バカと田舎とペルソナ   作:ヒーホー

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第九十六話

7/23 土 曇

 

 

「終わったー」

結局事件に進展はないままテスト最終日を迎えた。テスト終了後の教室で陽介が安堵の声を上げる。

「はは、確かに終わったかも……」

「あれ? どうしたの吉井くん」

僕の顔を見て里中さんが声をかけてくる。

「あたしは文月の学園祭んときに勉強したから今回結構自信あるんだけど……吉井くんダメだったの?」

「あ、うん、確かにあの時は勉強したんだけどね……」

「明久、まさかお前……」

僕の言葉に陽介が何かに気付いたような顔をする。

「もしかしてあの時成績上がったから油断して期末の勉強しなかったとか?」

「うん……実はそうなんだ」

天城さんの言葉に僕は頷く。

「おいおい、赤点とかじゃないだろうな?」

「ど、どうだろう……」

一年の時の振り分け試験は自分ができないことにすら気付かなかったけど一度成績が上がったせいで自分の出来の悪さを自覚できるようになってしまった。

「うーっス……」

「お疲れ様……じゃないや、こんにちは」

「これはまた……明久のように結果が悪かったぽい二人が来たな」

「花村先輩はできたんスか?」

「赤点は確実に取らない程度にはな」

完二の言葉に陽介は答える。

「明久先輩、一緒に頑張りましょう」

「せめて先輩と一緒の教室なら頑張れるのに、学年違うもんね」

「まだ赤点って決まってないからね!?」

僕は一年生二人にもそんな目で見られているんだろうか。

「もうテストの話は良いっスよ。それより事件の方どうなってるんスか?」

完二が話題を変える。

「そうだね、雄二達もテスト終わってこっちに来るし、集まって話そうか」

「そうだな、久しぶりに特捜本部で集まるとするか」

僕の言葉に陽介も続いて僕達はジュネスのフードコートに場所を移すことにした。

 

 

ジュネスで文月のメンバーと合流した。

「なんかちょっと気ぬけたね。あ、いやテスト終わったこともそうだけど容疑者固まったってやつ。なんていうか……あたしらしか解決できないんだ、みたいに気負ってたから」

「まだわかんねーよ。犯人逮捕されたわけじゃねーし」

里中さんの言葉に陽介が答える。

「俺たちはテレビには入れるが逮捕はできない。警察が逮捕できるならそれが一番良いことなんだがな」

そう言う割に雄二に顔は冴えない。

「結局は情報待ちってとこっスね」

完二が

そう返す。

「ったく、容疑者上がったのは良いけどどこにいるんだっつの……こっちはもうクタクタだっての……」

そう言ってとおりすがったのは……足立さん?

「あれ? 足立さん、どうしたんですか?」

僕が声をかけると足立さんは驚いたような顔をする。

「おわっ、君たち、今の聞いてた? ……あはは、事件はもう解決に向かっているから! 犯人が捕まるの時間の問題だから、安心したまえ。無差別に人を浚って殺人なんて絶対許されないからさ。キバっているよ!」

「なあ、刑事さん。容疑者のやったことって3件の殺人事件なのか?」

雄二がなぜか今更のことを聞く。

「え? ああ、うん、そうだよ」

それに対して足立さんも答える。

「そうか……」

それに対して雄二は考え込む。

「何か気になることでもあるの?」

「ん? ああ、何でもない、気にするな」

僕の問いかけに雄二はそう答える。まあ、こいつが何かいろいろ考えるのはいつものことか。難しいことを考えるのは僕の役目ではないので気にしないことにする。

「あ、もう行かないと……」

そして足立さんは仕事に戻っていく。

「なんか頼りねーな」

「大丈夫だよ、叔父さんも頑張ってるし」

「確かに堂島さんは頼りになりそうだけどあの人はな……」

僕の言葉に陽介は足立さんの立ち去った方向に不安そうな目を向ける。

「けど警察が手配してるならウチらの出る幕ないんじゃない?」

「…………警察は苦手だ」

ムッツリーニが警察が苦手な理由は触れないほうがよさそうだ。

僕達にできることがないせいかちょっと空気が重くなる。

「そ、そうだ、テストでわかんないとこがあったんだけど」

りせが雰囲気を変えるために話題を変える。そして僕の方を見て質問をしようとするが……

「まて、久慈川、勉強の質問を明久にしても無駄だ」

「そうね、アキにするくらいなら翔子とか雪子に訊いたほうが良いわよ」

質問をする前に雄二と美波が止める。

「え? だってどうせなら異性の先輩に聞きたいでしょ? 坂本先輩や土屋先輩は学校違うし、花村先輩と明久先輩なら明久先輩に聞きたいなーって」

「え? ちょ、なんで花村よりアキに!?」

りせの言葉になぜか美波が激しく動揺する。

「だって明久先輩って話しやすいし」

「そ、そう、それだけよね、それならわかるわ」

「なあ、何気に俺の扱い悪くね?」

美波とりせの会話に陽介が少し落ち込んだように言う。

「まあ、気にするな、俺はむしろ俺の方に矛先が向かなくて安心している」

「雄二は他の女の子に頼りにされたら霧島さんに殺されるしね」

「……そんなことはしない。雄二は頼りになるから仕方ない」

「そ、そんなことよりクマのやつはどうしたんだ?」

霧島さんの言葉に雄二が動揺して話題をかえる。

「あ、そっか、それの連絡するの忘れてた。ほれ、あそこ」

それに対してクマを引き取ることになった陽介がフードコートの端を指さす。

そこにはいつもの着ぐるみ姿で子供たちに風船を配るクマがいた。そして僕達の視線に気づくと手を振ってくる。

「住み込みで働かせることにしました。マスコット」

「あー、むしろ着せたんスね。逆転の発想だ」

「…………生活費も稼げて一石二鳥」

完二とムッツリーニが感心したように声を上げる。

「あっちに帰るのが嫌だって言うから仕方なくな。さて、暇だからからかってくるか」

「ふかふかに触っていいスかね」

「先輩、私たちもいこ!」

そしてりせが僕を引っ張っていく。

「うわ、この子積極的だ」

なぜか美波の視線が怖いような気がした……そしてそのままクマをからかって今日は解散した。

 

 

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皆さんお久しぶりです。大変お待たせして申し訳ありませんでした。
前のあとがきでも書きましたが職場の体調不良者の続出がまだ続き毎日残業していて書く暇がありませんでした……私自身健康ではあったんですが残業後だと書く気力がなくて……申し訳ありません。
ということでテスト終了まで時間は飛びました。
次回は早く書けると良いなあとは思いますが状況次第ということで。
では次回もよろしくお願いします。
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