バカと田舎とペルソナ   作:ヒーホー

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第八十一話

「お豆腐がいっぱいだね」

「うん、今日ちょっとお豆腐屋さんに行ってきたからね」

りせちーを見に行った日の夜、叔父さんも買ってきたおかげで大量の豆腐に囲まれての夕飯となった。

「明久、久慈川りせと何を話したんだ?」

「あ、うん、事件についてちょっと」

僕が口にしたら叔父さんの顔が険しくなる。

「首を突っ込むなといったはずだ」

しまった、雄二にも叔父さんには言わないように言われていたのに!?

「いいか、これは警察の仕事だ。遊びなら他所でやれ」

「ご、ごめんなさい」

とりあえず謝っておきつつどう誤魔化そうかと頭を働かせる……別の事件についてと誤魔化すか、例えばムッツリーニの盗撮とか……だめだ、これはムッツリーニが本当に捕まってしまう!

僕は必死に頭を働かせるが何も思いつかない。

「いや、すまん」

しかし僕が言い訳を考えていると叔父さんの方がそう言って引いてくれる。

「お父さんとお兄ちゃん、りせちゃんに会ったの!?」

そして菜々子ちゃんが僕と叔父さんの間に流れた気まずい雰囲気を壊してくれる。

「あ、うん、そこで今日は豆腐を買ってきたんだよ」

「へえ、そうなんだ、今度奈々子も行きたい!」

「うん、今度一緒に行こうね」

奈々子ちゃんのおかげで空気も和らいで食事を続けた。

 

 

そして深夜、今日も雨なのでマヨナカテレビを確認することにする。

やはり人影が映っている。昨日より鮮明だ。間違いなく久慈川りせだ!

『やはり久慈川りせだったな!』

マヨナカテレビが終わると同時に陽介から電話がかかってきてそう言う。

「うん、今日のは顔も見えたし間違いないよね」

『だな、それでいてあの映りだとまだあっちに放り込まれたわけじゃなさそうだ』

陽介の言うとおり昨日より鮮明だけどまだぼやけている、これはまだ無事ということだろう。

その後雄二にも連絡を取る。

『そうか……俺たちは移動に時間がかかるからお前たちは先に久慈川りせの様子を見ててくれ。完二のときと違って友好的ではあるから守りやすいだろう』

今日の様子だと度を過ぎたことをしない限り追い出されることはなさそうだ。雄二がいなくても完二がいるから心強いし。

雄二たちも学校が終わったら即座に来ると言うことになり明日に備えて休むことにした。

 

 

6/23 木 雨/曇

 

 

行動を起こす前に学校で少し相談をする。

「昨日のマヨナカテレビだと久慈川りせに間違いないな」

「うん、昨日のは顔も見えたから間違いないね」

陽介の言葉に僕は頷く。

「じゃあ、やっぱり犯人に狙われるのはテレビで報道された人ってことだよね」

「うん、山野アナ関連というのは消えたっぽいよね」

天城さんの言葉に里中さんが同意する。

「で、りせだけど朝ちらっと見たらまだ店にいた。マヨナカテレビにバラエティみたいなのが映るのはやはり本人が放り込まれた後みたいだな」

「あれって被害者自身が生み出したものって前に言ってたよね。どういうものかは最初はイメージつかなかったけど今はそうなのかなって思う。映像に出てくるのもう一人の自分なわけだし。入った人の本音が無意識に見えちゃうのかも……」

「けどさ、マヨナカテレビっていなくなる前から見えるじゃん? いまいちはっきり見えないやつ、あれはなんなわけ?」

天城さんの言葉に里中さんが疑問を投げかける。

確かに入ってからシャドウのをマヨナカテレビとして映るのはともかく事前に映るのは説明がつかない。

「事前に確実に映るとなるとまるで予告みたいだよな」

「犯行予告ってわけ? 誰に予告してるの? なんのために?」

陽介の言葉に里中さんは問いかけるけど

「犯人に聞けよ。俺だって色々わかんないんだからさ」

「結果的に予告に見えてるとか? 被害者だけでなく犯人の心も映してるとか」

陽介の言葉に天城さんが続けて推理を口にする。

「じゃあ犯人はテレビの中にいるクマ?」

犯人の心をピンポイントで映してくれるほど都合はよくないと思い僕は口にする。

「それはないと思うが……犯人の心を映すってのはあるかもな。人をテレビに入れるってことは犯人も俺らと同じ力持ってるって事だし」

そっか、今回の場合犯人も僕らと同じ、またはそれ以上の力を持っているかもしれないんだ。

「じゃあ、あれは犯人のこれから襲うぞーって言う妄想?」

「それはわからないけど……」

僕たちの考えは推測でしかないし確かめる手段ないからなあ……

僕たちは頭を抱える。

「ところで完二くんついてきてる? さっきから一言も喋ってないけど……」

「はえ……? あー……まー、その……」

「おいおい、明久でさえついてきてるんだからしっかりしろよ」

「ちょっと、陽介!? 僕でさえってどういうこと!?」

「まあ、明久くんだしね……で、完二くん、寝てたんじゃないだろうな?」

里中さんまでも僕だからで済ませてしまう……

「そんなことねえっスよ。すんごい推理中」

完二は言い訳するが授業中よく寝ている僕の目は誤魔化せない。寝てたな。

その後も動機の面から予想するけど完二と天城さんの共通の恨みとか思いつかないしで結論は出ない。

「結局捕まえて喋らせるしかないんだよね」

「ってことは張り込み?」

僕の言葉に里中さんが尋ねてくる。

「うん、雄二たちも後から合流してくるし」

そう結論をつけて僕たちはマル久豆腐店に向かうことにした。

 

 

「あれ?」

「ん、どうした、明久」

マル久豆腐店の近く、四六商店で買い物をしようとすると見覚えのある人影が見た。

「足立さんに……」

僕たちを見張るように立っている足立さんと

「ムッツリーニ!?」

巧妙に隠れているムッツリーニを発見する。

「足立さんはともかくお前よく土屋を見つけれたな……」

もしムッツリーニがこの辺の地理を把握していたら僕も見つけられなかっただろう。

「こんなところでなにしてるんですか?」

僕はまず足立さんに話しかける。

「あ、うん、聞き込みの最中……ったく、なんでこんな子供見張る羽目に……」

後半はなんて言ったかよく聞き取れなかったけど……

「それより、君らこそ何してるの?」

「今から豆腐屋にりせちーの様子見に行くんですよ」

僕たちはファンとは言ってるしそんなにおかしくはないだろう。

「あ、そうなんだ。僕もちょうど行くところだったんだよ」

そっか、足立さんでも現役の刑事さん、一緒にいると頼りになるかもしれない。

僕は陽介に合図して足立さんの相手を任せてムッツリーニに話しかける。

「ムッツリーニは何でここに?」

「…………昨日の話から恩を売れば写真を取らせてもらえると思って来た」

まだ諦めてなかったんだ……

「雄二たちもまだ来てないのにムッツリーニはどうやってきたの?」

雄二たちも学校終わってすぐこっち向かってるはずなのになぜかムッツリーニは先についている。

「…………俺の機動力を侮るな」

エロが絡んだときのこいつの行動力はやはり侮れない……

「とりあえず一緒に張り込みをするってことでいいのかな?」

僕の言葉にムッツリーニは頷く。そしてムッツリーニと足立さんを加えて僕たちは張り込みを開始した。

 

 




遅くなってすみません。ちょっと忙しいのとPCの都合でもうしばらく更新遅くなるのをご了承ください。
ではまた次回もよろしくお願いします。
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