バカと田舎とペルソナ   作:ヒーホー

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第六十四話

今日の美波は珍しいことに優しく、教室の手伝いを免除されて雄二と陽介の試合をみることできた。

美波と里中さん、姫路さんは少しでも売り上げに貢献すると言って先に帰ったけど。

「とりあえず雄二たちと合流するかな」

試合は点数に劣っていた雄二と陽介の勝利、二人ともペルソナで慣れているせいか召喚獣の操作も上手い。雄二なんて試召戦争をやっても前回は一回も戦わなかったと言っていたのに見事な操作だし。あのテレビの世界も意外なところで役に立つんだね。

そうやって考えごとをしているうちに雄二と陽介の姿が見えてきた。

「おう、明久」

「俺たちも勝ってきたぜ!」

いつも通りの雄二と嬉しそうな陽介と合流する。

「雄二も陽介みたいに素直に喜んだら?」

「常夏コンビごときに勝って喜んでる暇はないからな、俺達の次の相手は間違いなく翔子と天城が上がってくる」

対戦表を見るとあの坊主頭が夏川、雄二たちが戦ったソフトモヒカンが常村、合わせて常夏コンビか、なるほど。

でもあいつらはともかく……

「霧島さんと天城さんだったら頼めば勝利譲ってくれるんじゃない?」

二人共友達なんだし僕たちの事情を教えればそのくらいはしてくれるはずだ。

「ああ、条件付きでな……」

「条件?」

「優勝は譲ってくれる代わりに如月ハイランドのプレミアムチケットの使い道は決まってしまう……俺は……俺はまだ自由でいたいんだ!!」

なるほど、こいつは交換条件としてデートに連れて行かれるのを嫌がってるだけか、デートくらい行ってあげれば良いのに……

「ま、雄二がこの様子だからな、俺も一応協力してやるさ、一応作戦もあるしな」

「俺たちのことよりお前らが次で負けないようにしろよ、お前の相手は常夏コンビの片割れだ。。もう後がないからなりふり構わずにやってくるかもしれない」

「ははは、まさか、たかが学園祭の出し物でそこまでやることはないと思うよ」

 

 

結論として常夏コンビは本当になりふり構わずに行動に出ていた。ただ彼らはここに残っている完二を侮っていたということだ。

「ったく、なんなんだ、こいつら」

僕達が帰ってきて見たのは完二にボコボコにされて逃げていく他校の不良たちだった。

「おいおい、なにがあったんだ?」

陽介がその不良たちを見て声を上げる。

「あ、先輩達、何か知らねえんスけど、こいつらクラスの女子たちを攫おうとしてきたんでちょっとシメてやったんだけど」

「ちょっとシメたって……相手4、5人いたぞ、お前どんだけ喧嘩強いんだよ……」

「あいつら口だけで大したことなかったんでな」

「いや、十分すごいよ」

雄二ならそれくらい出来そうだけど完二も同じくらい強いみたいだ。

「それで、女子は無事なのか?」

「あ、はい、子供に喧嘩見せたくねーし、菜々子ちゃん達と一緒に避難してもらったスよ」

その言葉に僕も安心する。菜々子ちゃんに何かあったら困る。

「今回は完二に救われたな、この件はババアに詳しく聞いてみないとな」

確かに……誘拐とかになると冗談では済まされない。

「先輩、あのモヒカンと坊主がなんかやってきてるんスよね、店の方は落ち着いてきたんで次の試合は俺たちも見に行くから、ぶちのめしてやってください!」

「うん、任せてよ」

その後、菜々子ちゃんたちと合流して本日最後の試合、準決勝に行くことにした。

 

 

「俺たちの方が先だな」

雄二と陽介対霧島さんと天城さんの試合の方が先の予定になっている。

「こういうときどっち応援すればいいか迷うよね」

里中さんは霧島さんや天城さんと仲が良いからこその言葉だろう。

「気にしないで両方応援すれば良いんじゃない? アキさえ決勝に残れば翔子と雪子なら話し合いでも済む相手なんだし」

雄二の葛藤を知らない美波は気楽に言う。

「準備は良いな、陽介」

「おう、バッチリだ」

雄二は前の試合より気合の入った様子で会場に向かう。

「お兄ちゃん達がんばってね」

最後に菜々子ちゃんに応援されて試合に向かう。

 

 

坂本雄二視点

 

 

この試合、負けられない。

この後の試合予想をすると明久の操作能力と姫路の点数があれば、常夏コンビごときに負けることはないだろう。

だが姫路より点数が高い上に操作能力も高い翔子の相手は厳しい。なにか手を打とうにも明久はともかく真面目な姫路では卑怯すぎる手段をやらせにくい。

だからこそ俺たちが勝っておく必要がある。ババアの話によると如月ハイランドに訪れた文月のカップルを無理やり結婚させる計画があるらしい。だからこそ絶対に翔子にチケットを渡してはいけないんだ。

「ま、今回は事情が事情だからな、協力はしてやるよ」

陽介にだけは結婚のことを話している。陽介だけは俺の気持ちも知っているから無理矢理結婚というのを防ぐのには協力してくれている。

明久とかが事情を知ってしまうと面白がって翔子に渡しかねないからな……

「これより、準決勝を始めます」

 




一旦ここで切ります。次回は出来るだけ早めに上げるように努力します。
常夏コンビとの対戦が早まったことにより誘拐事件も早めに起こそうとするけど……完二がいたら無理でした。
大会には出ていないけどこの章で完二の男は上がってますね。
では次回もよろしくお願いします。
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