遊戯王ARC-Ⅴ 夜天の来訪者   作:ドロイデン

16 / 73
Episode15 夜天vs沢渡 (後編)

「な!!てめぇは遊勝塾の!!」

 入って早々、目的の人物はそこに居った。

「久しぶりやな~親の七光りのぼんぼん雑魚デュエリスト君?」

「「会って早々にディスってるよこいつ!?」」

 取り巻きの突っ込みに沢蟹……もとい沢渡は睨み付ける。

「それで、いったい何のようだ。こっちは忙しいのによ」

「ぼんぼんがこんなところにいる時点で忙しいもへったくれもあるかいな。まあええわ、とりあえず遊矢にちょっかい出そう思うてるらしいって聞いたんやけど?」

「ち、また榊遊矢か……」

 沢渡は舌打ちをすると睨んでいた目がさらにキツくなる。心なしかどす黒いオーラのようなものまで見える。

「どいつもこいつも榊遊矢ばっかり……はっきり言ってうぜぇんだよ!!」

「さ、沢渡さん?」

「い、いったいどうしたんすか?」

 取り巻きの何人かが声をかけるが、沢渡のオーラはさらに増していく。

「許さねぇ……俺を負かしたあの榊遊矢を……壊してやる……全部全部ぶっ壊してやる!!」

「!!柚子ちゃん下がって!!」

 私が慌ててそういうと私はデュエルディスクを構える。

「沢渡、私とデュエルや」

「あぁ!?ちょうどいいぜ!!てめぇら全員ぶっ潰してやるからよ!!」

 沢渡もディスクを構える。

「「デュエル!!」」

 

はやて LIFE4000

沢渡 LIFE4000

 

「先行は私や、私は『星因士 デネブ』を召喚!!」

 

『星因士 デネブ』 ☆4 A 1500

 

「効果でデッキから『星因士 アルゴル』を手札に加える。私はカードを三枚枚伏せてターンエンド」

 

はやて 手札2(『星因士 アルゴル』) LIFE4000

『星因士 デネブ』 A 1500

伏せカード三枚

 

「俺のターン、ドロー!!俺は魔法カード『帝王の審判』を発動!!このターン相手が受けるダメージを半分にする代わりに、ターンのエンドフェイズまで、相手は魔法、罠カードを使えなくするぜ!!」

「そんな事させるか!!リバースカード――」

「残念だったな!!このカードの効果に対しても魔法、罠カードは使えない!!」

「な!!インチキ効果も大概にせいや!!」

「なんとでも言いやがれ!!さらに俺は『氷帝家臣エッシャー』を特殊召喚!!こいつは相手フィールドに魔法、罠カードが二枚以上あるときに特殊召喚できる!!俺は二体のエッシャーを特殊召喚!!」

 

『氷帝家臣エッシャー』×2 ☆4 A 800

 

「さらに俺は二体の『エッシャー』をリリースして、手札から『凍氷帝メビウス』をアドバンス召喚!!」

 

『凍氷帝メビウス』 ☆8 A 2800

 

「効果でテメェの魔法、罠カードの三枚全部破壊だ!!」

「く!!」

「バトルだ!!俺は『凍氷帝メビウス』で『星因士 デネブ』に攻撃!!」

「うぁぁ!!」

 

はやて LIFE 4000 → 3350

 

 『メビウス』が起こしたもう吹雪に『デネブ』が吹き飛ばされ、私はおかしな現象に気付く。

(なんや……なんでユートや隼と戦ったときみたいな感覚がする?)

 そう、この世界のスタンディングデュエルは痛みなどを感じるはずが無い。ユートや隼のようにアカデミアを倒すために来たわけではない沢渡がこんな力を持っている筈がないのだ。

 だが実際にそれは起きている。事実として『メビウス』が放った吹雪が倉庫内を吹き荒れ、辺りが少しずつ凍り始めてる。

「俺はカードを一枚伏せてターンエンド!!」

 

沢渡 手札1 LIFE4000

『凍氷帝メビウス』 A 2800

伏せカード一枚

 

「大丈夫はやて!!」

 柚子ちゃんが心配して声を掛けてくる。

「大丈夫やで。しかしあの沢渡、なんか雰囲気変わってへんか?」

「確かに……なんか変な感じがするけど……」

 どうやら私の勘違いではなく、本当にそうなっているみたいだ。

「……柚子ちゃん、そこで腰抜かしとる取り巻きと急いでここから離れて遊矢に連絡してや、なんか危険な気がする」

「わ、分かった!!」

 そういって柚子ははやての言葉通りに取り巻きを連れて倉庫から待避する。

「行くで……私のターン、ドロー!!魔法カード『トラップ・スタン・ドロー』を発動!!お互いに墓地の罠カードをデッキに戻すことで一枚ドローする!!墓地の『神星なる因士』を戻して一枚ドロー」

「俺の墓地に罠カードはないからドローできねぇ」

「そして私は『星因士 アルゴル』を召喚!!」

 

『星因士 アルゴラ』 ☆4 A 800

 

「『アルゴル』が召喚、特殊召喚、反転召喚されたとき、デッキから『テラナイト』モンスター2体を特殊召喚する!!私は『星因士 シャム』と『星因士 ベガ』を特殊召喚!!」

 

『星因士 シャム』 ☆4 A 1600

『星因士 ベガ』 ☆4 A 1200

 

「さらに特殊召喚された二体の効果発動!!『ベガ』の効果で手札から『星因士 アルタイル』を特殊召喚!!さらに『シャム』の効果で1000ポイントのダメージや!!」

「チ、ふざけやがって!!」

 

『星因士 アルタイル』 ☆4 A 1700

 

沢渡 LIFE 4000 → 3000

 

「さらに私は『アルタイル』の効果で墓地の『星因士 デネブ』を特殊召喚して、効果で『星因士 シリウス』を手札に加える!!」

「レベル4が五体か……」

「私はフィールドのモンスター全てでオーバーレイ!!悲しみという星の夜を越えて、今こそ夜天の主に祝福を!!エクシーズ召喚!!現れや『夜天の滅騎士 ナハトヴァール』!!」

 

『夜天の滅騎士 ナハトヴァール』 ★4 A 2500

 

「なんだよ……そのモンスターは!!」

「悪いけど一気に行くで!!『ナハトヴァール』で『凍氷帝メビウス』を攻撃!!さらにORUを使うことで『ナハトヴァール』の攻撃力は『凍氷帝メビウス』の攻撃力分アップする!!」

「ち!!罠カード『ハーフ・アンブレイク』発動!!このターン『凍氷帝メビウス』は戦闘で破壊されず、受けるダメージを半分にする!!うおぉぉぉ!!」

 

沢渡 LIFE 3000 → 1850

 

「私はこれでターンエンド」

 

はやて 手札1 LIFE 3350

『夜天の滅騎士 ナハトヴァール』 ORU4 A2500

伏せカード無し

 

「ち……俺のターン、ドロー!!」

 沢渡がドローカードを確認すると、何やら不適な笑みを浮かべる。

「俺は手札から魔法カード『融合』を発動!!」

「な!!『融合』やと!!」

 私は沢渡の使ったカードに驚愕した。『帝コントロール』と呼ばれる今の沢渡のデッキは普通、融合モンスターは組み込めないのだ。

 なぜなら『帝』モンスター自体を素材にする融合モンスター事態が存在しないからだ。そもそもアドバンス召喚して効果を発動する『帝』が融合しても良さは全くないのだ。

「俺は手札の『氷帝メビウス』とフィールドの『凍氷帝メビウス』を融合!!凍てつく寒さで全てを生滅させろ!!融合召喚!!」

 現れたのは白銀に輝く『メビウス』鎧の装甲に氷のようなものでできた巨大な大斧を両手に一振ずつ持った巨人がそこには存在した。

「現れろレベル10!!『凍氷覇帝メビウス・ゼロ』!!」

 

『凍氷覇帝メビウス・ゼロ』 ☆10 A 3300

 

 『メビウス・ゼロ』が召喚されたフィールドから巨大な吹雪が吹き荒れ、倉庫内が冷凍室へと変貌した。

「どうだ!!これが俺様が手に入れた新たな力だ!!」

「く!!」

「行くぜ!!『メビウス・ゼロ』の効果発動!!このモンスターが融合召喚された時、相手フィールド全ての効果を無効にして、さらにモンスターの攻撃力を0にする!!クレパス・オ・アイス!!」

 吹き荒れていた吹雪が『ナハトヴァール』を覆い、やがて巨大な大きな氷柱のなかに閉じ込められてしまった。

 

『夜天の滅騎士 ナハトヴァール』 A 2500 → 0

 

「そんな!!ナハト!!」

「いけ『メビウス・ゼロ』!!そのふざけたモンスターに攻撃!!アイス・テラエッジ!!」

「きゃぁぁぁぁぁ!!」

 

はやて LIFE 3350 → 50

 

「俺はこれでターンエンドだ!!」

 

沢渡 手札0 LIFE 1850

『凍氷覇帝メビウス・ゼロ』 A3300

伏せカード一枚

 

「く……私のターン……ドロー!!」

 私はふらつきながらも何とかドローする。が、発生された衝撃と『メビウス・ゼロ』から発生してる吹雪の寒さで意識が少しずつ消えていく。

「はぁ……はぁ……」

「どうした?俺様に恐れをなしたか?」

「はぁ……はぁ……その余裕も……今のうちやで。私は『星因士 シリウス』を通常召喚……」

 

『星因士 シリウス』 ☆4 A 1600

 

 私が召喚したのは、おおいぬ座を関する星の戦士。私の手札にはこれ以外のモンスターは居らんかった

「なんだ?そんな雑魚モンスターしか手札にねぇのかよ!!」

「『シリウス』の効果発動……墓地の『テラナイト』モンスターを5枚デッキに戻して……一枚ドローする」

 

《戻すカード》

『夜天の滅騎士 ナハトヴァール』

『星因士 アルゴラ』

『星因士 アルタイル』

『星因士 ベガ』

『星因士 シャム』

 

 私にとって運命のドロー、あのカードを引けるかに、全ては掛かっている。

「……頼むで……ドロー!!」

 そして私はカードを引いた。そして見たカードは、私に希望をくれた。

「私は魔法カード『二重召喚』を発動!!私はこのターン通常召喚を二回行える!!」

「ふざけんな!!俺は『メビウス・ゼロ』の更なる効果発動!!このモンスターがフィールド存在する間、相手フィールドの魔法、罠カードの効果を無効に――」

「墓地の『ブレイクスルー・スキル』の効果発動!!」

「なに!!そんなのいつの間に……まさか!!」

 沢渡は思い出すように叫ぶ。そう、私は伏せていたのだ、最初の伏せカードの中に。

「『ブレイクスルー・スキル』は、このカードを墓地から除外して相手のモンスター効果をエンドフェイズまで無効にする。フィールドのカードは無効に出来ても、墓地の効果は無効にできへんからな……」

「くそ!!」

「そして私は手札から『星因士 アルタイル』を通常召喚!!効果で墓地から『星因士 デネブ』を特殊召喚してさらにデッキから『アルゴル』を手札に加える!!」

 私はフィールドのカードを確認すると、モンスター達が頷くような仕種を浮かべる。

「私は『アルタイル』、『デネブ』、『シリウス』の三体でオーバーレイ!!星の騎士よ、今宵闇から現れろ!!『星騎士 トライヴェール』!!」

 

『星騎士 トライヴェール』 ★4 A 2100

 

「『トライヴェール』が召喚されたとき、このカード以外のカードを全て手札に戻す!!」

「そんな!!『メビウス・ゼロ』が!!」

「バトルや!!『トライヴェール』でダイレクトアタック!!」

「嘘だうそだウソだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

沢渡 LIFE 1850 → -250

 

「はぁ……はぁ……」

 デュエルが終わり、私は沢渡を見る。彼は衝撃で背中から倉庫の壁に叩きつけられ、『凍氷覇帝メビウス・ゼロ』のカードが宙を舞う。

「いったい……なんやった……ん……や…………」

 そこで私の意識は途切れ、柚子ちゃんと遊矢の声が微かに聞こえるのだった。




オリカ紹介

『帝王の審判』
魔法カード
このカードが発動したターン相手が受けるダメージを半分にする。相手はターン終了まで魔法、罠カードを発動できず、このカードに対して魔法、罠カードを発動できない。


『凍氷覇帝メビウス・ゼロ』
水属性/☆10/水族/A3300/800
『凍氷帝メビウス』
   +
『氷帝メビウス』
①このモンスターは上記の素材を使用した融合召喚でのみ特殊召喚できる。
②このカードが融合召喚に成功したとき、相手フィールドの全てのカードを無効にし、モンスターの攻撃力を0にする。
③このカードがフィールドに存在する間、相手フィールドで発動した魔法、罠カードの効果を無効にする
④このカードはダイレクトアタックできない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。