遊戯王ARC-Ⅴ 夜天の来訪者   作:ドロイデン

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Episode51 夜天vs悪魔人形

「さて主、二日後舞網チャンピオンシップの頃合いでしたね」

 リインがソファーに座りながら聞いてきた。

「せやね。私は修行の一環で出ることは確定したし、そういうリイン達はどうなん?」

「私もユート達も名義上は遊勝塾の塾生扱いになってますので、無敗の6連勝を無事に果たしましたよ」

 リインはことなげに言うが、実際あのレベルなら無敗なんて当たり前すぎる、寧ろ相手の方が心配やった。

「それでですね主、少しだけ問題がありまして」

「問題?」

「榊遊矢が、融合、エクシーズの両召喚方をマスターしてしまったのです」

「な!?」

 早すぎる、私は単にそう思った。融合召喚は未だしもエクシーズ召喚はユートが遊矢の体に乗り移ってからの筈なのに。

「……とりあえず、遊矢と話をする必要があるかもやな」

「そうですね……」

 そのとき、まるでタイミングを図ったようにインターホンが鳴り響いた。新聞屋とかかと疑問に思いながら玄関に向かってみると、そこにいたのは意外な人物やった。

「久しぶりだね、はやて」

「そ、素良!?どうしてここに!?」

 紫雲院素良、うちらが所属する遊勝塾生にして、融合次元のスパイである少年やった。

「ちょっと遊矢の事でね、最近戻ってきたって聞いたから相談に乗って貰おうかな~って」

「そういうことやったか、別にエエよ。とりあえず上がってや……そこに隠れとる二人も、な」

「「ギクッ!!」」

 私の言葉にいそいそと現れたのは権ちゃんと柚子ちゃんの二人やった。どうやら三人で来たようだった。

「えっと、どうして分かったの?」

「なんとなく素良が一人で来るなんておかしいと思ったからな~、二人が居てもおかしくは無いかと」

「さすがはやてだな……」

 権ちゃんは納得するように頷き、二人も素良と一緒に家のなかに入るのだった。

 

 

 

「「「…………」」」

 はてさて、家のなかに入れたは良いものの、テーブルについてすぐに素良、ユート、隼の三人が無言でにらみ合いはじめてしまった。

(……い、いったいどうしたんや、三人とも)

(なんでも、はやてがいない間にデュエルして引き分けたらしくて、それを未だに根に持ってるみたいなの)

(おかげではやてが戻ってくるまでは、毎日緊張が走っていたものだ)

(……いや、絶対に『アレ』が原因やろ……)

 原作を知っとるから、互いに侵略してされての関係やからだとはわかるが、正直ここでそれをやるのは勘弁やった。

「……で素良、正直なところ遊矢はどんな感じなんや?」

「あ、うん。今の遊矢はなんていうか……僕と会ったときに比べて高圧的になってるんだよ。しかもパワー戦術ばかり使うし」

「例えばどんなものや?」

「どこで手に入れたのかは分からないけど、条件付きの全体破壊効果を使ったり、効果を使っただけでダメージを受けるし……」

「……ちょっとまってや、遊矢は何種類の召喚法を使うんねん」

 私は自身が持ってる『オットアイズ』カードを思い浮かべて確認する。それに答えたのは柚子ちゃんやった。

「遊矢は融合、エクシーズ、儀式、ペンデュラムをマスターしてるわ。しかもどれも強力無比なモンスターばかり……」

「……シンクロ以外は全てマスターした、いうことか……」

 はっきり言って対処できない事はない、けど一番の鬼門は遊矢が使うという儀式モンスターやった。

「(あのモンスターの効果やと、効果の特殊召喚を軸にした私の『テラナイト』デッキは悪手も悪手や……)ちなみにやけど、遊矢が使うモンスターで一番の強敵はなんや?」

「それは効果のえげつなさと言われれば、儀式モンスターの『オットアイズ・グラビティ・ドラゴン』だな。LIFEを払わねば効果を使えないとなると、ルール効果を持つ俺の『ベンケイ』等を除くとはっきり言って対処がし辛いしな」

「でも、それ以上にあの融合モンスターでしょ。はっきり言って、どうして負けたのか分からないもん」

「特殊勝利モンスターなんか?」

「ううん、普通の融合効果モンスターだった、けどそのモンスターの名前とかがよく思い出せなくて……」

 記憶を消すカード、恐らく遊矢の持ってるその切り札は精霊クラスのモンスターなんだろう。

「うん……とりあえずチャンピオンシップは二日後なんやし、遊矢のカードが分からないと対策はできへんな……」

「あ、なら僕とデュエルしてよ!!今まで僕とデュエルしたことないでしょ?」

 私がそう切り上げると、素良は無邪気に聞いてきた。

「それは別にかまへんけど、私も『エクシーズ』召喚の使い手やで?」

「……今はその事はどうでもいいよ。それにはやて、融合デッキとあんまり戦ったこと無さそうだし」

「こら痛いところ突かれたわ……」

 実際、あの修行で戦った人達のデッキは、基本的にシンクロ、エクシーズといった、どうしてもソリティアに近いデッキばかり多用してきたから、融合主体のデッキと戦うのはあまり無いことやった。

「じゃあもう夕方やけど、庭に出てやろうか」

 私は『テラナイト』ではなく、『サブデッキ』の方をデュエルディスクにセットし、オートシャッフルを起動する。

 そして素良も自分のディスクを構えて、こちらに相対する。

「「デュエル!!」」

 

はやて LIFE4000

素良 LIFE4000

 

「先行は私や!!私は手札から『銀河眼の雲篭』を召喚!!」

 

『銀河眼の雲篭』 ☆1 A 300

 

~~~~~~

 

「あ、あれははやてのサブデッキではないか!!」

「はやてのもう一つのデッキって、ドラゴンデッキだったんだ」

 

~~~~~~

 

 

 

「『テラナイト』じゃない?……けど攻撃力300じゃ意味ないよ!!」

 

「まだまだや!!さらに手札から魔法カード『トレード・イン』を使い、手札のレベル8モンスター、『銀河眼の光子龍』をリリースして2枚ドロー!!」

 

「わざわざレベル8のモンスターを捨てて……いや、違う!!」

 

「その通りや!!場の『銀河眼の雲篭』の効果!!このカードをリリースして、手札、墓地から『銀河眼の光子龍』を特殊召喚できる!!」

 

『銀河眼の光子龍』 ☆8 A 3000

 

「私はカードを2枚伏せて、ターンエンド」

 

はやて 手札2枚 LIFE4000

フィールド

『銀河眼の光子龍』

伏せカード二枚

 

「僕のターン、ドロー!!僕は魔法カード『融合賢者』を発動!!デッキから『融合』を手札に加えて、発動!!手札の『ファーニマル・シープ』と『エッジインプ・チェーン』を素材に融合召喚!!現れ出ちゃえ!!『デストーイ・チェーン・シープ』!!」

 

『デストーイ・チェーン・シープ』 ☆5 A 2000

 

 やはりというべきか、あのファンシーなぬいぐるみがあそこまでグロテスクな化け物になる演出は中々やったけど、はっきり言って、暴走状態のナハトのアレよりは何とかなるわ。

 

「……あれ?なんではやては驚いてないの?」

 

「あー、昔居たところにもっとグロいアンデットデッキ使ってくる人が居ったから、その影響や」

 

「ふーん……なら僕は魔法カード『融合準備』を発動!!エクストラデッキの『デストーイ・シザー・ベアー』を相手に見せる事で、デッキから『エッジインプ・シザー』を、墓地から『融合』手札に加える」

 

「この場面でそれを握っとるんか!!」

 

「さらに僕は『ファーニマル・ドッグ』を手札から召喚!!この効果でデッキから『ファーニマル・オウル』を手札に加えて、『融合』を発動!!手札の『ファーニマル・オウル』と『エッジインプ・シザー』を素材に融合召喚!!現れ出ちゃえ、『デストーイ・シザー・タイガー』!!」

 

『デストーイ・シザー・タイガー』 ☆6 A 1900

 

「『デストーイ・シザー・タイガー』の効果発動!!このカードが融合召喚に成功したとき、融合素材一枚につき相手フィールドのカードを一枚破壊する!!素材は二枚だから、僕は『銀河眼の光子龍』と伏せカード一枚を破壊する!!」

 

「速攻魔法『禁じられた聖杯』!!この効果で『デストーイ・シザー・タイガー』を選択して、このターンの間、そのモンスターの攻撃力を400あげる代わりに、効果を全て無効にする」

 

「う~ん、これじゃ『シザー・タイガー』の効果で攻撃力は上がらないし……仕方ない、僕はカードを一枚伏せてターンエンド」

 

「この瞬間、『シザー・タイガー』の効果は元に戻って、『デストーイ』モンスターの攻撃力はアップする……」

 

素良 手札0枚 LIFE4000

フィールド

『デストーイ・シザー・タイガー』 A 2800

『デストーイ・チェーン・シープ』 A 2900

『ファーニマル・ドッグ』

伏せカード一枚

 

「私のターン、ドロー!!……私は魔法カード『サイクロン』を発動して、伏せカードを破壊する!!」

 

「チェーンしてリバースカードオープン!!『威嚇する咆哮』!!このターン、はやては攻撃宣言できない」

 

「それにチェーンしてカウンター罠『神の警告』!!ライフを半分支払ってその効果を無効にする!!」

 

はやて LIFE 4000 → 2000

 

「さらに私は、手札から魔法カード『超再生能力』を発動!!さらに魔法カード『トレード・イン』を発動!!手札の『青眼の白龍』を捨てて、2枚ドロー!!」

 

「さらに魔法カード『手札抹殺』を発動!!互いに手札を全て捨てて、捨てた枚数分ドローする!!私の残りの手札は2枚」

 

「僕の手札は無いから、はやては2枚ドローだね」

 

はやて 捨て札

『聖刻龍 トフェニドラゴン』

『聖刻龍 シュウドラゴン』

 

「さらにフィールドの『銀河眼の光子龍』を除外して、手札の『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』を特殊召喚!!」

 

『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』 ☆10 A 2800

 

「『ダークネスメタルドラゴン』の効果!!1ターンに一度、手札、又は墓地のドラゴンを復活させる!!現れや、『聖刻龍 シュウドラゴン』!!」

 

『聖刻龍 シュウドラゴン』 ☆6 A 2200

 

「さらに『聖刻龍―シュウドラゴン』をリリースして、手札の『エレキテルドラゴン』を召喚!!『シュウドラゴン』はリリースされたとき、デッキ、手札、墓地から通常ドラゴン族モンスターを攻守0にして特殊召喚する!!現れや、『エメラルドドラゴン』!!」

 

『エレキテルドラゴン』 ☆6

『エメラルドドラゴン』 ☆6

 

「私は2体のモンスターでオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!現れや、『聖刻龍王―アトゥムス』!!」

 

『聖刻龍王―アトゥムス』 ★6 A 2400

 

「『アトゥムス』の効果!!1ターンに一度、ORUを一つ使うことで、デッキよりドラゴン族モンスタを攻守0にして特殊召喚できる!!現れや、2体目の『銀河眼の光子龍』!!」

 

『銀河眼の光子龍』 ☆8 A 0

 

「私はさらに、『聖刻龍王―アトゥムス』を素材にオーバーレイ!!現れや、『迅雷の騎士ガイア・ドラグーン』!!」

 

『迅雷の騎士ガイア・ドラグーン』 ★7 A 2600

 

「バトルや!!『銀河眼の光子龍』で、『デストーイ・シザー・タイガー』を攻撃!!」

 

「攻撃力0のモンスターで!?迎え撃て、シザー・タイ「この瞬間、『銀河眼の光子龍』の効果で、このモンスターと、バトルする相手モンスターをバトルフェイズ終了まで除外する!!」な、なんだって!?」

 

「これで『チェーン・シープ』は『シザー・タイガー』の恩恵を受けることができず、攻撃力は元の2000に戻る!!続いて『ガイア・ドラグーン』で『ファーニマル・ドッグ』を攻撃!!」

 

「ぐっ!!」

 

素良 LIFE 4000 → 3100

 

「さらに『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』で『デストーイ・チェーン・シープ』を攻撃!!」

 

「ぐぁぁ!!」

 

素良 LIFE 3100 → 2300

 

「く、けど『デストーイ・チェーン・シープ』は戦闘及び効果で破壊されたとき、攻撃力を800上げて特殊召喚できる!!再び現れ出ちゃえ『チェーン・シープ』!!」

 

『チェーン・シープ』 A 2800

 

「バトルフェイズ終了で私の『銀河眼の光子龍』と素良の『デストーイ・シザー・タイガー』はフィールドに戻る。私はこれでターンエンド、そして発動していた『超再生能力』の効果で、墓地へとリリースしたドラゴンは『トレード・イン』の『青眼の白龍』、『手札抹殺』での『聖刻龍』2枚、通常召喚での『シュウドラゴン』、そしてORU使用時の『エレキテルドラゴン』の計5枚、よって五枚ドローする」

 

はやて 手札五枚 LIFE2000

フィールド

『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』

『迅雷の騎士ガイア・ドラグーン』

『銀河眼の光子龍』

 

「く、僕のターン、ドロー!!……僕は魔法カード『魔玩具融合』を発動!!フィールドの『デストーイ・チェーン・シープ』、墓地の『ファーニマル・オウル』と『ファーニマル・ドッグ』を除外して融合召喚する!!現れでちゃえ『デストーイ・サーベル・タイガー』!!」

 

『デストーイ・サーベル・タイガー』 ☆8 A 2400

 

「『デストーイ』モンスターの攻撃力は、『サーベル・タイガー』と『シザー・タイガー』の効果で合計1000アップする!!」

 

『デストーイ・サーベル・タイガー』 A 3400

『デストーイ・シザー・タイガー』 A 2900

 

「バトルだ!!『サーベル・タイガー』で『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』を攻撃!!」

 

「く!!」

 

はやて LIFE 2000 → 1400

 

「『シザー・タイガー』で『ガイア・ドラグーン』を攻撃!!」

 

「うわぁぁ!!」

 

はやて LIFE 1400 → 1200

 

「僕はこれでターンエンド!!」

 

素良 手札0枚 LIFE 2300

フィールド

『デストーイ・シザー・タイガー』

『デストーイ・サーベル・タイガー』

 

「く、私のターン、ドロー!!……私は魔法カード『死者蘇生』を発動!!墓地より復活するんや、『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』!!」

 

「ここでまたそのカード、ちょっとマズイかな」

 

「さらに『レッドアイズ』の効果で、墓地から復活するんや、『トフェニドラゴン』!!」

 

『聖刻龍―トフェニドラゴン』 ☆6 A 2100

 

「そして『トフェニドラゴン』をリリースして、『聖刻龍―ネフテドラゴン』を特殊召喚!!さらに『トフェニドラゴン』の効果で、デッキから『神龍の聖刻印』を攻守0で特殊召喚!!」

 

『神龍の聖刻印』 ☆8 A 0

 

「この瞬間、手札の『地獄の暴走召喚』を発動!!デッキから2体の『神龍の聖刻印』を特殊召喚!!」

 

「僕のフィールドにいるのはエクストラデッキのモンスターだから特殊召喚できないよ」

 

「私は『聖刻印』2枚でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!現れや『聖刻神龍―エネアード』!!」

 

『聖刻神龍―エネアード』 ★8 A 3000

 

「『エネアード』の効果発動!!ORUを一つ使い、手札、フィールドの『聖刻』モンスターをリリースして、相手モンスターを1体破壊する!!私は残りの『聖刻印』をリリースして、『シザー・タイガー』を破壊!!」

 

「く!!」

 

「バトルフェイズ!!『銀河眼の光子龍』で『サーベル・タイガー』に攻撃して効果発動!!」

 

「く、サーベル・タイガーは破壊はされないけど、除外には耐性がない……」

 

「『エネアード』でダイレクトアタック!!」

 

「ぐぁぁぁぁぁ!!」

 

素良 LIFE 2300 → -700

 

 

 

「うぅ、さすが遊矢や権ちゃん達を圧倒するだけはあるね」

「当然や、これくらいできないと修行した意味ないもん」

 私ははにかみながらそういうと、どうしてか素良の顔が赤くなった。

「どうしたの素良?顔真っ赤やで?」

 私がそうきくと、素良は慌てて頭をふる。

「な、なんでもないよ!!じゃ、じゃあ明後日はチャンピオンシップの開会式あるんだから、遅れないでよ!!」

 じゃあね!!と、まるで慌てるように出ていった素良に首を傾げていると、どうしてか回りの皆からイタい視線を貰うことになった。……納得いかん……。

 

 

 

 

???side

 

「う~、どのデッキで行こうかな~」

 

「あ、あの……とりあえずいつものデッキで戦えば……」

 

「そうしてもいいんだけど~、やっぱり『ママ』達より弱いからどうしても全力を出せないんだよ~」

 

「そ、そういえば参加選手の一覧に見覚えのある名前がありましたよ」

 

「へ?どれどれ~、え、嘘!!」

 

「どうやらホントのようですよ。顔写真もほら……」

 

「ホントだ……う~ん、あの人が出てくるなら、当たったら全力を出せそうだね!!」

 

「そ、それでは私は食料調達に行ってきますので」

 

「はーい。……早く戦いたいな~()()()()()さん……」




さ、最後の二人は誰なんだ~(棒

というわけで、次回はチャンピオンシップ開幕&謎(?)のデュエリストとのバトルです。
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