう二ヶ月か……俺が忙しいせいであまり構ってやれないのに菜々子の面倒を見てくれて感謝している」

「菜々子ちゃんと話すのは楽しいし、気にすることじゃないよ」

ひとり暮らしの時と違って帰ってきたらおかえりと言ってくれるのは嬉しい。母さんや姉さんと違って危険がないしね。

「そうか……」

叔父さんは嬉しそうだ。なんか事件のこと聞かれるんじゃないかと警戒したことに罪悪を感じる……

「明久、遊びに行くんだから小遣いが必要だろう」

そう言って叔父さんがくれたのは……え!? こんなに!?

「菜々子の游ぶ分もお前に預けておく。ああ、姉貴には内緒だぞ、成績上がってないのにお前に小遣いやったことバレたら怒られるからな」

叔父さんにもらった諭吉を財布に入れて僕は叔父さんにお礼を言う。

「ありがとう、叔父さん」

 

 

『我は汝……汝は我

汝新たな絆を見出したり……

 

絆はすなわちまことを知る一歩なり……

 

汝、法王のペルソナを使いしとき

我ら、更なる力の祝福を与えん』

 

 

「気にするな、たまには叔父らしいことしてやらないといけないからな」

せっかくの叔父さんの好意だしこのお金はゲームとかに注ぎ込まないで菜々子ちゃんと一緒に楽しめるように使おう。

 

 

 

6/11 土 曇

 

 

「ここが文月学園ッスか……」

「デカ、っていうか広!?」

完二と里中さんが文月学園を見て驚きの声を上げる。

「ってか田舎の学校で広さ負けてる時点で勝つとこなくね?」

陽介の通っていたところもそんなに広くなかったんだろう。

「と言っても旧校舎、成績の低いクラスのためのボロい教室もあるしね、そっちよりはうちの学校の方がマシだと思うよ」

といっても僕も噂で聞いたり雄二や美波から聞いた話だけど。

「あ、それに先生の濃さでは勝ってるかも……」

天城さんがそう言いかけたところで……

「吉井、貴様、何をしに来た」

「遊びに来ただけなのにその発言はおかしいですよね!?」

僕たちの前に現れたのは鉄人……トライアストロンが趣味の生活指導の鬼教師だ。

「昨年度にお前と坂本がやったことを考えると当然の反応だと思うがな」

「ちっ……一度目をつけると不良呼ばわりかよ……」

完二がそう言うが……

「没収品を盗み出して一緒に俺の私物を持って行って売り払ったのはお前が初めてだからな」

「明久……お前、何やってるんだよ……」

「これは弁護のしようがないよね……」

「それはさすがに……」

「お兄ちゃん、悪いことしちゃダメだよ」

陽介や里中さんだけでなくさっきまで味方側にいた完二まで呆れている。なにより菜々子ちゃんに怒られるのが一番きつい。

「まあ、ちょうどいい、観察処分者のお前にやってもらいたい事が……」

「僕もう観察処分者じゃないですよね!?」

なんで転校したのにこき使われないといけないんだ。

「はっはっは、冗談だ、せっかく来たんだから楽しんでいけ、君たちも楽しんでいくといい」

鉄人はそう言って笑い校舎に戻っていく。冗談と言うけど僕が否定しなければ絶対仕事させたに違いない。

「これは……ある意味負けてるね」

「うちの学校の先生もすごいけどこの学校もすげーよな」

「っていうかこのナリのオレがスルーされるのに注意されるとか、先輩、どんだけ目つけられてるんスか」

「いや、ほら、鉄人は去年の担任だったから顔覚えられてるだけだよ」

反省文の枚数は関係ないと思いたい。

「わあ、お兄ちゃん今の先生と仲良しなんだね」

菜々子ちゃんの純粋な瞳が逆にきつい!?

「ま、とにかくせっかくの学祭なんだ、楽しもうぜ」

「とりあえず美波達のクラスと翔子のクラス、どっち先に行く?」

「菜々子、雄二お兄ちゃんのところ行ってみたい!」

そういえば雄二は家に泊まった時に菜々子ちゃんと遊んでいて結構懐かれてたな、雄二は顔に似合わずに小さい子には優しいんだよね。

「中華喫茶でしたっけ? 俺中華にはうるさいッスよ」

完二は楽しそうに言うけど

「ああ、完二の家の近くに愛屋があったっけ」

「喫茶だから中華料理じゃなくてお菓子的なものだと思うけど……」

僕の言葉に天城さんが続ける。

「ええ!? それじゃあまり腹、膨れないじゃないッスか……」

「ええ!? それじゃあ肉がないの!?」

「ある意味お前ら似たもの同士だな……」

完二と里中さんの言葉に陽介が呆れ気味に言う。

「それじゃ、2-Fに案内するよ」

「「「おー!」」」

「「……おー」」

テンション上げていく3人とテンションが下がった二人を連れて僕は久しぶりの文月学園の校舎に足を踏み入れた。

 

 

巽完二

アルカナ 皇帝

ペルソナ タケミカヅチ

学力 Fクラス級




前書きにも書きましたが今まで完二の学力とか書くのをすっかり忘れてました。状況的に遅いんですが入れないよりは良いかと思いここに入れておきます。
さて、文月に来て最初に遭遇したのは鉄人、なんだかんだ言ってすごく良い先生だと思いますけどね。
堂島遼太郎叔父さんにお小遣いも貰ってコミュ発生しつつも次回から清涼祭、本番です。
では次回もよろしくお願いします。
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