「う~ん、やっぱり茜や僕に似て強いね、はやて」
お父さんは頭をポリポリと引っ掻きながら、笑ってそういった。
「当たり前や。私は、お父さんとお母さんの自慢の娘やもん!!」
「うんうん、そうだね」
私がそう答えると、お父さんは優しく頭を撫でてくれる。
と、その時だった。お父さんとお母さんの体が少しずつ、しかしゆっくりと足元から消えてきていた。
「……どうやら、ここまでみたいだな」
「お父さん……」
私が寂しそうに呟くと、お父さんは私のことを抱き締めてくれた。それと一緒にお母さんも一緒に抱いてくれる。
「はやて、多分お父さんもお母さんも、もう二度とはやてと出会えないかもしれない。だけどはやて、はやての心には僕らはずっといるんだ」
「だからね、はやては一人や無い。はやての回りには友達もおるし、私達も遠いところから見守っとる。だから、心配せんでエエよ」
「お母さん…………」
「だからはやて、自分が一人だなんて思わないでね…………ずっと…………ずっと一緒だからね…………」
「そうだぞ…………僕らは…………僕達は…………」
「「家族なんだからね」」
その言葉と共に、お父さんとお母さんは消えてしまって、回りには再び闇の空間だけが残った。
「子鴉…………」
ディアーチェはまるでこうなるのを見越したようにこちらを見つめていた。
「これで分かったであろう、貴様は自分の事を過小評価し過ぎる余りに、自分との絆を蔑ろにしてきた、と」
「…………そうやね」
「停滞は罪ではない、進歩しすぎれば他者との絆を失い、退化しすぎれば他者から邪魔者と呼ばれる。世界とはそういうものだ」
「…………」
「だが、停滞したうえで何も学ばない事こそが真実の罪だ。貴様は自分自身が恐れていた『孤独感』と『他者と繋がること』を、今まさに払拭しえた。なれば、お前は今こそ、真の『夜天の主』となった」
彼女はそう言うと、手持ちの魔導書……恐らく『紫天の書』を片手で開く。
「子鴉、いや八神はやてよ。次に会うときは、本気の我が貴様を叩き潰す」
「……そうはいかんで。叩き潰すんやなくて、」
「一緒に楽しもうで?」
「ふん、言ってろ子鴉が」
その一言と共に、私たちの闇は消え、舞台は再び現実へと戻るのやった。
リリカルside なのは視点
「う~負けた~」
私はデュエルに負けて少しだけ膨れていた。
「仕方ないよなのは、相性が悪かった」
「『フォーミュラ』あったら余裕で勝ってたもん!!全力じゃなかったもん!!」
こうなったらアカデミアの連中に八つ当たりしてやるの。そう思いながら私はデッキを弄くることにした。
「いや~久しぶりに良いデュエルやったで」
ロッテさんが楽しそうにそう言ってくる。フェイトちゃんもそうだけど、ロックバーンとか相手にするのはホントに嫌いなの。
でも、今のロッテさんにそういう事を言ったら失礼と思い静かにする。
「二人とも、今の私達を見てくれるといいな……」
「そうだね、父様」
グレアムさんとアリアさんもロッテさんを見てそういう。
「……やれやれ、ここが問題の女の子の部屋か」
「「「「「「!?」」」」」」
突然の声に私たちは驚き、ドアの方を向く。そこには紫の髪に、まるで蛇のような鋭い目を持った少年がそこにいた。さらに良く見てみれば、両腕には
「きらり!!」
はやてちゃんの妹であるきらりちゃんが抱かれていた。
「悪いけど、この女の子は預からせてもらうことにするよ」
「ま、待つの!!」
慌てて腕を掴もうとしたとき、突然の光が輝き、それが消えたとき、彼ときらりちゃんは消えていた。
「きらり…………きらりぃぃぃぃぃーーーー!!」
ロッテさんの叫びが、病室中に響く。どうやらはやてちゃんだけじゃない、私たちも巻き込まれる運命にあるようだった。