バカと田舎とペルソナ   作:ヒーホー

93 / 101
ボイドクエスト編
第九十二話


7/10 日 曇

 

 

久慈川りせを助けたことで昨夜は霧が出たけどマヨナカテレビは何も映らなかった。

でも今日はなんか外が騒がしい。そのせいで日曜というのに早く目が覚めてしまった。

 

Prrrr Prrrr

 

のんびりしてると携帯が鳴る。表示を見ると里中さんみたい。

「もしもし?」

『た、た、たいへん!』

電話に出た瞬間里中さんの慌てた声が聞こえる。

『商店街のはずれで死体が見つかったって!』

「え? ついに雄二が霧島さんに殺された?」

『そうじゃなくて事件だよ! あたしたち助けたはずなのに!』

そういえば僕たちが追っていたのは殺人だった……ここしばらく誘拐の方ばかり考えてたから忘れてた。

「ってそれはおかしいよね!? 僕たちは事件を阻止したはずなのに!」

『う、うん、そうなの、とにかくジュネスに集まろうって雪子や花村とも話して……』

「わかった。僕も雄二に連絡してすぐに行くよ」

そのあと雄二に連絡をしたらすでにこっちに向かっているところらしい。僕が話している間に陽介が連絡していたみたいだ。

僕も慌ててジュネスに向かうことにした。

 

 

「あ、来た、こっち」

僕が着くとすでに完二と天城さん、里中さんは来ていた。

「今花村が現場のほう見に行ってる。たぶん翔子たちが来るころには戻ってくると思うけど」

そのあと少しすると雄二たちが来てそれから間もなく陽介が来る。

「ハァ……やっぱり殺人だ」

陽介が走ってきたのか少し息を切らせながら話す。

「死体、アパートの屋上の柱にひっかかってぶら下がっていたって」

「アパートの屋上?」

雄二がそう尋ね返す。

「あ、ああ、前のと同じような状況だ」

雄二が考えるそぶりを見せる。

「そ、そんなことって……」

天城さんがショックを受けたような声を出す。

「それよか大変なんだよ。殺されたの……モロキンだ」

「え!?」

「…………誰だ?」

「あ、ムッツリーニたちは知らないよね。僕たちの学校の教師で担任」

僕たち八十神高校側は知っているけど知らないだろう文月川にモロキンの説明をする。

「んだよ、コレ、狙われるのテレビに出たやつじゃねーのかよ!」

完二が驚きの声を上げる。

「ああ、それに昨日のマヨナカテレビは何も映っていなかったんだよな?」

「う、うん、それは間違いないよ」

冷静に問いかけてくる雄二に僕は答える。

「くそ、どうしてこんなことに!」

「ウチらは事件を阻止したはずなのに……」

陽介と美波が憤る。

「くそ、やっぱ警察に捕まえられないのを捕まえるなんて俺たちには無理だったのか……」

場の雰囲気が暗くなる。

「そんなことないよ、まだできることがあるはずだよ」

僕はこんなことで諦めたくない、みんなにそう声をかける。

「具体的にどうするのよ?」

「えと、どうしよう……」

と言っても僕に具体的な案があるわけではない。僕は雄二に視線で助けを求める。

「島田、残酷なことを聞くな、頭脳労働でバカが役に立つわけがない。まずは事件の確認が必要だ。マヨナカテレビに映っていなったということはテレビに放るこまれなかったか、または深夜12時以降にテレビに入れられその直後に殺されたかのどちらかだ。まずはクマにあって事実を確認しよう」

雄二は僕たちと違い冷静にそういう。

「そ、そうだな」

「そのそうだなっていうのは後半の部分に対してだよね? 僕が頭脳労働で役に立たないってことへの同意じゃないよね!?」

「両方かな」

僕の言葉に陽介があっさり答える。

「仕方ないわね、アキだし」

「……大丈夫、吉井は他のことで頑張ればいい」

「美波はあっさり同意しないで!? そして霧島さん、それって僕がバカってこと否定してないよね!?」

「それじゃ、バカやってないでクマくんのところに向かおうよ」

僕たちはそのまま家電売り場に向かうことにした。

 

 

「あれ、店員さんがいる」

家電売り場には珍しいことに店員さんがいた。

「おつかれーっす。何かあったんすか?」

なにか話しているようなので顔見知りらしい陽介が訊ねる。

「あ、陽介君、ちょうどよかった。店長から何か聞いてない?」

「なにかって?」

「いや、さっきから売り場に妙な着ぐるみがいるんだけどさぁ……今日何かのキャンペーンだっけ?」

「着ぐるみ?」

へえ、今日何かのキャンペーンなのかな。安売りしていたら今日の夕飯を買っていくのもいいかも。

「熊田さんっていうらしいんだけど」

「熊田って、まさか……」

「あれ、雄二、心当たりあるの?」

「着ぐるみで熊田……」

「……今までその発想はなかった」

「…………俺たちが出れるならあり得ない話じゃない」

「?」

僕以外のみんなになにか心あたりがあるようだ。

「うわ! いる!?」

そして里中さんが驚きの声を上げる。

そんな着ぐるみで驚くようなことじゃにと思うけど……そう思って視線を向けると。

「うわ!? なんでクマがここにいるの!?」

そこにいたのはテレビの中にいるはずのクマだった……




日常編を書いていてネタに詰まったため本編を進めることにしました。どうも筆の進みが悪いみたいです。
テンションブースターにVITAテレビを買いました。これでP4Gができる! いや、今はほかのゲームをやってるんですが……
ということで早々にボイドクエスト篇に入りました。今回はちょっと短いのはご容赦ください。
では次回もよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。