坂本雄二視点
Aクラス 霧島翔子
保健体育 463点
&
ゲスト 天城雪子
保健体育 364点
VS
Fクラス 坂本雄二
保健体育 239点
&
ゲスト 花村陽介
保健体育 177点
「……雄二達の点数では私たちに勝てない」
翔子と天城が召喚した召喚獣がふざけた数値を見せる。いつもどおりに重武装の翔子の召喚獣。天城のは和服に……あれは鉄扇か? 里中もそうだったが随分マイナーな武器をチョイスするな。
「ちょっと待て、翔子、お前の点数が高いのは知っている。だが受験に不必要な保健体育が何でそんなに高いんだ!?」
「……雄二との将来に必要だから」
「聞こえねえ、俺には何も聞こえねえぞ!?」
「な、なあ、雄二、潜ませてある土屋が血まみれなんだが……」
「おい、ムッツリーニ! しっかりしろ!?」
「…………む、無念」
翔子の言葉で翔子が保健体育の実技をしているところまで想像したのかムッツリーニが鼻血を吹き出して倒れる。
「土屋くんを保健室に!」
審判の先生がムッツリーニを連れて行く。
「え、何が起こったの……」
天城は何が起こったのが理解できていないようだ。
「……いつものこと」
大丈夫だ。まだ策が一個潰されただけ、相手が翔子なので策は二重に貼ってある。
「ちっ、仕方ねえ、陽介、作戦通り天城潰しから行くぞ」
「お、おう」
俺と陽介は懐から対天城の秘密兵器を取り出す。
「見ろ! 天城、クマのとこから持ってきたこいつを!」
陽介が叫び俺たちはクマの作った鼻眼鏡を装着する。
「……予想通り」
「ぷ……う、うん、大丈夫、翔子が予想していたし想像していたから耐えれるよ」
「「なんだと!?」」
天城がこれで爆笑モードに入らないだと!?
「……花村がその眼鏡を持って帰ったと聞いたときに雄二がその手を打つことは予想できた」
「うん、だから二人が鼻眼鏡をつけているように写真を加工して耐える練習をしたんだよ」
「どういう練習だよ、それ!?」
天城が俺たちの鼻眼鏡写真を見て笑いをこらえる風景とか想像できない。
「お、おい、雄二、やばくねえか、これ……っていうか、お前霧島に弱すぎじゃね?」
「……雄二のことは全部知っているから、心身ともに」
「ちょっと待て!? 索を読まれたことは認めるが身もってどういうことだ!?」
「そういうことで雄二、覚悟」
「お、おい、雄二、ほかに策は……」
焦ったように陽介が話しかけてくる。といってもムッツリーニも天城封じも破壊されるともう……
「こ、こうなったらお前が天城を惹きつけて……」
「あ、ああ」
「その隙にお前が翔子を倒す」
「無茶言うな!」
俺の冗談にツッコミを入れつつ防御するが……
「……雄二、花村、覚悟」
翔子の腕輪が発動し俺たちの敗北は決定した。
吉井明久視点
「あーあ、雄二負けちゃったね」
「いや、それよりなんであそこに土屋がいたのよ」
美波が疑問の声を上げるけど
「今回保健体育だからね。代理召喚して戦ってもらおうとしたんでしょ?」
ムッツリーニの保健体育の点数は高い。相手が霧島さんでも一対一なら倒せるだろう。
「あんたら、相変わらず反則するのに躊躇いないわね……」
「わかってないな、美波、バレなければ反則じゃないんだよ」
実戦に身を置く僕としてはそのくらい卑怯でもなんでもない。
「吉井くん、次私たちの試合ですよ、行きましょう」
「あ、うん、そうだね」
姫路さんに言われ僕は試合会場に向かおうとする。
「お兄ちゃん、菜々子応援してるからね」
菜々子ちゃんに応援されて負けるわけにいかないよね。
「あ、よ、吉井くん!?」
試合場に向かう僕に声をかけられる。
「あれ? 久保くん? 久しぶりだね」
そこにいたのは去年姫路さんと学年次席を争っていた久保くんだった。
「やはり登録選手の吉井明久は君だったんだね。こんなところで会うとは奇遇だね」
なぜか少し頬を赤らめているが僕の本能が気にしてはいけないと言っているので気にしないことにする。
「ところで、ちょっと聞きたいことがあるんだけど良いかい?」
「え? 良いけど僕はこれから試合だから手短にして欲しいんだけど……」
「ああ、時間は取らせないよ。吉井くんはこの大会に優勝したら賞品をどうするのか気になってね」
賞品といえば白金の腕輪だったっけ? 確か雄二が取引に使うって言ってたから……
「うん、雄二に……」
「坂本くんと行くんですか!?」
雄二に渡すと言おうとしたら突然姫路さんが驚いたように声を上げる。
「そ、そうか……転校しても坂本くんと付き合いが続いていたのか……」
何故か久保くんがショックを受けている。
「それじゃ、僕試合だから行くね」
「やっぱり吉井くんが大会に出てくれたのは坂本くんのためなんでしょうか……」
なぜか久保くんと同じようにショックを受けている姫路さんと一緒に僕は試合会場に向かった。
少し休みもあるんで次はもう少し早めに上げれると思います。
ちなみに陽介が出した鼻眼鏡は54話で完二を初めてテレビに連れて行った時に回収したものです。
では次回もよろしくお願いします。