遊戯王ARC-Ⅴ 夜天の来訪者   作:ドロイデン

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Episode43 夜天の生まれた日 七幕

「ぶっ潰すですか……こんな状態で何を言うかと思えば」

 奴は呆れたようにそう言った。

「あなたのフィールドには攻撃力2000の『パラディオス』と攻撃力2100の『トライヴェール』だけ、こっちのフィールドには効果は無効になってるけど、攻撃力2000超えの『地縛神』が4体と、あなたの娘さんが人質となってる『地縛神 Sapra』、勝てるというには程遠い陣容ですよ?」

 

「確かにな、だが俺はテメェは十二分に勘違いしてるぜ、俺は手札の二枚のカードを伏せてターンエンドだ!!」

 

流 手札0枚 LIFE2150

フィールド

『星輝士 トライヴェール』 A 2100

『輝光士 パラディオス』 A 2000

伏せカード二枚

 

「キヒヒッ、私のターン、ドロー!!バトルです!!『地縛神 Uru』で『トライヴェール』を攻撃!!」

 

「ぐあぁ!!」

 

流 LIFE 2150 → 1250

 

「く、この瞬間!!破壊された『トライヴェール』の効果発動!!墓地の『テラナイト』を特殊召喚する!!俺は『星因士 アルタイル』を守備表示で特殊召喚!!さらに『アルタイル』の効果で墓地の『星因士 デネブ』を特殊召喚!!」

 

『星因士 アルタイル』 D 1300

『星因士 デネブ』 D 1000

 

「さらにデネブの効果発動!!デッキから『星因士 シャム』を手札に加える!!」

 

「キヒヒッ!!そんなことをしたところで、今さら何が変わるというのですか!!」

 

「まだだ!!リバース罠『リビングデッドの呼び声』!!墓地の『星因士 ベガ』を特殊召喚!!そして効果でさっき手札に加えた『星因士 シャム』を特殊召喚して効果発動!!1000ポイントのダメージだ!!」

 

「キヒヒッ!!無駄な足掻きを」

 

サキュラ LIFE 3900 → 2900

 

「ですが、そんなカードを並べたところであなたに勝てるわけが……」

 

「そいつは、俺が伏せたもう一枚の伏せカードを見てから言ってもらおうか」

 

「なに?」

 

「罠カード!!『ワンダーエクシーズ』!!」

 

「な、なんだと!!そのカードは!!」

 

「このカードは、発動時に自分フィールドのモンスターでエクシーズ召喚できる。俺は『ベガ』、『デネブ』、『アルタイル』でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!現れろ、『星輝士 トライヴェール』!!」

 

『星輝士 トライヴェール』 ★4 A 2100

 

「このカードの効果はさっきもくらって知ってるよな!!エクシーズ召喚に成功したとき、フィールドのこのカード以外のカードを全部手札に戻す!!よって、テメェのその『地縛神』も全て手札に戻ってもらおうか!!」

 

「ぐっ……!!」

 

流 手札 0 → 2

サキュラ  手札 1 → 10

 

「だ、だがフィールドを離れた『地縛神 Aslla piscu』の効果発動!!相手フィールドのモンスターを全て破壊して、その数×800のダメージを与えます!!」

 

流 LIFE 1250 → 450

 

「だが、『トライヴェール』は破壊されたとき、墓地の『テラナイト』を特殊召喚できる!!俺は墓地に眠るもう1体の『トライヴェール』を特殊召喚!!」

 

『星輝士 トライヴェール』 ★4 A 2100

 

「ヌググ!!認めません、認められるか!!私は手札からフィールド魔法『地縛招来の地』を再び発動し効果発動!!自分フィールドにモンスターが存在しないとき、手札からこのモンスターを特殊召喚する!!再び現れろ、『地縛神 Sapra』!!」

 

『地縛神 Sapra』 ☆10 A 0

 

「『地縛神 Sapra』の効果発動!!デッキからカードを3枚オープンして、『地縛神』があれば特殊召喚し、ライフを1体につき1000回復する!!一枚目、『デーモンの将星』、くっ二枚目、『死者蘇生』、三枚目ぇ!!『トリック・デーモン』…………」

 

「三枚とも大ハズレ、全部除外してもらおうか!!」

 

「まだだ、まだ私は負けていない!!手札から装備魔法『デーモンの斧』と『魔導士の力』、そして『悪魔のくちづけ』を装備する!!」

 

『地縛神 Sapra』 A 0 → 3200

 

「私はこれでターンエンド!!」

 

サキュラ 手札 5枚(うち『地縛神』4枚)

フィールド

『地縛神 Sapra』 A 3200

『デーモンの斧』 装備魔法

『悪魔のくちづけ』 装備魔法

『魔導士の力』 装備魔法

『地縛招来の地』 フィールド魔法

 

「俺のターン……ドロー!!……俺は手札から魔法カード『死者蘇生』を発動する!!」

 

「こ、この場面で『死者蘇生』を引くだと!!」

 

「その効果で、俺は墓地の『アルタイル』を復活!!そして効果で墓地の『ベガ』を特殊召喚し、さらに効果で手札の『シャム』を特殊召喚!!ダメージを喰らえ!!」

 

「キヒヒッ!!」

 

サキュラ LIFE 2900 → 1900

 

「俺は三体のモンスターでオーバーレイ!!光の三連星よ、今交わりて全ての闇を照らし出せ!!エクシーズ召喚!!現れろ、『星輝士 デルタテロス』!!」

 

『星輝士 デルタテロス』 ★ A 2500

 

「あ、あぁ…………」

 

「『デルタテロス』の効果発動!!ORUを一つ使い、フィールドのカードを一枚破壊する!!『地縛神 Sapra』を破壊する!!」

 

「バカな!!そんなことをすれば貴様の娘が息絶えるぞ!!」

 

「残念だったな!!俺の後ろにはもう頼もしい友人がスタンバってるんだよ!!」

 その言葉を聞いて、今まで静観していた親友が姿を表し、それに伴いその直属の部下二人も現れる。

「私の名は時空管理局大佐、ギル・グレアムだ。君にはロストロギアの不正使用及び拉致監禁、さらに危険行為の実行犯としての容疑がある。大人しく投降すれば命だけは保証しよう」

「そんな……こんな事が……」

「遅かったなグレアム……」

「特別医療班の準備に手間取ってね。さて、どうする流」

「決まってるさ、こいつにはきつい一発をかます!!やれ、『デルタテロス』!!」

 俺の言葉を聞いて、黄金輝く輝士は目の前に立つ巨大な悪魔を切り裂き、消滅させた。

「そんな…………俺の……俺の『地縛神』が!!」

「懺悔など言わせるつもりもない!!やれ『デルタテロス』!!奴にダイレクトアタック!!」

「アァァァァァァ!!!!」

 

サキュラ LIFE 1900 → -600

 

 

 

 

「さぁ、はやてときららを解放してもらおうか!!」

 俺はデュエルが終わってすぐに奴を締め上げる。

「く……良いですよ別に。()()()()()()()()()()()()

「な!!」

「あなたは致命的なミスをした。あなたが倒した『地縛神』はあなたの奥さんと娘さんの三人と魔力で直接繋がってる状態でした……それをあなたは繋がってるまま絶ちきった」

「!!茜!!」

 俺は奴をアリアに任せて茜のもとへ駆け寄る。その顔はいつもより白く、そして同時に涙が出るほど青かった。

「あか……ね……生きてるんだろ…………返事をしてくれよ…………なぁ……あかね」

 俺は震える指で彼女の頬に触れる。それはまるで氷のように、脅えるほどに冷たかった。

「ロッテ……治るんだろ……茜は……ちゃんと目を…………」

「…………」

 俺の問に、ロッテは寂しいほどに口を閉ざした。それが何を意味するのか、分からない俺ではなかったが、その事を受け入れる事は出来なかった。

「ギル…………」

「…………流」

「直せるんだよな…………魔法の力なら、茜を……茜をもとに……」

「…………たとえ魔法の力でも、死んだ人間を蘇らせる事は、絶対に出来ない」

 ギルのその言葉は、俺の心を砕くには丁度だった。

「キヒヒ…………その人は逝きましたか。が、早くしなければ娘さんも危な…………ガッ」

 奴は不貞不貞しく笑った途端、いきなり口から血を出して倒れる。さらに左腕のデュエルディスクが突然歪んだかと思うと、それは触手と共に奴を呑み込みはじめる

「バカな……闇の書が……私を飲み込もうとしてるだと!!そんな馬鹿な事が!!」

「テメェ!!」

「キヒヒッ!!八神流!!あなたの娘さんは奥の建物に居る!!助けたければ急ぐことだなぁ!!キヒッ、キヒヒッ、キヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!」

 その断末魔と共に、奴は触手に飲み込まれ、あとには男のローブの布切れが残るだけだった。

「はやて……きらら……くそぉぉぉ!!」

 俺は走った。奴が残した言葉の示す建物を目指して。  ついたそこのドアを開けると、茜のように肌が白みがかった娘達の姿を見つけた。

「はやて!!きらり!!」

 俺は急いで駆け寄った。幸い二人ともまだ体温はあり、呼吸も不安定だがしっかりとしていた。

「よかった……よかった…………」

「流!!危ない!!」

 ロッテの言葉に振り向いてみると、俺はまるで茫然と見つめるだけだった。目の前には闇色に輝く分厚い本、そしてその周りを触手が覆っている。

 途端に激痛が体を襲った。傷む場所、腹をよく見るとそこには大きな触手が1本、俺の腹を貫いていた。

「闇…………の…………書?」

 その言葉に答えるかのように触手は一気に俺の体を引き抜き、空いた穴から血がどぼりと零れ落ちる。

「流!!」

「…………ぁ」

 ロッテが叫んだように聞こえた。けど、どこか耳鳴りのようなものに邪魔され、全くもって聞こえない。

 声を返そうにも全くもって何も言えない。

 その様子を闇の書はまるで不思議そうに見つめていた。

「……闇の書…………やてを……きら…………たの…………む」

 その言葉を最後に、俺の、八神流の生は終わった。

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