遊戯王ARC-Ⅴ 夜天の来訪者   作:ドロイデン

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Episode3 夜天vsヴェルズ

「ふぁ~あ……良く寝た」

 私は布団から目を覚ますと、体を軽く伸ばしながら昨日のことを思い出しつつリビングへ向かう。

「ホント……昨日は色々あったな~」

 昨日、あのプロデュエリトのライトニング岩丸……本名、岩丸光児さんとのデュエルのあと、ひょんなことから私は彼の家に下宿することになった。

 岩丸さんの奥さんはとてつもなく容姿端麗で、『犯罪ですか?』と昨日思わず旦那さんの方に言ってしまったのはお約束やった。そして何より……

「あら?おはよう、はやてちゃん♪」

「おはようございます、美奈子さん」

 その外見がなのはちゃんのお母さん……高町桃子さんに似ている事やった。しかも顔立ち、身長、さらに体型まで事細かく似ているものやから最初に会ったときは間違えて桃子さんの名前を出しそうになってもうた。

「光児さんが居ないですけど、仕事ですか?」

「いいえ、あの人、昔から朝に弱くてね~今もまだベッドで包まってるんじゃないかしら?」

 私はそれに対して苦笑しか出なかった。因みに今、私は岩丸さんの一戸建ての家の客間の一室を間借りして生活をしている。

「起こさないでいいんです?」

「あの人は朝食ができる頃にはひょっこり起きてくるから大丈夫よ。それでも起きなかったら……」

 そこで美奈子さんは「ウフフ……」といって笑っていたが、どこからどうみても目が笑っていなかった。

「あ、そういえばはやてちゃんってあの人とデュエルして勝ったのよね?」

「え?はい、そうやけど?」

「なら今度私ともデュエルしてね?私もそれなりに強いから」

「そう言ってるが俺に勝った試しが有ったかよ?」

 いつの間にか起きたのか、光児さんは欠伸交じりにそう言った。

「あら?聞いてたの?」

「聞いてたの、じゃねえよ。起きてるの分かってて言ってるんだろ?」

「なんのことかしら?」

「たく……いいかはやて、こういう女にはなるなよ?」

「あはは……」

 私は苦笑いを浮かべてテーブルに座る。どうやら今日の朝食はパンケーキのようやった。

「って…………いきなり朝から甘ったるいな……」

「あら?偶には良いじゃない」

「まぁそうなんだが……因みに俺の皿に盛ってあるこの真っ黒なのはなんだ?」

 確かに光児さんの皿には《暗黒界》や《ヴェルズ》もびっくりなほどに真っ黒なパンケーキが一枚、それもかなり大きいそれが乗せられていた。

「貴方が好きなコーヒーの粉ををパンケーキに混ぜてみましたw」

「「oh…………」」

 これには私も光児さんも半分驚愕半分呆れて何も言えなくなってしもうた。

「仕方ない……朝飯があるだけマシだと思えばいいか」

「ふふ、じゃあいただきます」

「「いただきます」」

 私はそう言うと目の前のパンケーキを口に運んだ。途中光児さんの『真っ黒パンケーキ』を一口貰うが、それがかなりの美味やったのは余談や。

 

 

 

「塾に入る?」

 私は食後、光児さんと美奈子さんからそんな話をされていた。

「昨日のデュエル、プロデュエリストの俺に勝った事がLDSの赤馬零児に既に知られていてな」

「つまりは引き抜き……ってことやな?」

「ええ。昨日、遊勝塾の榊遊矢もあのストロング石島に勝ってるの。それに対抗してって事らしいけど……」

「ぶっちゃけ言えばそれは建前、本心ははやてが言ったようにお前を引き抜きに来たってところだ」

 そこで光児さんはため息をつきながら頭をかきむしる。

「はやてはまだどこの塾にも所属していない、いわばフリーランスのデュエリストだ。そんなお前が遊勝塾に……LDSの敵として出てくるのだけは避けたいんだろう」

「せやけどいきなりそんなことを言われてもなぁ~……せめてその榊遊矢っていう人とデュエルしてみんことにはな~」

「そりゃそうだ。まぁ時間はまだまだそれなりにある。ゆっくり考えるといい」

 すると光児さんは時計を見ると立ち上がった。

「そういうわけだ、俺は仕事があるから出かける。ま、遊勝塾に入ろうが、LDSに入ろうが俺は別にいいけどな」

 そう言って光児さんはそそくさと家を後にした。

「……あの人ったら、もう少し言い方ってものを考えないのかしら……」

「あはは……そういえば美奈子さんもプロデュエリストなんですよね?」

「まぁね~。でも数年前に第一線は退いたけど」

「なら少しで良いのでデュエルしません?1試合位なら可能やと思いますけど?」

「あら、それは良いわね~。なら早速やりましょう」

 そういうと私と美奈子さんはベランダに出てデュエルディスクをセットする。

「言っとくけど私は光児さんみたいに手加減はしないからね?」

「それで良いです。お願いします」

「じゃあ……」

「「デュエル!!」」

 私たちの掛け声と共にベランダへソリッドビジョンが走り、視界に機械的な線が入った。

 

 はやて LIFE 4000

    VS

 美奈子 LIFE 4000

 

「先行は私のターンや!!私は手札から『星因士 デネブ』を通常召喚!!」

 

『星因士 デネブ』 A 1500

 

「効果で私は山札から『星因士 アルタイル』を手札に加えるで!!さらにカードを二枚伏せてターンエンドや!!」

 

はやて LIFE 8000 

手札 5 → 3

『星因士 デネブ』 A 1500

魔罠

 伏せ二枚

 

「なるほど、『テラナイト』主体のデッキね……なら、私のターン!!ドロー」

 

美奈子 手札 5 → 6

 

「私はカードを2枚伏せて『手札抹殺』を発動、これによりお互いの手札を全て墓地に送ってその枚数分、デッキからドローする。私は3枚ドロー」

「私も手札3枚捨てて3枚ドローや」

 

〈美奈子 捨て札〉

『ヴェルズ・ヘリオロープ』

『ヴェルズ・オ・ウィスプ』×2

 

〈はやて 捨て札〉

『星因士 アルタイル』

『星因士 シリウス』

『オネスト』

 

「そして今引いた手札の『ヴェルズ・マンドランゴ』の効果発動!!自分フィールドのモンスターが相手フィールドのモンスターより少ないとき、このモンスターを特殊召喚する!!来て、『ヴェルズ・マンドランゴ』」

 

『ヴェルズ・マンドランゴ』 ☆4 A 1550

 

「さらに私は手札から『ヴェルズ・サラマンドラ』を通常召喚。そして効果発動!!墓地の『ヴェルズ・オ・ウィスプ』を除外して攻撃力を……」

「カウンター罠発動!!『神星なる因士』!!フィールドの『デネブ』をリリースしてその効果を無効にする!!さらに私は1枚ドローや!!」

 

はやて 手札 3 → 4

 

「あらあら残念。でもこれではやてちゃんのフィールドはがら空きね。バトル!!『マンドランゴ』でダイレクトアタック!!」

「罠発動!!『神星なる波動』!!このカードの効果で手札から『テラナイト』モンスターを特殊召喚するで!!私は『星因士 ベガ』を特殊召喚!!」

 

『星因士 ベガ』 D 1200

 

「『ベガ』の効果で私はさらに手札から『星因士 アルタイル』を特殊召喚!!」

「もう一枚加えたの!?なんて引きの強さよ!!」

 美奈子さんの突っ込みが入るが、とりあえずそれはスルーや。

「さらに『アルタイル』の効果で墓地から『星因士 デネブ』を特殊召喚!!そして『デネブ』の効果で山札から『星因士 アルタイル』を手札に加えます!!」

 

『星因士 アルタイル』 A 1700

『星因士 デネブ』 D 1000

 

「う~ん、ここまで展開されちゃうとやることが無いわね。でも『マンドランゴ』の戦闘は続いてるわよ、『マンドランゴ』、『デネブ』に対して攻撃!!」

 美奈子さんの言葉を受け、『マンドランゴ』の頭部の蔦が急激に成長し、『デネブ』に巻き付いて破壊する。

「けど守備表示やからダメージはないで」

「ええ、だから私はターンエンド」

 

美奈子 LIFE 4000

手札6 → 1

『ヴェルズ・マンドランゴ』 A 1550

魔罠

 伏せ三枚

 

「私のターン、ドロー!!」

 

はやて 4 → 5

 

「私は魔法カード『死者蘇生』を発動して『デネブ』を特殊召喚、効果で『星因士 シャム』を手札に加える!!」

「レベル4が3体居るって事は当然?」

「そうです!!私は『ベガ』、『デネブ』、『アルタイル』でオーバーレイ!!現れや『星輝士 デルタテロス』!!」

 現れたのは昨日も活躍した黄色の騎士で、美奈子さんは少し表情を歪ませる。

 

『星輝士 デルタテロス』 A 2500

 

「確か『デルタテロス』の効果でオーバーレイユニットがあるうちは、あなたが召喚、特殊召喚した時に私は魔法、罠カードを使えないのよね?」

「そうです。ですけどうちのターンは終わりません!!『デルタテロス』の効果発動!!オーバーレイユニットを一つ使ってフィールドのカードを破壊します!!私は右側の伏せカードを選択!!」

「伏せてたカードは『ピンポイント・ガード』よ」

「まだです!!私は手札から『ゴブリンドバーグ』を通常召喚!!効果で手札から『アルタイル』を召喚!!さらに『アルタイル』の効果で『ベガ』を特殊召喚!!『ベガ』の効果で手札にある『シャム』を特殊召喚!!」

 

『ゴブリンドバーグ』 D 0

『星因士 アルタイル』 A 1700

『星因士 ベガ』 D 1200

『星因士 シャム』 A 1600

 

「私は『シャム』の効果発動!!相手に1000ポイントのダメージや!!」

「やっぱり使うわよね」

 美奈子さんはシャムが放った弓矢を数発受ける。

 

美奈子 LIFE 4000 → 3000

 

「私は『アルタイル』、『ベカ』、『シャム』でオーバーレイ!!現れや『星輝士 トライヴェール』!!」

 

『星騎士 トライヴェール』 A 2100

 

「トライヴェールの効果「それにチェーンして罠発動『和睦の使者』、さらに『リビングデッドの呼び声』、これにより私は墓地の『ヴェルズ・サラマンドラ』を特殊召喚して、このターンのダメージを無効にする」……『和睦の使者』以外のカードは手札に戻して、さらに『トライヴェール』の効果を使ってターンエンドや」

 

美奈子 LIFE 3000

手札 1 → 4 → 3

 

〈使用したORU〉

『星因士 アルタイル』

 

〈捨てられたカード〉

『サイクロン』

 

はやて LIFE 4000

手札 3(うち『ゴブリンドバーグ』有り)

『星輝士 トライヴェール』

魔・罠無し

 

 

「私のターン、ドロー!!」

 

美奈子 手札 3 → 4

 

「私は『ヴェルズ・マンドランゴ』を特殊召喚!!さらに手札から『闇の誘惑』を発動!!デッキから二枚ドローして手札の『ヴェルズ・サラマンドラ』を除外する。」

「(このタイミングでサーチカードを引くとは)」

「私はさらに私は『ヴェルズ・オピオン』を召喚して効果発動!!墓地の『ヴェルズ・オ・ウィスプ』を除外して『ヴェルズ・ヘリオロープ』を特殊召喚!!」

 

『ヴェルズ・ケルキオン』 A 1600

『ヴェルズ・ヘリオロープ』 A 1950

 

「このターンで決めさせて貰うわよ、私は『ケルキオン』と『マンドランゴ』でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!闇に染まりし厄災の魔龍、その瞳で敵を食らい喰らい尽くせ!!『ヴェルズ・バハムート』!!」

「ちょ!!ヤバ!!」

 

『ヴェルズ・バハムート』 A 2350

 

「『バハムート』の効果発動!!ORU一つと手札の『ヴェルズ・カストル』を墓地へ送って相手フィールドのモンスターのコントロールを奪う!!」

「私のフィールドには『トライヴェール』一体だけ……」

「よって『トライヴェール』のコントロールを奪う!!侵食の魔眼!!」

 私のフィールドにいた『トライヴェール』が黒い靄に包まれてしまい、『バハムート』の真横へと移動してしまう。

 

「さらにこの効果でコントロールを奪った『トライヴェール』の効果発動!!ORUを一つ使って相手の手札をランダムで一枚捨てる!!」

 

〈送られたORU〉

『星因士 ベガ』

 

〈送られたカード〉

『ハーピィの羽箒』

 

「私はすべてのモンスターでダイレクトアタック!!」

「うわぁぁぁぁ!!」

 

はやて LIFE 4000 → 1900 → -50 → -2400

 

 

「イタタ……やっぱりプロデュエリストは強いですわ」

「そんなことないわよ。もしあの場面で伏せカードがあったらここまで上手く回らなかったわ」

 デュエルの衝撃で吹き飛ばされた私に美奈子さんは右手を差し出す。

「その腕ならLDSでもトップクラスになれるわね」

「う~ん、けど榊遊矢とも戦ってみたいし……そうだ!!」

「?」

 私はあることを考えつくと、私は美奈子さんにあることを伝えた。その目は悪戯心満載のそれだったのは言うまでもない。

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